≪決算特別委員会議事録全文≫
2ページ目より公開している予算特別委員会議事録は「なかの区議会WEBサイト」で公開している議事会議録より、加藤たくまの発言部分のみを引用し掲載しています。詳細はリンク先の議事録をご確認下さい。
なかの区議会会議録一覧より「平成30年03月02日中野区議会予算特別委員会の会議録」へのリンク
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○加藤委員 おはようございます。自民党5番目といたしまして、加藤たくまが総括質疑をさせていただきます。タブレットでやってみます。よろしくお願いいたします。
まず初めに、2月上旬にありました福井県におきます大雪によりまして亡くなられた方々に哀悼の意を示すとともに、それの除雪にかかわった自衛隊、そして地域ボランティアの方々に感謝の意を示すところでございます。気候変動による原因によりまして大雪が発生したものと考えられます。こういった気候変動に関する質問に関しましては、質問通告の2番目に挙げさせていただいているところです。質問は通告どおりで、その他はございません。
それでは、一つ目の民泊の利活用と国際交流についてから始めさせていただきます。
民泊に関しましては、自民党として2年前の平成28年第1回定例会の予算総括質疑におきまして、私の実体験に基づく民泊の危険性を御説明させていただいたとともに、ホームステイ型ならばその問題をクリアできるということを御提案させていただきました。当時は家主同居型、居住型、不在型などという言葉の定義もない中で提案させていただいたので、具体的な形でお示しすることはできませんでしたが、その後、国がガイドラインを定め、中野区も時間がない中、不断の御努力によりまして、結果的に先日の本会議で第40号議案、中野区住宅宿泊事業の適正な実施の確保に関する条例が可決されました。その中におきまして、区長は届け出住宅の居室の数が住宅宿泊事業法施行規則第9条第2項に規定する居室の数を超えず、かつ当該届け出住宅に宿泊者を宿泊させる間に住宅宿泊事業者が不在とならずに実施される住宅宿泊事業で、規則で定める要件を満たすものについては、制限区域における第1号に規定する居住住宅事業を実施してはならない期間においても、家主同居型住宅宿泊事業の実施を許可することができるという許可制度を、他の自治体では見られないすばらしい条例ができたのであろうということで多大な評価をさせていただくところであります。
住宅宿泊事業法が施行されることによりまして、いわゆる違法民泊が名実ともに違法となっていくということで、良質な民泊のみが残る形となってまいりました。そして、今後としては二つ重要となってきます。スムーズな届け出、許可申請の事務作業、そして国際交流を鑑みた民泊の利活用について検討していく必要があります。
まず、届け出、許可申請についてお伺いします。3月15日から届け出ができるわけですが、準備状況はいかがでしょうか。
○高橋環境部副参事(生活環境担当) 現在、条例施行規則の制定作業、ガイドラインや周知用文書の作成、国が提供します民泊制度運営システムの確認と操作方法の習熟、区独自の許可制度に係る様式等の作成など、さまざまな準備を進めているところでございます。
○加藤委員 住宅宿泊事業法の制度から、まず3月15日から住宅宿泊管理業者は国土交通省の地方整備局に登録し始めます。住宅宿泊事業者としても届け出に火災報知機の設置などが必要で、また、その火災報知機の設置がちゃんとなされているかということを消防署職員に点検してもらう必要などがあり、3月15日から住宅宿泊事業者が中野区にいきなり届け出をできるわけではないようです。6月15日までに出せばいいということになれば、逆にぎりぎりの時期に申請がなされる可能性もありまして、区としてはどの時期がピークになるか読めないところなんではないかなと推測します。区としても、事務手続で申請者一人ひとりに説明するには非常に労力がかかるため、説明会や相談窓口が必要かと思いますが、区の職員の負担を減らすためにも、このあたりの事務作業について、一部を行政書士等に担っていただくというのはどうか、お伺いいたします。
○高橋環境部副参事(生活環境担当) 住宅宿泊事業を営もうとする方が、届け出等の手続につきまして行政書士の方に相談されることもあろうかと思われます。したがいまして、今後、区といたしましては、行政書士会等に対し、区の条例、規則に基づく規定の内容や届け出の手続等につきまして、ガイドラインの送付や説明会等の形で説明することを検討してまいります。このことを通じまして、円滑な届け出や許可申請がなされることを期待しているところでございます。
○加藤委員 話は変わりますが、かぼちゃの馬車というサービスにおいて、民泊のトラブルのもとになると考えます。かぼちゃの馬車とは、いわゆるシェアハウス投資、サブリースの業態です。サブリースとは、不動産業者が建物などを一括して借り上げてほかの人に貸す転貸で収益を上げる事業です。かぼちゃの馬車については、物件のオーナーとして多くの会社員らが、ある銀行から多額の融資を受けてシェアハウスを建設しまして、家賃収入の長期保証をうたうスマートデイズという会社がサブリース形式で借り上げました。部屋を借りる際、非常に安い物件ではあるんですが、東京都の建築安全条例の共同住宅の居室の最低面積7平方メートルをぎりぎり満たす部屋、4畳ちょっとですね。あと、キッチン、トイレ、シャワーが共有で、物件を見ますと10部屋ぐらいで一つのシャワーとかトイレ、そんなような物件で、ちょっと、あまり住みやすくないのか、物件によっては入居率が非常に低くて、最低保証を支払う約束がその後一方的に破られまして、ことし、2018年の1月には家賃収入がゼロになっているオーナーもおりまして、自己破産が続出しかねない事態に陥っています。
そして、中野区にもその多くの物件がありまして、しかも、見ましたところ空室だらけとなっております。2週間前の2月19日、日本弁護士連合会は、サブリースを前提とするアパート等の建設勧誘の際の規制強化を求める意見書を国土交通大臣と金融担当大臣に提出したような状況です。
このような状況下におきまして、そういった不動産として使いづらい物件のかぼちゃの馬車となっているオーナーは、その収益を何とか確保しようとして民泊経営に乗り出す可能性もあるというようなことも示唆されております。こういったような事例で、さまざまな方法で闇民泊が行われる可能性があったりしますが、区としてはそういった違法民泊に対してどのような対応を行っていくのか、お伺いいたします。
○高橋環境部副参事(生活環境担当) いわゆる闇民泊、無届けの民泊でございますが、旅館業法上の無許可営業となりますので、6月15日に施行される改正旅館業法によって付与されます報告徴収及び立入検査等の権限に基づいて厳正に対応してまいります。なお、無許可営業者等に対する罰金の上限額は3万円から100万円に引き上げられることとなっているところでございます。
○加藤委員 届け出、許可を経て取り締まり体制がやっと確立されて、これでいい民泊ばっかりが残っていくような状況になって、やっと区としては民泊の有効な利活用について考えることができるようになった、スタート地点に立ったということが言えます。平成28年5月に策定されました中野区グローバル都市戦略、グローバル都市NAKANOの創造におきまして、外国人向け滞在施設(民泊)の整備誘導を図るとともに、まちなかの多言語化を進め、中野の日常的な暮らしや繁華街での飲食が味わえ、哲学堂公園をはじめとする歴史・文化や、ハイカルチャーからサブカルチャーまで多様なコンテンツが楽しめる中野ツーリズムの展開を図りますと記されておりまして、民泊をグローバル戦略の一つと位置付けております。また、民泊新法及び条例ができたことによりまして、グレーゾーンだった民泊は合法になるということで、やってみたいという人も出てくるのではないかと思われます。二の足を踏んでいたという方々も参入しやすい環境づくりをしていただければと思います。
それでは、今後、区として、そういった参入しようとする事業者に対してどのように制度についてわかりやすい説明や情報提供を行っていくのか、お伺いいたします。
○高橋環境部副参事(生活環境担当) 住宅宿泊事業を営もうとする方に対しましては、区のガイドラインをお示しするとともに、届け出方法や添付書類等につきましてわかりやすく記したパンフレット類を作成し、周知を図ってまいります。また、区報やホームページなども活用し、積極的に情報提供をしていく所存です。
○加藤委員 また、そういった形で参入してきた事業者の質のレベルのアップというものが必要になってくると思いますが、その辺についてどのように区としてはお考えか、お伺いいたします。
○平田都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 事業者のレベルアップについてでございます。区としましては、合法的に参入した住宅宿泊事業者の質のレベルアップにつきまして、制度開始から一定の期間、地域のさまざまな活動との連携や国際交流などとの取り組みに関するセミナーを実施いたしまして、区内で住宅宿泊事業を営む事業者の質の向上を図ってまいりたいと考えております。
○加藤委員 わかりました。爆買いと言われたモノの消費からインバウンド、そういう中で、今度は体験型のコト消費へとシフトしていると言われておりますが、そういった中でまちづくりについては、私の今回質問で、4番で取り上げます歴史民俗資料館のリニューアルと都市観光施策でも取り上げますが、中野区には潜在的な都市観光資源を最大限に利活用できると思っております。また、四季の森公園の拡張用地などでイベントをたくさんやっていけば、それもまたまちめぐりのコンテンツになっていくのかなと思うんですけれども、区としてはこういったところと民泊をどのように具体的につなげていくようなお考えがあるのか、お伺いいたします。
○平田都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 観光コンテンツの利活用についてでございますが、哲学堂公園をはじめとしまして、区内に存在する観光資源の利活用につきましては、民間観光事業者や、その他区内の観光事業に取り組む団体等に区から情報提供を行いまして、区内での宿泊と観光、伝統文化の体験などを組み合わせた体験コンテンツの開発を促していきたいと考えております。また、区の役割といたしまして、そういった民間事業者同士の情報交換ですとか連携の仕組みづくり、そのための協議を行う場を設けてまいりたいと考えております。
○加藤委員 また、伝統文化体験など、書道とか、着物を着たりとか、そういったものとかがありますが、そういったコト消費ビジネスというのは、既に、ビジネスですのでかなり展開されていまして、エアビーアンドビーなどで検索できるようになっていますが、ビジネスなので、区が積極的にそういったビジネスを支援するというのもおかしな話ではありますけれども、中野区内の業者に関しては何かそういったリストがあって、民泊事業者とはもう連携するということが条例の中に入っていますから、条例の中で定められている連携の中で、そういったところとつなぐような役割ぐらいはあってもいいのかなと思っております。
また、質問項目3で挙げていますローカルSNS「マチマチ」などの活用によりまして、地域の情報というものがさらにうまくそういったところと共有できる可能性もあると思っていますが、いろいろこれが可能性がありますけれども、現在のところ、区としてはそういった伝統文化の体験に関しまして事業推進をどうやって進めていくか、お考えをお伺いいたします。
○平田都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 先ほどの御答弁の中で、区としまして連携の仕組みづくりを行っていくということを申し上げたところでございますが、区としましては、伝統文化も含めまして、さまざまな体験を提供する活動を組み合わせて、コト消費として都市観光商品として組み立て、中野区における都市観光としていくことが必要だと考えてございます。そのため観光事業者や区内で活動する団体の協議の場を設けまして、観光商品の開発を促していきたいと考えております。また、委員御指摘のSNS等をはじめといたしまして、さまざまなツールの活用についても検討してまいりたいと思っております。
○加藤委員 この伝統文化とか体験をやっている事業者さんからちょっとお話を聞いて、なかなかそういった活動を、区民活動センターの会議室とかだとビジネスライクなので貸し出すことができないということで、やりたいけど場所がないみたいな話の中で、空き家を使えないかみたいな声がありました。オーナーがその家に住んでいないということなので、恐らく寝泊まりするというのはなかなかしたくないような物件なのかもしれませんけれども、日中、先ほど言ったような書道とか着物の着つけとか、そういったことぐらいはできますし、ちょっと聞こえよく言えば古民家という表現になりますので、そういった背景の中でインスタ映えするような写真を撮れるとか、そういったところによりまして、外国人にとってはちょっと魅力的なロケーションになっていくのかなというところもあわせると、空き家の対策にもなりますし、使い勝手がいいのかなというふうに思う中で、一つのアイデアとしてあります。
ということで、空き家の利活用について、今後協議会でオーナーとそういった利用者、事業者とのマッチングのあり方について検討を今進めているということではありましたけども、こういった文化交流事業についての利活用の可能性があるのか、お伺いいたします。
○塚本都市基盤部副参事(住宅政策担当) 建物の用途制限でありますとか老朽度、そういったところに問題がなく、利用者の安全性が確保でき、また周辺の環境にもなじむものであれば、文化交流の場として空き家が活用されることは可能性としてあり得るものと考えてございます。今後さまざまな形態での利活用が想定されている空き家利活用でございますが、そういった空き家利活用のあり方につきましては、区と民間事業者等との連携体制の中で空き家に対するニーズ、あるいは所有者さんの意見、そういったものを伺いながら検討を深めてまいりたいといったふうに考えてございます。
○加藤委員 以上でこの項の質問を終わりますが、こういった民泊という今までになかった行政課題ではありますけれども、また新たなチャンスとも思えますので、さまざまな行政課題をクリアしつつ、こういったものをうまく利活用していっていただければと思います。ありがとうございます。