それでは1番、ICTを用いた新しい施策・事業評価等について。
中野区のICT施策の最終的なゴールは二つあると思います。一つ目は、中野区民と行政をつなぐこと、二つ目は、中野区の産業の振興です。ほとんどの人が携帯電話、スマートフォン、タブレット、パソコンのいずれかを所有しており、それら媒体を介することで中野区民と中野の行政、産業をつなぎ、過不足なく情報の送受信ができることが最終的なゴールと思われます。過不足なく情報を送受信するには、区民へ行政・産業からの情報が自動的にスマホなどに送られるプッシュ配信が不可欠です。そのためのポータルアプリが必要となってきます。
ポータルアプリは、自分が望めばプッシュ配信以外の情報、別のアプリも得られるものであるべきです。例えば、ことしから中野ごみ分別アプリが始まります。そのポータルアプリを使いまして、そういうごみアプリができましたよというようなプッシュ配信がされたり、また、そのプッシュ配信されたごみアプリが欲しいとなれば、自分でそれをインストールする、そういう形が望ましいと思われます。
さきの第1回定例会で私が総括質疑させていただいた、ゲリラ豪雨などの浸水予測情報などのリアル情報もプッシュ配信されることも可能だと考えております。要するに、今後の中野のICT施策推進は、中野のポータルアプリをつくり、区民にそのアプリをインストールしていただき、プッシュ配信する、これがこのICT施策のゴールになるのではなかろうかと考えております。
Nakano Free Wi-Fiのサービス向上は、それ自体が増加とかを目的にするのではなく、あくまでICT施策の推進、そのポータルアプリをインストールしていただくきっかけづくりにすべきだと考えております。Nakano Free Wi-Fiを増加させるなどの手段の目的化をするのではなく、何のためにICT環境を整えるか、しっかりとしたビジョンを持ってやっていくべきです。とはいえ、そのインターネット環境がなければ、ICT施策も推進させていくことはかないません。そこで、Nakano Free Wi-Fiについて質問させていただきます。
2015年10月からNakano Free Wi-Fiが開始されておりますが、利用者の推移はどのようになっているでしょうか。また、店舗にあるWi-FiをNakano Free Wi-Fi Plusというのに加入させるサービスもありますが、その加入状況についても伺います。
また、それぞれの数が増加するように、中野区として何か対策をこれまで行ってきたかということについて、併せてお伺いいたします。
次に、中野区の新しいICT関連の社会実験についてお伺いいたします。冒頭で挙げました中野の成長戦略の一つになるのではなかろうかと私は個人的には思っております。
ことしの3月から、中野でICTを利活用した社会実験が行われており、この実験内容を応用することができれば、今後の中野において新しい施策や事業評価スキームの創出ができるのではないかということで、その実験の最新の知見と新たな試みについての提案を説明するとともに、それに関する質問をさせていただきます。
中野区は「区内のICT・コンテンツ関連産業の集積・促進及びICTコンテンツを活用したICT、産業振興の促進を図る」ことを目的として、ICTCO(イクトコ)、一般社団法人中野区産業振興推進機構があります。その機構と情報サービス連携コンソーシアムが、中野区における地域経済・観光の活性化、防災計画でのデータ活用を目的として、中野北口サンモールと中野四季の都市(まち)を歩いている人の人数や流れの分析を行う動線解析の実証実験を始めました。
この実証実験は二つありますが、一つ目のサンモールにおける実験では、歩いている人が持っているスマートフォン、ここから出ているWi-Fiなどを代表とした電波をBeaconといわれる機械で、そのセンサーで受信することで、どれだけの人数が通過したかカウントすることができます。このセンサーはサンモールに既に12カ所設置してありまして、そのセンサー付近の通過人数をカウントしています。そのセンサーから拾う電波から個人情報が流出することはないということで、安全だそうです。
また、スマホが移動していない、つまり、そのスマートフォンを持っている人が移動していないということも確認できるため、どこの店舗に入ったかとか、そういった情報までも得られるということです。4月から行った実験結果から、朝から夕方まではサンモールを通過する客が多く、夕方以降は滞在、つまり店に入っていると思われる割合が増加することがわかってきました。センサーの設置条件によっては、店舗ごとに人数をカウントすることもできるのではなかろうかということです。
二つ目の実験に関しましては、四季の都市の実験ですが、ビデオカメラで得られた動画とPIV解析と呼ばれる画像処理方法によりまして通過人数をはかる試みを中野区と共同研究しているということです。さまざま手法を組み合わせることで人の流れ、動線解析を行うのに非常に有効な手段が確立されようとしております。サンモールに設置されているというBeaconのセンサーは、今、1台初期投資で3,500円程度で、1カ月のランニングコストが600円程度と非常に安価なものです。人数をはかるのに非常にすばらしい技術だと思われます。
例えば、四季の都市で開催されるイベントで、スタッフが参加人数を勘定するというのは、非常に困難なことです。そこで、この実証実験のプロジェクトメンバーに伺ったところ、サンモールの実証実験のように通過する人数を一本的なこういったものではかるのではなく、面的なものを、センサーを張ることによって人の配置や流れをはかることができる、そこの四季の都市にどれだけ人がいて、どれだけの人が動いたかということがはかれるということです。現在の実証実験のネクストステージとなる、この面的な動線解析が実現すれば、イベントの事業評価が容易になり、時間帯、天気、コンテンツの中身、あと、宣伝方法など、何がイベント人数の増減に効いてくるかが見えてくると思われます。
そこで質問ですが、今後さまざまな形で社会実験がさらに拡充していく中で、さまざまな許可が必要になってきます。さらに実証実験を進められるように、区としてバックアップをしてはいかがでしょうか。このICTCOの技術、いろいろなすばらしい技術が出てきておりまして、中野からの成長戦略ということで、全国、世界に発信できるものと期待しております。
また、Beaconにはプッシュ配信機能もあります。Wi-Fiでスマホなどに情報を送る機能があります。中野駅北口でNakano Free Wi-Fiでアクセスした状態でサンモールに入れば、Wi-Fi機能がオンのままでありますので、プッシュ配信することが可能です。四季の都市にBeaconを設置することで、イベント時には四季の都市にいる参加者のみにプレミアムなイベント情報をプッシュ配信するなどの楽しんだ情報などを、ポータルアプリを介してインストールしてもらうというような仕掛けを考えていくことも可能となってきます。
そこで質問ですが、中野区のICT施策のさらなる推進のためには、Nakano Free Wi-Fi、Beacon、ポータルアプリなど、複合的、重層的なサービスが必要となっていくと思われますが、区の御見解はいかがでしょうか。
また、Beaconのほかの利用方法として、区有施設にBeaconを設置することによって、施設の訪問者数を計測、中野の情報のプッシュ配信も可能になってきます。公共施設に利用者人数だけで評価するというものではありませんが、そういったイベントの人数などをはかるということによって、これが行われたことによってこういった人数がふえているとか、そういった分析が可能になってくるのではないかと思います。
また、堅実なPDCAサイクルの循環に資する技術になるものではないかと考えております。中野のICT施策がさらに推進されることを期待しまして、この項目の質問を終わります。
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