平成28年中野区議会(第1回定例会)予算特別委員会総括質疑


まず、中野区内に民泊が必要な状況にあるのかを確認させていただきたいと思います。メディア等でよく出る数字だと思いますが、日本における外国人観光客の近年の推移についてお教えください。

○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 国内の外国人旅行客の状況でございます。官公庁が公表しております宿泊旅行者統計調査によりますと、2015年の訪日来客数は、前年比47.1%増、1,973万7,000人で、過去最高の人数となっております。これを受けて国は、当初2020年までに訪日来客数、年間2,000万人という目標を3,000万人に引き上げるとしておるところでございます。

○加藤委員 外国人観光客が如実に増加していることがわかりますが、それでは、都内において、例えばホテルの稼働率などでその辺の実態がわかるものがあれば教えてください。

○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 同じく官公庁、宿泊旅行者統計調査によりますと、都内の宿泊施設の客室稼働率でございますが、2011年の68%、これは震災の影響もあって低いんですが、2014年には81.5%と大幅に上昇しておりまして、全国平均の58.4%、これを大きく超えて高い数字となっているということでございます。

○加藤委員 それでは、中野区に関してその辺の、例えばサンプラザなどの状況を教えていただけますでしょうか。

○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 中野サンプラザのホテルから聞き取りをした情報でございますが、このサンプラザのホテルの稼働率、ここ数年8割半ばでございまして、都内の平均を超える高い稼働率となっております。なお、サンプラザにつきましては、コンサート等の興行がなされる日が稼働率が高いといったものもちょっと聞いております。

○加藤委員 そのうち外国人観光客の利用実態みたいのはわかりますでしょうか。

○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 外国人の宿泊者数ですが、年々増加しているというふうに聞いておりまして、2012年では500人程度だったのに対しまして、2015年では2,000人ということで、約4倍程度増加しているというふうに聞いてございます。

○加藤委員 空前の日本観光ブームということで、中野区においても起こっているということが言えるということで、そう考えると、中野区における民泊に関するものを規制しなければ、ただただそのニーズがあるということで、増加することだと思います。

そこで伺いますが、現在、中野区において区が把握している民泊施設はどのぐらいありますでしょうか。

○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 委員も御利用なさったという住宅の空き室等の貸し室と借り手を仲介する大手事業者のサイト、この検索結果によりますと、区内で300件を超える物件の登録があったということでございます。特徴といたしましては、大半が中央線以南のエリアであること、また、物件の8割が集合住宅、2割が一戸建てであるということがわかっております。この形態につきましては、自宅の一部を貸すシェア型や、物件そのものを貸す空き物件活用型、これが混在しているという状況でございます。

民泊そのものにつきましては、制度的な位置づけがあるわけではないので、実態を正確に把握するといったこと、これは非常に難しいところでございます。さまざまな情報を得て、今後も実態の把握に努めてまいりたいと考えております。

○加藤委員 私自身が利用しまして、需要と供給双方のニーズが高いと感じまして、この民泊施設が増加する流れは変えられないと感じます。それでも、やっぱりそれ相当のモラルを守っていくことが重要で、しかし、それは困難なことだと考えます。現に私が泊まった施設のオートロックの暗証番号は今でも覚えていまして、その番号というのは数字が潰れていたので、多分相当変わっていない部屋です。それで、多分今後も変わらないんだろうなということです。かつ私が泊まろうとしてAの部屋の鍵を借りようとして、Aの部屋のポストをあけようとしたら――あけなきゃいけなかったんですけど、何を勘違いしたか、Bの部屋のところをあけたら鍵が入っていて、その部屋の前へ行ったら、どうやらそれはオフィスだなみたいな感じで、この部屋じゃないと思ってマニュアルを見直したら、Aの部屋と間違っているというのがわかりました。つまり、僕はBの部屋にいつでも入れる状況にあると。これが今、民泊の制度が非常に危ないところの一つだと思っています。つまり、オートロックが現に住んでいる人以外が知ってしまうということが非常に危ないのではなかろうかということです。安全のためにつけたオートロックがそういうふうになってしまうと、無効化してしまうということがあり得ますので、民泊施設が今後どういうふうになるかというのは、中野区独自の民泊制度をつけてやっていかないといけないと思います。

しかし、まず、いきなり制度とかいうのは難しいと思いますので、マンション、オフィス自体が自衛に努めるべきだと。中に民泊事業者がいることを……。それで、そういったところに努めるべきだと思います。マンション管理組合の管理規約の改正案をあるところから拝借しまして……(「うちのマンション」と呼ぶ者あり)いでい委員のマンションの。改正案に含まれる文言としては、専用部分を営利目的とした民泊及び滞在の用に供すること、インターネット等の広告媒体を利用し、専有部分を1カ月未満の短期で借り受ける者を募集する行為、不特定の第三者の短期賃貸借契約、マンスリーマンション、ウイークリーマンション等を繰り返す行為などを禁止するとあります。区としては、こういったマンション管理組合の了承なしに運営できないという規則に対して、何か推進やサポートすることは可能でしょうか。

○石井都市政策推進室副参事(グローバル戦略推進担当) 実際にマンション管理組合の管理規約で民泊を禁止する規定を設ける事例がふえているというのは聞いているところでございます。区内でもそういった事例があるということで聞いております。今後そうした自主的な動きも想定されることから、マンション管理組合、あるいは近隣住民などからそうした相談があった場合にも適切に対応していきたいというふうに思っております。

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