それでは3番、平和の森公園及び新中野体育館について。
平和の森公園の、完成するまでの歴史的経緯をたどると、当初は体育館が求められておりました。中野区議会史 区政50周年記念によると、昭和41年6月の第2回定例会で、中野刑務所敷地等国有地解放特別委員会を設置し、刑務所敷地などの区内の国有地解放運動を行うことになりました。区内の町会連合会、PTA連合会、体育協会、婦人団体連絡協議会、青年団体協議会、労働組合協議会、商店街連合会、産業会、工業会の団体によって全区的に署名運動が展開され、昭和41年11月の第4回定例会に議員提出議案第6号「中野刑務所敷地解放に関する意見書」が上程され、原案どおり可決し、12月13日には議員全員の名前で法務大臣と大蔵大臣へ提出されました。
この意見書の趣旨は「中野刑務所を一日も早く移転し、その跡地を公園、野球場、競技場、プール、体育館の文化体育施設に利用できるように解放してください」というものでした。その後、陳情、請願等を何度か行いますが、その要望はかなわず、昭和46年4月の区議会で、総理、法務、大蔵の各大臣に宛てて刑務所跡地を公園、運動場として活用し、緊急時の避難場所として活用したいという要望書を提出しました。
同年11月10日、解放同盟と区議会の主催で中野刑務所移転促進区民大会を開催しました。大会後の署名運動には区民が続々と参加し、約12万人の署名が集まり、都議会への陳情と同時に提出しました。都議会の特別委員会は、全会一致で中野刑務所の敷地解放を採択し、総理、自治、大蔵、建設の各大臣へ意見書を提出し、移転促進運動は大きく前進しました。
刑務所の解放運動が始まった昭和41年、当初の区民の悲願は、改めて言いますが、「中野刑務所を一日も早く移転し、その跡地を公園、野球場、競技場、プール、体育館の文化体育施設に利用できるように解放してください」ということです。また、昭和56年の中野刑務所跡地利用計画区民協議会の報告書によると、公園の基本計画案とその考え方において、第一に防災公園としての機能の確保、第二に家族を中心としたレクリエーションを楽しめる多目的な空間を重視すべきとしております。
そこで伺いますが、区としても同じような、今言ったような歴史的経緯を踏まえた認識をお持ちか、お伺いいたします。議会史、区民協議会報告書のとおりであるとすれば、この50年間時が流れましたが、そして環境も変わりましたが、さきに発表された平和の森未開園部分に新中野体育館ができることにより、当時の区民がかなうものになると考えております。
また、体育館建設予定地である未開園部分と現存の平和の森公園の敷地面積を足しますと、約6.5ヘクタール、現在中野で一番広い江古田の森公園は6ヘクタールであり、今度の体育館ができることによって、敷地面積は中野区内で一番広い公園となります。
また、区におけます中央体育館を有することから、中野区の健康増進施策のシンボリックで、地域のみならず中野区民全員が楽しめる、にぎわいのあるスポーツ施設に生まれ変わっていかなければなりません。そして、中野区最大の公園かつ中央体育館の利用者は、地域の方々ではなく、中野区全員を対象とした中野区の中心の施設でなければいけない、そういうことです。区民全員が利用者で、解放時間帯は常に活気、にぎわいがあふれる施設のイメージを計画に盛り込んでいただきたいと考えます。現在の案では、一つひとつの施設が独立したような計画に考えられます。中野の中心施設という役割を認識し、にぎわいを創出する総合的かつ包括的なさまざまな仕組みが必要となってくると考えます。コンセプトは、人を集めてにぎわいのある公園をつくる、そういうことです。区民全員が行きたいと思える中心施設となっていかなければ公共性が担保されず、区としては不作為と言われても致し方ありません。そこで、幾つか質問させていただきます。
一つ目、多目的広場です。多目的広場となる少年スポーツ広場に夜間照明が設置され、現在よりもグラウンドを広くする計画案となっているということですが、日中は子どもたちが使いやすいように優先権を与えるなどの配慮があってもよいかと思います。そこで伺いますが、多目的広場の今後の活用の展望を区はどのようにお考えか伺います。
二つ目、陸上トラックですが、先日、台東区の台東リバーサイドスポーツセンターを視察したのですが、200メートルトラックで今回計画している300メートルのものよりは狭いですが、通常、陸上部が利用しているようです。そして、休日になりますと、中学校、高校の運動会が開催されることもあるということです。中野区内の中学校のグラウンドは非常に小さく、私が先日南中野中学校の運動会では150メートルトラックで、インコースを走る子どもたちは非常に大変そうで、明らかにアウトコースの学生とはフェアな条件ではないように見られました。また、校庭スペースには限りがあるため、父兄はシートなどを敷いて運動会を観戦することはできず、全員立ち見となっております。みんながシートの上に座って、ピクニック気分のような形での運動会、そういったにぎわいのあるイベントが平和の森公園のこの場所で行われることを希望します。
そこで伺いますが、陸上トラックはどのようなコンセプトでつくられるおつもりか、区のお考えをお聞かせください。
3点目に、ウォーキング、ジョギングコースについてですが、区のスポーツ拠点としての位置付けであれば、女性でも夜安心して走れる、そういった明るい公園づくりが必要になってくると思います。現状では、利用するなと言わんばかりの、暗がりが多い、危険を感じる園内です。物理的・雰囲気的に明るくするためには、まず、茂みを減らすことが重要です。そして、夜間照明をふやすことが重要になってくると思います。ジョギングコースにある程度の園路灯を入れていただくのはもちろんですが、多目的広場の照明を利用して、その明かりをジョギングコースにも入るようにすれば、物理的にも雰囲気的にも明るくなってくるものと考えます。
そこで伺いますが、ジョギングコースはどのようなコンセプトでおつくりになるか、そのお考えをお聞かせください。
最後、4点目、体育館内の施設配置・サイズ感についてお伺いします。
体育館が完成すれば、野球場、園路、草地ひろばの利用者は、体育館の更衣室、シャワー室を使いたくなることが想定できます。しかし、現在の計画では更衣室、シャワー室は体育館の中ほどに位置しているため、泥汚れを外から持ち込みかねない状況が想定されます。区のスポーツの拠点ということになるのであれば、野外施設との関連性を高めていただければと思います。
また、現体育館でよく言われているのは、各施設の狭さです。さまざまなイベントを拝見しますが、試合自体はもちろんできているんですが、観客が入れるようなスペースが少ないように思われます。そこで質問ですが、区としては現在の体育館と比較して、どのような点を変更していこうとしているのか、御見解をお伺いさせていただきたいと思います。
かつて、警察大学校等の開発に対して反対を表明した人々が、開発が整って四季の都市で行われるイベントに参加しているように、平和の森に新たに整備される新体育館の諸施設に反対する人にも、完成後に利用され、行われるイベントに進んで参加してもらえるような、よりよい施設整備を望み、この項の質問を終わります。
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