またちょっと前置きが長くなってしまうんですが、2の中野区独自の民泊制度の制定について。民泊に関しては、本定例会で小林ぜんいち委員が一般質問で触れておりましたが、改めて質問させていただきます。
円安、オリンピック・パラリンピックに伴う外国人観光客の増加が見込まれています。中野区も、この空前の日本観光ブーム、インバウンドに参加すべきです。そのために民泊の制度を利用して観光客の誘い込みは非常に重要で、観光客の潜在数を増加させるために有効手段だと考えられます。しかし、昨今、民泊で言われている外国人観光客による騒音、不法、悪質なごみ捨て、セキュリティ、防犯上の不安の問題が民泊制度の推進により増加するような状況は決して好ましいものではありません。現在、政府では旅館業法の簡易宿泊所の定義に関して緩和を検討しており、中野区が何も手を打たなければ、国が認める条件で民泊施設が増加することは必至であります。さらに国家戦略特区で旅館業法における用途地区等に関する規制緩和も行われようとしております。
テレビで民泊の長所と短所を伺うものの、実態がよくわかりませんでしたね。私は先週、中野駅から5分以内の場所にある民泊施設に宿泊してみました。その経験談を話させていただきます。
まず、民泊施設にどう宿泊するのか。民泊はマンションやオフィスビルの一室を使用していることがあって、普通のホテル、旅館とは違いまして、宿泊施設はまちなかで目にすることができません。見つけられません、基本的には。基本的にはインターネットを使用しないと、場所がわからなければ予約もできません。日本国内の民泊施設の多くは2008年より始まったエアビーアンドビーという民泊施設を検索できるポータルサイトに登録されておりますので、このサイトを利用しました。これは主に民泊を利用したい外国人ユーザーが使うサイトです。ホテルのポータルサイトと同様に、内装、外装の写真、周辺のお店の情報、設備などが記されております。おもしろいことに、ガレージとか車庫とか、剣道場みたいな物件もその対象になっておりました。ほとんど利用者がいないであろうという施設でも、その物件をあけておくよりはましだろうということで、その物件が登録されているようです。
予約する際には簡易登録が必要ですが、氏名、連絡先等の入力を求められるとともに、パスポートの画像を送る必要があります。ここで普通のホテルや民泊施設の検索はポータルサイトで行われ、ポータルサイトから予約したい意思をオーナーに連絡するということです。連絡のやりとりはスマートフォンアプリで、使う際にはオーナーとはアプリとメール、ショートメールの3種類を用いることができます。オーナーとユーザーが必ず連絡がとれるような配慮がなされておりまして、パスポートの画像などとあわせてポータルサイトの設定としては、やるべき措置は行っているようには感じました。ポータルサイトは客とオーナーとのマッチングをしまして、オンライン決済をする場であり、その手数料で利益を上げます。マッチング後は、客と民泊施設のオーナーと直接のやりとりとなります。私はオーナーとやりとりをして、部屋の使用に関するマニュアルを教えていただきました。
まず、民泊施設の詳細な住所――ポータルサイトで検索している段階ではおおよその場所しか示していないんですが、実際にお金を払って、もう借りる、使うという段階になりましたら、やっと詳細な住所がわかります。指定された場所は1階が飲食店、2階以上はオフィスビルとなっておりました。ルームキーが入っているダイヤル式の鍵がついた郵便ポストのあけ方、そして、その建物オートロックの解錠の暗証番号、部屋の使い方が英語のみで書いてありました。部屋は43平米で、風呂、トイレはセパレート、キッチンがついていまして、調理器材、電子レンジ、炊飯器、洗濯機など、普通に住むことができる道具がそろっております。1泊2名で7,000円程度、最大人数6名泊まっても1万2,000円程度の設定で泊まることができて、最大だったら1人2,000円で泊まることができます。場所、部屋の装備次第では、これ以下の物件は幾らでもあります。何も問題なしに非常にリラックスして宿泊することができました。ほかの都市に行った際に、私はこのサービスを使ってもいいなというふうな実感がありました。
需要と供給がともに高く、このビジネスモデルは今後も拡大されていくことを肌で感じました。体験としてのメリットはさまざまなものがあり、快適さと、あと格安ということです。オーナーも空き部屋を埋めることができるので、利益を出すことができます。利用者の視点から民泊のデメリットは、オートロックの暗証番号が不特定多数に拡散するリスクがある。オーナーが近くにいる保証はないため、何かあったときの対応が可能なのか不安、マッチングはオーナーとのやりとりのみになりますが、本当に信頼できるオーナーなのか不安。これに関しては口コミでいろいろと評価もあるところで、淘汰されるのかもしれません。外国人は日本の文化風習、習慣がわからないためにトラブルが発生することもあり得ると思います。また、私自身も旅行先で多少はしゃぐこともあるので、騒音に関してはいたし方ないと考えるところもあります。しかし、結果的に民泊施設の周りが一番迷惑がかかるというのは、この民泊制度です。私が泊まったのはオフィスビルでしたが、これが閑静な住宅のど真ん中、もし自分の隣の家や共同住宅の隣の部屋だったとしたら、非常に許しがたい事態だと思います。
すみません。長くなりましたが、質問させていただきます。
8ページ目:「石井都市政策推進室副参事との質疑応答1」