最後、4番目、18歳選挙権導入結果を受けた選挙のあり方について。
今回、7月に執行されました参議院選挙及び東京都知事選につきまして、選挙管理委員会委員長をはじめ、委員各位並びに選挙に従事された職員の皆様の公正かつ適正に対応されました点にまず敬意を表する次第です。
既に御承知のとおり、昨年6月に公職選挙法が改正されまして、今回の参議院選挙から選挙権年齢が18歳に引き下げられました。これにより全国で240万人の18歳及び19歳の新たな有権者が生まれ、中野区においても約5,000人弱の若年層が新たに選挙権を持つことになったと伺っております。近年の選挙における投票率は低迷傾向にあり、今回の参議院選挙では新たに有権者となった若年層に対して注目が集まることとなりまして、選挙管理委員会でもこれを契機として、模擬選挙や各種啓発活動を行いながら若年層への関心を高める取り組みをさまざま行ってきたと思います。
そこでお伺いいたしますが、今回、18歳、19歳が新たな選挙人となりましたが、参議院選挙において選挙管理委員会ではこれまでにどのような若年層への取り組みを行ってきましたでしょうか。
今回の参議院選挙における中野の投票率は57%と、前回よりも3.5ポイント高くなったとの報告がありました。新聞報道等によりますと、今回の選挙では、高校などにおいて主権者教育を受ける機会の多かった18歳の投票率は高く、60%を超えたと伺っております。しかし、その反面、大学生や社会人が多い19歳の投票率では差が出る傾向があったと分析されております。改善の余地はあろうかと思いますが、18歳に対しては授業内での模擬投票などを行うなど主権者教育を行ってきたと思われます。7月上旬に開催されたということで、参議院選挙を投票できる高校3年生は全体の4分の1程度であり、18歳全員が、高校生で18歳のみんなが投票行動に移りづらい現状もあったかもしれませんが、60%という数字、3人に1人が投票所へ足を運ばなかったことになります。そもそも投票率はどこまで高くすべきなのか。投票率100%というのは投票を義務化しない限りほぼ無理な数字だと思われます。投票率のみでの議論するのは不毛かと思いますが、目安としては重要な数字であります。では、どこまで投票率を向上させるべきなのか。今回の18歳選挙権導入を奇貨として、授業で主権者教育を行った上で参議院選挙を18歳が60%という数字はその世代としてはアッパーな数字と見ることもできるのではないでしょうか。この数値を基準として投票率を向上させるだけではなく、下げさせないなどと選挙啓発のあり方について改めて考え直すいい機会になったのではないかと考えます。
そこで伺いますが、今回の中野区における18歳及び19歳の投票率はどのような傾向があったでしょうか。また、そうした結果を踏まえ、これまでの取り組みを受けて今後はどのような啓発活動や主権者教育を展開していくのか、お伺いいたします。
一方、さまざまな選挙啓発とは別に、投票しやすい環境整備を充実させていくことも大変重要であると認識しております。今回の選挙においては、駅近くの商業施設等への期日前投票所の設置とともに、期日前投票における投票時間の弾力的な設定ができるようになったことにも注目が集まりました。
豊島区では、今回の参議院選挙から、JR池袋駅の西武百貨店及び東武百貨店の2カ所に期日前投票所を設置し、両百貨店が開店する午前10時から午後8時までを投票時間として実施したと聞いております。
現在、中野区では、期日前投票所は区役所のほか五つの地域事務所を併設する区民活動センターで行われておりますが、とりわけ利便性の高い中野区役所の期日前投票所は大変混雑をしている様子です。期日前投票における投票者数の割合も年々高くなっている点からも、今後は中野駅周辺における期日前投票所を増設することも視野に検討を行っていく必要があるのではないでしょうか。投票所の立地や利用状況等を踏まえ、柔軟性のある投票所をさらに効果的に活用することができれば、若年層を含めた多くの有権者にも有効な投票機会を提供することができると思いますが、選挙管理委員会の御見解をお伺いいたします。
共通投票所ですが、現在、投票日当日は指定された投票区の投票所での投票のみとなっているわけですが、今回の参議院選挙から駅ビルや大型商業施設にこうした共通投票所を設置することによりまして指定された投票区との投票所とは別に、区内のどこの投票区に属する選挙人も投票できるという共通投票所を各自治体の裁量によって設置することを可能としました。既に今回の参議院選挙におきましては、全国で四つの市町村がショッピングセンターなどの共通投票所を設置し、その結果は、買い物等の際に投票ができるといった利便性を高めることによって、投票率向上に一定の効果があったといった新聞情報もなされております。しかしながら、この共通投票所の設置には二重投票を防止するためのシステム改修に高額な経費がかかる点や選挙当日のシステムダウンなどの懸念もされているため、今回の参議院選挙では4自治体にとどまったと聞いております。こうした多額な経費負担を克服するためには、単に選挙単体のシステム構築にとどまらず、今後、地域において利用が見込まれるシステムとの連携、例えば、投票所は災害時の避難場所に指定される場所も多いため、中野区地域防災計画の災害復旧・復興計画で上げられ、現在、区が検討を進めている被災者支援システムと共有化を図るなど、行政全般で活用が可能なIoTを含めたシステム連携を図りながら構築することでエラーやコスト面での解消が図られるものと考えております。
そこで伺います。中野区において将来的に共通投票所を設置する考えはあるのでしょうか。また、実現に向けて乗り越えるべき課題を含め、御見解をお伺いしたいと思います。
以上、今後とも引き続き次世代を担う若者への積極的な選挙啓発を推進するとともに、有権者にとって利便性の高い投票環境への配慮を行っていただくようお願い申し上げ、この項及び全ての質問を終えます。御清聴ありがとうございました。
6ページ目:「中野区長田中大輔氏答弁を掲載」