令和7年02月21日中野区議会予算特別委員会の会議録
次に、加藤たくま委員、質疑をどうぞ。
○加藤委員 おはようございます。自由民主党議員団の立場から総括質疑させていただきます。冒頭、予算についてやらせていただきますけれども、中野駅新北口駅前エリアの市街地再開発事業の件は一般質問等でやらせていただきましたが、その辺のメインのところは市川委員に譲ることといたしまして、私は中野駅新北口駅前エリアの市街地再開発事業によって財政に与える影響、問題ないかというところのチェックなど、ちょっとメインストリームから外れるようなところを質問させていただきます。
それでは、1番、令和7年度予算について、中野サンプラザの計画の頓挫によりまして、中野サンプラザ・旧区役所を権利変換することによって受け取る予定だった転出補償金400億円が令和6年度内の歳入として入ってこないことは確定しました。400億円は中野区財政において大きな金額であり、今後の財政に問題ないか、財政フレームを中心に伺っていきます。
先に結論を述べますと、毎年指摘させていただいておりますけれども、まちづくり施設の工事費となる投資的経費、いわゆるハード事業は物価・人件費の高騰により上昇しているにもかかわらず、それが財政フレーム上に加味されておりません。また、いわゆるソフト事業費の経常経費である一般事業費の上昇を抑制できておりません。このことにより、将来的に財政運営は厳しい局面を迎えるのではないかといつも指摘させていただいております。単純な指標として基金残高を採用しますと、残高0円で底をつく状態になるということは財政破綻を迎えるわけですので、そういうふうになってしまうかどうかで議論をさせていただきます。様々なケース、シナリオはありますが、このままでは財政破綻をする可能性が示唆されます。
それでは、歳入から伺います。令和7年度当初予算案の概要、16ページの財政フレームを中心に伺います。特別区税は昨年度比37億円増加し、400億円となりましたが、その原因は何でしょうか。
○滝浪税務課長 特別区税の37億円増の主な要因は、令和6年度に実施した定額減税の大幅減少、1人当たりの総所得金額の増加、所得割納税義務者数の増加などによる特別区民税現年度分の調定額の増でございます。
○加藤委員 次に、特別区税の将来的な予測を財政フレーム上されていますけれども、どのようにその計算をしているんでしょうか。
○滝浪税務課長 特別区民税を含む特別区税の収入額は、令和7年度から令和8年度に2億円程度減少するものの、それ以降、令和16年度まで緩やかに増加するものと見込んでございます。
○加藤委員 今言われましたけど、令和7年度400億円で、翌年度398億円で、2億円減少する、その理由を教えてください。
○滝浪税務課長 これは、いわゆる103万円の壁が123万円に上がることによる税収減でございます。
○加藤委員 いわゆる103万円の壁で、来年度の影響はその程度と想定されているわけですけれども、今いろいろとその辺金額について、住民税については触れられていませんけれども、基礎自治体として今後、所得控除の理念のベースというのは最低生計費を非課税とするという考え方もありますので、どのように住民税の基礎控除額が変わるかということ、変わるかもしれない、また、それに対してある程度想定をしていかないといけないと思いますけれども、まず既出の話だと思いますけど、念のため確認で、178万円になった場合の影響額について伺います。
○滝浪税務課長 昨年11月の特別区長会事務局による試算では、約88億円の減収と試算されてございます。
○加藤委員 今後、それも金額が上がるかもしれませんけど、最悪で88億円という数字が試算されている状況でありますから、住民税の基礎控除額が43万円から変更になった場合に、その影響がすぐ評価できるようにすべきと考えますけども、いかがでしょうか。
○滝浪税務課長 当初予算案や10年間の財政フレームにおける税収額を見込むに当たりましては、基礎控除額を含む税制改正の影響などにつきまして、様々な要因を踏まえながら適宜試算していく必要があると考えてございます。
○加藤委員 次に、特別区交付金について伺います。特別区交付金は昨年度比19億円増加し、473億円となりましたが、その原因は何でしょうか。
○竹内財政課長 特別区交付金の原資である調整税等の伸びが増加要因でございまして、固定資産税が前年度比2.6%、市町村民税法人分が前年度比12.2%の伸びとなってございます。普通交付金につきましては前年度比3.7%増加してございまして、こちら調整税の伸びが増加要因と考えてございます。
○加藤委員 ちょっと通告していなかったかもしれません、ここも令和7年度と令和8年度で急に金額が下がるのは何ででしたっけ。
○竹内財政課長 財政フレーム上は特別区交付金の中に含まれております財産費、そちらのものがこちらのほうに入っていないために、特別区交付金の純粋の数値をこちらのほうに掲載しているためでございます。
○加藤委員 令和7年度は財産費が入って、令和8年度は財産費が、ここで言うと寄附金、貸付金、返還金等に入っているということでいいんですね。
○竹内財政課長 委員御指摘のとおりでございます。
○加藤委員 令和8年度以降の数字はどのように推計されているのか伺います。
○竹内財政課長 こちらに関しましては、令和7年1月17日の経済財政諮問会議の資料から中長期の経済財政に関する試算を基に算出してございます。
○加藤委員 今言った資料を映していますけども、経済財政諮問会議の資料の中長期の経済財政に関する資料というのを毎回この財政フレームを組むときに使われているようですけれども、この資料におきますと、過去投影ケース、成長移行ケース、高成長実現ケースと三つのシナリオが描かれておりますけれども、中野区は過去投影ケースを採用しているということでよろしいですね。
○竹内財政課長 委員御指摘のとおり、過去投影ケースを採用してございます。
○加藤委員 東京都は令和7年度都区調整税の都と23区の割合を44対56として、区側の取り分は55.1から0.9ポイントの引上げで、2024年度当初比で特別区全体で823億円の増額が見込まれている、また、災害対応経費などに充てる特別区交付金の割合が5%から6%に引き上がるということですけれども、中野区における影響額はどうなっていますか。
○竹内財政課長 こちら特別区交付金の配分割合は56%に変更されましたが、一方で、普通交付金と特別区交付金の割合も変更されてございまして、普通交付金の割合が減少し、特別区交付金の割合が増となってございます。特別区交付金の算定に関しましては、普通交付金に比べ算定ルールが明確でないため、特別区交付金の配分割合が増となったことだけを捉え、区の歳入がどれだけ増加するかを正確に見込むことは今現在では難しいと考えてございます。
○加藤委員 また金額が増えるかは分かんないみたいな表現ですけれども、増額された場合は、これらは補正予算で、当初予算に組み込めないということで、後々補正予算で組まれるということでよろしいですか。
○竹内財政課長 まず普通交付金につきましては、調整税等の影響によりまして見込み差が生じた場合は、これまでも第1回定例会で補正予算を提案させていただいてきたところでございまして、令和7年度についても同様の取扱いを考えてございます。特別区交付金に関しましては、12月と3月の2回に分けて交付されてございまして、年間の交付額を見込むことが困難であるため、現時点での予算へ反映することは現在考えてございません。
○加藤委員 特別区税と特別区交付金、その他一般財源の平成30年度から令和5年度までの決算ベースでの推移をまとめました。6年間平均で特別区税の伸びが年間8.9億円、特別区交付金が年間18.9億円、その他一般財源は年間7.0億円の増加です。先ほど話が出ていましたけど、住民税の基礎控除の変更や実感する経済になじまないというか、体感できていない中で固定資産税が急に上がっている中で、逆に急に下落する可能性などもあり、予断を許さないところでありますけれども、近年は好調な歳入だということが言えます。
続きまして、特別区債について伺います。この金額は当初予算案の概要55ページの起債の数字を足したものです。この金額は令和7年度編成時のものであり、インフレを加味していないということでよろしいですか。
○竹内財政課長 こちら基金起債を活用する事業の事業費につきましては、先ほど申し上げた経済諮問会議の試算に基づいたものを掛け合わせてございまして、物価高騰も一定は踏まえているところでございます。
○加藤委員 そうしたら1.何%とか、そういったものであるということですよね。
○竹内財政課長 委員御指摘のとおりでございます。
○加藤委員 そうすると、後々述べますけども、かなり掛け合わせているインフレ率というのは、今の直近の工事費の上がり方とは言いがたいような数字を掛けていることになりますね。あと、区有施設整備計画は来年度が今使っているものは最後になって、再来年度から始まるために来年度策定していくわけです。そうすると、ここに載っている基金起債を活用する事業一覧に載っている事業というのは今一番少ないということになるわけですよね。それを確認します。
○竹内財政課長 こちらに関しましては計画に基づいて記載をしているところでございますが、計画に掲載がない事業につきましても、計画策定後に施設整備の方向性を定めたものは一定程度反映しているところがございます。
○加藤委員 それはそうですけども、10年後とか、全くブランクのものがあるけど実際はまだ工事が続いているよねみたいなものがあるわけで、結局ここに、まだ数字が分かんないけど、載せられないけれども、実際には絶対工事があるよねみたいなものがあるかどうかというのを確認しています。
○竹内財政課長 委員御指摘のとおり、後年度負担があるものが分かっていましても、事業計画が出ておりませんで、事業費が分かっていないものにつきましてはこちら掲載をしていないものでございます。
○加藤委員 今言っていた数字が反映されているものとしては、学校改修再編の金額、かなり明確に記載されていますけれども、例えば連続立体交差化事業、これから佳境を迎えますけれども、事業費が令和7年、令和8年でそれぞれ8億円という設定ですけど、この辺ちょっと伺いたいと思います。
○近江まちづくり計画課長 西武新宿線中野駅・野方駅間の連続立体交差事業における令和7年度の中野区負担金につきましては、事業主体である東京都からの負担金についての通知に基づき計上しているところでございます。令和8年度分につきましては、現時点で見込みでございまして、改めて都からの通知に基づきまして計上してまいります。
○加藤委員 もちろん、あと2年で終わるわけがないわけですよね。
○近江まちづくり計画課長 事業期間につきましては、現在事業主体である東京都のほうで鉄道事業者や国と調整を行っているというふうには聞いてございます。
○加藤委員 つまり、別にこれは分からないからしようがないです、数字として反映できないけども、実際は工事が存在して、幾らになるか分かんないからブランクではあるけれども、今後かなりの工事費があるけど、ここには入っていないというのが今示されたのかなと思います。ほかにも鍋横区民活動センターとか若宮児童館、保健所は、ここに反映されているのか伺いたいと思います。
○竹内財政課長 鍋横区民活動センターは区民活動センターの欄に、若宮児童館はすこやか福祉センター等に、保健所は施設保全・その他改修長期保全に含まれているものでございます。
○加藤委員 そういった報告があるものに関しては反映がされているということですね。分かりました。特に、来年度予算で中野区区有施設整備計画が再来年度に向けて策定されるわけですけども、そうしたらまたここの欄が一気に数字として様変わりする可能性があるということでよろしいですか。
○竹内財政課長 委員御指摘のとおりでございます。
○加藤委員 それでは、歳入について伺います。義務的経費の人件費は、令和8年度以降をどのように見込んでいるのか伺います。
○竹内財政課長 人件費につきましては、退職手当の額を見込むとともに職員の新陳代謝による効果、また、先ほど申し上げた経済財政諮問会議資料にある賃金上昇率を勘案して算出してございます。
○加藤委員 それが今言っていた資料ですけれども、令和6年度の特別区の人件費は2.89%であると報告がありました。この資料で言うと2.8%が掛けられております。まあまあ妥当な数字ではありますけれども、その後、今後10年間が1.7%とか、1%前後ぐらいの過去投影ケースを採用しているということですけども、これでいいのかというのは一応聞いておきます。
○竹内財政課長 国の試算に基づいて、こちらのほうを掛け合わせて算出をしているというものでございます。
○加藤委員 これまでずっと過去投影ケースを使用されていたから、いきなりほかのケースを使えというのはあれですけども、どこかのタイミングで成長移行ケースなど、そっちを採用しないと実態と合っていないことになりかねないのかなというふうには思いますので、いきなり行政は継続が重要なところもありますのであれですけども、ちょっと実態と合わなくなってきていることもあるのかなと思いますので、その辺は検討いただきたいと思います。
次に、公債費について伺います。公債費は当該年度の前年度起債した特別区債を返還してしていきますけれども、これもまたインフレの影響が出てくると思いますけれども、どうでしょうか。
○竹内財政課長 公債費に関しましては、変動金利のものにつきましてはインフレにより金利が変動する可能性はあると考えてございます。
○加藤委員 変動しますよね。住宅ローンだって変わっていくかもしれないみたいな話もありますから、そういったところも考えていかないといけないですね。
あと、再三言っています区の一般事業費年間増加率を1%程度と想定しておりますけれども、実態としてどうなっているかというのを図面に示しました。一般事業費は、当該年度、前年度、新規・拡充等事業、この図面で言うと黄色のところですけど、このうちソフト事業費が一部経常経費化して翌年度の一般事業費として加わっていきます。そのことによって、徐々に徐々に一般事業費が上がってきております。ちなみに、令和5年度、令和6年度は新庁舎関連費があって、この中にも単年度で終わっている什器の買入れとかもありますけれども、MS365とかの今後経常経費化するものなども混ざっているということで、そういった状況であります。
要求資料総務47、次年度予算で計上した新規・拡充・推進等に係る経常経費の見込み(一般財源ベース)を見ますと、令和7年度の新規・拡充・推進事業の令和7年度の経常経費と臨時経費を足した金額が18億7,000万円ですけれども、このうち大体17億円、9割以上が後年度負担となって、一般事業費として増加していくのではないかなと思いますけれども、いかがでしょうか。
○竹内財政課長 こちらの経費に関しましては、計画に基づく政策及び社会情勢を踏まえた区民生活を基軸とした取組について計上しているものでございます。昨今の物価高騰等が大きく影響しているものとも考えまして、今後も事業見直しなど歳出抑制に取り組み、安定した財政運営に取り組んでいきたいと考えてございます。
○加藤委員 ここは別に、令和7年度でつくった事業が後年度、17億円が後年度負担になると言っているだけなので、ここに物価上昇は入っていないで、来年度始めた事業は今後それだけ後年度負担がかかりますというのが来年度事業を積算した際に出てきているので、この後年度負担と言っている数字は、現段階でインフレを加味していない数字がここに出ているわけだから、ちょっと違うんだと思います。
一般事業費だけ見ると、過去2年度から令和7年度を見ますと、年間28.1億円のペースで上がってきています、一般事業費。という意味では、さっき17億円程度としていたので、今までの上がりよりは抑えているかなとは言えますけども、でも上がっていく、スクラップができていないというのは、インフレもあるからしようがないですけども、もう少し努力が必要かなと思います。そもそも5年間、たった5年間で2倍になりましたよね。150億円から299億円、だから約300億円ですね、およそ2倍になっちゃいました。年率換算すると14.8%の上昇、インフレをはるかに超えている。インフレを加味した数字で上げているのではなくて、一番最初に言いましたけど、財政フレーム上は1%しか入れていないと言っていますけど、実際にこれまでの実績だと14%以上上がってきているわけですよ。この辺、どうやって分析されていますか。
○竹内財政課長 歳出の伸びもあるところでございますが、歳入の伸びといったところもありまして、その中でしっかりと経常経費というものを削減しまして、歳出抑制に取り組みながら、安定した財政運営に取り組んでいきたいと考えてございます。
○加藤委員 今言った、歳入も伸びているからいいんだと言いましたけど、これは歳入のほうも示したグラフですけれども、黄色が一般財源歳入、これは基金と起債、毎年変動が大きいのでというか、恣意的に変えられてしまう数字なので、これを抜いたものが黄色で、青が一般事業費ですけれども、赤がその割合を示していますけれども、令和2年度は一般事業費を一般財源で割った数字が18.6%だったんですけれども、令和7年度においては30.1%、5年間で11.5%上昇している。歳入が増えているからって、一般事業費は上げていいって言っているけども、上げ過ぎじゃないのかと思いますけど、どう思いますか。
○竹内財政課長 表のほうを見させていただきましても、微減しているようなところもございますので、こういったことが割合として増えていかないように財政運営に努めてまいりたいと考えてございます。
○加藤委員 この赤いラインは歳入が非常に少なかったりとか、異常に、思いのほか上がったというところが大きいですけど、トレンドとしてはかなり右肩上がりになってしまっているというところで、たまたまそうだというように今後なるように、ちゃんと一般事業費、ソフト事業費を落とすように努力をしていただきたいと思います。
次に、新規・拡充等事業について伺いますけれども、昨年度より新規・拡充等事業の内数として施設経費を入れていただきました。非常にありがたいことでしたけれども、まだまだ細かく分けていただきたいと思っています。ちょっと見えるかな、これは財政フレーム上の表記で、黒い一般事業費と新規・拡充等事業、左のほうに太い枠で示しているのが財政フレーム上書いてある数字ですけれども、一般事業費は、私なりの言葉ですけど経常経費化されたソフト事業を示します。新規・拡充等事業、財政フレーム上で新規・拡充等事業の中の内数に施設経費というのがありますけども、施設経費というのは区有施設と学校整備費のことを示しております。新規・拡充等事業から施設経費を抜いたものをさらに分解すると、新規・拡充等事業のソフトに当てはまるものと、まちづくり、道路、公園整備事業に分けることができます。非常に新規・拡充等事業、大きく分けるとソフト事業の新規のものと、まちづくり関係と、区有施設のものと三つ、全部ごちゃごちゃに入っていて、分析に本当に苦労するというところなんですけど、これはもう少し細かく分けていただくことはできないんですか。
○竹内財政課長 表記に関しましては分かりづらいといったようなところもあると思いますので、一般事業費の表記の方法など、分かりやすい表現につきましては、他区の事例なども参考にしながら検討していきたいと考えてございます。
○加藤委員 昨年度これが出てきたときにありがたいと思って、新規・拡充等事業から施設経費を引けば、すなわちそれがソフト事業の新規事業費だと思っていたんです。そうじゃなくて、その中にはまちづくりのお金も入っていたというので、これは非常に分かりづらいので、再考をお願いしたいと思います。
続いて、それらをソフト事業とハード事業に分けて、ハード事業について伺いますけれども、以前も取り上げましたけど、一般財団法人建設物価調査会によると、東京における工事原価指数は、2015年1月を100とした場合、右肩上がりに上昇し、2025年1月には135.2%となっております。過去3年間の上昇がかなり厳しいところなので、それを年率換算すると大体年間7.1%の上昇です。国土交通省の建設工事費デフレーターというのも以前紹介したんですけど、いろいろ読んでみると、これは全国平均であるということだったので、東京都に換算すると7.1%の上昇と見たほうが妥当ということですけど、担当としてはこの見立て、どうでしょうか。
○竹内財政課長 国全体の上昇率と東京都の上昇率に差異があることは認識してございまして、ただ、今年度につきましては歳入歳出とも国のデータを採用しているところでございます。今後、物価指数の在り方等を含めて、そういったところは改めて研究していきたいかなと考えてございます。
○加藤委員 施設に関して、また鍋横区民活動センターが、検討案では現状より1.8倍ぐらいのサイズになるというような話、これが悪いと言っているわけではなくて、区有施設整備計画においては更新年数経過後に現在と同じ延べ床面積で更新すると仮定し、延べ床面積に更新単価を乗じて更新経費を試算するということです。この考え方が結局、財政フレームの新規の工事費の考え方なわけであって、そうすると財政フレーム上に現実が合っていないというふうになってくるわけです。55ページに書いてある事業費一覧の建物の、いろいろ検討されているんですけど、小学校とかも最初は面積一緒で数字が入っているのかもしれないですけど、検討していったら結局1.3倍、1.4倍になったというのでまた計算される、かつそこにインフレが入ってくるということになってきますけども、これでいいのかなというところを、担当の見解を伺います。
○竹内財政課長 現在に関しましては、延べ床の面積は同じで設定されているところでございますが、委員御指摘のとおり、延べ床と、あと価格、事業費のところですね、そういったところがまた増加していくこともあると思いますので、そういったところが判明し次第、しっかりとこちらの財政フレームのほうに組み込みまして、しっかりと精査をしていきたいと考えてございます。
○加藤委員 そうすると、結局いろいろ気をつけていかないといけないという認識はあるとなると、やはり基金のため込みでそういうところを対応していかないといけないという、財政調整基金の年度間調整みたいなところで建物、施設更新に関しましても、そういった物価上昇を気をつけるための基金を、何なら今年、今年度におきましては義務教育施設整備基金はほぼ0円の積立てなのにもかかわらず、物価上昇で上がってしまった小・中学校の工事費は基金から出している、ただただ減っていくだけ、こういった運用しているというのが問題だと思いますけど、いかがでしょうか。
○竹内財政課長 現在の建設経費高騰の状況を考慮すると、想定よりも建設コストが上がる可能性があるために、引き続き基金へ計画的に積立てができるように努めていきたいと考えてございます。基金の積立ての考え方に関しましては、物価高騰などの社会情勢に加えまして、今後の施設整備計画や整備経費、基金残高を勘案しながら、改めて考えを整理していきたいと考えてございます。
○加藤委員 これまでいろいろ財政フレームについて伺ってきましたけれども、いろいろと学んだ上で、自分で財政フレームが組めるようになりました、ほぼ。ということで、計算条件を次から示してあって、当初案のやつと過去のトレンド、特別区税と交付税とその他一般財源、上がっているケースもお見せしましたので、そのパターンと、あと、新規工事があるという、結局55ページが埋まっていないけれども、あったとしたらどうなるかということで、大体最低でも200億円は現在価値であるだろうなみたいなところで計算をして、歳入と工事費が予算案どおりで考えて、インフレが先ほど示した工事の7.1%で示したものが比較します。青い実線がインフレ1%、区の想定、今やっている基金残高がどんどん増えていくとなっていますけれども、ほかのケースに関しましてはインフレ率が7.1%、あと、ソフト事業費が赤だと令和7年度のソフト事業を維持をしていく、それ以上増やさないというふうに頑張った場合はこれだけですけれども、インフレを加味しているだけでどんどん目減りしていきます。ソフト事業費、このまま年間14%程度上がり続けたら、令和13年度には破綻します、このペースだとですね。ほかのパターンで、過去の歳入のトレンド、めちゃくちゃ上がっています、交付金とかが。そういうのも全部入れて同じような計算をして、しかし、ここでは、今から5年後以降は工事費がほぼほぼゼロに近くなってしまうので、そこで200億円ぐらいあると想定しても、やはり令和14年には破綻するラインに来ちゃうかなという、これはあくまで数字遊びに見えるかもしれませんけれども、最悪ケースをやはり想定した中での財政運営が必要と考えますけれども、いかがでしょうか。
○竹内財政課長 最悪のケースを想定して財政調整基金の年度間調整分、年度末残高200億円を確保することに努めているところでございまして、また、その他の基金の積立ても行ってございます。社会経済の状況等にも注視しながら、適切な財政運営に努めていきたいと考えてございます。
○加藤委員 こういった状況ではありますけれども、一方で、中野駅新北口駅前エリアの市街地再開発事業による400億円の転出補償金がなくとも財政運営上問題ないと言えるのでしょうか。
○竹内財政課長 転出補償金の収入が見込めなくなったことに伴いまして、財政調整基金の施設改修分、財政調整基金への積立てには影響があったところでございますが、令和7年度予算につきましては、計画的な基金積立や起債活用といった財政運営の考え方に沿った財政運営が行われておりまして、財政の健全性は保たれていると考えてございます。
○加藤委員 区民サービスの停滞を招くことは一切ないということでよろしいですか。
○竹内財政課長 令和7年度予算は計画に基づく政策及び施設整備、社会の情勢を踏まえた区民生活を基軸とした取組に重点を置いた予算となってございまして、区民サービスの停滞を招くことはないと考えてございます。
○加藤委員 ということは、財政的には中野駅新北口駅前エリアの市街地再開発事業の事業計画を急ぐ必要はないと言えるでしょうか。財政的に。
○竹内財政課長 繰り返しになりますが、財政の健全性は保たれていると考えてございます。
○加藤委員 400億円の転出補償金が欲しくて中野駅新北口駅前エリアの市街地再開発事業を急がないといけないという理由は、ここである意味一つ消えるということを認識させていただきます。
続きまして、個別の新規予算について伺っていきます。予算説明書補助資料259ページの8款環境費、1項環境費の省エネルギー設備等設置補助について伺います。この事業ですけれども、考え方によっては個人資産の形成に資する助成であります。例えば住宅の耐震化促進事業も資産の形成に関わる助成金でありますけれども、有事の際に沿道建築物の倒壊による通行の障害を防ぐためにはこういった事業が必要でありまして、公益性はあります。しかし、この省エネルギー設備等設置補助については完全に個人資産の形成のみで完結します。制度としては公共性・公平性が担保できているのか疑問です。例えば、有事の際に携帯電話の電源が必要な方がいた場合に、助成を受けた方が電源をお貸しすることを条件にできるのかなとか、しかし、今年度から始めた事業であり、後から入れた人にそんなルール追加するなんて、ちょっと容認しがたいことになるでしょう。制度にいろいろ疑問がありますので伺います。まず東京都にも同じような制度がありますが、どうなっているか伺います。
○伊東環境課長 東京都の補助制度では様々ございますが、例えば中野区でも行っております蓄電システムの設置補助につきましては、電池の容量によって金額が変わってきますが、東京都でおおむね150万円から250万円ほどとなってございます。
○加藤委員 東京都では条件によりますけれども蓄電池に200万円の補助がつくところ、中野区では10万円しかつかないです。となると、この補助金10万円があるから我が家にも蓄電システムを入れようという背中を押すほどのインセンティブはないのかなと考えます。ただのばらまき、もうけもんだなみたいな感じで、インセンティブがモチベーションに変わらなければ意味がないというふうになってしまうわけです。以前、東京都の環境公社では、高性能の環境配備型の家庭用エアコンを導入するに当たり、抽選で上限100万円程度もらえる制度を行っていました。抽選という方法を導入している事例があると聞きますけれども、他の自治体ですね、把握しているものを教えてください。
○伊東環境課長 調べた限りでございますけれども、23区内では見当たらなかったところでございますが、多摩地域ですとか、千葉県、あと埼玉県などで、幾つかの自治体で抽選方式を採用している自治体があることは把握してございます。
○加藤委員 区としても、どうやったら省エネ機器を導入しようというモチベーションが生まれるためのインセンティブを設けるかというのをよくよく制度設計の再考をお願いしたいと思いますが、いかがですか。
○伊東環境課長 今、委員御紹介になった抽選方式の採用も含めまして、他自治体の事例なども調査して、区民の方の設置意欲がより高まるまるような制度となるよう、常に改善の視点を持って検討してまいりたいと考えてございます。
○加藤委員 続きまして、予算説明書補助資料288ページの10款まちづくり推進費、1項まちづくり推進費の中野駅周辺地区整備の中野駅新北口駅前地区市街地再開発事業の評価について伺います。
まず、どのようなスキームで評価をするのか伺います。
○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 区としましては、3月に新北口駅前地区市街地再開発事業の事業計画見直し方針について報告をすることにしてございます。評価の手法につきましては、区が示す見直し方針の方向性を踏まえて検討していきたいと考えてございます。
○加藤委員 3月には施行予定者である野村不動産から見直しされた事業計画を採用するかどうかを中野区が判断するはずですけれども、であれば、この評価はそのタイミングでやるべきですけれども、なぜ来年度予算で計上されているのか。本来であれば補正予算で今年度中に行うべき事業だと考えますけれども、いかがですか。
○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 区は3月に見直し方針を示すこととしてございますが、第三者視点での内容確認が施設計画の継承性や手続の公平性・中立性を確保するために必要であると考えてございます。仮に現在の施行予定者と事業を進める方針とした場合は、改めて学識経験者等に計画変更の内容を確認していただくことを想定してございます。
○加藤委員 1回整理して、このまま施行予定者と事業を続けるかというところで、施行予定者が固定資産税を負担するかどうか、これをまずやってくれないといけないので、計画の見直しはプロポーザルでやったところからの問題がないかというところをクリアしないといけない。この時点でもし駄目だったとしたら、施行予定者の再選定をするという方向性になると思いますけど、この際は第三者による評価って必要なんですか。
○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 一方で施行予定者が変更となるというような場合には、第三者評価の在り方も含めて事業の進め方全体を見直す必要があると考えてございます。
○加藤委員 よしんば固定資産税等をクリアする、計画の内容も妥当だろうとクリアした際には、再開発事業の評価をそこで初めてするという認識でよろしいですか。
○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 施行予定者と事業を進める方針とした場合には、その内容を確認していただくことを考えてございます。
○加藤委員 はっきり言って、区がつくった第三者に第三者委員会をつくってもらうのはあれですけれども、かなり、申し訳ないですけど、お手盛りでそういった評価委員会をつくられてしまっても、結局区の考えに対してお墨付きを与えるだけの委員会に感じてしまうわけであって、それが必要なのかどうかというのに疑問がありますけど、どのようにお考えですか。
○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 現時点では、どういった評価ということは決まっておりませんで、様々な視点を含めながらこれから検討していきたいと考えてございます。
○加藤委員 じゃ何も決まっていないのに予算化したということですか。それこそ補正予算で来年度やればいいじゃないですか。何も決まっていないんですか。もう1回確認します。
○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 現時点では施行予定者と協議を進めていき、3月に見直し方針を示すというところでございます。その見直し方針が施行予定者と事業を進める場合、そういったところでは第三者の確認が必要というところでございまして、そういった考え方に基づいて計上したものでございます。
○加藤委員 野村不動産と続けるのであれば、今必要なのは納得感だと思うんですよ。はっきり言って、野村不動産でいいのかというよりは、野村不動産が言っていることに納得感があるかどうか。結局、他社が、ほかのディベロッパーが同じことをやったとしても同じようになるのか、もしくは7割の住宅棟がないと我々できませんという業者しかいなければ、ディベロッパーしかいなければ、野村不動産は努力してくれているんだなと。うちは4割でもやりますよっていうところがあったら、じゃ野村不動産は自分らもうけようとしているのというふうになってしまう。こういったところを納得させる資料をつくるのは、第三者委員会じゃなくて中野区なんじゃないですか。中野区はその努力しているんですか。
○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 現在は施行予定者と3月の事業計画見直し方針を示すということで協議をしておりまして、そこの中で区としての考えを示していきたいと考えてございます。
○加藤委員 私、お役所で勤めていたときに社会資本整備の審議会で事務局をやっていましたけど、これは1社しかないですよね。ライバルがない戦いですよね。審議会も同じようなもので、行政側が出したい案を大学の先生にお墨付きをもらいたいがために何回もネゴしに、僕、状況によっては九州までその説明をしにだけに行ったこともありますけども、最終的にこの案でいいと納得してもらうまでいろいろと計画を練り直すという、そういう落ちにしか考えられないんですよ。イエスと言ってもらうまで野村不動産にいいものを書き換えてもらう、そんなお手盛りの委員会、要らないんじゃないかなって。僕が事務局だったら、そうやりますよ。そんな委員会、要らないと思うんですけど、いかがですか。
○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 今後、事業計画を施行予定者と進めていく場合に、さらにその内容を詰めていかなければいけないということになりますけれども、そういった中で、例えば選定時に評価をしていただいた当初の案とかも見ている先生方に改めてその内容を確認していただく、そういったことを考えてございます。
○加藤委員 だから、先生が首を縦に振るまで計画を練りに練り直して、これだったらいいよと言われるまで、ただの時間稼ぎみたいに時間が生まれることが想定されるわけです。じゃなくて、中野区がほかのディベロッパーとかにこれで妥当なのかというのをほかのところに見積りみたいなものを出してもらって、それで比較した上で区議会だったり、区民の方に、それじゃ野村不動産の方向でいくしかないよねって、それを納得させるのが行政の仕事だと思うんですよ、今この状況においては。その努力をしていただきたいと思いますけど、いかがですか。
○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 現在は施行予定者と基本協定に基づいて、信頼関係の下に協議を進めておりまして、現時点で他事業者にヒアリングを行うことは難しいと考えてございます。
○加藤委員 状況によっては野村不動産を切らざるを得ないという状況なのに、それでも我々、ほかのところに相談されて、自分らがやっていることが正しいと認めてほしいんだったら、ほかと比較してくださいよって、うちら努力していますよって、そういう話じゃないですか。ほかと比較されたらたまらないですと言ったら、何かおかしいんじゃないかと。6割はやり過ぎなんじゃないかとか、5割でできるところを6割にしちゃったから、ほかと比較されたら困るとか、そういううがった見方をしちゃうことになっちゃいますけど、それでも野村不動産に他社との比較ができないということなんですか。最悪切られちゃうかもしれないじゃないですか、中野区に。それでも駄目と言うんですか、野村不動産は。その確認はしているんですか。
○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 市街地再開発事業は、それぞれの事業者がノウハウを持って事業計画を作成していくというものでございまして、その事業者によって考え方は異なってくるところがございます。現在は、区としては施行予定者と協議をしておりまして、事業の考え方の異なる他事業者にヒアリングをするということは考えてございません。
○加藤委員 この事業というか、この事態においても区がその努力を怠っているとしか思えません。それを第三者委員会に丸投げして、お墨付きを取ろうとしているこの事業があっていいのかというのは本当に疑問であるということで、ここは終わらせていただきます。
続きまして、予算説明書補助資料268ページ、9款都市基盤費、1項都市基盤費の民有地ベンチ設置助成等について伺います。SWCの推進において、歩きたくなるまちづくりは非常に重要な事業です。その事業推進の中で民有地ベンチ設置助成等という新規事業ができました。どのような制度なのか伺います。
○塚本都市計画課長 民有地ベンチ設置助成でございますけれども、歩行者など、どなたでも自由にお座りいただけることを前提として、民有地の敷地内にベンチを新たに設置する際に10万円を上限に助成をする仕組みでございます。なお、申請者がベンチの管理をすることですとか、どなたでもベンチを利用できる状態を数年間は維持していただくことを条件としていく考えでございます。
○加藤委員 これは私が以前住んでいた家なんですけれども、ブロックを3段積み重ねた囲いがあって、隠しているのは自分のポスターが貼ってあったのであれなんですけど、ベンチ的な役割を果たして、地域のお年寄りがお休みになられる様子もありました。それは全く構わなくてよかったんですけれども、朝になるとここのブロックのところに日本酒のワンカップの空きびんが週に3回ほど、3か月以上捨てられているというトラブルがあって、毎回捨てないといけないというのがあったんですよね。ベンチを設置しなければよかったなとならないように、一定期間の試用期間などを設けたほうがいいのかなと思っているんですけど、いかがでしょうか。
○塚本都市計画課長 現時点におきましては、ベンチ設置の試用期間のような仕組みは考えてございませんけれども、御指摘にあったような懸念点などにつきましては、事前にしっかりと申請者のほうに確認を取っていきたいというふうに考えてございます。
○加藤委員 よくよくこういうこともあるというのは、ちゃんと注意喚起した上で導入していただきたいと思います。それこそ立石委員なんて月に1回ぐらい、ごみ拾いをやっていまして、とんでもない量、我々もいろんな団体とやっていますけど、駅周辺となるととんでもなく、ごみ捨て場なんじゃないかというぐらいベンチがそういう扱いになりますので、よくよくその辺、注意喚起を怠らないでやってください。
次に、179ページ、4款区民費の4項文化振興・多文化共生推進費で、山﨑家書院・茶室学術調査委託について伺います。山﨑家は農業の傍ら、質屋の営業、そしてしょうゆの醸造にも進出し、江戸近郊でも有力な家でした。また、江古田村丸山組の名主や明治維新後に官選の名主、戸長を経て東京府議会議員、野方村長などを務め、名誉区民である八代・喜作氏の代に資料館用地と資料群が中野区に寄贈されました。そういったいきさつがある山﨑家の書院・茶室を今後どのように活用されるのか、事業内容とその後の展開について伺います。
○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 山﨑家の書院・茶室につきましては、江戸時代の建物であり、旧江古田村の名主家の生活様式を後世に継承していく上で重要な文化財であると認識しておりますが、現在では躯体のゆがみですとか、雨漏り痕、これらが確認されているところでございます。このことから、建物の劣化状況や倒壊の危険性を把握し、さらに本建造物の本質的な歴史的・文化財的価値を把握するために今回学術調査を行うものでございます。今後、学術調査の結果を踏まえまして、区の文化財として登録または指定に向けた取組を行うとともに、建物の修復方針を明らかにしていきたいというふうに考えているものでございます。
○加藤委員 世田谷区役所は、当時そこに住まわれた方が区庁舎をつくってほしいということで、その土地を寄附したという経緯があって、区役所の建て替えに関しては現地建て替えしかないというような話もあり、ある程度縛られてしまうところはありますけれども、歴史民俗資料館とこの建物に関しては、それも寄贈を受けたというところで、その辺、寄贈してくださった方の思いにちゃんと寄り添っていかなければならないなと思っています。その中で、庭園の中に、この家ももちろん重要なんですけれども、樹齢500年を超えるというシイの巨木がそびえています。中野区の木であるシイの木であり、恐らく区内で最も樹齢が長いシイの木です。書院・茶室の保存とともに、この中野区のシンボルとなり得るシイの木が認知されるような保存計画も併せて行っていただきたいと思いますが、いかがですか。
○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 旧山﨑家の書院・茶室だけではなく、委員ただいま御案内のとおり、シイの木ですとか、そのシイの木があります庭園、あと歴史民俗資料館に収蔵されている山﨑家の調度品などを含めまして、保存活用を図っていくことに意義があるものというふうに考えているものでございます。こうした考え方の下、今回の学術調査の結果ですとか、文化財保護審議会の意見を踏まえながら、区の文化財としての登録または指定など、有効的な保存活用の方針を検討していきたいというふうに考えてございます。
○加藤委員 ちなみに、先日山﨑家のを見て、その隣にあるというか、そっちがメインですけど、歴史民俗資料館に伺いまして、館長に直接案内してもらいました。今までホームページなどでも読んでいた事実でしたけど、ちょっと読み流していたなというのがありますし、歴史民俗資料館も何度か行っていたんですけど見過ごしていた事実があって、中野区にあった江古田植物化石層の発見は我が国にも氷河期が存在したことを初めて証明した土層だということです。右の図ですけどね。中野区でこれがあったから、日本に氷河期があったという証明は中野区でされたという、すごい事実があるのが一番最初の展示物で、そんな事実も知らないでこれまで区議会議員をやっていたんだなと、ちょっと恥ずかしい思いをしましたけども、知らなかったです。ただ、館長と一緒に歩いたことによって、見ていて、それで分かったということで、公開の仕方にもう少し工夫があっていいのかなと。それがシビックプライドにつながっていくのかなと思ったんですけども、その辺御検討していただきたいと思いますが、いかがですか。
○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 委員御案内のとおり、歴史民俗資料館の展示パネルに加えまして、学芸員などから説明を受けることで来館者の理解ですとか興味の喚起につながるものというふうに認識しているところでございます。現在、一部の企画展でそうした案内ですとかの取組、説明ですね、取組をやっているところでございますけれども、頻度を高めるとともに、二次元コードの読み取りにより解説が聞けるようにするなど、公開展示について工夫に努めてまいりたいというふうに考えてございます。
○加藤委員 シビックプライドを育てるというのが、後ほどもその辺やらせていただきたいんですけど、重要だと考えています。以前この総括質疑の場でも紹介させていただきましたけれども、生類憐れみの令が世界初の人権擁護・動物愛護の強烈な法律であったとの解釈もあり、そのシンボリック施設である犬小屋をフォーカスするという必要性もあると考えます。また、すばらしい本が結構売っているんですね。シビックプライド醸成のために、本だけじゃなくて、ホームページにそれを掲載する、その事実を広く伝えていくべきと考えます。例えば、この右上の化石層のやつ、検索で調べても出てこないんですよね。これはスキャンさせていただいて、ここはやってきたんですけど、そんなすばらしい事実がホームページにすら載っていないということ、こういうことをまずやっていくというのが重要かと思いますので、その辺御検討いただきたいんですが、いかがですか。
○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 歴史民俗資料館が有します文化ですとか歴史に関する情報につきましては、十分に発信ができていないというふうに認識しているところでございます。文化や歴史を深掘りする情報はシビックプライドの醸成にも寄与するものというふうに考えてございまして、委員御案内の刊行物に掲載されている内容を区のホームページなどで掲載するとともに、それらの詳細や解説が得られる歴史民俗資料館への来館を誘導するよう工夫をしてまいりたいというふうに考えてございます。
○加藤委員 続いて、2、中野区の地域経済の活性化について伺います。一般質問でも取り上げましたけれども、地域経済分析システム、RESASのデータから中野区の経済活性につながるヒントを皆さんと考えていきたいと思います。一般質問でも紹介しましたけれども、流入者・流出者の人口と内訳です。流入者は練馬、杉並から9,000人ずつ、横浜から3,000人程度、流出者は中野区から新宿へ2万人を中心に都心3区に出ていっております。そして中野区の昼夜間人口の比率、右肩上がりで上がっておりまして、中野区は都心3区のベッドタウンからオフィス街へと姿を変えているという状況です。
RESASの地域経済循環図では、国民所得や国内総生産ベースで生産、分配、支出、三つの側面から算出しても同じになる三面等価の原則を簡単に表示してくれます。
まずこの分析、生産から示していきます。算出した金額はGDPと同じ計算方法で、売上高から商品仕入れ高、材料費、外注加工費を引いたものです。中野区の付加価値は大体1.8兆円となりまして、ほとんどが第3次産業であります。
次、分配ですけれども、先ほどの1.8兆円は個人の所得、給料と、あと会社などに入るその他所得に分配されます。雇用所得は給与として分配されます。中野区民が受け取った給料は大体1兆円です。中野区外からお金がトータル的に615億円、結局、差し引きで都心3区などから稼いだ出稼ぎのお金で615億円が中野区の中に入ってくるというところが分かります。
いろいろと細かく調べるといろいろあって、こういう数字の内訳を示した図があるんですけど、これを分かりやすく示しますと、先ほどの水色のところが中野区の企業が区民と区民以外の方に払った給料であります。中野区民が中野区で働いているのが5万2,000人程度で、中野区外から働きに中野区に来ているのが8万2,000人程度で、全体の高さを示しているのが中野区・中野区外の企業が中野区民に払った給与であり、中野区内企業が中野区民に払ったのは同じ5万2,000人で、紫のところが中野区民が区外の企業から、都心3区とかからもらった給料を示しております。こういった内訳がこの数字の中にあるということを仮定というか、大体のところ、数字として表れます。
次に支出ですけれども、どこでお金を払ったかというところですけれども、中野区民の人が中野区で全部お金を払うわけじゃなくて、地域外へ流出をさせてしまいます。事実、例えば千代田区のたばこ税を見ますと、中野区ではたばこ税、1人当たり6,000円ですけれども、千代田区におきましては4万2,000円、7倍の納税になっております。千代田区の人がほかの区の人より7倍たばこを買うわけではないので、つまりどこでお金を落とすかというのは非常に経済のファクターとして大きいということが示されます。
時間になったので、途中ですけど締めてもらって。
○杉山委員長 加藤委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。
13時まで委員会を休憩します。
午後0時00分休憩
午後0時59分開議
○杉山委員長 委員会を再開します。
休憩前に引き続き、総括質疑を行います。
加藤委員、質疑をどうぞ。
○加藤委員 すみません、途中だったんですけど、やはり一度少し戻って、理解できていないという声があったので。
中野区民が給料をもらって、どうなっちゃっているかというところから説明したいんですけど、この左図のほうで水色のところが中野区内の企業が従業員に支払った給与で、上の赤い部分、左側の雇用所得の上の赤いところが地域外からの流入で615億円ですね、これが出稼ぎに行ったお金の差引きで、区内に流入しているのが615億円です。この615億円が人口当たりで、それぞれの給与単価は分かんないですけど、人口で見ると、区外企業で働いている人が1万2,000人で、逆に中野区外の人が中野区で働いている人が8万2,000人いるので、ここでもらった給料の差引きが615億円、これが思ったより少ないですねというところで、GDPベースですけど、下の黄色のところが中野区民が区内企業からもらった給料というところで、この縦棒グラフの縦の長さは人口に合わせています。中野区民が中野区内から給料をもらっていれば、中野区内でお金が落ちるでしょうと考えられますし、区外企業で働いている人が中野区に金を落とすかというと必ずしもそうじゃなくて、働いている勤務地でお金を落とすということもあります。中野区内の企業で働いているけど、ほかのところに住んでいる人は地元のところでお金を払いますよね。こういうことをちょっと考えたいなというところで見ますと、支出、どこでお金を使っているかというのは、民間ベースでいうと、この図でいうと左側です、民間消費額というのがありますけれども、水色で示しているのが7,449億円で、地域外の流出が2,651億円で出ていっています。右側は会社だったり、税金のところが入っているので、このところで説明は省きますけれども、これで結局、地域外へ流出しちゃっています。給料としてはかなりもらっているんですけど、2,651億円のGDPベースで区外に出てしまっています。これを説明していたのが、一つの見やすい指標として税金額で見るとこういうのがあるなというところで、千代田区のたばこの税収、1人当たりにすると4万2,000円、1人当たりたばこ税を支払っていることになります。中野区はそれに対して、一番下ですけど6,000円となっています。千代田区の人が中野区の人より7倍たばこを買っているわけはないんですよね。というのは、結局、千代田区で働いている人が千代田区でお金払っているから、こういうふうに1人当たり換算すると7倍ものたばこ税になっていく。これがたばこ以外も、食べ物、ランチだったりとか、ちょっとした買物もやると、中野区民が千代田区で働いたりして千代田区でお金を落としてしまうから、結局、中野区でお金が落ちないというのが税金から見ても分かってくるわけです。
例えば千代田区を見てみますと、この図面で支出のところを見ると、給料はかなり外に出ちゃっています。水色が千代田区民の給料で、ほとんどが外に出てしまっています、お金が。ただ、支出としては、結局地域でお買物するので、この民間消費額、左側のところ、地域外からの流入、例えば中野区民が千代田区で働いて千代田区でお金を落としているから、地域外からの流入として千代田区の中の経済圏でいうとそういうふうになってきます。渋谷区も同じような傾向になっています。
これをどうにか、中野区においても地域内への流入というのを増やしていく、これがオフィス街へと進んでいくと、ここの一番右の図である民間消費額、地域外へ流出させるのではなくて、地域内にどんどん入れていくということが中野区の経済を考える上で非常に重要だなと思っているわけです。
ここまでRESASから見た中野区の現状ですが、分配所得を増やすためには中野区がオフィス街へと変化する必要がありまして、新中野サンプラザがそのシンボルタワーになるのではないかということで一般質問させていただきました。
中野区内における支出を増やすためには何が必要なのか、思考実験を皆さんとしたいなと思っています。まず中野区で働いている区外の人に、できるだけ中野区で買物をしてもらうにはどうすればいいか。ふるさと納税で歯医者さんの支払いのところ、クーポンをやりましたけど、これはかなりいいセンスだったと言えるのかなというふうに思います。お昼ご飯とか、ちょっとした買物を、中野区で買物してもらうためにナカペイを活用できないのか。常に例えばプレミアムポイントを5%、期間限定もしないで区外の人に付与すると、杉並とか練馬からは毎日それぞれ9,000人の方が中野区にお勤めなんで、中野区のほうが5%安いんだったら、そっちで弁当買ったほうがいいなとか、そういう発想もあるかもしれません。区外で出稼ぎしている中野区民にも、ナカペイで中野区内における買物を促す。ほかにも区外に出ていってしまう理由として、通信サイトで買っている買物というのがあります。通信サイトで頼んだ企業のある住所のところにお金が落ちますので、通信サイトを使うとどんどんお金が出ていってしまいます。ナカペイで地元でお金を使うことを促すと、脱アマゾンとかになって地域でお金が落ちてきます。そして、それが結局郵送してもらっているんじゃなくて、歩く行動変容との変化にもなりますので、SWCにもつながってくるかもしれません。プレミアムの付け方は、チェーン店の直営店を除くとか、ランチに絞るとか、いろいろあるかもしれませんし、もちろん観光で人を招くことも重要です。これまでナカペイをいろいろやって、利用実績からこういった、どうしたらいいかというのは、中野区でどうやったらお金を落としてもらえるかという観点で分析・評価すべきと考えますがいかがでしょうか。
○国分産業振興課長 ナカペイは利用者の居住地や年代、エリア別や業種別、店舗別の利用状の分析、さらにそれらのクロス分析などが可能となってございます。他方、ふるさと納税寄附額の70%強を占める中野区内限定のPayPay商品券を返礼品に選択しているのは、杉並区をはじめとした近隣区在住者が約55%でございます。ナカペイの利用実績の分析をもとに、こうしたふるさと納税返礼品の状況なども併せて産学官連携による評価も行いながら、委員御案内のような在住者と在勤者に対する区内での消費行動を促す方策について検討してまいりたいと考えてございます。
○加藤委員 あと、フェリカポケットマーケティング代表取締役の納村氏が著書でRESASのデータを基に分析されていますので紹介します。RESASのデータから神奈川県の各自治体の稼ぐ力と消費流出分析マップというのを出しているんですけども、この図面における、上のほうは地元でお金を使う割合が多いことを示しております。この中で湘南から三浦半島エリアの、いわゆる地元が大好きという感性が強いエリアに関しては、上のほうに地域にお金が落ちているのが固まっているようなところから、そういった地元大好きというマインドの醸成が地元でお金を落とそうというふうな流れになっているのではないかというふうに分析されております。すなわちシビックプライドを育むことによりまして、そういったお金が地域に落ちていく、こういった流れもつくれるのではないかというふうに考えます。
以前、総括質疑で、江戸時代、中野の住民であった源助が現在の朝日が丘児童館において象を飼って見せ物小屋を開いていて、そのときに莫大にかかる餌代を賄うために象の三色饅頭を販売していたことから、現代に復刻してはいかがかと議会で提案させていただきました。いくらおいしくても老舗感、伝統、歴史がなければ名物とはいえないからです。しかし、その商品だけではなかなか、その先も展望も見えないなと感じたところ、先日、練馬区議会議員から御当地のお土産を頂きました。様々なものが入っているアソートで、練馬の形をしたサブレとかがあります。であれば、中野が誇る有名菓子店などのコラボも可能かと思います。残り7年と迫った区制100周年を迎えるまでに中野区もそのようなお土産ができたらいいなと考えますけど、いかがでしょうか。
○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 区制100周年に向けまして、また、ふるさと納税の返礼品にもなり得る御当地土産を開発することはシビックプライドの醸成とシティプロモーションに寄与するものだと考えております。歴史や地形、伝統などにひも付く商品開発やそれらのパッケージ化について、区内事業者と協議しながら実現を促してまいりたいというふうに考えてございます。
○加藤委員 時間のところですけど、武井委員から時間を頂いているので、もう少しやらせていただきます。
中野区の地域経済の活性化についてのところで中野サンプラザアリーナについて触れます。私は東京ドームのすぐ近くにあります中央大学理工学部に通って、大学4年生の22歳から助手の30歳までの期間を、住民票を文京区に変えたほうがいいのではないかというくらい大学に泊まり込んでいました。そのため、東京ドームが周辺経済にもたらす効果というのは、ちょっとはたから見てきたわけですけれども、巨人戦、旧ジャニーズのコンサートなどが終わった後は、周辺の飲み屋はごった返します。コンサート後であれば、USENでそのアーティストの曲がずっと流れているような店もあります。逆にイベントがなければ閑古鳥です。
中野に目を向けると、中野サンプラザでコンサートができなくなった昨今でありますけれども、それによるマイナスの経済効果になっているというようなことを聞くこともありません。サンプラザ自体がキャパが小さいこともありますけれども、演歌歌手、アイドルなどが専らのアーティストで、演歌歌手であれば日中開催して、そのお客さんはお茶でも飲んで帰りますとかいった程度で、アイドルのファン、いわゆるドルオタとかは推しのために食費を削る方も多いようです。となると、今アリーナ、中野のコンサートができない状況でありますけども、新しく造るものに関しては中野区の経済循環のために資する、そういった施設になってほしいなと思います。となると、アリーナは地域の経済に循環をもたらすようなイベントができる仕様とすべきと考えますけれども、いかがでしょうか。
○小幡中野駅新北口駅前エリア担当課長 新北口駅前エリアの多目的ホールは、再整備事業計画において、ポピュラー音楽を主用途とし、多様なイベントに対応できるフレキシビルな施設形状、設備、機能を誘導することとしております。民設民営のホールとなるため、事業者からの提案を踏まえることとなりますが、当地区のコンセプトであるにぎわいと交流に満ちたまちに寄与するホールとなるように事業者を誘導していきたいと考えてございます。
○加藤委員 次に、スマートウェルネスシティの推進について、まず健幸ポイントを活用した健康促進のための実証実験について伺います。
○河村地域包括ケア推進課長 健幸ポイント事業の概要についてお答えいたします。健康管理アプリやウェラブル機器を導入、また、高齢者会館に体組成計等を設置し、歩数や健康状態をセルフチェックできる環境を整備することで外出交流機会を創出いたします。歩数や日々の活動に応じた健幸ポイント付与をインセンティブとし、ポイント付与につきましては1日の歩数が基準に到達すると1日に最大25ポイントを付与するなどして、1人当たり年間6,000円分を付与することを想定してございます。令和7年度から令和9年度にかけて毎年1,000人ずつ募集をいたします。
○加藤委員 今のお話から一定歩数で1日最大25ポイント、年で最大6,000ポイントとされるということです。例えば歩いた歩数に応じるわけですけども、最低歩いてほしい歩数を5,000歩として、理想として歩いてほしいを1万歩と仮に設定した場合に、図に示したような傾斜をつけるべきと考えます。
ところで、毎年1,000人ずつ増やしていくということですけれど、その参加者をですね。最大3,000人に3年後なってしまうんですけど、その理由について伺います。
○河村地域包括ケア推進課長 実証実験の参加者は、健康無関心層が多く占めるよう募集の工夫をしていきたいと考えております。健康無関心層が参加するためには、口コミによる動機付けが有効であるため、令和7年度の参加者がインフルエンサーとなり、令和8年度以降の参加者に呼びかけるといった段階を踏んだ募集を行う必要があると考えてございます。
○加藤委員 であれば、2年目、3年目はこの歩数を、例えば今5,000歩を仮にしますけど、6,000歩がいいのとか、最大で1万2,000歩がいいとか。そういったパラメーターを変えていくみたいなことをすることによって、医療費削減にどのパラメーターが最も効果的かというのは年齢・性別などともに分析する必要があると考えますが、いかがでしょうか。
○河村地域包括ケア推進課長 2年目、3年目以降の効果的な取組についてでございますが、令和7年度に実施する内容を踏まえまして、40歳以上の参加者の年齢層の割合やポイント付与の考え方等を精査し、令和8年度以降の事業内容については検討してまいります。
○加藤委員 時間がないので二つ質問を飛ばして、ウェアラブル機器や体組成計はレンタルするものなのか伺います。
○河村地域包括ケア推進課長 ウェアラブル機器、体組成計は購入することを予定しております。また、ウェアラブル機器につきましては区民の皆様に貸与を検討しております。
○加藤委員 区がそれを買ってレンタルするということですね。あくまでSWCの目的は健康づくりでありますけれども、区の立場で言えば医療費削減を目標としていて、医療費削減以上に行政コストが上がっては意味がありません。医療費削減目標を事業の最大目標とすべきです。機器のレンタルのコストが加算してしまってはスマートではありません。あくまで実証実験期間中にどの機器が有効であるかの検証とするための機器購入であり、本格実施する際には対象人数も増えることから、レンタルすべきではないと考えますがいかがですか。
○河村地域包括ケア推進課長 機器の調達につきましては実証実験での有効性を検証いたしまして、その後の本格実施の際には、その結果を踏まえて検討してまいります。
○加藤委員 次に、さきの総括質疑で取り上げたマイナス5歳若返り体操やなかの元気アップセミナーなどの介護予防事業では効果を検証し、その検証効果をホームページなどに示すことでSWCの推進に資すると考えますが、そのためには事業者利用のビフォー・アフターの効果測定を行い、そのためのサンプル数を増やすなど、実施回数を増やすなどの改善が必要と伺いましたけれども、その後の取組はいかがでしょうか。
○高橋医療・介護連携推進担当課長 介護予防事業の効果検証についてのその後の取組については、自立支援や重度化防止を目的といたしましたなかの元気アップセミナー短期集中予防サービスは、令和7年度から会場数やコースを増やしまして利用者数の促進を図ってまいります。介護予防事業では、事業の目的や種別ごとの必要に応じて受講前後の体力測定を行いまして、効果の検証を行ってございます。まとめたデータや好事例を区民に発信することがスマートウェルネスシティの目指すヘルスリテラシーの向上に寄与することから、ホームページや5月に発行を予定しております通いの場マップなど、広報媒体への掲載を準備しているところでございます。
○加藤委員 これも以前取り上げたんですけど、医療費抑制という観点で理学療法士の知見の活用を提案しました。ねんざをよくする子は、多くの場合、走り方に問題があるため、様々な面で理学療法士の予防医療の知見を生かすべきと伺いましたが、その後の検討はどうでしょうか。
○井元指導室長 令和5年度につきましては南中野中学校、令和6年度は中野中学校において理学療法士を活用し、講演や実技指導等を通じて成長期に見られるけがの防止や体の柔軟性の向上について授業を実施しております。また、令和7年度に向けて取組が広がるよう、総合東京病院の理学療法士が校長会に参加し、情報提供を行ったところでございます。
○加藤委員 次、4、教育現場における桃鉄の活用について、この桃鉄は1988年から幅広い世代で愛されているゲームです。桃太郎電鉄の略ですけども、ボードゲームの一種で、プレイヤーが鉄道会社の社長となり、日本全国をめぐって資産を争うゲームであり、駅や地理、観光名所や特産品を覚えられる特徴があります。私はこのゲーム、不慣れで、後輩にボロボロにやられてしまって、その後、本気でトレーニングしている間に、デイリーではありますけども全国1位になるほどのめり込みました。日常のあるあるの会話で、この駅は桃鉄で行ったことあるなどありますけども、地理の知識が楽しみながら増えていきます。学校機関への導入は無料で、ウェブブラウザ、タブレットなどでプレイが可能です。導入後も無料であります。中野区においても桃鉄教育版の導入を検討されてはいかがでしょうか。
○井元指導室長 桃太郎電鉄教育版は、社会科の授業に取り入れることで社会的なものの見方や考え方を養うことができると聞いてございます。学校単位で利用登録して、児童・生徒の1人1台端末での利用が可能であり、費用は無料であることから、希望する学校において授業やクラブ活動等で導入することが可能であると考えてございます。
○加藤委員 ありがとうございました。
その他で、部活動の地域展開、合同ダンス部について伺います。EXILEが所属するLDHのアーティストであり、プロダンスの戦いであるD.LEAGUEにおいて優勝経験がある、中野区に拠点を設けているFULLCAST RAISERZのアドバイザーを行っている方が合同ダンス部の指導に携わりたいとの打診があります。教育委員会としての回答を伺います。
○井元指導室長 行政主導地域クラブ活動の合同ダンス部につきましては、区が委託契約を結んだ事業者と協議の上、活動方針や活動計画等を決めてございます。その中でプロダンスリーグに所属しているFULLCAST RAISERZ等と連携をして、生徒が主体的にダンスに取り組めるようにしていくことを考えておるところでございます。
○加藤委員 ありがとうございました。私からの総括質疑は以上でございます。
○杉山委員長 以上で加藤たくま委員の質疑を終了します。
令和7年02月13日中野区議会本会議(第1回定例会)の会議録
○議長(酒井たくや) 次に、加藤たくま議員。
〔加藤たくま議員登壇〕
○16番(加藤たくま) 自由民主党議員団の立場から一般質問をいたします。
とん挫した新・中野サンプラザ整備については、様々なメディアで取り上げられ、区内外から高い関心が持たれております。施行予定者である野村不動産は、頓挫した事業計画の見直しを行っておりますが、過去、議会からの指摘に対しててこでも動かなかった構想がいとも簡単に変更なされる様子から、今までの議論は何であったのか、事業採算性のためなら何でもありなのか疑問が残ります。また、それをサポートするがごとく動く中野区に対しても疑義が生じております。
総務委員会では、公共施設である中野サンプラザ南側広場を野村不動産が使えるようにアイデアを練っていくという趣旨の答弁に耳を疑いました。公共性・公平性が全くない中野区政の運営は、社会情勢の激変による今回の事態以上に問題ではないかという疑問があります。
令和6年第4回定例会で、関係各所との信頼関係が損なわれた状況をつくった施行予定者を野村不動産のままとするための最低条件を二つ申し上げました。一つ目としては、施行予定者が固定資産税等を負担するということです。
1月29・30日の閉会中の委員会において、中野駅新北口駅前エリアの市街地再開発事業に係る資産の活用についてで関連の報告が行われました。その委員会資料には明確な数字が示されませんでしたけれども、以前の答弁から、中野サンプラザ・旧区役所を権利変換することなくこのまま維持する場合、年間約4億円程度のコストがかかり、加えてその報告においては、中野サンプラザ南側広場の管理経費が加わるとの報告でした。
また、委員会資料では、中野サンプラザ南側広場を開放するということでありますが、状況によっては野村不動産に貸与できるようにアイデアを出すといった趣旨の答弁がありました。しかし、公共地であり、一事業者に対して随意契約で貸し出すことは、断じてあってはなりません。
この広場の有効活用に関わる業務はプロポーザルとすべきと考えますが、区の見解を伺います。
さらに報告では、以上の経費について施行予定者が対処するよう、施行予定者宛てに文書を発出したところ、今回示された実質負担の金額を踏まえ、施行予定者として責任を持って協議、対応したいとの申出があったと説明がありました。「金額を踏まえる」とは、この場合参考とするという意味でしょう。そして「責任を持って協議、対応したい」とし、協議という含みがある表現を使っております。経費の負担は最低条件の一つと考えており、それが実行されるか疑義がある時点で施行予定者との協定の解除を求めます。
そこで質問ですが、施行予定者が全額負担する約束を中野区はどのように担保されるのか伺います。
また、区としては全額を負担してもらう方向性ということは、ここまでに至った経緯として、中野区の責任は全くなく、全て施行予定者にその責任があるという認識でよろしいのか伺います。
前回の定例会で、まちづくり中野21が所有する中野サンプラザの土地・建物を中野区へ寄附することを提案しました。自治体が所有する資産は固定資産税の支払い義務がないため、経費を圧縮できると考えたためです。その検討状況について伺います。
寄附ができれば、中野サンプラザの固定資産税を年間2億円以上を圧縮できます。もし今回の事態に区の責任が全くないのであれば、その圧縮分は中野区の利するものでなければなりません。圧縮できた差額を野村不動産の支払い額の圧縮に使うべきではありません。
そこで、野村不動産に請求する金額は、現段階で算出されたものであるとする、そして圧縮できた分の差額は、新・中野サンプラザで生じる中野区が負担する維持管理費の経費などに負担してもらうなどの交渉が必要と考えますが、区の見解を伺います。
話を施行予定者がこのまま野村不動産とするための最低条件に戻します。最低条件の二つ目として、計画見直しは小規模かつ新たな区の負担がないということです。しかし、先日の委員会で出てきた事業計画の見直しのイメージ図は、2021年のプロポーザル時に東京建物が提案したツインタワーに類似するものでした。プロポーザルが成立するのか甚だ疑問であります。
そこで伺いますが、このツインタワーなどを含めた事業計画の見直し案に対して、例えば次点の企業から訴えられても問題ないのか、リーガルチェックされたのか伺います。
中野サンプラザのDNAには住宅は1%もなく、6割が住宅となれば新サンプラザは誰の子どもなのか。区の最大の資産を投げ打ってタワーマンションを造るのが正しいとは思えません。また、住居部分が4割から6割に増加させなければ事業収支が合わないという野村不動産の言い分のみでは判断材料が足りません。900億円の総工費が増額する前の保留床処分金、つまり分譲住宅の販売による収入は2,161億円で、見直し案は住宅部分1.5倍となるために、単純計算で1,080億円が収入アップします。そしてツインタワーへとすることで建設費を圧縮できているのであれば、900億円以上の補填は優にできており、その上がり分はどこへ行くのか疑問であります。せめてほかのディベロッパーも同様の設計構想となり、住宅部分は最低でも6割必要と言うかもしれない。そういうことを確認する必要があります。また、逆に住宅を7割でなければ成立しないというディベロッパーしかいなければ、野村不動産は相当な努力をしていると評価ができるかもしれません。野村不動産とこのまま事業を進めるにしても退くにしても、妥当性を証明する必要があります。3月に報告される見直された事業計画が納得できるかは、そこにかかっていると考えます。区は、見直された事業計画の妥当性を証明するための方策があるのか伺います。
次に、令和6年第18号議案、財産の処分についての有効性について伺います。
先ほども森議員が扱っておりましたが、私も別の観点から。この条例は、旧区役所の建物部分を財産処分するために必要な議案で、従前資産評価額を参考に設定された処分価格の最低限度額は約4億5,300万円でしたが、それは今年度内における権利変換を前提としておりました。権利変換する時期が遅れることから、従前資産評価額は変わると想定されます。また、それに付随して説明されていた事業計画が変更となることも確定的であります。
このような状況下において、今後も同議案が有効であるのか伺います。また、有効であったとしても、区民の代表である区議会にそのプロジェクトに対する賛否を改めて問うべきと考えますが、区はどのようにするのか伺います。
次に、新・中野サンプラザが目指す姿を、中野区を取り巻く状況を平成27年4月より、国が提供を進めている地域経済分析システム(RESAS)のデータから検証します。
サービス提供開始時に、石坂議員が活用すべきと一般質問されておりましたが、中野区政は表面上、活用されていないようです。RESASリリースから10年くらいが経過し、内容も充実しました。RESASでは様々な分析が可能ですが、都道府県単位のデータのみのものもあるため、市区町村別にデータがある分析のうち、まちづくりマップと地域経済循環マップを取り上げてまいります。
RESASでは、通勤・通学による流入人口と流出人口を簡単に表示することができます。昼夜間人口データは国勢調査であるため、5年に一度、直近では2020年度となります。夜間人口は中野区の人口そのものを示します。昼間人口は中野区民がほかの自治体へ通勤・通学で流出、また、ほかの自治体から流入した差引きの人口となります。差引きの結果で1万9,033人が流出しております。ほかの自治体からの流入者が8万2,283人、他自治体への流出が10万2,307人で、その差引きの流出超過数は2万24人です。昼夜間人口の差より1,000人くらい多いですが、このデータは15歳以上に絞られているからだそうです。通学で中野区内に流入する小・中学生よりも中野区外に流出している子どもが1,000人程度多いと考えられます。
ここで重要なのは、毎日の通勤・通学で練馬区、杉並区から9,000人程度、横浜市から3,300人程度、新宿区、世田谷区から2,700人程度が流入しているということです。一方、通勤・通学による流出は、新宿区へ2万人程度、千代田区1万4,000人程度、港区1万1,000人程度、渋谷区8,000人程度です。中野区が都心3区等へ通うためのベッドタウンだったのは今や昔の話で、中野区は通勤・通学で通われるまちになってまいりました。
事実、昼夜間人口は右肩上がりです。1991年から始まったバブル崩壊により下がり続ける土地の価格を維持するために、国は容積率の緩和などのあらゆる規制緩和を行いました。その結果、都心近郊であった中野区においては、1990年代から2000年代初頭にかけて建設ラッシュ、区が直接関わった事業として、野方WIZ、なかのサンクォーレ、中野坂上サンブライトツイン、ハーモニースクエア、アクロスシティ中野坂上などの市街地再開発事業などを活用したオフィスビルなどがあり、1990年、80.7%だった昼間人口比率は、2005年に92%へと激増しました。そして2012年、警察大学校跡地開発などにより再び昼間人口は増加し、2010年から2020年の10年間で昼間人口は3万6,000人増えております。コロナが原因であるのか、昼夜間人口比率は、2015年から2020年は横ばいとなりました。しかし、中野区の昼間人口は増加中であり、ベッドタウンとオフィス街の分岐点となる100%まで迫ってきております。中野区が自ら稼ぐオフィス街となるのか、都心3区等へ出稼ぎに行くベッドタウンであり続けるのか、中野のまちづくりの方向性が問われております。
私は無論、自ら稼げるまちになるべきであると考えます。中野のシンボルタワーになる新・中野サンプラザのオフィスと住宅の比率は、中野区が今後どんなまちにしたいのか、その想い、政策が宿るものだと考えます。新・中野サンプラザのオフィス、住宅、交流施設の割合は、昨年段階で4対4対2でした。今の方向性では住宅を6割以上としておりますけれども、中野区のシンボリックタワーはタワーマンションにすべきではないと考えます。
そこで、中野区は今後、中野区をどのようなまちにしていきたいとお考えなのか、その信念を伺います。
RESASに地域経済循環図というものがあり、また違った観点から指摘します。付加価値額ベースでお金が生産、そのお金は給料、納税として分配。分配された所得は何かを購入することで消費、支出されます。国民所得や国内総生産(GDP)が生産・分配・支出の三つの側面から算出しても同じ値になるという経済学上の原則で、三面等価の原則とも呼ばれ、マクロ経済学の基本だそうです。中野区内では1.8兆円規模の経済循環が行われております。詳細は総括質疑で取り扱いますが、ここでは分配のみについて説明いたします。
中野区で生産された1.8兆円のお金は、雇用者所得とその他所得に分配されます。雇用者所得は給与として、その他所得は財産所得、企業所得、交付税、社会保障給付、補助金等として分配されます。雇用者所得で中野区民が受け取った給与は9,995億円で約1兆円です。給与の流入と流出の差引きである地域外からの流入がたった615億円であり、都心3区へ出稼ぎに行っていた時代は終わりつつあります。オフィス街へと変貌を遂げております。
では、中野区がどんな産業構造になっているのかRESASで調べますと、生産額ベースで最も大きい産業は情報通信業3,581億円で13.1%です。中野区が強いと言われているアニメ産業はこの情報通信業に含まれます。日本のアニメ産業は2023年に3兆円を突破し、その半分は海外における売上げで、巨大輸出産業です。無料で企業情報を調べられるサイトで中野区内の情報通信業128社のうち、アニメ産業が登録する映像・音声・文字情報制作業は36社とかなりの割合です。アニメ業界の構造は、テレビ・映画・ネットなどの配給会社をクライアントとした階層が形成されております。配給会社以下の元請会社、下請、専門スタジオをアニメ制作会社と言います。三つの役割を担っている会社もあります。
マイナビ2026の業界地図というページに、元請会社がある程度整理されておりましたので、これを参考に、所在地、代表作をまとめました。元請会社は中野区に4社あります。また、着目すべきは、「SPY×FAMILY」を手がけるCloverWorks、「進撃の巨人」を手がけるMAPPAは、最近杉並区から中野区に移転しております。また、「鬼滅の刃」を手がけるUfotableは、杉並区から昨年新宿区に移転しております。中野区で働く魅力づくりを進めていかなければ、ほかの自治体に移転される可能性があることに留意する必要があります。
中野区のアニメ制作会社の代表作として「ONE PIECE」「ドラゴンボール」「プリキュア」「名探偵コナン」「アンパンマン」「SPY×FAMILY」「進撃の巨人」「呪術廻戦」「葬送のフリーレン」「ちはやふる」「HUNTER×HUNTER」など、とんでもない有名コンテンツがあります。
また、小池百合子東京都知事は、来年度の予算査定で10月をめどとして、中野区内へのアニメ振興の施設費に1億円を計上しております。そして、酒井区長は、なかの区報1月11日号で、「アニメの力を中野から世界へ」の特集で、ブシロードとMAPPA社長と対談され、アニメ振興を訴えております。中野は世界に誇るアニメ企業城下町を目指すべきだと考えます。
そこで、中野区は中長期的にアニメ産業とどのような連携を図っていくべきと考えているのか伺います。
ここまでの話をまとめますと、中野区はベッドタウンからオフィス街になりつつある。そしてその過渡期に完成する中野区のシンボルタワーである新・中野サンプラザのオフィス部分を減少させるべきではないと考えます。オフィスは最大でも4割を堅持すべきです。そして、そもそも100%の区有施設を活用した住居6割に疑問であります。
そして中野区はアニメのまちになっております。中野区がアニメのまちであるというメッセージを出すためにも、シンボルタワーにアニメ制作会社に入ってもらうべきです。実際ブランディングとして、新・中野サンプラザが完成次第そこに入りたいというアニメ制作会社があるとも聞きます。アニメ会社であれば、子ども施設も併設するなどのタイアップ政策を推進することを条件に、区が所有するオフィスを賃貸させることも有用と考えます。
以上のことより、新・中野サンプラザはオフィスを最大でも4割とし、中野がアニメのまちとするメッセージ表示のためにも、アニメ制作会社が入る施設とすべきと考えますが、区の見解を伺い、本項の質問を終えます。
2、所信表明について。
「つながる はじまる なかの」の実現について触れられております。新・中野区役所庁舎は、「その理念を実現するための新たな拠点として充実させる」とありますが、建物、箱物、ハードができれば実現するものではありません。また、「地域に飛び出す職員を増やす」としておりますが、昨年秋に行われた盆踊りのギネス記録におきましては、当日の職員駐輪場はがらがらであり、中野区を盛り上げようという気概が職員にないのだと悲しい気持ちになりました。
ファーストステップの「つながる」は、昔でいえばおせっかいおばさん、今でいえばマッチングアプリの役割、機能が中野区に必要ですが、そのことについては触れられておりません。拠点としたハードができた今、ソフト施策がなければつながっていかないと考えますが、区の見解を伺います。
施政方針説明として来年度の事業などの戦術は分かりましたが、今後中野区が中長期的にどのような方向性に持っていきたいのか戦略が示されていないと考えます。平成31年、酒井区長初めての所信表明では、スクラップ・アンド・ビルド、行政評価など、令和2年は基本計画策定に向けた強い思いがありました。その後は、コロナ、物価高、中野区の新庁舎に関することがメインとなり、遠い未来を見据えた発言はなくなりました。このたびの所信表明で、中野四丁目新北口駅前地区についても曖昧な表現にとどめられております。新庁舎ができた今、いま一度、中長期的なビジョンを示す必要があると考えますが、区の見解をお伺いいたします。
最後にその他で、インターネットの健全利用促進について伺います。
立憲会派の森議員も触れられておりましたけれども、我々議員も他人事ではない選挙における様々な真偽不明な情報の拡散、それに関連する政治家の自殺などがありました。インターネットの普及は多種多様なコミュニケーションや情報発信、情報収集を可能にして、現代社会に生きる私たちにとって必要不可欠なライフラインとなっております。一方で、インターネットの拡散性、非対面性、そのほかの特性に起因して、その使い方や投稿の表現によって誤った情報や嫌がらせによる風評被害が瞬時に拡大し、人権が侵害され、誹謗中傷等で心が傷つき、最悪の場合自ら命を絶ってしまう事態を招きます。
現在、インターネット上の誹謗中傷等に関する条例は、全国20の自治体によって制定や規定をしております。インターネット上の誹謗中傷に関する条例を制定している多くの自治体において、誹謗中傷等の問題に対する理解を深めるための施策やインターネットリテラシーの向上に関する施策、相談体制の整備、被害者や行為者を生まないための施策といった基本的施策を規定しております。区として、インターネット上の誹謗中傷等に関する施策についてどのようにお考えなのか伺い、私の一般質問を終えます。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 加藤議員の御質問にお答えいたします。
初めに、新・中野サンプラザ整備のうち、サンプラザ前広場貸付けに係る事業者選定についての御質問です。
中野サンプラザ南側広場については、新たな負担に対する対応策として、施行予定者から借り受けて有効活用したいとの申出があったところであります。区は、資産を最大限に有効活用できるよう、貸付けの条件や事業者の選定方法を検討しているところでありますが、貸付けに当たっては、プロポーザルも含め、公平性や透明性を確保した上で貸付け先を決定するという考えでございます。
次に、地権者負担の担保及び区の責任についてです。事業の遅延に伴う地権者負担について、施行予定者として責任を持って協議、対応すると文書での回答がありまして、施行予定者が責任を持って対応するものと認識をしております。区は、本事業について、これまで施行予定者との協議に適時適切に対応してまいりましたが、工事費高騰による市街地再開発事業への影響については全国的に大きな課題になっております。区としては事業計画の見直しについて協議をしていくことが区の責務であると考えております。
次に、中野サンプラザ土地・建物の資産移転についてです。中野区が株式会社まちづくり中野21から中野サンプラザの土地・建物の寄附を受ける方向で現在検討しているところであります。一方で、中野サンプラザの土地・建物には、金融機関による抵当権が設定されておりまして、寄附を受けるに当たっての課題整理を並行して進めております。今後まちづくり中野21と調整した上で、移転方法や課題を整理し、今定例会の委員会でお示ししたいと考えております。
次に、施行予定者に求める経費についてです。区が施行予定者と締結している協定は、相互に協力をして事業を推進するためのものでありまして、スケジュールの遅延に伴う地権者負担に関する定めがございません。事業の遅れに伴う負担をできるだけ抑制することは、事業パートナーである区の責務であると考えておりまして、区の取組によって圧縮した経費を施行予定者に求めることは現時点で予定しておりません。
事業計画見直し案に対するリーガルチェックについてです。民間事業者募集におきましては、施行予定者と基本協定を締結した後に、次点候補に対して基本協定に係る協議、調整は行わないことを通知しているところでありますが、事業計画の見直しに当たっては、公平性・中立性に注意して進めてまいります。
次に、事業計画見直し案の妥当性の検証についてです。区としては、施行予定者からの事業計画見直しの提案について、事業の成立性、当初提案内容や事業計画内容の継承性、手続の公平性・中立性といった観点から確認をし、事業計画見直し方針として採用できるものかどうかを判断してまいります。また、判断に当たっては、有識者の意見を伺うなどの工夫も検討してまいります。
議決の効力についてです。令和6年第18号議案は、財産処分の方法や処分する建物、床面積、処分価格の最低限度額について議決をいただいたものでありますが、今後財産を処分する時点において、当該議決事項の変更を必要としない限り、現状においてはさきに行われた議決の効力に影響を与えるものではないと認識をしているところであります。事業計画の内容や計画の進捗状況等について、議会に対して丁寧に報告をしてまいります。
区のまちづくりに対する考え方についてです。中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画において、中野区の持続可能性を高め、地域活力を牽引していく拠点施設を目指し、昼間・夜間・交流人口がバランスよく配置された用途構成を誘導するということで決めております。区としては、再整備事業計画に示す中野駅新北口駅前エリアの将来像の実現に向けて取り組んでまいります。
次に、中長期的なアニメ産業との連携です。近年海外でも人気のアニメコンテンツ関連企業が中野区内に転入しておりまして、区内でも有数のアニメコンテンツ産業の集積地となっております。このような状況を踏まえ、区はアニメコンテンツ企業との連携強化に努めておりまして、アニメコンテンツ魅力発信をはじめ、中野の子どもや若者の体験機会の充実につながる企画とともに、来街者増に寄与する企画をアニメコンテンツ事業者と連携して実施をし、拡充していきたいと考えております。さらに、NAKANOサンプラザシティの整備を見据えながら、アニメコンテンツ関連の民間施設の誘致をはじめ、インバウンドを引きつけるアニメコンテンツ企業による事業やアニメコンテンツ関連の人材育成なども支援してまいります。
中野駅新北口の拠点施設のオフィス割合及び入居企業についてです。オフィス床の面積や運用について、現在施行予定者と協議中でありまして、施行予定者から提案されている事業計画を大きく変更することは難しいと考えますが、にぎわいの創出に向け、アニメコンテンツ事業者の誘致についても協議をしてまいりたいと考えております。
つながりをつくるためのソフト施策についてです。基本構想に描く「つながる はじまる なかの」を実現するためには、ハードの整備だけでなくソフト面での取組を進めていくことが必要不可欠と考えておりまして、地域団体活動の支援等を行ってきたところであります。今後、職員の働き方を改革し、地域に飛び出す時間を生み出す。そして区民とつながり、ニーズを把握して、区政に還元できる現場志向力の高い職員の育成を進めていくことによって、ソフト施策の充実も図ってまいるという考えでございます。
区政の中長期的なビジョンについての御質問です。区が目指している中長期的なビジョンは、基本構想に描いたまちの姿でありまして、その実現に向けて基本計画に基づき取組を進めていることを施政方針説明で述べたところであります。現行の基本計画の計画期間は令和7年度までであるため、令和8年度からの施策の方向性等については現在検討している次期基本計画の中で示してまいります。
その他で、インターネット上の誹謗中傷等に関する施策についてでございます。区は、インターネット上の誹謗中傷等に関し、被害者も行為者も生まないことが大切であると考えております。それにはこれまでの人権啓発事業に加え、インターネット上の誹謗中傷等やインターネットリテラシーに関する啓発の取組、不安を抱える人に対する相談体制の整備等が区に求められる役割だと考えておりまして、区として必要な対応を検討してまいります。
〔加藤たくま議員登壇〕
○16番(加藤たくま) 令和6年の第18号議案、財産の処分について再質問させていただきます。
あの議案においては、総務委員会3日間予定のところが、説明不足というところで4日目の委員会を急遽開くというような事態でありました。その議案の際においても説明不足が否めなかった状況でありました。にもかかわらず、今後もう区としては従前資産評価額の、プラスかマイナスか分からないですけど、大きな変動をするときにしか令和6年第18号議案に代わるものを出さないということでありますけれども、はっきり言ってそれでは、説明不足だった昨年の1定以下の状況で、我々としてはその意思を本当に示せるのかどうか不安であります。区民の皆様からも議会は何やってんだと我々言われているところでもありますし、我々としてもその意思を示す、そういった機会を行政側からぜひともつくっていただきたいと考えますが、その御答弁をお願いいたします。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 令和6年第18号議案の件でございます。第18号議案で議決をいただいたその内容について、変更がなければ新たな議決は必要でないという考え方でございます。そのほかの事情につきましては、丁寧に議会には説明していくということで納得いただければと思います。
〔加藤たくま議員登壇〕
○16番(加藤たくま) 同様の件で再々質問させていただきます。
我々としては、このまま白紙委任状を出したような状態になっているところでございまして、これは丁寧な説明が、先ほど言いましたけども、令和6年第18号議案の際にもなされないまま、はっきり言って物価高騰が来るという中で、我々ある意味、その時間というところの切迫感の中からこの議案を通さざるを得ないというふうに考えていた議員もいるような状況でありました。事実そういうふうに物価高騰があったために、我々としてはそういったところで判断をしたわけではありますけれども、内容の全体的な中身が変わってくるという中で、改めてそういったお金だけのところだけじゃなくて示していただきたいと思っておりますので、その辺の御検討をお願いいたします。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 再々質問です。令和6年第18号議案につきましては、議決事項については財産処分の方法や処分する建物、床面積、処分価格の最低限度額について議決をいただいたものであります。ですから、この議決をいただいたものに対して変更がない限りにおいては、新たな議決は必要がないというのは、先ほど答弁したとおりでございます。ただ、経緯等、今御指摘の点もございますので、それを踏まえた説明責任というものを果たしていきたいと考えております。
○議長(酒井たくや) 以上で加藤たくま議員の質問は終わります。