平成30年中野区議会(第1回定例会)予算特別委員会総括質疑


2.気候変動適応法案について

それでは、2番の気候変動対策推進基本法案についてですが、申しわけないんですが、まず質問に先立ちまして、このタイトルではなくて、調べたところちょっと古いものでして、廃案になった法案を上げてしまったので、正しくは気候変動適応法案でございました。修正し、おわびさせていただきます。

 今言いました気候変動適応法案が、先日2月20日に閣議決定されました。気候変動に対して自治体においてもいろいろやっていかないといけないという、そういった法案でございます。気候変動の原因は地球温暖化にあるわけですが、18世紀に始まった産業革命から、その前から二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスというのは40%増加したと言われております。産業革命のタイミングから気温が上昇しているタイミングが同じということなので、多くの科学者が人間活動と地球温暖化は切っても切り離せないということになっております。地球温暖化で、先ほど言いました大雪みたいになぜ寒くなるかというと、地球全体で平均気温は上がっていますけれども、そういった寒くなるところも出てくるというのは、気温が上がっていくと大気循環がぐちゃぐちゃになってきて、そうすると二極化するわけです。暑くなる日もあれば、寒くなる日もありまして、台風におきましては、数は減りますが、その台風一つひとつは大きくなるというような試算も出ております。そのため大雨が降って洪水になったり、また全く降らなくて渇水になったりということで、気象が二極化していくというのがまた気候変動の一因だと、その現象の一端であります。

 2007年、アル・ゴア元アメリカ副大統領と同時にノーベル平和賞を受賞しましたIPCC(国連・気候変動に関する政府間パネル)は、気候変動に対して三つの対策を挙げております。一つ目は、地球温暖化をさらに進めないために緩和策ということで、温室効果ガスをこれ以上出さないためのものです。そのため森林とか、二酸化炭素を吸収するものをしっかり入れていこう、そういったものが緩和策になります。二つ目は、もはや気候変動によって災害は発生してしまうという近年で見られる、先ほど言った大雪だったり大きな台風だったり、そういったものはもう起きてしまうということで、それに対応できるように適応策を立てていこうということがあります。そういったものは自治体レベルでできます。三つ目は、影響評価というものがありますが、これは地球全体のモニタリングなので、研究機関に委ねるところであります。

 そういうことで、中野区としてはこういった適応策と、あと緩和策についてやっていかないといけないということですが、その緩和策に関しましてはいろいろと、みなかみの森林などによりまして温室効果ガスの発生を抑制というか、二酸化炭素を吸収するような努力によって緩和策を進めておりますが、適応策に関してはあまり進んでいないというところであります。法案が可決すれば、気候変動に対して各自治体が適応策を進めていかないといけませんが、区としてはこういったところに対してどのような御見解をお持ちでしょうか。

○高橋環境部副参事(地球温暖化対策担当) 現在、環境基本計画に気候変動に関する適応策を盛り込んでおりますが、今後、気候変動適応法案が成立した場合、その内容も踏まえた上で、より具体的な対応について検討したいと考えております。

○加藤委員 中野区環境基本計画にはたしか四つのプロジェクトと適応策が挙げられていますが、その辺、詳細を確認のために教えてください。

○高橋環境部副参事(地球温暖化対策担当) 環境基本計画において、中野区の目指す将来像として環境負担の少ない低炭素社会づくりを掲げ、これを実現するための四つのプロジェクトとして、1、低炭素なまちづくり、2、地球環境に優しい快適なまちづくり、3、みどりを守り育てる都市緑化、4、大規模事業者としての区の環境配慮率先行動、以上四つのプロジェクトを掲げております。

 さらに温暖化に伴う気候変動への適応策として、1、水害対策の推進、2、高齢者の熱中症対策事業、3、デング熱対策等に向けた周知活動の推進、以上三つの取り組みを掲げております。

○加藤委員 中野区の温暖化対策に関する代表的な取り組みとして、エコポイントやカーボン・オフセット事業などありますが、そういった温暖化対策、気候変動対策の他区の実施状況について、ちょっとお伺いいたします。

○高橋環境部副参事(地球温暖化対策担当) なかのエコポイント制度と同様の取り組みとしましては、他区では千代田区をはじめ八つの区で実施しております。カーボン・オフセット事業につきましては、千代田区、港区、新宿区の3区が中野区と同様、森林資源の豊富な自治体で森林整備を行い、イベント等で排出されるCO排出量の一部を相殺する取り組みを実施しております。ほかに足立区のほうでオフセットクレジットを購入し、区内のCO排出量、こちらのほうを相殺しているというものでございます。

○加藤委員 30年度の予算におきましては、エコポイントが500万円ほど増額になっておりますけれども、ことしまで、直近までのこれまでの実績とその効果みたいなところと、予算拡充をすることによってどういったことになっていくのか、教えていただけますでしょうか。

○高橋環境部副参事(地球温暖化対策担当) なかのエコポイント制度につきましては、本年1月末現在で参加登録世帯数が2,194世帯、制度開始の平成23年度以降昨年度までの6年間で、制度参加者数の電気・ガスの節約により削減できたCO排出量は、累計で312トンとなります。これは1本の杉の木が1年間にCOを吸収する量を14キログラムとして換算しますと、2万2,286本分に相当するものでございます。

 また、この制度の改善・充実の内容でございますが、来年度に向けましてCO削減コースの取り組み期間を現在の1年間から、夏季及び冬季の6カ月間に短縮しまして取り組みやすくするほか、新たに環境行動コースを設け、温暖化対策や資源リサイクルなど環境に配慮したさまざまな行動にエコポイントを付与する予定でございます。この制度の改善・充実による効果につきましては、平成30年度の参加登録世帯数、こちらのほうを3,000世帯と、現在よりは1,000世帯ふえまして3,000世帯と見込みまして、これを平成28年度の1世帯当たりのCO排出削減量で換算しますと、年間で21.45トンのCO排出量を抑制できるというふうに見込んでございます。

○加藤委員 すみません。質問通告にはないんですけれども、先ほど言われた減った量というのは、直近のデータと1年前に比べて杉の木何本分が減ったというのと、エコポイント制度を始めたというところを関連づけて今御説明されたんですか。

○高橋環境部副参事(地球温暖化対策担当) 最初に説明しましたのは、エコポイント制度を開始しまして、23年度から昨年度28年度までの6年間、各年度のお取り組みによってCO排出量、これが全部6年間を合計しますと312トンになるというところで申し上げました。最後に御説明しましたのは、来年度の1年分、これは参加者数がふえるというふうに見込んでおりますので、その場合のCO排出量、1年間で21.45トン、このぐらいは計算できるという御説明を申し上げました。

○加藤委員 エコポイントを始めたからといって、区民全体の意識が一気に変わるということもなかなか難しいとも思いますし、そこを関連づけるべきでもないとは思いますが、これをやったからこのぐらいCOが減りましたというのを、そういったところでしっかりと調査できるような体制をとりつつエコポイントについてはやっていただきたいと思いますので、今後ともその辺は研究をよろしくお願いいたします。

 次に行きまして、先ほども話がありましたけれども、23区の中で中野区が取り上げられそうなとか、そういった中で先駆的なユニークな事例があったら教えていただけますでしょうか。

○高橋環境部副参事(地球温暖化対策担当) 他区の取り組みで、今回の中野区のエコポイント制度の改善案を作成する際に参考にした事例としまして、千代田区のエコ・アクション・ポイントという制度がございます。これは資源リサイクルや環境イベントへの参加など、一人ひとりの環境行動に着目してポイントを付与するとともに、区内のさまざまな場所にあります環境関連の施設をめぐり歩いて訪問し、その行程や体験内容をエコツアーレポ、御自身のエコツアーレポートとしてまとめまして、これを区に提出しますとポイントがもらえるという、こういうユニークな仕組みを設けております。

○加藤委員 さまざま研究していただいて、新たなそういった緩和策に資するものをやっていただきたいと思います。

 緩和策の中で柱となるのがみどりですけれども、中野区はみどりの基本計画の中で、むろんのことみどりをふやしていこうという内容となっていくわけですが、公園をふやしていくということは純粋にみどりが増加するというところで、今、公園の開発等がありますので、そういったところに進んでいくのだろうと思います。20年くらい前までゴルフ場開発というのは環境破壊だというようなレッテルが張られていた時代がありました。しかし、ゴルフ場というのは芝や草地とか、あと樹木というのが密林である山よりは、そういった管理されているときのほうがCOの吸収量がいいというようなデータがあります。公園においても必ずしも樹木にこだわらずに、そういった芝や草地の整備のやり方によっては、緩和策としてはむしろCO吸収量が高まるということも考えられるわけです。

 手前みそですけど、私が昔、小石川後楽園内で延べ100日ぐらい気象観測していたことがあるんですけれども、森林がどのぐらい周りを涼しくするかという熱環境緩和作用についてちょっと研究していました。その中でCOフラックスという、つまり森林が二酸化炭素をどのぐらい吸収するかというのを計測したりもしていましたし、他者の研究成果も見てきましたけれども、密林よりも、ある程度まばらのほうが樹木1本当たりの頑張りが違うということです。二酸化炭素を吸収しようとするときに、もちろん光合成をしないといけないんですけど、光合成するためには日光と二酸化炭素が必要なわけなんですけれども、密林であると結局それを奪い合ってしまうということで、その効率が悪いということです。だから、まばらに木があったほうがいいということになります。ちょっと表現が違うかもしれないですけど、綱引きの原理みたいな感じで、一人ひとりのほうが頑張れるということで、集合すると全体の力が落ちてしまうというようなことが言えます。

 ということで、公園整備においても、密林があるということは必ずしもいいというわけではないので、また、密林によって街路の明かりが遮られて夜が怖いという声とかもあったりするので、そういった樹木の配置とか数とかというのは、地球温暖化の緩和策とか防犯に資するところにもなりますので、樹木の数に限らず、樹木の最適配置の研究を進めていただきたいなと思います。

 そういったことを踏まえまして、みどりの基本計画に基づき事業を進めていただきたいんですけれども、現在どういった方向性で進められているかお伺いいたします。

○高橋環境部副参事(地球温暖化対策担当) みどりの基本計画の改定作業に当たりまして、目標として設定いたしますみどり率というものには、樹木だけではなく草地や芝生、公園等のみどりで覆われていない部分の面積等も含め、対象として捉えております。みどりの基本計画を策定する際には、樹木だけではなく地球温暖化に効果のある草地や芝生、屋上緑化の面積などもふやしていくという視点も重要というふうに考えております。

○加藤委員 緩和策に関しましてはここまでとさせていただきます。

 適応策に関してですけれども、そういった暑さ寒さとか、天気、雨とか大雪みたいに対して適応策をやっていかないといけないということですが、あらゆる天候に対して適応できる、そういった区の体制が必要です。ゲリラ豪雨に関してはいつも私が話しているので、きょうはやめとしまして、ただ、予告として、私が所属します東京青年会議所のほうで水防関連に関する社会実験を夏に検討しておりますので、区の御協力を賜りたいということで、ちょっと防災担当が今回忙しいということなので、今回は質問はしませんが、またの機会に取り上げさせていただきます。

 ということで、今回は暑過ぎ、寒過ぎみたいな対策のところで、環境ウエアラブルというものを紹介させていただきたいと思います。通販じゃないですけど。

 今の時代は情報ウエアラブルということで、スマホから腕時計、眼鏡の機器が生まれています。ウエアラブルというのは、ウエア、着るに、エイブルできるということで、身につけることができるということで、情報ウエアラブルの次は環境ウエアラブルだと言っている人もいます。ちょっと今回紹介したいのはこの環境ウエアラブルで、動脈などを冷やすことによって個人の体温をコントロールする機械ということがあります。中野区役所のような役所においては、エアコンが使用できる時間、時期、曜日とかが限られている状況において、どうしても暑さ寒さに耐えられない人がいるわけであります。また企業におきまして、エアコンは別にそんな時間の定めがないとしても、例えば休日に1人でオフィスに出勤したりすると、その1人のためにエアコンを使うというのは非常に電力がもったいないということになってきます。暑がりの人に合わせてエアコンの温度を調整し過ぎても、その温度が寒過ぎて何か羽織ったりとかいろいろ、本会議場でもそういったことはありますけれども、一人ひとりの温度というのは個々によって理想とするものが違うということです。

 時間があるので、ちょっと余談になってしまうんですけど、なぜクールビズが28度なのかということなんですけど、平成17年のクールビズの開始の際には、建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行令などに、その室温設定の範囲が17度以上で28度以下に基づいて、冷房時の室温が28度と呼びかけられました。つまり、建物の管理者は28度以下にできる建物にしないといけないということからそういった数字になったと言われています。

 その法令、なぜ28度なのか、昔調べたことがあるんですけど、そういった文献が見つかりませんでした。ただ、裸で過ごしたら28度が適温という、ちょっとわけわからない文献が出てきました。裸で職場で働くわけがないので、この28度設定というのは暑過ぎるというのは、通常考えれば暑過ぎるという設定になっているということで、現在、環境省のホームページでは、28度というのは努力目標になっているということです。湿度との兼ね合いも含めると、個々に求める空調設定が違ってくるわけですけれども、そういったさまざまなニーズがある中で、環境ウエアラブル機器で自己の体温、感じ方を変えることができるということです。この適応策を進めるということになれば、エアコンの空調温度をさらに下げることができるかもしれませんし、そういったことによっては――下げるというか、上げても大丈夫か。電力量を下げることが可能になってくるということで、緩和策にも適応策にも一石二鳥ということになるということです。

 今御説明させていただいた環境ウエアラブルが、ことしの夏にプロトタイプができる見込みということで、区の職員とかにもつけていただくという、そんなこともできるんじゃないかということで、こういったアイデアが今後も出てくると思いますが、区としてはそういったものが出てきた際に取り上げていくというような考えはあるかを御質問させていただきます。

○高橋環境部副参事(地球温暖化対策担当) 委員御指摘のような環境ウエアラブル機器に関しまして、今後さまざまな新しい製品が出てくるものと存じますので、例えば区民に積極的に御紹介していくなど、周知に努めていきたいというふうに考えております。

○加藤委員 ありがとうございました。以上でこの項の質問を終了させていただきます。