平成29年中野区議会(第1回定例会)予算特別委員会総括質疑


≪決算特別委員会議事録全文≫

2ページ目より公開している予算特別委員会議事録は「なかの区議会WEBサイト」で公開している議事会議録より、加藤たくまの発言部分のみを引用し掲載しています。詳細はリンク先の議事録をご確認下さい。

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3.イノベーションを創造できる区政のあり方について(残時間より順番変更)
1.財政調整基金について
2.弥生町の防災まちづくりについて

3.イノベーションを創造できる区政のあり方について(残時間より順番変更)

○加藤委員 自民党最後であり、今日最後になって、恐らく明日にまたがるのではなかろうかと思います。自民党議員団の一員として総括質疑をさせていただきます。高橋ちあき委員、いでい委員にも、新しい風を起こせと、新人議員、言われましたが、それがさわやかな風なのか、台風みたいな風なのか、悪臭漂う風なのかわかりませんが、22期の新人は非常に多様性があり、ダイバーシティマネジメントをしっかりしながら、新しい風を議会、行政に届けていきたいと思います。よろしくお願いします。
残時間から、ちょっと3番のイノベーションを創造できる区政のあり方から質疑をさせていただきたいと思います。
昨今、日本国内における大きな社会問題として、少子高齢化が挙げられます。そして、少子高齢化に伴う生産年齢人口及び収益の減少は、将来の社会保障に対して不安にさせています。そして、収益、税収などは、人口に単純に比例するものではなく、イノベーション、技術革新によって何倍も増加できると考えます。大ざっぱではありますが、GDPは労働力人口、労働時間、労働生産性で表現できます。戦後、高度経済成長により日本のGDPは右肩上がりに上昇してきました。総務省統計局の資料を用いて、1990年の物価ベースで私が整理したところ、1955年、生産年齢人口は5,473万人、GDPが8.8兆円で、1990年には、生産人口年齢が1955年から1.57倍で8,614万人、GDPは52倍で、457兆円となります。つまりイノベーションによって、労働人口と労働時間が固定されると考えるのであれば、労働生産性は33倍になったということになります――すみません、労働時間が固定されるならば。人口のほうは、増減がGDPに与える影響よりも、労働生産性のほうが重要であるということがわかります。つまりイノベーションによって労働生産性を上げるということが重要です。
歴史を遡れば、火の利用、石器、土器の開発、農業、通貨、石炭、石油エネルギーなどの利用によってイノベーションが起こり、作業効率を上昇させています。今、中野区は新たな技術がいっぱい入ってきて、イノベーションを起こせる潜在能力が高まっておりまして、区としては、グローバル推進協議会など設立しておりますが、技術革新に対してどのような見解をお持ちでしょうか。
○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 昨年5月に策定いたしました中野区グローバル都市戦略におきまして、産・学・公・金連携によるビジネスイノベーションの促進、こういったことをうたってございます。ビジネスマッチングや、スタートアップ支援などを行うことによって、新たな財、サービスを生み出すイノベーションを起こしていきたい、このように考えております。
○加藤委員 私は、前回の決算特別委員会の総括質疑におきまして、こういうものがあったらいいなというニーズと、専門家、技術者、研究者などがつくり出したアイデア、研究技術シーズ、これらニーズとシーズがうまく混ざり合ったときにイノベーションが生まれるのではないかということで話をさせていただきました。例えば、勝手にシーズがいろいろあって物が進む、ニーズとシーズがうまくいっていない例として、例えば家電や携帯電話の中に全く一般の人が使わない研究技術シーズが入った場合、ただただその技術が物に入って、実装されると、その物の本体価格を上げるだけであって、日本国内はそういった技術を高めるがゆえに、附属のオプションだけで値段が上がって、日本国内の家電メーカーのものが売れなくなって経営が悪くなったというのも一因となっています。技術が低いロースペックでも、ニーズとかみ合えばそれはいいものとなります。ニーズなしのシーズは、マイナスの可能性すらあります。
具体的にこういうふうにしたら中野にとってイノベーションが生まれるといった中野のイノベーション創造について提案させていただきたいと思います。
ちょっとここからフリップ芸人をさせていただきます。

ニーズがここにありまして、シーズがここにあります。それで、シーズは、例えば1と5とかに今集まっているわけでありますけれども、ニーズというのがなかなか見つけられない。このニーズとシーズの意味合いは、一見非常に理想が高過ぎてマッチングできないということが多いということですけども、それがニーズを持っている人たちが、こういう技術があったらいいなと、具体的なプロセスイメージを持っていないためにそういうチャンスを逃していると考えられます。こういったイノベーションだけではなくて、いろいろ趣味や仕事でもそういったマッチングが合わないということはあります。今回の場合、そういった技術、イノベーションを起こすためにニーズとシーズをちゃんとつなげるためのイノベーションマネジャーというものをここの間に置く必要があると思います。ニーズとシーズのかけ橋になります。前回、イノベーションファシリテーターと言いましたが、ファシリテーターだと、調整するだけで、ちょっといまいち、一歩踏み込んだニュアンスにならないので、マネージャーという言葉に変えさせていただきました。
次に重要なのが、このシーズが後々に、ある程度の成果や利益が見えなければいけません。イノベーションを起こすためには大きいチャンスとなるのが、国家戦略特区の活用であります。今まで法律があるためにできなかった技術が、もし規制緩和ができるならばやってみたい、やれるんじゃないかといった、無から成果、利益を生み出す可能性が出てきます。千葉県におけるドローン特区のように、民間事業者は新たなビジネスチャンスをつかむためにいろいろと宅配サービスなど、投資しております。自治体は、そういった事業に許可などの協力はするものの、お金を出す必要は全くないというのが国家戦略特区の魅力です。国家戦略特区は、その特区内のみ、法律を変更することで実証実験を行い、それがおいおいですが、筋がよければ、それは全国的な広がりを見せるように法律を書きかえることも考えられるので、事業者としてはビジネスチャンスがすごい強く感じられます。こういったことに対して、中野区は国家戦略特区に対して、どういったお考えをお持ちか、伺います。
○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 国家戦略特区につきましては、経済社会の構造改革を重点的に推進することにより、産業の国際競争力を強化するとともに、国際的な経済活動の拠点を形成することを主眼としたものでございまして、中野におけるグローバル都市づくりに当たりましてはビジネスチャンスをつくり出す、こういったことが不可欠であろうと考えております。それらがありまして、特区の事業の活用ですとか、規制改革の可能性、このようなものを検討していく、このように考えております。
○加藤委員 今の、こういった中野のイノベーションを起こすためにモデルを提案させていただいているんですが、この中心になるイノベーションマネジャーが一番重要になってくるんですが、ここは今言われたグローバル戦略推進協議会だったり、ICTCO(イクトコ)などが担うのが現在のところ、当面適当な団体だろうと考えております。また、このイノベーションマネジャーなりにこういった住民や自治体からのニーズを持った人たちと技術シーズを持った人たち、そして民間企業、ここは技術的だったり、資金的なサポートをする、そして行政、これは中野区だったり、内閣府を通じて国家戦略特区をやるところ、こういった仕組みの中で、中野区でこういったイノベーションをつくれる環境になっていくと思いますが、区としてはこういったモデルがあってもいいと思われますでしょうか。
○青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) 区の産業振興の取組みにおきましては、産・学・公・金、それぞれの主体の強みを生かしまして連携をし、相乗効果によって新たなビジネスを生み出すということも目標としております。委員が御提案されるモデルにつきましては、この目標に資するものであると考えております。
○加藤委員 金というのは何でしょうか、すみません。金融機関。
○青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) 今お話に出ましたように、金融機関のことをあらわしています。
○加藤委員 すみません、勉強不足でした。で、先ほど言いましたけど、このモデルで何か進めようとしたときには、ここのニーズのところに、自治体がこういったものがあったらいいなという出発地点も中野区にもありますし、国家戦略特区に申請するか否かも中野区が担うことになりまして、しかも資金が要らないといった、民間活力を使うような事業となりますので、中野区としては本当に使い勝手がいいモデルになろうかと思って提案しますが、その中で、特区に申請していくという、積極的に行っていくという意思はございますでしょうか。


○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) プロジェクト、様々あろうかと思いますけれども、そのプロジェクトを実施する上で規制緩和が必要であるということでありますならば、国家戦略特区の担当といたしまして、国家戦略特区の窓口である内閣府と調整、あるいは協議、こういったことを行っていくということになります。
○加藤委員 このモデルである程度承認していただけたということで、前提で話を進めますが、以前、私が何回か御質問させていただいているゲリラ豪雨の予測技術を使った避難をできるツールの開発でありますけれども、これはそもそもまた説明しますと、政府が掲げるアベノミクス三本の矢の成長戦略におけるところで、技術革新、イノベーションを起こそうということで、内閣府の戦略的イノベーション総合プログラムの一つである防災技術関連の技術を、おいおいはうまくいったらこれを世界に売っていく、成長戦略の一つとしていくというところで、このゲリラ豪雨のプロジェクトができております。今年度で3年目を迎えまして、残り2年で、今内閣府の予算をもらっている国土交通省は、あと2年で出口政策を見つけないといけないというところで、実証実験でこのモデルがいいかどうかというのを検証しなきゃいけない、実証実験をしないといけないというところで、今中野区のみが全国で選ばれているという状況になっております。この出口政策をするために、今回のこういった仕組みをやっていくべきだと考えておりますが、このプロジェクトを進める際に、今ICTCO(イクトコ)が持っている技術だったり、人脈とかが今は使えると思うんですが、中野区としては担えるとお考えでしょうか。
○青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) 先端技術と区民のニーズを結びつけて地域の課題を解決するビジネスモデルを創造することも、中野区産業振興推進機構に期待するところでありまして、既に会員企業と大学研究者などとの連携により、健康や防災、観光などをテーマとしたプロジェクトに取り組んでいるところでございます。
委員が御提案される事例におきまして、中野区産業振興推進機構がニーズとシーズを結びつける役割を果たすことも十分可能であると考えております。
○加藤委員 ここで問題点が出ますのは、国土交通省がこのゲリラ豪雨の予測情報、1時間後、先、どの川で水があふれて、どの地域で水があふれるか、マンホールレベルで計算をしているというすごいモデルではあるんですが、国土交通省がそういった予報を出していいかというところになりますと、気象業務法におきましては、気象庁長官、若しくは気象予報士しかその情報を出せないということになりまして、国土交通省であったとしても、気象予報をしちゃいけない、また、中野区が介して、その情報を地域に出すことも許されないという状況になっていますので、もしこの情報を使いたいということになるのであれば、国家戦略特区で気象業務法を書きかえるような試みにいかないといけないんですが、もしそういった必要に迫られた場合は、中野区としては気象業務法に関する国家戦略特区の申請を行う意思はありますでしょうか。
○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 繰り返しになってしまうんですけれども、区が取り組もうとする事案、今回の場合ですと、その気象予報ということを区として取り組むという方向になりまして、ただ、それの実現に当たりまして、規制緩和が必要だということでございましたら、特区の担当としましては、国の省庁との調整、協議、これを行っていくということでございます。
○加藤委員 気象予報士を区に置けばいいんじゃないかというお話で、エキスパート職員もいろいろ採用が難しい中で、そういったものが常に防災担当部局とかに気象予報士とか置くのが難しいので、こういった国家戦略特区の枠組みを使うことによって、新しい試みをするということは、中野区のみならず、おいおいは全国の自治体において大きなインパクトを与える、それが中野区から始まるというのではすごい試みになるのではないかと考えております。
これだけ壮大なことをやっているように見えますが、中野区としては、今言った、気象業務法を書きかえたらいいんじゃないかというのを内閣府に言うだけであります。そうしましたら、ほかのところは、ICTCO(イクトコ)がそういった情報をアプリで出したりとか、大学がそういう仕組みでいいのか、助言をしてもらったり、また町会だったり、地元の中高生ボランティアなどに、そのつくられたアプリが使えるものかどうか実証実験に参加してもらうなどということができると思います。
これらができたときに、例えば今の実証実験を行う際に、アプリでデモンストレーションで、例えば鬼怒川が破堤した豪雨が中野の直上で降ってしまった場合にはどうやって逃げればいいのかなどといった図上訓練ができると思っておりますが、その辺はどう思いますでしょうか。
○鈴木都市基盤部副参事(防災・都市安全担当) 区は毎年、風水害対応の図上訓練を実施して、区職員の風水害対応能力の向上を図っております。御提案のシステムを活用すれば、過去の大規模な風水害が、中野区で発生した場合の想定を容易、かつ臨場感を持って図上訓練が実施できる可能性があるため、このシステムを活用した区職員の防災能力向上について研究してみたいと考えております。
○加藤委員 特にこういった図上訓練とか、科学技術だったり、区政に参加するというのが、例えば中学生、高校生に対して非常にいい体験だったり、経験になるんではないかと思っております。
また、ICTCO(イクトコ)では、こういった仕組みがもし可能であるのであれば、ビーコンを使った情報発信の技術の開発、医療費の適正化をするようなツールだったり、ウェアラブルのエアコンの開発などが行えるということです。こういった非常に中野区においてわくわくするような技術が国家戦略特区に申請するかどうかというところで変わってくるのではないかと思っております。
先日、伊東しんじ委員が総括で言っていましたけれども、技術というのは、すぐに陳腐化してしまいます。次々とアイデアを出していかないといけませんが、例えば今、ドローンの技術に対して、先ほど言った千葉県の事例だったり、秋田でドローンのラジコン大会みたいなのをやったりするらしいんですけど、そういった技術は、最初に乗っかっちゃったところにばんばん話が行くようになるということなんで、こういうところで、一歩先に出れば、話がばんばん入ってくると思うので、中野区としては、ほかに先駆けてこういった国家戦略特区の枠組みに乗っかることによって、技術が集まりやすい環境をつくっていくべきと思っております。
ちょっと新人というか、1期目で生意気でございますが、ちょっと区長から一言、その辺、どういうふうに思っていらっしゃるか、見解を伺いたいと思います。
○田中区長 担当が何度も申し上げていますように、一定の条件が整って、技術が製品化されていくという中で、必要であればもちろん国家戦略特区を活用していくべきだというふうに思っております。豪雨予測は、どういう製品になるのかが私にはちょっとわからなかったんですけどね。
○加藤委員 話は別ですけど、議会改革をする際には、互いに答弁し合うというのも一つありかなと思っているので、その意味で勉強……。
もともと国土交通省のほうでつくったモデルというのは、本当にプロ用の防災担当者しかわからないような情報に、何というんですか、もともとの情報としては、国土交通省でXRAIN(エックスレイン)といった250メートル四方ずつに雨のデータをとって、1分ごとにそれを情報――既に今、情報発信できていますが、その情報の雨を気象庁の1時間後、先を予測する高解像度ナウキャストというところで、1時間後の豪雨を予測して、その情報をまた国土交通省に戻して、その国土交通省が今度、その1時間後の雨を使って仮想水位とかを出すといった情報です。これはプロ用の情報が中野区に今来る状態にはなっているんですが、先ほど言ったように、気象業務法の壁があったり、情報がちょっと難し過ぎるので、これを一般的な区民でもわかるような情報にかみ砕く必要があるということで、ICTCO(イクトコ)などがそういったところのイノベーションマネジャーとして活躍していただきたいと思っております。