3番は省略しまして、4番の受動喫煙防止施策について。
前定例会におきまして上程されました受動喫煙等に関する四つの陳情は全て否決されましたが、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、国や東京都が受動喫煙防止に関して法制化することから、それに伴う、特に飲食店に関する懸案事項に対して、中野区独自で検討、準備していく必要があります。
2004年に、ブータンは、宗教的な観点から、たばこの販売禁止及び完全喫煙になっている世界で唯一の国であります。
スターバックス日本1号店は、徐々に喫煙スペースを減らし、完全禁煙に成功しました。
世界的な禁煙ムードを受けてか、日本国内のマクドナルドは店内全面禁煙にしました。
しかし、マクドナルドは、食の安全に関するトラブルもありましたが、全面禁煙にしたここ2年間で上場してから初の経常赤字になってしまいました。
マクドナルドの独自調査で、ファストフード店に行く目的として、50%近くが喫煙だったという事実は売り上げ低下を免れない事実であります。
このような事実の中、飲食店がインセンティブもなしに禁煙に踏み込むことは困難です。
諸外国では、たばこの値段が高騰することがあっても、完全禁煙にはなっていません。
日本国においても、国全体の完全禁煙を選択することはまずないでしょう。
しかし、受動喫煙防止は必ずしなければならず、結論としては分煙しかありません。
国際オリンピック委員会と世界保健機構は、2010年から「たばこのない五輪」を推進しており、今後、国もしくは東京都がつくる条例は、近年のオリンピック・パラリンピック開催国を参考とすることが想定されます。
2010年ロンドンのイギリス、2016年リオデジャネイロのブラジルは、法律でレストランやバーなどを含めた公共における屋内は全面禁煙とし、罰則もありました。
現在では50カ国近くが屋内全面禁煙としております。
そして、諸外国の多くでは、屋内禁煙ですが、屋外喫煙が可能であるなど、まるで日本とは逆のルールにもなっているようでもあります。
現段階の厚生労働省の検討結果を見ますと、新しい制度の考え方として、公共施設の建物内の完全禁煙、飲食店は原則建物内禁煙もしくは喫煙室設置による分煙をすることとしております。
東京都が推進しているルールは、各店舗に喫煙、禁煙、ランチタイムなどの時間帯禁煙、分煙など、そのお店の喫煙の対応を店頭表示用ステッカーで喫煙の可否を示してもらい、店舗に入り、無駄な受動喫煙を避けることを推進しております。
今後、受動喫煙防止の義務付けが想定されますが、東京の実態調査で4割が対策をしていない上、そのうち6割、つまり全体の4分の1程度が今後も何の対策もする予定がないと回答しております。
これからオリンピック・パラリンピックに向けた新たな制度ができる中で、受動喫煙防止や分煙に対する国民の全体の理解が進んでおりません。
今後できる制度に対応した対策がとれるよう検討、準備する必要があります。
ポイントは、屋内で完全禁煙のみではなく、分煙、喫煙を選択できるのか、屋内の喫煙所の設置は可能かどうかということです。
罰金、営業停止、店名公表などの罰則が出てくるかもしれません。
分煙で営業可能だとしても、多くの中野の飲食店で分煙設備を入れるスペースはないです。
狭い店が多く、入れられないでしょう。もし建物内完全禁煙のみしか許されないのであれば、その店舗周辺における屋外の喫煙所の設置ができるのかどうか、また、それはその地域商店街の重要な問題となってきます。
おのおのの店舗の判断で喫煙、禁煙を選択できるのであれば、ある駅の南口周辺は禁煙の店だけ、ある駅の北口周辺は喫煙の店だけにするなど、地域ごとに色をつけることで売り上げが上がる商機もあるかもしれません。
何も対策しないことで喫煙可能なホームパーティー、家で飲むことが本当に盛んになってしまえば、飲食店のダメージははかり知れません。
どんな制度でもピンチをチャンスにできるように、地域全体で方向性を考えるべき状況になっています。
そこで、区には、まず、今後どんな制度になるかわからないものの、個々の店舗にとっては営業にかかわる大きな変化があることを徹底的に各店舗に周知していくべきだと考えますが、区としてはどのように考えられておられるか、伺います。
また、その変化は個々の店舗では対応できない可能性がありますが、制度が決まるまで待つのではなく、中野区において喫煙、禁煙いずれかに踏み切った店舗の経営がどのように変化するのか研究したり、商店街連合会、たばこ組合や飲食店の経営コンサルタントなどの知見や意見を参考にするなど、制度が施行されたときに区内飲食店が混乱しないように、中野区の地域性を考慮したアドバイスができる体制を整えるべきと考えますが、区としてはどのようにお考えか、伺います。
また、アドバイスだけではなく、店舗の改装費用の助成なども検討する必要があると考えますが、区としてはどのようにお考えか、伺います。
以上で私の全ての質問を終えます。御清聴ありがとうございました。
5ページ目:「中野区長田中大輔氏答弁を掲載」