二つ目に、マイナンバー制度についてお伺いいたします。
マイナンバーカードの交付が非常に遅れております。これまで遅くなっている理由としまして、地方公共団体情報システム機構、通称J-LISのシステム障害と言われておりますが、不完全なシステムのまま作業が進み、個人情報の流出リスクが高まるよりは、しっかりとしたシステム構築がなされてから作業が進んだほうがいいに違いないため、この遅れはある程度致し方ないと理解しておりますが、あまりに発行が遅れております。
6月1日付で中野区ホームページを確認したところ、「非常に多くの方から申請をいただいており、マイナンバーカードの申請からお渡しまでに数カ月かかることが予想されています」と書いてあります。それで期間が明確になっておりません。なかの区報5月20日号の9ページには、マイナンバーカードを申請した方へという欄があり、「申請が集中しているため、申請から交付まで5~6カ月の期間がかかっております。交付通知を順次郵送するので、もうしばらくお待ちください」とありますが、これだけでは区民の心配を拭うことができないと思われます。全員が全員、半年程度遅延するかよくわかりませんが、そのぐらいのスケール感で待っていただかなければならないということを区民の方々にお伝えすべきだと考えております。
そこでお伺いいたします。中野区のせいではないとはいえ、区民の方々が心配しておりますこのマイナンバーカードの交付の遅れにつきまして、その辺、どのような対応をなされていくかということをお教えください。
マイナンバーカードの導入による現在のシステムのメリットとして、電子確定申告e-Taxなどの電子申請、免許証などのかわりになる公的な身分証として使えるようになる、コンビニなどで住民票、印鑑登録証などの公的な証明を受けられる程度と限定的です。しかし現在、中野区においてマイナンバーの申請者は、世代別に言うと40代が最も少なく、70代の方々が最も多いと聞いております。その理由として、マイナンバーカードの申請には免許証がわりの身分証になるということが挙げられると思います。そのために免許証を持っていない人が、今回は無料でつくれるためマイナンバーカードの申請がふえていると考えられます。まだ限定した機能でありますが、一定の利便性の向上が見られ、マイナンバー制度による効果があると思いますが、事業性も上がっていただかなければ困ります。
そこで伺いますが、コンビニ交付の状況と、現在のマイナンバー制度ができたことで中野区としてどのようなメリットがあるかをお伺いいたします。
現状では限られた機能ではありますが、将来的にはさまざまな機能拡張が考えられていると伺います。私が最も期待するところといたしましては、病院・診療所間でのデータ連携です。医療等分野の個人情報の適切な活用は、患者へのより安全で質の高い医療・介護の提供に不可欠です。
日常の健康管理や災害時の対応でも、国民みずからが診療・服薬の履歴を把握するニーズが大きいです。多くの薬が処方されることによって生じる副作用、また、残る薬、残薬という問題がありますが、その解消が期待できます。
10種類以上の薬を処方され、副作用で記憶が低下し、認知症と誤診されたり、適切に服用できず昏睡状態に陥ったりするケースなど、高齢者入院のおよそ1割が薬による有毒作用だと言われております。さらに最近の調査では、あまりに多くの薬が処方されることによって、飲み残しなどの残薬を知らずにさらに新たな薬が追加され、深刻な副作用を引き起こしている実態が明らかになっております。高齢者がどのように薬を飲んでいるかを把握しないまま、投薬が先行する医療体制の問題が指摘されている残薬は、在宅の高齢者だけで500億円に迫ると見られております。その解決のためには、なぜこの薬を飲んでいるのか、バックアップデータを把握できる仕組みが必要です。適切な薬を適切な量、処方することは、健康を向上させることに資することになります。
また、無駄というか、過剰に処方されているかもしれない薬を減らし、社会保障費の支出を抑えることにも役立ちます。また、このようなビッグデータは最適な医療のあり方を導き出すことも可能とするわけで、大きな期待ができるところです。しかし、そのためには国からの方針が打ち出されたときに、いきなりの対応ができるように準備する必要があります。
そこで質問ですが、今後さまざまな領域でマイナンバー制度の利活用が推進される中で、区はどのように対応するお考えがあるのか伺います。
この項はこれで終わります。
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