平成28年中野区議会(第1回定例会)予算特別委員会総括質疑


○加藤委員 そういった自衛もありますけど、やはり区としても何かとやっていかないといけないと思うんですが、用途地区とかで限定することは可能なのでしょうか。

○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 建築基準法では、ホテル、旅館が建設可能な地域を第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域に限定しているところでございます。国家戦略特区の外国人滞在施設経営事業ですね。これに基づく民泊事業の場合ですが、用途地域による制限はありませんけれども、東京圏の区域計画、これに設定する必要がある、認定を受ける必要があるということになっております。先行している大田区でございますが、既存の土地環境、住環境保全の観点から、建築基準法と同様の用途地域のみで実施をしているところでございます。中野区におきましても、その対象地域を大田区と同様の用途地域とした場合、区内の26%が対象になるところでございますが、どの用途地域を対象とするか、これについては検討してまいりたいと考えております。

○加藤委員 中野区もやっていく際には大田区の事例を参考にしていくことかと思いますけれども、大田区は空港の膝元ということもありまして、中野区とは全く違う状態だと思うんですが、中野区がそういった観点で独自にやっていく際にはどういったところに注視してやっていくべきか、お考えはありますでしょうか。

○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 民泊が無秩序の状態にある状況に鑑みまして、まず第1に、利用者が安心して滞在でき、かつ近隣住民が不安を持つことがないようにすることを目的として、民泊事業の指針や行政関与のあり方を整理して、適正に運営が行われている民泊を誘導したいと考えております。その上で、民泊を利用する旅行客に中野のまちを楽しんでもらえるよう、周辺商店街や地域イベントに誘導できるような地域情報の提供など、消費拡大につながる都市観光との連携、また、民泊事業の新規参入に当たって必要となる情報の提供や、民泊の周辺関連産業における新事業創出につながる支援など、産業振興施策との連携を検討して、中野の特性を生かした民泊施策を構築していきたいと考えております。

○加藤委員 民泊はこれから間違いなく過熱していくということで、中野区としても何らか対策を講じていく方針だというのは今お聞かせいただきました。ここで議論しても、まだ準備ができていないという状況だと思いますので、これから言うのは全て要望だということで、幾つか言わせていただきます。

利用者によって不便な民泊施設というのは、恐らくネット上で評価、口コミで淘汰されます。そういうことを見越して、中野区の法人の民泊施設の許可を与えるということで、利用者が安全な施設だと認識してもらうというのは一つの手だと。あと、そういった公認ステッカーを与えるということで、この部屋は民泊施設に使っていると認識してもらうだけでも、先ほど言った、僕が鍵をとってやってしまうような、鍵をそのままポストにロックもしないで入れているような状況というのは少しでも防げるのではないかなというふうに感じます。また、巨大会社がインターネットに載せないでも運営できるスキームを持っていたらしょうがないのですが、基本的には民泊の施設というのはインターネット上で検索できるものなので、どこにあるかわからないということはないので、一件一件そういうふうにちゃんと周辺のお住まいの人とか、働いている方々に許可をとっているのかとか、そういった指導をすることも可能かと思っております。

また、先ほど言った民泊が投資型の部屋を丸ごと貸すタイプだったり、シェア型、あとホームステイ型と言われる管理人がいるタイプがあります。民泊の増加が防げないのであれば、管理人がいるホームステイ型である程度そういう方がいれば、生活環境が担保されるのではないかなということで、ホームステイ型を区として積極的に導入するなどといったことで、中野区独自の民泊制度をつくっていかれたらいいかなと思います。いつの間にか隣が騒音施設になってしまった、ごみが散乱している、そんな状況がはびこってしまったら、民泊施設周辺にお勤め、お住まいの方にとって、中野区の生活環境はどうなっているんだと、中野区自体の評価が一気に下がってしまうことだってあり得ると思います。幾らビジネスライクでインバウンドだとか言っても、民泊によって中野の治安が悪くなり、中野の価値が下がるような事態になれば元も子もない話ですので、その辺を注意しながら、増加する民泊の適切な規制をしていただくことを要望しまして、本項目の質問を終えます。

10ページ目:「弥生町の防災まちづくりについて」