令和6年11月27日中野区議会本会議(第4回定例会)の会議録
○議長(酒井たくや) 次に、加藤たくま議員。
〔加藤たくま議員登壇〕
○16番(加藤たくま) 自由民主党議員団の立場から一般質問をさせていただきます。
1、中野サンプラザの今後について。他の議員と重複する部分もありますが、我が会派ならではの視点を踏まえて質問させていただきます。
中野駅新北口駅前エリア拠点施設、いわゆる新・中野サンプラザにおいては、御周知のとおり、令和6年7月上旬に事業認可申請するも、2か月足らずの8月下旬に総工事費が900億円以上上昇することが分かり、急遽事業認可申請の取下げをするということになりました。中野駅周辺整備・西武新宿線沿線まちづくり調査特別委員会において、事業認可の取下げは恐らく前例がないのではとの答弁で、前代未聞の事態であります。常任・特別委員会における報告では、特定業務代行者から示された工事費900億円、30%以上の上昇について、第三者への委託による精査を踏まえて特定業務代行者と協議を行ったが、大幅な減額は難しいということが分かったとのことです。そうであれば、7月に申請したものが妥当な金額ではなかったのではと疑われても致し方ありません。いずれにしても、事業認可の取下げは、東京都・国からの信用を大きく損なう行為となったのではないかと考えます。中野区は、2か月足らずで900億円が上昇した理由、証拠として何も施行予定者から資料を示されていないにもかかわらず、事業認可申請の取下げを実質容認したことになりますが、区はどのようなマネジメントをこれまでしてきたのか伺います。また、事業が中断した原因追求及び公表がなく、区は区民への説明責任を果たせていないと考えますが、区の見解を伺います。
再整備計画が中断し、直近として大きな課題は中野サンプラザ等の維持管理費です。月々に換算しますと、中野サンプラザの固定資産税1,850万円、中野サンプラザと旧中野区役所庁舎の閉鎖管理費400万円、まちづくり中野21借入金利息550万円、月の合計が2,800万円、年間にして約3.4億円の費用がかかりますが、何もしなければ実質区が支払うことになります。この支払いが生じた主要因としては、物価高騰等の社会情勢であることは間違いございませんが、大幅に時期が遅れたプロジェクトのマネジメントにも大きな問題があったのではないかと考えます。また、新区役所整備の起債、いわゆるその借金は116億円とその利息もあります。そこで、このプロジェクトの遅れに関して、そのマネジメントについて中野区側に全く問題がないと言い切れるのか伺います。
もし中野区側に全く問題がなかったというのであれば、施行予定者に多分な問題があったということになります。関係各所との信頼関係が損なわれた状況をつくった施行予定者とそのまま事業継続するためには、施行予定者には大きく分けて二つの条件を受け入れてもらう必要があると考えます。一つ目としては、この施行予定者が固定資産税等を負担するか否かというところです。委員会において施行予定者に対して、施行認可申請時の事業計画に示されていたスケジュールからの遅延に伴い新たに生じる地権者への負担については、施行予定者側で負担をするよう求めていると報告しておりますが、これがかなわなかったとき事業者の再選定をするのか伺います。
二つ目として、計画の見直しは小規模かつ新たな区負担がないものとなるかということです。委員会において、施設計画については、部分的な変更にとどまらず、基本計画から見直しが必要であることから、令和7年度中の施行認可の申請は極めて困難であると報告しております。基本計画の見直しが大規模なものであれば、施行予定者の選定のプロポーザルまで遡る必要があると考えます。当初、野村不動産株式会社の提案は超高層1棟の計画でありました。例えば、基本計画の見直しで、コンセプトが、当時東京建物株式会社がプロポーザルで提案したツインタワーに類似するようなことがあれば、この基本計画を認めるわけにはいきません。別件ではございますが、落札後の業務の仕様変更においては、他の落札できなかった入札業者に訴えられる可能性があるために簡単ではないという事例がありました。そのため、基本計画の見直しは小規模である必要がありますし、新たに区の負担がないようにしていただく必要があります。900億円の総事業費の圧縮のためには、当初案よりもスペックダウンさせざるを得ないと考えますが、区長は特別委員会でアリーナ機能を重要視する趣旨の発言がありました。もろもろの要件を満たしながらの基本計画の見直しが必要となり、かつ、施行予定者として選定された評価結果から逸脱していないかを判断する必要があります。そこで、中野区は見直された基本計画が許可すべきものであるかの判断基準をどのように考えているのか伺います。
この二つの条件をこなして、ようやく施行予定者の事業継続を許容するといったところでしょう。しかし、口を開けて施行予定者が基本計画を見直すのを待っているだけでは、最悪の事態に対して後手に回ってしまい、区は要らぬ出費をすることになります。そこで、施行予定者の再選定とならざるを得ない事態に備えてシミュレーションをしておく必要があります。維持管理費のうち、まちづくり中野21の借入金利息は元本43億円を返さなければなりません。当初案であった旧庁舎・中野サンプラザの転出補償金400億円が入るかどうかは未定であり、何も生み出さないこの借入金の早期の返済は選択肢の一つと考えますが、中野区の見解を伺います。
法人税は、まちづくり中野21が野村不動産株式会社に中野サンプラザの土地・建物を売却することで発生する不動産売却益に対して100億円かかる予定でしたが、もし寄附できれば100億円の出費を抑制できるかもしれないチャンスです。我が会派は総務委員会で再三御提案させていただきましたが、まちづくり中野21の借入金を全て清算し、土地・建物だけを純資産として寄附し、解散するような道筋とすれば実現するのではないかと考えますが、区の見解を伺います。
国税庁ホームページに、法人が支出した寄附金の損金算入について書いてありますが、国や地方公共団体に対する寄附金及び指定寄附金は、その支払った金額の全額が損金に算入されると記載されております。もし寄附ができるのであれば、まちづくり中野21解散時に支払う予定の法人税約100億円を納税する必要もなくなるかもしれません。それで、そのためにまちづくり中野21の借入金を清算して寄附すべきと考えます。
これまでの提案が全て実現できれば、旧庁舎・サンプラザの閉鎖管理費のみが維持管理費となり、月々400万円です。現在稼働中の駐車場、今後、サンプラザ前広場の開放により維持管理費分の収益は見込めるのではないかと考えますが、区の見解を伺います。
維持管理費を実質ゼロにできれば、プロジェクト、土地所有の在り方、様々なことに対して腰を据えて考える時間もできるのではないかと考えます。また、旧中野区役所庁舎は低層階が解体されまして、高層階の耐震強度が基準値をいつまで維持できるのか疑問の声があります。当初の権利変換では、旧庁舎と中野サンプラザの土地・建物を合わせて従前資産663億円の評価額としているわけですが、耐震強度が下がった旧庁舎の建物の評価が長期間維持されるのか気になるところですが、区の見解を伺います。
そこまで当初案と前提条件が異なれば、定期借地という考えも浮かんできます。900億円上昇してしまった総工事費のうち、転出補償金の400億円を建設前に一気に支払う必要がなくなり、新たな施行予定者もプランを考えやすくなるのではないでしょうか。あらゆるシチュエーションに対してシミュレーションをしていくべきと考えますが、区としてどこまでの想定をされているのか伺いまして、本項の質問を終えます。
続きまして、2、持続可能な自治体運営の実現について伺います。
(4)の地域活動の推進についての順番を、(6)と(7)の間に変更させていただきます。
(1)中野区が持続可能な自治体を目指す上で必要な概念について。
中野区議会総務委員会では、地方都市行政視察で10月29日、福島県福島市にSDGsの推進について伺いました。福島市SDGs未来都市計画では、人口減少・少子高齢化の進行、東日本大震災及び原子力災害などの影響による消費や生産活動の縮小など経済活動の停滞、税収の減少、医療や福祉に関わる社会保障費の増大など様々な影響を抑制するために、若者を中心として新しい復興創生ステージをつくり、人口減少に歯止めをかけることが必要としています。福島市人口ビジョンでは人口目標、KPIには総人口、20歳から39歳の人口、合計特殊出生率などが設定されており、若者の人口増加なしに持続可能な自治体運営ができないといった気迫を感じました。中野区では、若者、生産年齢人口が急激に減少することがない恵まれた環境ではありますが、持続可能な自治体運営について深い議論がこれまでなかったのではないかと、福島市の視察を終えての感想でした。そこで伺いますが、中野区は持続可能な自治体運営をする上で必要と考えるものは何か伺います。
持続可能な自治体運営で必要不可欠な要素として、究極としては適正な歳入確保と歳出抑制です。歳入確保は納税者を一定以上に維持する施策が必要です。しかし、中野区は都心への交通利便性が高い地域であり、転入者が多く、結果、子どもを産むタイミングで区外へ転出するなど、出生率を上げることに苦慮しております。選ばれ続けるまちを維持するとともに定住意向を高める必要があり、大きく政策を二つに分けるべきと考えます。一つとしては、中野区で生まれ育った子どもたちが引き続き中野区で産み育てたいと思うまちづくり。二つ目としては、中野区内の職業に就き、住む、職住近接を進めることです。一方、歳出抑制は、DXを推進し、スマートウェルネスシティ、ナカペイなどを活用して、EBPMによる政策判断を推進することで実現します。区政全体にこのような考えを実装すべきという観点で、以降の質問をさせていただきます。
財政フレームについて。
インフレで歳入も歳出も上昇する中、名目の数字ばかりではなく、実質の数字で現状を把握する必要があると考えます。今年度の特別区民税は、名目で上がったものの実質では下がっております。また、物価上昇によりインフレスライドの適用が増えました。義務教育施設を例に取れば、第3回定例会のインフレスライド関連の議案は、南台小学校、明和中学校、旧中野中学校、旧本郷小学校など、合わせて6.5億円程度の増額がありました。財源は義務教育施設整備基金でしたが、新庁舎整備、給食費無償化の政策メニューを急遽入れるために、令和6年度は積立てをほぼゼロとしたために、インフレスライドのための予算計上はなされておらず、財政の弾力性に疑問が残る状況です。義務教育施設におきましては、建設コストが1校50億円だった時期に建てた学校と100億円となろうかという現在の学校では、減価償却費相当額の金額は全く異なります。まちづくりにおいてもインフレスライドの増額があり、財源はまちづくり基金としておりますが、それを補填する交付金は内示割れを起こす可能性もあり、一般財源への影響を考慮する必要があります。道路、公園、その他の区有施設などの施設整備に関する事業費は、物価高騰が当面続くという最悪なシナリオを考えなければ持続可能な自治体運営は困難です。いよいよインフレの影響が目に見える形で財政フレームに組み込まれなければ、財政の見通しが立てられないと考えますが、区の見解をお伺いします。
スマートウェルネスシティの推進について。
現在、スマートウェルネスシティは、歩行による健幸ポイントなどを企画立案されているようですが、あくまで健幸ポイントによって区の歳出を抑制するための行動変容を生むことが目的です。そのためには、EBPMで政策に使われる費用と医療費、介護費等の抑制をてんびんにかける必要がありますが、区のEBPMの検証体制について伺います。また、ナカペイとの連携も併せて伺います。
4番を飛ばしまして、5番、若者政策について。
子どもたちの支援のサービス向上を図るべきで、その先にある目的を明確に設定すべきです。一つとして、さきに述べましたが、中野区に生まれ育った子どもたちに中野区に住み続けてもらうための体制が若者政策に必要であると考えます。幼少期、青年期に地域との交流を深め、シビックプライド、郷土愛を育むことで中野区に定住してもらいたいところであります。令和6年第3回定例会において、部活動の地域移行に関わる地域で活動するスポーツクラブに対して、スポーツ・コミュニティプラザだけではなく、グラウンド、小学校にも認定制度を制定し、優先的に利用できるようにすべきではとの質問に対し、今後は部活動の地域移行も含め、変化していくスポーツニーズを捉え、各施設の設置目的に沿った利活用が進むように、優先利用対象の見直しについても検討していくとの答弁でした。地域スポーツとの交流が図れ、郷土愛も育まれます。それに加えて実現していただきたいのが、スポーツクラブの地域イベントへの出席です。安定的に施設が利用できることを条件に、例えば、防災訓練、避難所訓練などに参加を促す仕組みを検討できないか伺います。
次に、ハイティーン会議、若者会議について伺います。中野区に住み続けたいという意思を世代全体に浸透させる会議体であるべきで、会議から提案された政策が実現できれば、自分たちのまちは自分たちでつくっていくという成功体験がシビックプライドを生むはずですが、中間で区とのフィードバックがないためか、現実的ではない要素が残ったままの最終プレゼンがなされて、その努力に対して称賛はするものの、政策としてほぼ実現されていない状況にあります。実施方法の工夫が必要と考えますが、区の見解はいかがでしょうか。
手前みそですが、私が所属していた東京青年会議所は、年間18万円の年会費、月々の交際費を都度払いながら、世の中が少しでもよくならないか試行錯誤しながら一生懸命頑張り、結果的に40歳の卒業後も地域で活動している諸先輩が多くいます。ハイティーン会議から若者会議に、若者会議から地域活動につなぐ体制を構築することで、持続可能な地域活動、持続可能な自治体運営につながると考えますが、区の見解を伺います。
中高生機能強化型児童館について伺います。若者の居場所づくりが目的でしょうが、コミュニケーションを取ることが苦手、不登校もしくはその前段階にあるような子に対するアプローチと、それ以外の子どもたちに対するアプローチは異なるのではないかと考えます。後者が集まる場所に前者は行きづらいと考えます。中高生の児童館では、新たな機能として音楽室がありますが、前者が行きづらい要因になるのかと危惧します。また、U18では、ビリヤード台、マージャン台などが誰にも利用されなかったなどの反省点が総括されておりません。ダンス教室は中野区内に多数あり、グーグルマップで「中野区」「ダンス教室」と検索すると120件以上出てきます。もろもろの条件から、新たな機能に音楽室が本当に必要なのか、改めて区の見解を伺います。
児童館は、全生徒の5%となる不登校対策も担うべきと考えます。文部科学省では学びの多様化学校の設置を推進しており、全国で36校が指定されております。中野区内においても不登校対策に関する専門施設として中野中学校にチャレンジクラスがありますけれども、専門の施設が必要と考えます。日中は不登校対策施設、夕刻以降は部活動の地域移行などを含めた子どもたちの居場所として、二毛作の施設を想定されるのはいかがかお伺いいたします。
6、産業振興について。
産業振興の強化は区として重要な施策ではありますが、法人住民税が中野区に直接入るわけではないため、住民税で還元していただくイメージが持続可能な自治体運営に資すると考えます。中野区で働き、住む、職住近接は、通勤時間が短縮され、従業員のストレス軽減やワークライフバランスの向上に貢献すると考えられます。中野区の経営支援のメニューの中に、中野区に住んでいただく視点を含めるべきと考えますが、区の見解はいかがでしょうか。
自治体の中で経済を回していくという意味では、ナカペイもその一つとなります。フェリカポケットマーケティングの納村哲二社長の著書によりますと、地域通貨は地域・目的・期間を限定することで自治体からのメッセージを示し、区民の行動変容を促すことができるということです。このたびの30%のプレミアムポイントは来年3月まで、自分がチャージしたお金も来年12月まででこの期間がなくなるということになっており、この期間の縛りはかなり思い切った制度でありますが、行動変容を促します。徒歩による健幸ポイントも、区民が当たり前のように毎日1万歩歩く人が90%になったり、コミュニティポイントで地域活動が活発になれば行動変容はできているということになり、事業を打ち切ることも必要となってきます。持続可能な自治体運営のために、区民の行動変容をイメージすることが重要と考えますが、区の見解を伺います。
4番、地域活動の推進について。
タワーマンションができると新たな自治会が誕生し、多くの人が集まるそうです。町会・自治会活動を敬遠するのではなくて、幅広過ぎる世代間ギャップが地域活動への参加をためらわせるのではないかと推測します。一方、私が区議会議員を務めて10年くらいになりますが、ほとんどの地域活動の構成員は若い人が入らず、10歳年を取っただけの状況となり、この先活動の維持が困難となっているようにお見受けします。地域活動に若い人が入るスキームを区が構築しなければ、地域活動の継続は困難です。若い人たちを地域活動に注入していくために、地区町会単位で若い人たちによる緩やかなボランティア団体のようなものの構築を提案させていただきます。ここに部活動の地域移行やハイティーン会議、若者会議など、区に貢献したいと思っている人などの力を結集し、また、ナカペイのコミュニティポイントなども活用しまして、その団体に各町会とのパイプ役になってもらえば、地域活動に若い力を注入する第一歩となると考えますが、区の見解を伺います。
最後に、中野区基本計画の改定について。
これまで様々申し上げてきましたけれども、中野区基本計画は、5年、10年後だけではなく、持続可能な自治体運営を可能とするために歳入確保と歳出抑制の究極目標を設定すべきと考えますが、区の見解を伺い、全ての質問を終えます。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 加藤議員の御質問にお答えいたします。
まず初めに、中野サンプラザの今後についてで、中野駅新北口駅前エリア事業推進における工事費高騰の区の認識についてでございます。施行予定者による施行認可申請に当たっては、区として事業収支を含む事業計画内容について内容を確認し、同意をしているところであります。一方で、施行認可申請後に、施行予定者より特定業務代行者の工事費の見積りが高騰したことを踏まえての協議がありまして、区としては事業計画どおりの事業推進を求めたものの、施行予定者の判断で施行認可申請の取下げが行われたものであると認識をしております。
次に、工事費高騰の区の原因追求及び説明責任についてです。区としては、工事費高騰の要因について、施行予定者から専門業者の繁忙や2024年問題等を踏まえ、施工業者の確保を前提に見積もった結果、予想以上にコストがかかることとなったと報告を受けております。中野駅新北口駅前エリアにおける市街地再開発事業の進捗状況については、これまでに区としての議会報告のほか、記者会見でも御説明をし、状況説明の動画も配信しているところであります。今後も事業推進における検討状況については、適宜区民、区議会に情報共有しながら着実に事業を推進してまいります。
次に、中野駅新北口駅前エリア拠点施設整備における区のマネジメントについてでございます。区としては、施行予定者による事業計画内容について、施設計画取りまとめ段階、都市計画手続段階など、事業の節目において事業収支を含む内容の確認を行ってきております。また、施行認可申請に当たっては、施行予定者が作成した事業計画内容を確認し、地権者の区として同意をし、適切に手続を行ってきたと認識をしております。今後、事業を再構築していくこととなりますが、区としては今回の認可申請から取下げまでの経緯、状況を踏まえ、施行予定者に対し強い姿勢で協議を進めてまいります。
次に、地権者負担に対する対応結果と事業者の再選定についての御質問です。施行予定者から示された事業計画のスケジュールからの遅延に伴う新たな地権者負担は、区財政への大きな影響も懸念されることから、施行予定者側に負担を求めてまいります。今後の事業の見直し方針の検討に当たっては、施行予定者より示される施設計画変更の方向性、新たな地権者負担に対する対処の内容、これらを踏まえ、状況によっては事業者の再選定の可能性も含めて検討してまいります。
次に、基本計画見直しにおける判断基準についてでございます。中野駅新北口駅前エリアの拠点施設整備は、中野サンプラザのDNAを継承した新たなシンボル拠点をつくる、回遊性を高め、にぎわいと交流に満ちたまちをつくるといったコンセプトに基づき進めることとしております。施設計画の変更に当たっては、変更項目について一つひとつコンセプトの実現や必要な機能の実現といった視点で確認をして判断をしてまいります。また、これまでの計画内容と大きな乖離があった場合には、必要に応じて第三者に意見を伺い、判断することも検討してまいります。
次に、株式会社まちづくり中野21の借入金返済についてです。借入金の利息負担など、まちづくり中野21が負担する経費の削減は、早急に取り組むべき課題だと認識をしております。まちづくり中野21の借入金元本は約43億円でありまして、会社単独での返済は難しい状況でありますから、区が支援することも想定のうちの一つとして考えております。
次に、中野サンプラザ土地建物の資産移転についてです。区への資産移転は負担軽減のための有効な方策であると考えておりまして、今後の選択肢の一つとして検討を進めております。資産移転の手法は、寄附や配当など様々考えられますが、その手法によって発生するまちづくり中野21に対する課税について専門家に確認を行っておりまして、今後国税局と相談を行うことを考えております。
続きまして、中野サンプラザ敷地の活用についてです。中野駅前のにぎわい創出のために、中野サンプラザ南側広場の暫定的な活用等について検討を始めているところであります。中野サンプラザの暫定利用につきましては、市街地再開発事業の事業計画見直し方針や今後のスケジュールが判明した後、区としてそのスケジュールに応じて必要となる経費や費用対効果等を総合的に検討し、判断をすることとしております。
次に、旧庁舎高層棟に係る従前試算評価についてです。一般的な建物評価の考え方としては、評価基準日までの経過年数や再評価における単価見直しを踏まえ算定するものでありまして、当初の従前資産評価額に対して一定程度価格が増減する可能性はあります。なお、従前建物の評価額に耐震強度は影響がないという認識であります。
次に、中野駅新北口駅前エリアの事業推進におけるシミュレーションについてです。区としては、区を含む地権者と施行予定者で締結している基本協定に基づき、施行予定者と協議をしておりまして、年内に施設計画変更の方向性を示し、年度内には事業計画の見直し方針及び今後のスケジュールを取りまとめ、報告することとしております。年内及び年度内での報告に向けた施行予定者との協議状況を見定めつつ、事業者の再公募等の可能性も含め、様々なケースを想定しながら事業見直しに係る検討を進めてまいります。
次に、持続可能な自治体運営の実現についての項で、初めに持続可能な自治体運営で重要な点についての御質問です。
人口減少や少子高齢化が全国的に進む中、中野区においては、生産年齢を中心に、当面の間は人口は増加が見込まれております。そうした中においても、合計特殊出生率は減少傾向にあることなどから、中野区において持続可能な自治体運営を行う上では、子どもを産み育てやすいまちづくりを進めることによって子育て世帯の定住を促進するなど、区民の定住意向を高めていくことが重要であると考えております。そのほか、長期的に安定した財政運営を行っていくことや地域の担い手を確保していくこと等も重要であると考えております。
次に、インフレを加味した財政フレームについてです。現在の財政フレームにおいても、歳入の特別交付金や歳出の一般事業費については、物価上昇による伸びを一定加味しているところであります。インフレの影響を予測し、財政フレームに正確に反映することは難しいと考えておりますが、一定の伸びを考慮した見通しを立てるなど工夫をしてまいります。
次に、スマートウェルネスシティの推進で、EBPMの検証体制についてです。健幸ポイントの実証実験では、先行するSWC(スマートウェルネスシティ)の自治体の取組と同様に、研究機関が参加者のデータを分析し、医療費や介護費の抑制にどの程度寄与したかをはかることを想定しております。また、健幸ポイントとナカペイを連携し、実証実験参加者に付与したポイントの利用データを収集することで、参加者の消費行動を分析できるとともに、それらをフィードバックすることで当該事業のポイント付与効果を検証できるものと考えております。行動データとそれに連動したナカペイの活用データを分析することなどによって、今後の施策や事業の立案等につなげてまいります。
次に、若者政策についてでございます。スポーツ施設優先利用による地域活動の参加促進。現在、各スポーツ・コミュニティプラザにおいて認定している公認クラブにつきましては、地域ごとの運営委員会やスポーツ事業の運営等に参画することを条件に、一般の団体会員よりも優先した施設の利用承認を行っているところであります。区としては、こうした取組を継続していく中で、各スポーツ団体が地域とつながり、地域と連携した活動ができるように促していきたいと考えております。
次に、ハイティーン会議の実施方法の工夫についてでございます。ハイティーン会議は、中高生年代が学年や学校を超えた自由な意見交換、フィールドワークを通じて考えを深め、意見表明につなげていく事業であります。運営に関しては、参加者アンケートを踏まえて改善につなげておりまして、最終プレゼン前に関係所管との意見交換の場も設けるなど、区への提案をより具体化するための工夫を行ってきているところであります。令和5年度に提案のあった中高生年代の居場所事業につきましては、今年度試行的に実施するなど、意見表明を区の事業に反映してきておりまして、今後もより中高生年代の意見が反映されるよう、実施方法を改善していく考えでございます。
次に、若者世代の持続可能な地域活動についてでございます。ハイティーン会議は、令和4年度から若者会議の開始に合わせて、ユースワークの専門性を持つ民間事業者のノウハウを活用し、世代間のつながりを意識しながら一体的な委託を行ってきております。子どもの成長に合わせた区政への意見表明、活動の場を確保し、そのチャレンジをサポートすることで、行く行くは若者世代が地域に飛び出していくことも目標としております。若者世代が地域コミュニティに参画し、地域活動の担い手になっていけるような機会もつくりながら、持続可能な地域活動が区内で活性化されることを目指してまいります。
続きまして、中高生機能強化型児童館での音楽室の必要性についてでございます。居場所がないことは孤独・孤立と深く関連しておりまして、子どもが生きていく上で居場所があることが不可欠であります。とりわけ困難や生きづらさを抱えやすい中高生年代にとって、多様な居場所があることが重要であると考えております。中高生機能強化型児童館は、多様な価値観やニーズを持つ子ども自身が、過ごしたいと思える機能を備えた居場所となる必要があると考えておりまして、中高生年代からのニーズの高い音楽室のほかにも、おしゃべりや交流のできるロビー機能、静かに学習できるコーナーや相談室なども設ける予定でございます。
次に、不登校などの多様な子どもの居場所についてです。児童館は、児童福祉法に基づく児童厚生施設として、0歳から18歳までの子どもとその保護者を対象とした施設でありまして、幅広い世代が集い、交流できる地域の居場所となっております。不登校の児童・生徒にとっても児童館は居場所の選択肢の一つとなっておりまして、子どもが抱える悩みや課題を早期発見し、各種相談機能につなぐことが必要であります。生きづらさや困難を抱える子どもにも過ごしやすい居場所として、時間帯を限定することなく、日常的な遊びや関わりの中での相談支援を行うことが重要であると認識をしているところであります。
続きまして、産業振興についての項で、中野区の経営支援の在り方に必要な視点でございます。区内中小企業の伴走型経営支援に取り組むことによって、事業所数の増加、雇用の創出、イノベーションの促進などを喚起し、それらによってにぎわいと活力を創出することで、区民の増加とこれに伴う税収の増加につなげていく考えでありまして、持続可能な自治体運営にも寄与するものと考えております。また、具体的な施策では、創業支援の一環として、中野区に新たに在住する事業者に対するインセンティブについても検討してまいりたいと考えているところであります。
次に、ナカペイを活用した区民の行動変容の促進です。区内経済・産業の活性化と区の政策の側面的支援を目的とした中野区のデジタル地域通貨事業は、消費行動をはじめ、区民等の行動変容を促すことを意図しておりまして、また、利用状況などのデータを収集できることが利点であります。令和7年度からは、SWCの推進を図り、特に区民の心身の健康増進とコミュニティの活性化に向けて行動変容を促すことを主たる目的として、ナカペイと連動したコミュニティポイントを開始する予定であります。これらによってEBPMを進め、実効性の高い施策や事業を実施することで、健康増進、健康寿命の延伸や社会参画と幸福度を高め、ひいては医療・介護費の適正化を図り、持続可能な自治体運営につなげてまいりたいと考えております。
続きまして、地域活動の推進についてでございます。地域活動への若い世代の参加についてです。区では、地域活動団体が出展・交流するなかの地域活動フェスティバルや町会・自治会活動の好事例を共有する中野つながり広場の実施を予定しておりまして、誰もが気軽に参加でき、各団体と若い世代の担い手のマッチングにつながるような機会や場づくりを進めてまいります。
最後に、中野区基本計画の改定についてでございます。基本計画における持続可能な自治体運営についての御質問です。現在、中野区基本計画では、基本構想を踏まえて持続可能な区政運営を実現するための基本方針を定めております。次期基本計画におきましても、将来人口推計は50年先まで行うなど、計画期間の先も見据えて持続可能な区政運営を実現できるように検討を進めてまいります。
〔加藤たくま議員登壇〕
○16番(加藤たくま) 中野サンプラザの今回の事態においてプロジェクトが中断したというところに対しまして、原因追求と区民への周知というところが足りないのではないかというところで、いろんなところで説明されたというところではあるんですけども、やはり2か月で900億円上がったというところに対して、理解を示している区民の方がなかなかいらっしゃらないなと思っておりますので、その辺どういった形で区民の方々に御納得していただこうと考えているのかお伺いいたします。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 加藤議員の再質問にお答えします。
物価高騰等、様々な理由によって900億円上昇したということについての原因究明ということでございますけども、今後いろいろと精査する中で明らかになっていくこともあろうかと思いますので、それについては我々としても区民の皆さんには引き続き説明をしていくつもりでございます。
○議長(酒井たくや) 以上で加藤たくま議員の質問は終わります。
令和6年09月19日中野区議決算特別委員会の会議録
次に、加藤たくま委員、質疑をどうぞ。
○加藤委員 自民党の立場から総括質疑をさせていただきます。モニターを使いたかったのですけれども申請し忘れてしまったもので、お楽しみにしていた方もいらっしゃったと伺っているのですけど、ないということで失礼いたします。
それでは、1、令和5年度決算について。
令和5年度の普通会計決算歳入は、令和4年度から約345億円増の約2,039億円、歳出合計は、中野区政最大の伸び幅の363億円増の約1,986億円となり、結果、財政指標の数値がかなり悪化しております。ただ、経常収支比率だけ見ると何でかいい数字だなというので、そこら辺がなぜなのかというその理由について詰めていきたいと思っていますので、そういったストーリーの中で、河合委員と重複するところもあろうかと思いますけれども、質疑させていただきたいと思います。
まず、財政白書5ページの図3の歳入決算額の推移を御覧ください。あと、6ページの一般財源の推移ですね。一般財源は、特別区税、特別区交付金その他一般財源で構成されまして、この3年間で一般財源は155億円が増加しており、この増加が意味するもの、そしてその増加で中野区の財政の実力を勘違いしたのではないか、その辺りについてクローズアップしていきたいと思います。
それでは財政白書6ページ、特別区民税を読みますと、令和4年度359.46億円ですね。これはほかのところから引っ張った数字ですけれども──から2.48億円、おおよそ2.5億円の増で、361.94億円となりましたが、その理由について伺います。
○滝浪税務課長 増額となりました最大の要因といたしましては、納税義務者一人当たりの総所得金額等の増でございます。
○加藤委員 納税義務者数を見ると、7ページを見ますと、納税義務者数は、令和2年度より20.4万人、20.3万人、20.3万人、20.4万人と、ここ4年間横ばいの数字ですよね。その影響は今回の区税においてはないということですけども、この納税義務者数は今後どのように推移していくと想定されますか。
○滝浪税務課長 向こう数年間は、中野駅周辺のまちづくりの進展などにより、区民税の納税義務者数も増加するものと見込んでございます。
○加藤委員 納税義務者数一人当たりの所得額の推移は上昇しておりますが、その理由について伺います。
○滝浪税務課長 所得割納税義務者のうち大部分を給与所得者が占めてございます。令和5年度の一人当たりの給与収入額は、令和4年度と比べまして約2.3%増えておりまして、これが一人当たりの所得額が増えた大きな要因と考えてございます。
○加藤委員 令和4年度の所得が426.4万円から令和5年度は432.9万円で、伸び率にしますと1.4%です。一方2023年の、令和5年度の消費者物価指数は前年比で3.1%の上昇で、これは41年ぶりの大きな伸びではありますけれども、家計の負担が大きいことがここからもうかがえます。
また、特別区民税で見ますと、令和4年度359.46億円から361.9億円でありまして、上昇率にすると0.69%です。消費者物価指数と比較するべきではないですけれども、歳出の影響を考えて比較すると、特別区民税は、今言った名目の上昇で0.69%増加ですけども、実質の上昇に変換するとマイナス2.3%となります。区は、これまで数字が伸びれば堅調に伸びていると表現するわけですけれども、物価上昇等を考慮した場合、インフレを考えた場合、同じことが言えるのかということを伺います。
○竹内財政課長 特別区民税につきましては、ここ数年伸びが見られること、特別区交付金の原資である調整税等が伸びていること、また一般財源全体で伸びていることから堅調に伸びていると考えてございます。
○加藤委員 特別区民税だけを言ったときに伸びているかというのも伺います。
○竹内財政課長 ここ数年伸びが見られることから、こちらは堅調な伸びと表現していることもございます。
○加藤委員 いやだから、インフレを考慮した場合に実質は下がっていますけど、それでも上がっているというと、区は今後の物価高騰を配慮しないで予算編成すると言っているように聞こえるわけですけど、本当にそれでいいんですか。
○竹内財政課長 特別区民税に関しましては、こちらの微増というところがあるかもしれませんが、繰り返しになりますが、特別区交付金の原資である調整税の伸びであったりとか、あと一般財源全体で伸びているので、収入は堅調に伸びていると考えてございます。
○加藤委員 その後、一般財源全体でもそれでいいのかという議論をするので、ここはそういうふうに話だけ聞いておきます。
そうすると、特別区民税は横ばい、実質減少というぐらいが実際の見方だろうとすると、一般財源全体がこの3年間で大きく上昇した理由は、特別区交付金とその他一般財源ということになります。そこで、財政白書8ページの図9の調整税等と特別区交付金(中野区分)の推移について伺います。調整税等に23区分の取り分であります55%ないしは55.1%を掛けて、各年度の中野区の取り分をその数字で割って、パーセンテージで割りますと、最低が3.52%、最大が4.02%で、平均が3.72%となります。つまり年度によって中野区の取り分が異なるわけですけれども、中野区は平均で3.7%、毎年もらっているということです。中野区の人口が23区全体で割ると3.53%、面積では2.48%で、中野区がそういう意味では割がいい配分となっているわけです。もしこの10年間の平均3.72%を基準とした場合、令和元年度はその基準よりもマイナス22.3億円となりまして、昨年度、令和5年度はプラスで34.8億円と、かなり割がいい年であったのが令和5年だったということですね。この差は、合わせると60億円程度で、財政需要額の算定次第によっては60億円ぐらいの差が生じるような、非常にある意味不安定なものが特別区交付金だということも言えるわけであります。特別区交付金が年度によってここまで異なる理由と、令和5年度が大きい理由について伺います。
○竹内財政課長 特別区交付金の年度額の差異は、普通交付金と特別区交付金の増減によるものでございます。具体的には、令和5年度は令和4年度と比較して普通交付金約18億円、特別区交付金約8億円の増加となってございます。
○加藤委員 その理由は。
○竹内財政課長 こちらは、令和5年度の普通交付金に関しましては都市計画交付金の地方債収入相当額の前倒し算定があったこと、また、特別区交付金に関しましては新庁舎整備のところが算定されて増額となったものでございます。
○加藤委員 新庁舎やまちづくりでそういったものがもらえたということですね。交付金の金額の変化に大きく与えるまちづくりというところでは、国、都の補助金事業で行われる中野駅周辺開発などの予算決算が重要となってきますので、新規要求資料の建設22、まちづくり事業に関する補助金の当初予算額・決算額一覧(現年度までの4年間、現年度の決算額を除く)を御覧いただきたいと思います。まず、当初予算より事業費が増減することが当たり前のようになっておりまして、年度末に財源更正をするまちづくり事業の補助金の事業の流れというのがちょっとよく分からないので、その辺について伺います。
○小幡中野駅周辺まちづくり課長 補助金事務の流れについてでございますが、前年度の5月頃に補助金の概算要望をいたしまして、12月頃に本要望、それから年度末頃に補助金の内示が示されるものでございます。また、その内示に基づきまして補助金の交付申請を行いまして、国から交付決定を受けまして、その後に補助事業を実施するものでございます。補助事業完了後には補助金の完了検査を受け、補助金の交付を受けるものでございます。
○加藤委員 事業費が減になって、当該年度で補助金が執行できなくなるということがありますけれども、その理由について伺います。
○小幡中野駅周辺まちづくり課長 補助金が執行できなくなるケースといたしましては、例えば工事等契約の入札の不調、または関係機関との協議が調わないことに伴う工事着工の遅れ、そういったことで補助金が未執行となる場合があります。また、掘削工事の施工に関しまして想定外の不詳物が発見され、その撤去が必要となるというところから予定された補助金の執行ができなくなる、こうした場合がございます。
○加藤委員 事業費が変わらないにもかかわらず、国、都の補助金が減って一般財源が増えてしまう、負担額が大きくなってしまうということもありますが、それはどういったケースなんでしょうか。
○小幡中野駅周辺まちづくり課長 一般財源が増となるケースでございますけれども、前年度に歳入予算としまして計上した補助金の額よりも補助金の内示として補助金の額が低くなってしまった場合などが想定されるものでございます。
○加藤委員 こういったまちづくりをした際にはそういった一般財源が増えてしまったり、元からそれを充てるところでも、まちづくりに使うというのであれば、そういったのを都区財政で財政需要額として申請するものという認識でよろしいですか。
○竹内財政課長 こちら国や都の補助金が減額された場合でございますが、普通交付金の基準財政需要額に算定されまして、また、そのような場合は特別な申請の手段は不要でございます。
○加藤委員 国と都の補助金を見込んでいて特定財源で予定したものが、結果的に特別区交付金としてもらったら、それは一般財源化されるということなんですか。考え方というか、金額がそのままというわけじゃないですけど、そういった考え方になってしまうということですか。
○竹内財政課長 都市計画事業に関しましては、当初予算におきまして国、都の補助金で見込んでいたものについて不足があった場合、当該額を基に調整されることになりまして、特別区交付金に反映される、そのような仕組みになってございます。
○加藤委員 まちづくりの進捗が特別区交付金に大きな影響を与えるということでよろしいですか。
○竹内財政課長 委員御指摘のとおりでございます。
○加藤委員 先ほど見ていただいた建設22のまちづくり事業の補助金関係なんですけれども、令和3年度におきましては、事業費が最初は76億円、令和4年が103億円、令和5年が148億円で、令和6年におきましては322億円と、かなり大きな金額になっております。例えばですけれども、令和6年の事業で、中野四丁目新北口地区市街地再開発計画、これだけで109億円で、国と区で半分ずつで55億円ぐらいずつになっていますけれども、もしこういったものが進捗が変わったといった場合に、まずはその金額で財調算定で需要額としてこういうものは申請したものが交付金として出ているということですか。
○竹内財政課長 こちらに関しましては事業費、要するに執行した額に基づいて行われるものでありますので、その執行状況によって変化してくるというものでございます。
○加藤委員 執行しなければ、それは算入されないということですか。
○竹内財政課長 委員御指摘のとおりでございます。
○加藤委員 ただ、事業化されるとそういったところで特別区交付金として入ってくる。もともと国、都の補助金で見込んでいたものが、そっちである意味フォローしてくれるということは、区がある意味立て替えたお金が交付金として入ってくるみたいな、こういう形に捉えることができると。
○竹内財政課長 国、都の補助金と、また特別区交付金というところで、また歳入の形が違いますけれども、大きな流れとしてはそのような形になってございます。
○加藤委員 財産費の扱いですけども、前は特別区交付金が入っていましたけど、今だとその他一般財源に入っているということでいいですか。予算も決算も一緒なんですか。
○竹内財政課長 財産費に関しましては、令和6年の当初予算の概要につきましては、その他一般財源のところに掲載してございます。
○加藤委員 そういう意味で、特別区交付金とその他一般財源は、そういった財源は財政調整交付金のところから来るというところで、そういったことになるということですね──ということが分かりました。
次に、歳出について伺います。
財政指標について、またこの辺のところは議論させてもらいたいと思います。
財政白書12ページで、扶助費で、社会福祉費が107億円から120億円に、13億円増加した理由について伺います。
○竹内財政課長 扶助費の社会福祉費の増に関しましては、価格高騰支援給付金が大きく影響しているものでございます。
○加藤委員 給付金関係というか、そこを差引くと幾らぐらいですか。
○竹内財政課長 すみません、答弁保留にさせてください。
○加藤委員 次にいきます。財政白書15ページで、物件費で、ここ数年上昇傾向だった委託料が減った理由は何でしょうか。
○竹内財政課長 令和5年度の委託料の減につきましては、新型コロナウイルスワクチン委託等の減が大きく影響しているものでございます。
○加藤委員 それも、じゃあ新型コロナの関係を引くと幾らになりますか。
○竹内財政課長 新型コロナ委託を除いた令和5年度の委託料の総額は約199億円となってございます。
○加藤委員 一般財源と特定財源を合わせた金額は。
○竹内財政課長 こちらに関しましては、委託料総額という形になってございます。
○加藤委員 じゃあ、15ページの図では比較できないので飛ばします。
財政白書16ページ、繰出金で、国民健康保険の特別会計が35億円から52億円に増加した理由について伺います。
○宮脇保険医療課長 一人当たりの医療費の増加によって東京都への納付金が12億5,000万円余り増加したことが主な要因でございます。また、令和5年度は保険料の負担を抑制したことで、納付金の財源となる保険料が不足したことも繰出金の増加の要因でございます。医療の高度化が被保険者の高齢化が進むと医療費が増加することになります。また、被保険者の減少などによる減少も考えられますので、今後の繰出金の増減を見通すことは難しいと考えてございます。
○加藤委員 ちょっと取材でやっていたところですけど、これだけ上がったのが、受診控えがあったから保険料の上昇を抑制して、それが、予想以上に受診控えがなくなってきたから結果的にお金が足りなくなったという話でしたか、そういう認識でいいですか。
○宮脇保険医療課長 令和2年度に受診控えがありまして、その反動で令和3年度医療費が急激に伸びた。そういったところで、その予測を令和5年度に立てたという形になります。その結果、納付金の額が大きく伸びる見込みを立てましたので、それに基づいて納付金の額が増えたと、そのような状況でございます。
○加藤委員 今後国保の加入者をできるだけ社会保険に変えていこうという中で、そういう中で、かなりある意味不公平感がさらに増してしまうと思うんですよね。その辺、みんなで集めた税金で国保加入者だけに繰出金を出すというと。それは国保を維持するためにはしようがないですけど、何かいきなりこんなに増えてしまうと何でというところになるので、その辺は都でやるところなんでしょうけども、この辺の増加のところをどういうふうに抑制しようと都のほうで考えているか、分かれば教えてください。
○宮脇保険医療課長 医療費の伸びというのは東京都のほうで推計をしてございます。これを抑制していくというところにおきましては、例えば医療の受診をできるだけ早い段階から控えるような形での予防医療、そういったところにも力を入れていかないとならないと、このような見立てをしてございます。
○加藤委員 先日、9月13日に政府は新たな高齢社会対策大綱を閣議決定して、75歳以上の後期高齢者医療に関して、年齢にかかわらず能力に応じて制度を支え合う観点から窓口負担が3割となる対象範囲の拡大を検討すると明記しましたが、この影響はどうなると考えていますか。
○宮脇保険医療課長 窓口負担が3割となる範囲が広がれば保険者が負担する医療費は減ることになりますが、拡大の範囲は具体的に示されておりません。このため、現時点で今後の影響を予測することは困難でございます。
○加藤委員 国保についてはありがとうございました。
次に、財政白書20ページ、特別区債残高で、令和4年度239億円から121億円増の360億になった理由を伺います。
○竹内財政課長 令和5年度の特別区債の残高の増理由につきましては、新庁舎整備に約116億円、平和の森小学校用地に約78億円の起債をしたためでございます。
○加藤委員 それで起債をしたけど、先ほどその辺の議論はあったので飛ばしますけれども、区役所整備の起債については、返還は旧庁舎とサンプラザの権利変換でやる予定だったと思いますけど、その内訳について伺います。
○竹内財政課長 転出補償金は約400億円でございまして、そのうち新区役所整備の起債償還に約116億円、まちづくり中野21の借入金返済費用額等として約140億円を充当する予定でございます。
○加藤委員 余った140億円ぐらいはどうするんですか。
○竹内財政課長 こちらに関しましては、財政調整基金への積立てを考えているところでございます。
○加藤委員 先ほどもたらればの話でしたけど、そういったものが時期がずれ込んだり難しくなった場合には、新庁舎のその借金というのをどうやって返すか。基金をいきなり全部入れてしまって返すみたいな考え方もあったりするんですか。
○竹内財政課長 様々な状況変化に関しまして、こちらのほうで財政フレーム等を鑑みて、また様々な検討をしてまいりたいと考えてございます。
○加藤委員 基金残高について、その下、図29ですけども、基金残高が増えておりますけれども、23区平均と比べて低い理由は、一概には言えないでしょうけど大体何が考えられますか。
○竹内財政課長 各区一般財源の伸びが堅調であると思われるため、中野区では、まちづくりや施設整備に基金を活用しているためと推測されるものでございます。
○加藤委員 ここの図28と29で貯金と借金の差を見ると、23区とどういう関係なのかなと思うのでやってみたんですけれども、23区平均は1,136億円引く221億円なので、実質の貯金が925億円。中野区は799億円引く360億円で437億円、2倍ぐらい差が出ているわけですけれども、その理由について伺います。
○竹内財政課長 こちら、各区一般財源の伸びが堅調であることから基金残高が伸びる一方で、まちづくりや施設整備に基金や起債を活用しているために、その差が開いたと推測されるものでございます。
○加藤委員 単年度収支とかは、先ほども議論あったので飛ばさせていただきます。
財政白書の23ページ、図34の経常収支比率の推移で、令和5年度中野区は71.2%と安定経営に見えます。しかし、図35の経常経費充当一般財源等と歳入経常一般財源等の推移によると歳入は941億円となっておりますが、先ほど考察させていただきましたけれども、特別区交付金の配分割合がよい近年はこの分母が大きいためになるというふうに考えられます。過去に使ったお金が返還されているだけ。それを新規拡充に使うのではなくて、基金積立て、区債返還に使っていかないといけないところだと考えますけど、いかがですか。
○竹内財政課長 委員御指摘のとおり、様々その経常収支比率に関しまして、それを何かコントロールするわけではございませんが、そういったところの様々な分析を行っていきながら持続可能な財政運営に努めてまいりたいと考えております。
○加藤委員 ちなみに取材の中で、この分子に当たる経常経費充当一般財源等に含まれてもよいのかなと思うのが幾つかありました。例えば木造住宅簡易及び一般耐震診断、車の定期車検代、東北復興大祭典関連経費などがありますが、これは経常経費充当一般財源とは一体何なのかなというのをちょっと伺います。
○竹内財政課長 こちら経常経費充当一般財源等とは、臨時的経費に充当された一般財源以外のものを指すものでございます。経常的経費と臨時的経費の区分につきましては、決算統計に係る調査票の作成要領に判断基準が例示されてございまして、例えば大規模な記念行事に係る経費に関しましては臨時的経費と示されているため、東北絆まつり関連経費につきましては臨時的経費としているというものでございます。その他の経費につきましても、作成要領にのっとりまして経費の科目や経費の性質によって個々で分類しているものでございます。
○加藤委員 午前中、最後の質問にしますけど、今後給食費の無償化とか高校生等医療費無償化とかがありますけれども、その取扱いは経常になるのか臨時になるのか教えてください。
○竹内財政課長 作成要領にのっとることになりますが、恐らく臨時的経費の取扱いになるというふうに考えてございます。
○杉山委員長 加藤委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。
午後0時00分休憩
午後1時00分開議
○杉山委員長 委員会を再開します。
休憩前に引き続き総括質疑を行います。
午前中の答弁保留について答弁できますでしょうか。
○竹内財政課長 先ほど加藤委員の質疑の中で、扶助費の社会福祉の増で価格高騰支援給付金が大きく影響しているというところがございました。それにつきまして、令和5年度の価格高騰支援給付金の決算額は約46億円でございまして、全体120億円から引くと約74億円となるものでございます。同じく令和4年度の給付金の決算額は約34億円でございまして、全体107億円から引くと約73億円となるものでございます。給付金を除いた額としては約1億円の伸びとなっているものでございます。
○加藤委員 ありがとうございました。答弁保留の件はそれで結構です。
先ほどの午前中の話を改めてまとめると、財政白書23ページにあります経常収支比率に出ております分母と分子、図35のほうだと、黒い四角で囲まれているのが分子で、分母が丸で示されているほうですけれども、分母に関しては特別区交付金とか財産費が、たまたまじゃないですけど、まちづくりを今やっているさなかなので、そういったものが前倒し算定されるとか、そういった中でかなり多くもらえているために分母が今大きくなっている時期なのではないかということを言いました。
その金額においては、例えば、先ほど10年間の平均が23区の中で中野区はどのくらいだったかというと3.72%でして、それの中でいうと、この経常収支比率で令和元年の収支比率が80.3%でかなり厳しい数字になっていますけれども、特別区交付金はその年はマイナス22億円だったんですね。平均というか、3.7%が。その10年間で一番交付金がもらえていない年がこの年に当たっているので、令和5年度におきましては、そういう計算をすると34億円くらい、10年間平均で多くもらっている。こういう年がかなり低く経常収支比率が出ているということが分かるので、特別区交付金とか財産費がもらえる年、その金額に応じて、この経常収支比率というのが大きく影響しているんじゃないかなということなので、何を言いたいかというと、この数字自体で経営が安定しているかどうかというのはなかなか言い難いのではないかなと。計算方法自体は国とか都が指定しているものでしょうけれども、この数字だけを見て安定だというのはとても言い難いものなんだろうなというふうに考えます。
分子のほうも、先ほど言いましたけれども、今後、給食費の無償化とか高校生の医療費の無償化というのは政策判断の中で行われるものなのか、これは経常経費化はされないで臨時的な扱いになるために、この経常収支比率の中の分子には入ってこないという話でよろしいんですね。
○竹内財政課長 作成要領にのっとり、そのような扱いになっているというものでございます。
○加藤委員 ということで、そういう経常収支比率とはそういうものだというのをちょっと皆様に御認識していただきたかったということです。
次に、ちょっと質問を飛ばしちゃいまして、先ほども質問がありましたけど、財政白書32ページで、図43の区民一人当たりの公債費と公債費負担比率について、区の所感について伺います。
○竹内財政課長 区民一人当たりの公債費と公債費負担比率についてでございますが、普通会計の令和5年度の公債費負担比率は8.1%でございまして、他区と比較すると高い数値になっていますが、これは用地特別会計における平和の森小学校用地の繰上償還を行ったものでございまして、こちらは計画的なものでございます。今後とも公債費、公債費負担比率を注視しながら適切な財政運用に努めていきたいと考えてございます。
○加藤委員 今年度においても、新区役所整備で使っていた区債を返還すれば同じようになるということですか。
○竹内財政課長 こちらのほうは、公債費の返還に当たったものは、それらのところがこちらのほうに計上されるというものになってございます。
○加藤委員 次に、33ページで、区民一人当たりの基金残高と区債残高ですけれども、中野区は23区で一番区民一人当たりの区債残高が一番大きいというふうになっていますけれども、この辺はどういう所感でしょうか。
○竹内財政課長 こちら区債に関しましては、新庁舎のものであったりそういったものが、計画的なものがこちらのほうに計上されておりますので、こちらのほうが高くなっていると考えてございます。また基金、またこちらの起債もそうですけれども、まちづくりや施設整備のためにこちらは活用しているために増加しているものと考えてございます。
○加藤委員 要求資料で、総務111というのを作ってもらって、予算編成時及び決算の一般事業費と新規・拡充等事業費というのを作ってもらいましたけれども、年々、新規・拡充等事業が出てきて一般事業費、ある切り口で言えば経常経費みたいなものですけれども、こういうのが増加しています。過去の大型事業の裏負担の財産費が入ることで、特別区交付金、そしてその他一般財源の増加が一般財源を押し上げましたが、中野区の歳入の実力として勘違いしてしまっているところがあるんじゃないかなというふうに思います。そういった新規事業とかに回すのではなくて、建設関連の費用、借金するのではなくてそのまま一般財源を投じるとか、あと基金を充てていれば、ここまで区債残高が膨らまなかったのではないかと考えますけど、区の見解をお伺いいたします。
○竹内財政課長 区債残高が増加した原因につきましては、新庁舎や学校用地の購入に伴う計画的なものでございまして、また、委員御指摘の財産費に関しましては、こちらは全額まちづくり基金に積み立てるなどしまして、基金につきましても過去最高の約800億の残高となっておりまして、一定の財政の健全化は保たれているかなと考えてございます。
○加藤委員 まちづくりをしなくなると特別区交付金の金額が、今までの議論の中で減ってくる可能性が非常に高い中で、今まちづくりをし続けていると、昔、民主党政権で道路特定財源をなくすみたいな話だったけど、結局各自治体は借金をして、特定財源を当てにして借金をして、これでぐるぐる回していたみたいなことになっていて、これも同じようなものなのかなと思っていて、それを当てにしながらやって、止めると入ってこなくなってくるし、こういったことを考えると、そういったまちづくりの将来的に入ってくるものとか負担のところ、こういったところをしっかりと見ながら予算を組んでいかないといけないかなと思いますけど、区の担当の見解を伺います。
○竹内財政課長 委員御指摘のとおり、財産費につきましては、こういったところで好調な場面で歳入が増えておりますけれども、そういったものは全額まちづくり基金に積み立てるような、将来に備えてこういった用意をしているものでございます。今後も区民満足度の高い行政を維持していくために、引き続き計画的な財政運営に努めてまいりたいと考えてございます。
○加藤委員 ありがとうございました。時間がないので2の契約についてお伺いします。
さきの一般質問で、インフレスライドはあらゆる項目が算定されることになったとの答弁でしたけれども、その計算の起点日がいつになるか確認させてください。
○原契約課長 スライド額の初回の算定に当たっては、当初契約時を起点として品目金額の変動額を計算していきます。また、2回目以降の請求に当たっては、前回実施したスライド基準日を起点とし計算することとなります。
○加藤委員 ちょっと説明があれですけど、最終的に一番最初の契約日を起点日として出すと、大まかに言えばそういうことでいいですか。
○原契約課長 初回はそのような仕組みになりますが、追ってのスライド額算定においても、その都度の基準日を設けて適切に見ていける、そういった制度でございます。
○加藤委員 次の質問です。補助金について先ほど触れてきましたけれども、まちづくりじゃなくて、学校建設補助金について伺います。建設工事における前払金が4億円から6億円に変更がありましたが、その影響について伺います。まず、影響が出る補助金は何かも伺います。
○藤永子ども教育施設課長 前払金の変更に影響のある補助金についてでございます。前払金の変更によって影響のある補助金は、公立学校施設整備費国庫負担金でございます。
○加藤委員 今の公立学校施設整備費国庫負担金は、負担金をもらえる年次が決まっているそうですけど、仕組みについて伺います。
○藤永子ども教育施設課長 公立学校施設整備費国庫負担金の仕組みについてでございます。学校施設整備について建設が複数年度にわたる場合、基本的には工事完了年度とその前年度の2か年度が負担金の対象となる仕組みでございます。
なお、法改正が行われまして、次年度より、工事完了年度から2か年だったところ、工事完了年度から3か年度まで負担金の対象となる予定でございます。
○加藤委員 今、中野区でやるものは大体3年以内なので、それはいいのかなと。今後においては、前払金を多めに出したとしてもその補助金の額に影響を与えないということになると思うんですけども、今後建てる予定の学校で3年以上かかるものというのはあるんですか。
○藤永子ども教育施設課長 今後の学校施設整備の建設期間でございます。現計画、中野区小中学校施設整備計画(改定版)においては3か年度以上の建設工事を予定している学校はありませんが、今後の設計作業の中で工事期間が3か年度を超える工事が出てくる場合はございます。
○加藤委員 議論として地下化みたいのもあれば当分、4年ぐらいかかっちゃうのかなと思いますけれども、そういったところで影響する、もし3か年以上になっちゃった場合は影響額というのはどのぐらいになるんですか。
○藤永子ども教育施設課長 公立学校施設整備費国庫負担金の影響額についてでございます。負担金の交付額については、建設する学校によってケース・バイ・ケースのところがございます。現在改築中の中野本郷小学校についてでございますが、今回の前払金変更の影響により約490万円が減額となる予定でございます。
○加藤委員 分かりました。
次に、道路工事の契約について伺います。同じような工事内容でも地域特性によって工事費が異なると思いますけれども、工事発注日、工料、そういったことを考慮されているのか伺います。
○髙田道路建設課長 中野区積算基準において施工地域区分、工種区分に基づく地域補正係数が定められており、工事費の算出に際しては適用しております。
○加藤委員 道路の整備工事においては、過去に、アスファルトである表層の下に、路盤って、アスファルトの下には砕石とかがあるわけですけども、その下に、砕石ではなくて、割栗石ってかなり粒形がでかい石が入っている場合でも表層だけを整備してしまったために、すぐにクラックが入ってしまうということがあったそうですけども、路盤からしっかり整備したほうが結果的に費用を抑えられると伺いますけれども、区の見解はどうでしょうか。
○髙田道路建設課長 道路舗装は、適切な路盤の上に表層を整備することにより歩行者や車両が安全に通行できるとともに、維持管理費の抑制につながると考えています。今後も舗装状況や大型車の通行状況に応じて適切な整備を行っていきます。
○加藤委員 次に、公契約について。1,000万円以上と以下、両方の委託事業を受けている会社があります。伺ったところ、1,000万円以下の従業員には1,000万円以上の勤務地に行かないようにしているそうです。行けば、公契約条例のポスターが貼ってあって、勤務地によって賃金が違うことが明確に分かるためです。公共事業で公平性がないこの制度に違和感しかないものであります。何かの刑事ドラマではないですけれども、事件に大きいも小さいもないというような感じで、1,000万円以上と以下で仕事の内容が違うのかみたいなところを考えると、この仕事の内容によって報酬が変わっていくのはいかがなものかと思いますけれども、何度も聞いているところですけど、改めて伺います。
○原契約課長 公契約条例は、委託経費のうち人件費が主となる業務で、かつ年間を通して委託される規模の業務への適用を想定していることから、金額として1,000万円以上の委託契約を対象としてございます。
なお、公契約条例の適用対象外となる1,000万円を下回る契約金額の業務に従事する労働者への報酬については、労働報酬下限額の設定はないものの、各労働者の経験や業務性質等を踏まえ受託者において適切に設定されているものと考えてございます。
○加藤委員 そもそもそういう公契約条例の最下限額だったり、東京都の最低賃金で設定されているようなお仕事というのはあると思いますけれども、そういったところは業務仕様書を作成する際に、時給の単価計算というのはどのようにされているのかというのが気にかかるところなんですけれどもどうなんですか。
○原契約課長 労働報酬の支払いにおいては、東京都の最低賃金の遵守が前提となる認識の下、人件費を含む委託料は、事業の内容や性質に応じて各所管においてそれぞれ積算しているものであります。
○加藤委員 1,000万円以下だと、時給計算は東京都の最賃で業務仕様書を作って、それで入札でさらに落ちてということになってくるということですね。そこに非常に違和感があるわけですけれども、そこを今後、予算もかなり厳しいところではありますけれども、公契約条例で、ちょっと上がり過ぎた時給を下げろとは言わないですけど、東京都の最賃とかなり近づけるような、上がってくるのを待ってくるぐらいのことを一回やらないと、この差がなかなか縮まらないのかなと。縮まった際に、性善説ではないですけれども、全ての時給を公契約条例にして、違反があった場合には通報するような形にすれば、いろいろな負担が減ってくるのかなと思いますけれども、伺います。
○原契約課長 公契約条例は令和5年度から適用を始めたものであり、導入の効果や改善事項等を確認しながら現在運用している段階であります。公契約条例の対象の考え方や運用方法については、公契約審議会でも議論の上、検討を続けてまいります。
○加藤委員 次は、今委託全般を聞きましたけれども、清掃事業について。一般質問で久保議員も取り上げておりましたけれども、ペットボトル、資源プラスチック、粗大ごみ処理の委託は、他区よりも算出する人件費単価が低いと伺いましたけれども、実態はどうでしょうか。
○鈴木ごみゼロ推進課長 中野区では、ペットボトルや資源プラスチックの回収委託、粗大ごみの収集分担業務は、東京都環境衛生事業協同組合と契約しています。他区でも同組合と契約しているところはありますが、その場合、人件費の単価の設定方法はまちまちであると聞いています。中野区などの場合、現年度のごみ収集の委託単価を参考にしていますが、翌年度の予定単価を参考にしている区もあります。その場合、直近の経済状況がより反映されていることになります。
○加藤委員 物価高騰に伴う人件費を実態に即することが重要だと考えています。また、人口が中野区はかなり増えてきているというところで、排出量が大きく契約してから増えてくるというのもあるということです。契約に当たっては、人口増減の予測を踏まえた排出量を算出することも重要と思いますけれども、そうした物価高騰と併せての適正な排出量を見込んではどうかと、区の見解を伺います。
○鈴木ごみゼロ推進課長 一般のごみ排出量は、社会経済の動向や人口そのものの増減によって変化します。また、中野区の場合、一人当たりのごみ量は23区中トップに準ずる少なさであり、こうした区民のごみ削減努力の成果も大きく反映されます。委託契約に当たっては、人件費や諸物価の高騰などの影響を契約単価に反映させるだけでなく、人口増減など排出されるごみ量の予測を盛り込むことを行っており、今後とも社会情勢を見極め適正に排出量を見込み、総合的に判断していきたいと考えてございます。
○加藤委員 ごみの収集作業は、夏季の暑い中、作業が大変だという声を聞きます。夏季は熱中症等の対策が必要であり、有効な手段として作業人員の増加などが考えられます。夏季期間だけ作業人員を増員するなどの夏季対策について検討をしてはいかがか伺います。
○鈴木ごみゼロ推進課長 長い期間猛暑が続くようになった昨今、作業員の熱中症対策など夏季の取組がこれまで以上に切実になっています。今年度もペットボトルの回収委託では、夏季の期間、1日当たりの車両台数を7台から8台に変更するなど、作業人一人当たりの作業軽減に取り組んできたところでございます。今後、事業者から聞き取りを行うなどの実態把握に努め、有効な夏季対策の在り方を含め必要な経費を精査していきたいと考えてございます。
○加藤委員 ありがとうございました。
それでは、3のスマートウェルネスシティについて伺います。
昨年、令和5年第4回定例会において自民党会派は、中野区で10年間塩漬けになったになったスマートウェルネスシティの推進の復活をすべきと提案し、区が迅速に対応されたことを評価します。以降はSWCと言います。なぜ塩漬けだったのか。邪推ですけれども、2013年に一般社団法人中野区産業振興推進機構ICTCOが誕生し、その事業の中にライフサポートというのがありまして、中野区がSWC首長研究会に加盟した時期と重なり、その連携がうまくいかなかったのかなというふうに考えております。しかし今回においては、社会情勢、情報基盤が大きく変わり、SWCを成功させる土壌があると考えます。また、これも我々の会派が提案させていただいたナカペイとSWCの親和性は高く、中野区の地域包括ケア、医療、介護、地域経済、まちづくりなどと様々な波及の効果の可能性があり、新たな自治体の在り方をつくり出せるすばらしい政策になると考えます。先日、8月22日、SWC提唱者である久野筑波大学教授の講演では、職員が目を輝かせながら話を聞いているように見えました。ということで、SWC戦略が持つ可能性について質問します。
スマートウェルネスシティ、SWCのスマートは、科学的根拠に基づいた、つまりEBPMの健康施策にあると思います。再三御説明させていただきましたけども、新潟県見附市では、プログラム導入後3年間で医療費が年間1人当たり10万円程度抑制されたという成果が出ております。あくまで歩くというところが主軸になっているものです。やみくもに政策を打ち出すのではなく、エビデンスに基づいた政策を行っていくべきです。
私は、平成29年第2回定例会一般質問で、平成28年12月に制定された官民データ活用推進基本法及び平成29年5月に全面施行された改正個人情報保護法により、官民が有する多様な大量データは個人を特定不能にすることで本人の同意なしに扱うことが可能になったことから、中野区では自治体ビッグデータとして活用するよう提案してきました。また、令和3年第2回定例会一般質問では、ビッグデータと自治体の情報システム標準化・共通化に関して、また、それを扱うデジタル人材の確保、育成について提案をしました。なかなか進展がない中SWCの検討が始まり、こういった話がやっと本格的に動き出したのかというのが感想です。
SWCの懸案事項として大きく二つ。一つは、区がビッグデータを構築できるのか、二つ目が、ビッグデータを分析できる人材をどう確保するかです。人材については、先日の杉山議員の一般質問で、九州大学のほうからの提案で、ライフスタディという研究プロジェクトに参画するという意向が示されました。同プロジェクトのホームページを拝見すると、科学研究基盤費A、これは間もなく研究成果が出ると期待されているランクで、約5,000万円の研究費がついており、30自治体が参画するよい提案と考えます。しかし、このプロジェクトは医療、福祉に特化したものになるでしょう。今後、多文化におけるビッグデータ分析が必要になった際に、研究機関とマッチングできるとは限りません。そこで改めて、中野区はSWCを推進するためにデータサイエンティストを採用すべきと要望しますが、区の見解を伺います。
○河村地域包括ケア推進課長 データサイエンティスト採用についてお答えいたします。区は、データサイエンティストを採用する考えはございませんが、スマートウェルネスシティに関するデータを分析し、施策化につながる提案のできる研究機関や大学との連携、共同を進めていきたいと考えております。
○加藤委員 スマートウェルネスシティはその九州大学のでいいんですけど、今質問したのは、ビッグデータ分析が多分野に及んだときにそういう人材が必要なのかなという質問でしたけれども、それは御検討を改めてしていただきたいと思います。
こういった手の研究の初手として、データベースづくりが最も重要です。これも改めての質問ですけれども、SWCを推進するにおいて中野区のビッグデータが必要不可欠と考えます。そこで、デジタル庁の進める自治体の情報システム標準化・共通化、及び今中野区がやっている統合型GIS等にも活用できる、中野区の全ての情報が入ったデータベースを構築し、個人情報をマスキングしながらも全てのデータが横串刺せるようなシステムをつくるべきと考えますが、いかがでしょうか。
○瀬谷デジタル政策課長 自治体情報システムの標準化・共通化対象のデータを含めまして、区の保有する様々なデータを業務横断的に利用できるデータベースの構築につきましては、他自治体の事例などを参考に研究していきたいというふうに考えてございます。
○加藤委員 細かいデータ等をひもづけることで、現在行っている政策の効果を数字として表せます。例えば、友愛クラブに加盟している人と医療費がそれによって抑制できるのか検証することは可能でしょうか。友愛クラブの加盟の有無だったり、年間の医療費など、割り出せますかというような質問です。
○池内区民活動推進担当課長 友愛クラブにおける検証についてでございます。友愛クラブで活動することが健康でいられるという仮説は立てることができますが、検証は、医療費データと友愛クラブ会員の活動データの相関関係を分析することとなるため、容易なことではないと考えてございます。
○加藤委員 医療費データについては出せるかどうか伺います。順番が変わっちゃうと困っちゃうんだったらあれですけど、取材の中でそういったデータも頂けるとは聞いていますので、後ほどそれを伺います。
そうしたら、次に介護予防生活支援サービス、なかの元気アップセミナーの講座を受けて介護費を抑制できているか検証ができるか伺います。
○高橋医療・介護連携推進担当課長 介護予防事業における介護給付費の抑制についてお答えいたします。なかの元気アップセミナーでは、実施後の体力測定で転倒予防の指標などに効果が出ていることや、通いの場に継続して参加できることの効果も確認しておりますが、介護給付費との相関関係を分析するには様々なデータの積み上げが必要であると考えてございます。
○加藤委員 そういった分析をするにはいろいろデータが必要ということですけど、その介護費用自体を出すことは可能ということですね。柔道整復師に委託しているマイナス5歳若返り体操では、これまでに体力測定をして、ビフォー・アフターを示して、その効果を受講者に示していたということですけれども、本年度はなくなったと聞きます。この事業だけじゃないですけど、あらゆる事業において効果検証は重要で、こういった検証結果をホームページなどで示すことによって、例えば10人しか参加できないそういった講習も、ホームページで、こういうのをやるとこういうふうによくなるんですよと、こういうのを示すことで、ある程度税金の使い方として公平性があるのかなと思うわけですけれども、せめてそういった効果検証などをする必要があると思いますし、そのサンプル数を増やすためにも回数を増やすなどの改善が必要と考えますけど、区の見解を伺います。
○高橋医療・介護連携推進担当課長 介護予防事業の効果検証につきましては、介護予防事業では、事業の目的や種別ごとの必要に応じて受講前後の体力測定を行い効果の検証を行っております。そうしたデータを示すことが、スマートウェルネスシティの目指すヘルスリテラシーの向上に寄与すると考えております。多くの高齢者に利用の機会を増やすために、事業の実施回数や場所、受講人数、新規利用者の呼び込みなど検討してまいりたいと考えております。
また、介護予防事業のデータは、介護給付費の抑制効果を分析するために必要なものだと認識しており、データの収集に積極的に努めてまいりたいと思います。
○加藤委員 いろいろやっていく中で、スマートウェルネスシティの最後のゴールというか、目的関数としては医療費を下げられるかどうかが重要となってくると考えるんですけれども、いろんな事業と医療費の関係性を見たいわけですけれども、医療費が抑制できているというふうに検証することが可能なのか改めて伺います。
○高橋医療・介護連携推進担当課長 介護予防事業の目的としましては、介護給付費を減少させる、減らす、抑制するということが一義の目的でございます。介護予防が進みまして、要介護状態が延伸し、健康寿命が延伸して、その結果、医療費が抑制するということはあるかと考えております。
○中村保健企画課長 医療費の抑制についてのお問いでございますので、それについて回答したいと思います。例えばですけれども、かかりつけ歯科医を持つ人のことについてでございますが、歯医者に年1回行っている人の医療費は、国保連合会が管理しているシステムによって確認することができますが、医療費の抑制につきましては、同一歯科により繰り返し受診しているとは限らないため検証することはできないと考えてございます。
○加藤委員 ちょっと質問と答弁が今順番が変わってしまったんですけども、歯医者に例えば年に1回以上行っていれば、かかりつけ歯医者と定義できるのかみたいなことを聞いたら、今の答弁の話を僕が言うと、毎月歯医者に行ったという金額が分かる、合計値だけ分かるというデータなので、年間で歯医者に行っているかどうかが分かる。ただ、どの歯医者に行ったかは分からないということなので、歯医者に行ったというカテゴリーの月一の総計金額は分かるということなので、歯医者によく行っている人が、その人は行っているかどうかというのは分かるということでいいですよね、一応お聞きするんですけど。
○中村保健企画課長 月ごとの歯医者に通っている人の医療費については確認ができます。
○加藤委員 医療費全体が抑制できているかというのも、金額が全部、国保に関しては分かるということ。個人個人の月ごとの総計金額が分かるということでいいんですね、医療費に関しては。
○中村保健企画課長 年額の総額も分かりますので、経年の比較はできるというふうに考えてございます。
○加藤委員 この医療費データを使うと、SWCをやった際にその政策のよさというのが、医療費を抑制できているという分析の根幹データになってくると思いますので、先ほど言いましたデータベースの中にこういった情報は必ず入れないと、その成果が測りづらいのかなというふうに思うわけです。こういったデータを全部突合すると、例えば新型コロナの給付のときも所得家庭状況の把握のために突合作業をしていたわけですけど、そういったものもなくなってきます。ビッグデータを使って様々な分析ができると思いますけれども、区民意識実態調査にある何々と感じる区民の割合などの抽象論ではなく、結論としては、あることをしているある事業を受けると医療費を抑制できるというような、こういったアウトプットがSWCには必要と思っていますけれども、区の見解はいかがでしょうか。
○河村地域包括ケア推進課長 アウトプットが可能となる事業の展開についてお答えいたします。80歳でも元気な方の生活習慣を統計的に分析するためには、ビッグデータが必要であると考えてございます。行政が保有するデータだけではなく、パーソナルヘルスデータも得られるよう、スマートフォンの健康管理アプリやウェアラブル機器などの導入を進めていきたいと考えております。
○加藤委員 また、分析の方向は、他の自治体が参考になってきますけれども、中野区ナイズする必要があります。自動車世帯所有率が全国自治体で一番少ない中野区は、そもそも公共交通機関に頼った移動が多く、先ほど挙げた見附市のように年間平均8,000歩で6,000ポイントでは、中野区民にはちょっと甘過ぎるかなというふうに考えます。区は健康ポイント事業の検証をどのようにやるか伺います。
○河村地域包括ケア推進課長 健康ポイント事業の検証についてお答えいたします。中野区民は公共交通機関を使って外出する機会が多く、地方都市からしても活動していると認識されておりますが、そのこと自体も地方との比較で検証する必要があると考えてございます。健康ポイント事業につきましては、他の自治体とも比較できるようなスキームを検討してまいります。
○加藤委員 SWCは、歩くことが今のところ一番大事ということで進められております。ということで、ちょっと事業を一つ提案ということで、現在一部スーパーでは店内で買ったものを自宅まで配送するサービスがあります。高齢者はスーパーで買物をしたいけど、体力的に買ったものを持ち帰ることが大変だと買物に行かなくなる、そういったフェーズがあるそうです。買物にはワクワクするものがありまして、若さを維持するために重要です。スーパーに行かなくなれば、歩かなくなった上に、そういったワクワクもなくなり一気に老け込みます。中野区は、例えばナカペイの健康ポイントなどの連携により、スーパーが配送サービスをしやすい環境を整えるべきと考えますが、いかがでしょうか。
○高橋医療・介護連携推進担当課長 買物と高齢者の健康づくり、介護予防につきましては、高齢者にとって買物に出かけることは、日常の中で外出や歩行の大切な機会となると認識してございます。高齢者の買物による外出を、健康づくり、介護予防を促す行動として捉え、店舗による健康ポイントの活用方法などを考えてまいりたいと考えております。
○加藤委員 あくまで医療費抑制という結果が出ればというところではありますけれども、そういった検討をしていただきたいと思います。
広範な範囲、部署において検証が必要なSWCですが、理学療法士の予防医学の知見を活用すべきと考えます。リハビリ、高齢者、障害者、介護についての知見をお持ちのイメージが強い仕事ですが、例えば中野区の少年野球連盟では年に1回、中野区医師会の事業の一つとして野球肘健診を行っており、理学療法士さんにはサポートメンバーとして多くの人が入っていただきまして、小・中学生のときから健康アドバイスをすることもあります。理学療法士さんにお話を伺ったところ、捻挫をよくする子がいたら、多くの場合は走り方に問題があるということです。様々な場面で理学療法士の予防医療の知見を生かすべきと考えますが、いかがでしょうか。
○井元指導室長 学校での運動に関する外部人材の活用は、アスリートなどを招聘して技能の向上を目標とすることが多いところでございます。一方、外部人材を招いて捻挫や骨折等のけがの防止の視点で子どもたちが指導を受ける機会は、これまであまりございませんでした。こうしたことから、理学療法士との連携した指導について、今後、学校での取組について検討していきたいと考えております。
○加藤委員 これまでSWCに関連したことを質問して、いろんな部署の方に答弁していただきましたけども、SWCというのは全庁的に推進しないといけないものだと考えておりまして、今度の次期基本計画においては、もう重点プロジェクトに入れないといけないものなのかなというぐらい大きく捉えております。そういったところをスタートしているところではありますけれども、区のSWCの今後の考え方について、部長から答弁いただければと思います。
○石井地域包括ケア推進担当部長 先ほど委員からも御紹介のありました、8月に実施した筑波大学の久野教授の講演会におきましても、健康無関心層へのアプローチは難しく、住んでいるだけで健康になるまちを目指すべきといった話が印象的でございました。ソフトもハードもインフラも整えていく必要がございまして、全庁的な推進体制を構築することが成功の鍵であると考えております。
スマートウェルネスシティの推進に当たりましては、様々な分野における施策を横断的、総合的に展開していくことが求められておりまして、全庁的な推進とともに、地域や大学、医療機関、金融機関、民間企業などとも協力関係を構築し、相互に連携、協同して施策を推進してまいります。
○加藤委員 このSWCですけど、そもそも国土交通省が旗を振っている事業でありまして、まちづくりの観点からも伺います。歩きたくなるまちをつくる必要がありますけれども、既に区にある散歩コースの活用、景観条例、バリアフリー、UDの概念が込められた道、新たにできる262メートルのシンボルタワーが見えるコースなど、魅力あふれるまちづくりをする必要があると考えますが、区の見解はいかがでしょうか。
○塚本都市計画課長 区では、都市計画マスタープランにおける都市整備の基本理念の一つとしまして、豊かな暮らしを育むことを掲げております。誰もが居心地よく歩きたくなるようなウォーカブルなまちづくりを進めていくこととしてございます。区が持つ資源の活用や計画的な都市基盤の整備などによりまして、区民が自然と歩きたくなるような、そういったまちづくりを推進してまいりたいと考えてございます。
○加藤委員 今、若宮と大和町でやっているバスの実証運行ですけれども、そういった観点から、より歩かなくさせるような政策なのかなとも考えたんですけども、関東バスの社長によると、バスがあることによって逆に外に出るという人が増えてきているということなので、これはそういったものだと思っています。ちょっと区はいろいろアンケートを取っているみたいですけど、住民の意見についてお伺いします。
○宮澤交通政策課長 若宮・大和町の実証運行において、令和5年10月に実施した地域住民アンケート調査の結果、実証運行による主な効果に関する設問に対し、買物など外出の機会の増加や体を動かす機会の増加などの回答が多いことを把握してございます。
○加藤委員 取材の中で、まずSWCの話がある前のときは、何でこの事業をやっているんですかといったら、交通利便性を上げるためと答えられていて、なぜ交通利便性を上げるんですかと言ったら答えられないみたいな状況があった。SWCが増えることによって、そういった政策の中に意味合いがもっと多様性が出てくるところでやっぱり重要なのかなと思います。住民のそういった意見が本当に重要なんだなと思います。
地域公共交通を導入することで、買物などに伴う外出機会が増加すると住民が思っているわけですけども、乗降客数だけにとらわれず、令和7年度以降は健康施策を所管する部署と連携し、外出率の変化等を検証すべきと考えますが、いかがでしょうか。
○宮澤交通政策課長 当該地域における実証運行を通じて地域公共交通による効果は、単に交通の利便性が向上するだけでなく、健康増進や地域活性などの効果が期待できると考えてございます。次年度以降、実証運行を継続していく場合は、交通以外の健康等に関する効果についての検証も、他の部署と連携し検討していきたいと考えてございます。
○加藤委員 最後に、まちづくりの観点からSWCをどのように推進されるのか、栗田副区長に伺いたいと思います。
○栗田副区長 区では、誰もが健康かつ生きがいを持ち、安心・安全で豊かな生活を送る地域社会をつくるというSWCの理念を踏まえて、区民の健康度と幸福度を高める施策を展開するとともに、居心地がよく、歩きたくなるまちなか、いわゆるウォーカブルシティを目指しているところでございます。
特に私のほうから、ウォーカブルシティの観点から申し上げれば、一般的にはウォーカブルシティ、四つのキーワードがございまして、「Walkable」、歩きたくなるということです。そして、「Eye Level」ですね。まちに開かれた低層棟といいますか、歩行者目線という趣旨になります。それと「Diversity」、これは言うまでもなく、多様の人や用途、使い方。そして「Open」、開かれた心地よい空間。この四つのキーワードの頭文字を取って、よく「WE DO!」と、これは頭文字なんですけれども、「WE DО!」というようなスローガンがございます。こういった考え方、理念に基づきまして、庁内はもとより都や国交省とも適切な連携を図りながら、居心地のよい人中心の空間を創出していく。そういった空間に転換していくというような観点からのまちづくりをしっかりと進めてまいりたいと考えております。
○加藤委員 今、声として、ユニバーサルデザインも含めてほしいという話もありましたけれども、もちろんやっていただけるものだと思いますけれども。SWC、健康施策だと思っていましたけれども、先ほども言いましたように、国交省も主導しているところで、まちづくりもやらないといけない。だから本当に中野区全体でやっていく事業だということを、各所管の人たちと、加藤は何を言っているんだみたいな取材がすごいあって、先ほども9時40分まで取材していたような状態で、ちょっと僕の考えが届かなかったところもあるとは思いますけれども、でも、全庁的に考えないといけない非常に重要な政策だと思いますので、職員一人ひとりが、どうやったら健康的なまちになるかというのを考えていただきたいな。そして、先ほども言いましたけれども、次期基本計画においての重点プロジェクトになり得るものだと思いますので、しっかりやっていただきたいと思います。いっても、あくまでEBPMで、ばらまきにならないように、データとしっかりと向き合うことを切にお願いしまして、全ての質問を終えます。ありがとうございました。
○杉山委員長 以上で加藤たくま委員の質疑を終了します。
令和6年09月10日中野区議会本会議(第3回定例会)の会議録
○議長(酒井たくや) 次に、加藤たくま議員。
〔加藤たくま議員登壇〕
○15番(加藤たくま) それでは自由民主党議員団の立場から、一般質問をさせていただきます。
本定例会よりモニターの使用が可能となりましたが、現状中継動画でモニターを撮影はしません。かつ、議事録はこれまでどおり作成されることから、画像をモニターに映し出すものの説明を十分にする時間はないことに御理解いただければと思います。
それでは、1、社会情勢を勘案した中野区区有施設整備計画の改定に向けての懸案事項についてから質問いたします。
中野区では、今後10年間の財政運営の収支計画を財政フレームとして適時更新しております。2021年9月、中野区基本計画(2021-2025年)が改定され、その5年間を前期2年間、後期3年間に分けて、次期基本計画の5年間をそれぞれ必要経費として合計値を示しており、次期基本計画の施設関連経費は407億円と示されました。そして中野区は、新型コロナや物価高騰等の社会情勢の変化により、この基本計画の一部変更をしたいということで、中野区基本計画の後期3年間を中野区実施計画ということで策定をしました。基本計画同様、次期基本計画の施設関連経費が示されまして、641億円となりまして、1.57倍に跳ね上がりました。このことについて、令和5年中野区議会第4回定例会総務委員会において伺ったところ、物価高騰による建設コスト増に20%増、ZEB化、要するに環境に配慮した建物にすることで10%上昇、整備費用は1.3倍増えると。先ほど1.57倍と言いましたけれども、その差の27%は、施設改修の遅れや区民ニーズにより廃止予定施設を残存し、施設改修の必要性が生じたためということであります。
建設費用をハード事業費として、その他区民サービスをソフト事業費としたとき、ソフト事業費は毎年平均30億円の必要経費が増加している現状を、以前の予算特別委員会で指摘させていただきました。それに建設コストの上昇を加味して試算すると、5年後の令和11年頃には今のペースでいけば区の財政が破綻する可能性を示唆しました。また、近年の学校などの建て替えによっては、延べ床面積がおよそ1.3倍になっております。鍋横区民活動センターの建て替え計画においては、延べ床面積が530平米から1.79倍の949平米と増床しております。区有施設整備計画において、更新年数経過後に現在と同じ延べ床面積で更新すると仮定し、延べ床面積を更新単価を乗じて更新経費と試算するとしているにもかかわらず、区民ニーズを反映のためか、面積を激増させています。ちなみに、先ほどの施設関連経費の上昇理由にこの延べ床面積の上昇は入っておらず、反映すればその分費用が上昇します。もちろん必要に応じて面積を増加すべきでありますが、区有施設整備計画における現在と同じ延べ床面積で更新という前提条件は破綻しております。予算には限りがあり、財政課、施設課などは、区有施設の建設において基本設計を手がける前に予算、延べ床面積等の規模感をそれぞれの施設に示し、持続可能な財政運営に努める必要があると考えます。工事に関わる費用を精査できなければ、新たな区有施設整備計画、それに関連して次期基本計画を策定することはできません。
そこで、今後の施設整備計画に大きな影響を与える物価と人件費等の高騰について、質問をいたします。
それでは物価高騰について。我が会派では、8月下旬から9月初旬において多くの団体様と政策懇談会を開催させていただきましたが、とりわけ物価高騰対策について多くの御意見を頂きました。事業者は契約期間中に上昇した物価上昇分の補填を求めており、決してわがままを言っているわけではありません。一般財団法人建設物価調査会によると、東京における建設資材の物価上昇は2015年1月を100とした場合、右肩上がりに上昇し、2024年7月は138.3、10年間で38%の上昇、うち2021年以降の3年間で33%の伸び率です。数か月で建設資材の値段は大きく変わるため、工事請負契約約款第26条第6項におけるインフレスライド条項の規定があります。事業者は賃金水準または物価上昇の変動により契約金額が不当となったことを区へ資料として示し、区と協議できるものです。都の工事単価を採用している品目以外のオーダーメイドの建設資材、例えばサッシや可動間仕切り壁、エレベーターなどの品目についてはインフレスライドの対象項目から反映されないということでした。対象項目をできるだけ細かく指定しなければ、事業者が物価高騰による収益悪化を丸々飲み込むことになると考えますが、現在の区の対応について伺います。
今取り上げたものは短期的な視点でありましたが、長期的な視点で言いますと、2021年6月に報告された中野区基本計画改定素案の時点で施設関連経費は407億円と先ほど示しました。その後、実施計画策定までの期間で建設資材の物価高騰は22%であり、先ほど20%上昇と言っておりましたが、既にもう22%の上昇になっていたわけで、現在においては30%以上の上昇ということであります。区有施設整備計画を検討する上で物価高騰の取扱いについては、十分に反映しなければ施設計画を破綻すると考えますが、区の見解をお伺いいたします。
続いて、人件費の上昇についてお伺いします。
公共事業の設計労務単価は、平成24年度に単価算出手法の大幅改定があり、必要な法定福利費相当の反映が実施され、12年間連続右肩上がりで増加し、プラス75.3%となりました。それに加えて、2019年に施行された働き方改革関連法案では、時間外労働の上限規制を罰則付きで定めました。ただし、建設業界や運送業界においては5年間の猶予期間が与えられ、2024年4月からの適用となりました。
長時間労働の是正により、時間外勤務の見直し、週休2日制が実質義務化し、建設業では工事現場への移動・準備時間なども勤務時間に含まれるようになってきました。以前であれば工事現場における労務管理は粗雑で、例えば、7時に会社に集合、車に道具と材料を積み込み、現場に向かい、8時に現地到着。道具と材料を下ろして8時半に作業開始としたとき、7時からの準備、移動時間は勤務時間に含まれないことが多かったそうです。今の事例でいえば、働き方改革前の実質作業時間を8時間としているのであれば、働き方改革後は、片道の移動等の時間で1時間かかっていれば、往復2時間分が勤務時間になるために、実質の作業時間は6時間になり、作業時間は25%減ったわけです。1日の作業時間減少に伴いまして、作業日数、人工が激増する上に、週休2日制度が義務化されました。
そのような制度上大きな変革がある中、様々な団体より現場の声を伺いました。まず、現場監督は現状土日に作業報告をまとめざるを得ず、働き方改革はまだまだ道半ばだそうです。また、例えば夏休み期間中の小学校給食室の工事案件では、休みが交代制の仕様になっており、休暇が取りにくい現場となっております。つまり、休みが1日もなかったということです。他にも、現場によっては休日に検査を行っているところもあるなどの声を聞いております。働き方改革を実現するためにも、区の体制、職員の対応を改善し、工期をしっかりと確保する、もしくはそれだけの人工が確保された仕様で契約発注が必要と考えますが、区の見解をお伺いいたします。
続きまして、同計画の改定について。
区有施設整備計画を改定するに当たり、中野区の財政事情に対して、身の丈に合った中野区に必要な施設数、配置、延べ床面積等などの目標値を定めるファシリティマネジメントを策定すべきだと考えます。そのためにも単体の施設のみで考えずに地域ごとに必要最低限の施設数、配置、面積などをいま一度改めて精査し計画を策定すべきと考えますが、区の見解はいかがでしょうか。
施設更新においては現地建て替え、跡地活用などもありますが、今後は民間活力を最大限に利活用を図るべきです。中野駅新北口駅前エリア、新中野サンプラザは、高度利用地区の指定により容積率600%だったものを、地域に対する公共貢献をするという条件の下、容積率を1,000%として計画いたしました。割増し容積のメニューとしては、空地等の緩和の項目として、空地の確保、公共的屋内空間、緑化施設、一時滞在施設、宿泊施設があり、空地等の緩和以外の項目として、住宅、質の高い住宅の確保というメニューを活用しております。今後、中野区がまちづくりに関与する際には、積極的に高度利用地区などを指定することで、区が負担することなしに公共施設、空間を作り出していくべきと考えますが、区の見解を伺います。
ナカノサウステラの中野区の保留床については、令和6年第1回定例会で長時間にわたる議論をさせていただきましたが、一等地であり、公共的な活用として良案がなければ、その資産の潜在的な価値を十分に引き出すために、条件なし、市場価格で貸し出すなどを検討すべきと考えますが、区の見解はいかがでしょうか。ちなみに、港区ではそういう考えがあるそうです。
区が所有すべき施設の精査ができましたら、施設整備費用に幾らかかるか試算します。さきにも取り上げましたが、物価高騰、人件費上昇が激増する中、施設を整備する時期によって価格が変動することを勘案した中長期の現実的な整備費用を試算する方法を検討すべきです。
最後に、財政状況と相談です。中野区が策定する財政フレームの歳入は、実質GDP成長率を加味した内閣府の経済財政諮問会議、中長期の経済財政に関する試算を引用するなど、インフレが反映されています。しかし、歳出においては物価高騰が反映されておらず、間違っていると断定できる財政フレームが編成され、財政的に余裕があると勘違いし、新規・拡充事業が乱発されることを恐れます。物価高騰、人件費上昇等により、建築後30年で大規模改修、建築後60年の建て替え方針では財政がもたないために、長寿命化することを念頭に区有施設整備計画を大幅に改定すべきと考えますが、いかがでしょうか。
また新たに整備する施設の延べ床面積の増加を前提とするのであれば、せめて上限値を設定する、複合施設を建設するなど、区全体で延べ床面積の上昇を抑制する必要があると考えます。また、整備の優先順位をつけるという考え方もあろうかと思いますが、区の見解はいかがでしょうか。
順番はこの限りではないですけれども、こういった一連の作業を思考実験で何周もすることになってくるのでしょう。このパズルは持っているピースでは絶対に完成することができません。削除するピース、統廃合するなど大きく形を変えるピース、ゼロから作るピースもあるかもしれません。しかし、そのピースはなぜ削除するのか、形を変えるのか、財政状況を軸にその理由を区民の皆様に丁寧に説明しながら進めることをお願いしまして、本項目の質問を終えます。
続きまして、部活動の地域移行について。
移行期間は令和5年度から令和7年度の3年間で、令和8年度以降、教員が土日に部活動の指導をしない体制の構築が進められています。そのため、土日における中学生の指導者を学校以外から招聘する必要があります。過渡期となる今、非常に困難である事業ですが、地域力向上のために大きなチャンスと捉えるべきと以前に説明させていただきました。
例えば、町会をイメージすると、役員を務める70、80歳代が活動の中心の世代となります。世代をつなぐ縦のつながりは同じ中学校、小学校の関係がありますけれども、関係としてはいまいち脆弱です。ここで、世代間を超えたスポーツや趣味、こういったものを、そのグループが地域に参画することで全世代的に結束力がある縦のつながりが形成できると考えます。部活動の地域移行はこのつながりを地域に育むことを期待いたします。
渋谷区の部活動の地域移行は参考になります。渋谷区体育協会は、2024年7月1日付で一般社団法人渋谷ユナイテッドと合併し、新たに一般財団法人渋谷区スポーツ協会として生まれ変わりました。部活動の地域移行をサポートする団体として合理的な形を求めた結果です。渋谷区は町全体でスポーツを推進するという大きな目標達成に向け、可能な限り区立学校の地域開放を推進しているそうです。その団体は企業スポンサーをつけて無償で合同部活動を運営しており、生徒に多様なスポーツに関わる機会を提供するよい取組ですが、中野区教育委員会も同様の手法を検討していただけないか伺います。
部活動の地域移行に向けて中野区体育協会から、例えば弓道、居合道などなかなか経験できないスポーツ体験を提供できると伺っております。様々な原体験は子どもたちの人生の糧になっていくでしょう。教育委員会、関係団体が無償でスポーツを楽しみたいライト層に向けた練習、体験の場を提供すべきと考えますが、いかがでしょうか。
一方で、本気でスポーツに取り組みたい層もあり、そのような場合には指導者を通じて有料のクラブ、スクールを紹介するという考えもあります。これまでは移行期間中の土日の活動について提案させていただきましたけれども、移行の完成をイメージすれば、部活動の地域移行先として地域で活動するスポーツクラブ、スポーツスクールが考えられます。しかし現状、それらの団体は常に活動場所の予約に労力を取られており、この問題を解決することなしに地域移行は困難であります。現在、スポーツ・コミュニティプラザに公認クラブを認定しており、毎週決まった時間を利用することができます。部活動の地域移行に関わる地域で活動するスポーツクラブ、スポーツスクールの団体に対してグラウンド、小学校などにも同様の認定制度を策定し、優先的に利用できるようにすべきと考えますが、区の見解はいかがでしょうか。
ところで、中野区のスポーツ施設のうち、スポーツ振興課ではなく公園課が管理する白鷺せせらぎ公園、本五ふれあい公園、南台いちょう公園、平和の森公園にある多目的運動場、産業振興課が所管する産業振興センターの体育館があります。哲学堂公園のグラウンドのように、公園内のスポーツ施設にもかかわらず、スポーツ振興課が管理しているものがあります。また、産業振興センターの体育館は勤労福祉会館の時代からあった施設で、勤労者の福利厚生、時代的に、恐らく企業の運動会などをイメージして使われたと思いますが、現在はそのような利用はありません。よって、部活動の地域移行だけでなく、スマートウエルネスシティの推進のためにも、スポーツ施設は全てスポーツ振興課がまとめて一元管理したほうが政策を反映しやすいと考えますが、区の見解はいかがでしょうか。
令和8年3月の運用を目指す施設予約システムの改修が終われば、現金支払いなど窓口業務には影響はないと考えます。
関連して、産業振興センターの体育館、冷房がない件です。
調べていただいたところ、体育館で冷房がない施設は中野区において産業振興センターのみだそうです。産業振興センター体育館に冷房を設置すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
次に、世界で活躍する子どもへの支援について。
先日、中野区立中学校の在学生で、あるスポーツのアジア大会で優勝してオリンピック選手になれる可能性があるような子がいるということです。部活動の地域移行がうまくいけばこのような子が多く輩出される可能性があります。しかし、その御家庭は試合のために渡航費が大変厳しかったと言っているそうです。現在国内では適用はされますけれども、海外では対象外となっている旅費の補助を検討いただけないか伺います。
この項の最後に、渋谷区ではスポーツをメインとした、学びとスポーツ部があります。スポーツ振興、パラスポーツの推進を行っております。中野区においては、文化振興のために文化・産業振興担当部長ができました。今後、部活動は文化部も地域移行するなど文化活動支援は重要となります。そこで、教育委員会と中野区の橋渡しをする文化・スポーツ部を創設すべきと考えますが、区の見解をお伺いしまして、この項の質問を終えます。
3番、旧中野刑務所正門について。
令和5年の第89号議案、令和5年度中野区一般会計補正予算で、旧中野刑務所正門の移築・修復に係る経費3億9,887万9,000円を増額しました。その議案の質疑において、我が会派は早期の平和の森小学校の新校舎整備を求める声が多いが、示されている工期は必ず守られるのかという趣旨の問いに、「工期が遅れるという認識はございません」と答弁されました。しかし、さきの8月28日の区民委員会の報告で、曳家に2か月以上の遅れが生じ学校建設に影響が出るということでした。想定外では納得がいきません。平和の森小学校、地域の皆様への対応をどうされるのか伺います。
また費用においては、移転の事業費約11億円、門の曳家、移転先の西側用地購入で約14億円、合計25億円、年間ランニングコストは100万円で、そして今回のトラブルで補正予算が組まれるという報告でした。用地購入費は、公園として認定されなければ補助金が受けられない可能性すらあります。少なからず既に25億円が計上され、納税義務者数20万人で割り返すと、区民1人1万2,000円以上の税金が使われております。既に門の拝観料1万2,000円を区民の皆様からお支払いしていただいているような状況となっております。それでもこの施設の保存が必要とあるならば、堂々とその事実を区報で報告し、寄附、クラウドファンディングで関連費用の半額、いや10分の1でも募るべきと考えますが、御見解をお伺いします。サンプラザのクライドファンディングでは、1億円が集まりました。あまりにも集まらないようであれば、保存を必要とする人はほとんどいないというエビデンスになります。
4,中野区デジタル地域通貨ナカペイについて伺います。
ナカペイは区民と中野区をつなぐDXツールです。令和7年度以降はイベントの参加、健康活動でコミュニティポイントを付与することを検討しております。スマートウエルネスシティとナカペイの融和性が高いことから大きな役割を果たすことを期待します。スマートウエルネスシティ況やコミュニティポイントの付与状況をデータとして蓄積することで、スマートウエルネスシティ中野の実現に向けたEBPMや全庁的なDXにも役立ってくれることを期待します。
しかし、中野区と区民のDX政策をまとめた現在の中野区地域情報化推進計画にはデジタル地域通貨に関するデータの活用やスマートウエルネスシティに関する取組について明記されていないために、改定時にその辺の辺りを明確に変えていく必要があると考えますが、区の見解を伺います。
次に、ナカペイのクレジットカード不正利用対策について長岡京市商工会が行ったプレミアム商品券事業では、販売総額1億円、発行総額1億2,000万円でありましたけれども、その中で200万円程度のクレジットカード不正の利用が発覚しました。八王子市の事業でも、同一人物が複数アカウント作成したプレミアムのポイントを重複取得、カードの不正利用が確認されております。不正を放置すると、カード会社は不正利用を許容しているサービスに対して、その警告としてオーソリ承認率というものを引き下げ、問題がないユーザーの取引にもランダムでそのカード決済ができないように阻害するシステムがあるそうです。つまり、ナカペイの信頼が下がれば、区民がカードを切れないという状況も起こりかねないということです。中野区はナカペイに対してクレジットカード不正利用への対策を講じるべきと考えますが、区の見解をお伺いいたします。
その他で、中野区政100周年記念事業について伺います。
中野区史・昭和編を読みますと、当時の新区役所の竣工記念で中野区史を編さんしております。その同書の編さん事業を終えてという編集後記を読みますと、当時の計画事業では2年間の予定だったものの、結果的に4年間かけて昭和編全3巻、昭和資料編全3巻の計6冊を刊行するという驚異的な事業になったと示されております。また、4年間かけたにもかかわらず、資料集めにバランスを欠き、内容もそれに準じたということもあり、4年間では時間が足りなかったと暗に語っております。竣工記念で作成するには時期を逸しておりますが、中野区政100周年に向けてであれば、今から8年後となるため間に合うと思います。中野区史を編さんするか否か、するのであればいつ頃から始めるべきなのか御検討すべきと伺いまして、全ての質問を終えます。
御清聴ありがとうございました。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 加藤議員の御質問にお答えいたします。
私からは、部活動の地域移行についてで、まずはスポーツ施設の優先利用についてです。
現在、スポーツ施設では主に中野区体育協会などの社会教育団体や公共的な団体等が行う広く区民を対象とした事業、行事を優先利用の対象としております。今後は部活動の地域移行も含め、変化していくスポーツニーズを的確に捉え、各施設の設置目的に沿った利活用が進むよう優先利用対象の見直しについても検討してまいります。
次に、スポーツ施設の一元管理についてです。各施設の設置目的や利用状況、利用者のニーズなどを十分に把握し、より効果的な運営が実施できるよう工夫してまいりたいと考えております。
次に、中野区産業振興センター体育室の冷暖房設備設置についてです。中野区産業振興センターは、小体育室は冷暖房設備がある一方で、大体育室には導入がされておりません。また、中野区産業振興センターは災害時の二次避難所でもありまして、近年の猛暑を鑑み、他の体育施設と同様、大体育室に冷暖房設備を設置することを検討してまいります。
次に、部活動の地域移行を見据えた文化・スポーツ部の創設でございます。文化部活動の地域移行に当たっては、教育委員会と区長部局の連携が不可欠であると考えております。さらに、地域における文化活動支援の重要性は一層高まるとともに、今後の文化活動の発展において重要な役割を果たすと考えております。他方で、区のスポーツ振興は、スポーツを通じた健康づくりの推進に関する施策を総合的かつ効果的に推進し、もって区民が健康で生き生きとした暮らしを持続できる地域社会の実現に寄与することを目的としております。新たな組織の創設については現行の体制やリソースも考慮する必要があると考えておりまして、最適な支援体制の在り方について今後検討してまいります。
次に、中野区デジタル地域通貨ナカペイについてで、地域情報化推進計画でのデジタル地域通貨等の取扱いについてでございます。
次期の中野区地域情報化推進計画は、令和7年度中に令和8年度以降の取組を定める策定作業を行う予定であります。改定に当たっては、区民から意見を求めることや、職員向けアンケート等によってDX政策に関するニーズやアイデアを募りたいと考えておりまして、ナカペイやスマートウェルネスシティも含め、区全体のDXを推進するアイデアが得られるよう検討してまいります。
最後に、ナカペイのクレジットカード不正利用対策についてです。
ナカペイについては、セキュリティ対策として、アプリケーション起動時の生体認証、メール認証、SMS認証機能を設けるとともに、3Dセキュアによるクレジットカードの不正利用防止策を講じているところであります。一方で、地域通貨以外がほとんどではありますが、クレジットカードを用いた不正が後を絶たず、またその手法が高度化していることから、民間専門事業者のサービスを利用した多層的なセキュリティ対策やリアルタイムでの不正検出の導入についても検討してまいりたいと考えております。
〔教育長田代雅規登壇〕
○教育長(田代雅規) 私のほうから、部活動の地域移行についての御質問にお答えいたします。
最初に、無償で合同部活動を運営する団体との連携についてでございますが、現在、部活動の運営については、学校が主体となって進めており、直ちに企業等と連携するには様々な課題を整理する必要があると考えております。企業スポンサーをつけて無償で合同部活動を運営する団体との連携については、他地区の状況等を踏まえて今後慎重に研究してまいります。
二つ目のスポーツを楽しみたい生徒に向けた練習、体験の提供についてでございますが、これまでも本区ではスポーツの普及活動を目的として、企業団体や民間事業者などと連携し、区内の小中学校にプロ選手等を招聘して練習や体験のイベントを行ってきております。今後、中野区体育協会等関係団体と連携することで、スポーツを日常的に楽しみたい児童・生徒に機会を提供することを検討してまいります。
最後の御質問ですが、児童生徒への大会費用の補助についてです。現行の補助対象は国内の大会を想定しているところでありますが、今後世界大会等で活躍する生徒も想定でき得ることから、補助対象の取扱いについては改めて整理していきたいと考えております。
〔総務部長濵口求登壇〕
○総務部長(濵口求) 私からは、社会情勢を勘案した中野区区有施設整備計画の改定に向けての懸案事項についての御質問にお答えいたします。
初めに、インフレスライドの対象品目についてでございます。インフレスライドの対象品目につきましては、都の工事単価以外のサッシなどの見積り単価を含め全ての品目を協議の対象とし、スライド額に反映しているところでございます。
次に、適切な工期、工事費の設定についてでございます。建設業の働き方改革を踏まえ、週休2日制を基本とするなど法定労働時間を遵守した工期を設定するとともに、適切な工事費の設定に努めてございます。工事発注に当たっては、今後も労働基準法等を踏まえ、適切に対応してまいります。
〔企画部長岩浅英樹登壇〕
○企画部長(岩浅英樹) 私からは、社会情勢を勘案した中野区区有施設整備計画の改定に向けての懸案事項についての御質問にお答えをいたします。
初めに、次期区有施設整備計画における物価高騰への反映についてでございます。計画的に財源を確保し、適切に区有施設を更新・保全していくためには、適切な施設更新経費の推計を行う必要があると考えております。次期区有施設整備計画における施設更新経費につきましては、昨今の物価高騰や社会情勢等を踏まえた上で推計していく考えでございます。
次に、施設配置等の精査についてでございます。区有施設整備計画では、区有施設の再編及び更新に当たり、区民の日常生活圏域等を踏まえた適正配置を行うこととしております。次期区有施設整備計画におきましても、日常生活圏域等を踏まえた適正配置や集約化、複合化、長寿命化などのファシリティマネジメントの観点も含めた検討を進めてまいります。
次に、ナカノサウステラの権利床についてでございます。ナカノサウステラの権利床につきましては、最も効果的な活用を図るため、公募型プロポーザルにより活用策の提案を募集し、民間事業者を選定、貸付けを行ったものでございます。現在の契約期間は令和16年2月末となっておりまして、契約が満了後の活用につきましては、区民の意見や今後の事業実績などを参考に検討してまいります。
次に、長寿命化の考え方についてでございます。区有施設整備計画において、適切な改修・保全により長寿命化を図り、施設の更新時期を分散させることで財政負担の平準化を図ることとしております。次期の計画におきましても、耐久性調査等を行った上で、施設の状況によっては築60年以上活用することも視野に入れ、長寿命化の考え方について検討してまいりたいと考えております。
最後に、次期区有施設整備計画における延べ床面積の上限の設定等についてでございます。
区有施設の総延べ床面積は、現区有施設整備計画策定以降、子ども・若者支援センター等の整備により増加するとともに、今後も中野駅周辺まちづくりによる権利床等による増も見込まれるところでございます。新たな行政需要やユニバーサルデザインなどに適切に対応することは延べ床面積の増加にもつながることから、総延べ床面積に係る考え方については改めて検討してまいりたいと考えております。
〔都市基盤部長松前友香子登壇〕
○都市基盤部長(松前友香子) 区有施設整備計画の改定についての御質問のうち、高度利用地区指定による民間活力の利活用についてお答えいたします。
高度利用地区は、都市開発諸制度の一つであり、地域特性に応じたまちづくりを推進する際に、土地の高度利用や都市機能の更新と充実を図ることができる有効な手段であると認識をしてございます。今後のまちづくりにおきましても、こうした制度を活用し、民間活力による公共的な施設や空間整備とともに、多様な都市機能の誘導も図ってまいりたいと考えております。
〔文化・産業振興担当部長高村和哉登壇〕
○文化・産業振興担当部長(高村和哉) 私からは旧中野刑務所正門についてとその他の質問についてお答えいたします。
まず、正門の工事遅れに関する平和の森小学校や地域への対応についてでございます。現在、旧中野刑務所正門の移築・修復工事の工程、スケジュール等の見直しや再検討などの精査などを行っているところでございます。その後、これに伴って生じる平和の森小学校の建設工事への影響についても、スケジュールの見直しや再検討などを進めていく予定でございます。以上が明らかになった後、説明会を開催するなどにより、工事の遅れに伴う学校建設への影響などについて周知、説明してまいります。
次に、正門の移築等に要する経費の広報と寄附やクラウドファンディングの活用についてでございます。正門の移築・修復等工事、保存に要する経費を明らかにするとともに、文化財としての価値や歴史的背景を広く区民等に知ってもらうことが重要であると考えておりまして、区報その他の媒体を活用して周知していくことを検討していくことを考えてございます。正門の移築・修復等工事については、ガバメントクラウドファンディングを実施することは難しいと考えておりますが、正門の広報になるとともに保存と活用の機運が高まるよう、寄附や返礼品を含めたふるさと納税の活用について検討してまいります。
最後に、その他の御質問で、区政100周年に向けた区史編さんの検討についてでございます。
区史の編さんは、中野区の歴史を記録し、区のその時点の姿を後世に伝えるだけでなく、その編さん作業を通じて区民が郷土史を学び、区に愛着を持ってもらうことに資する事業と認識してございます。新たな中野区史の編さんの時期や方法、また区政100周年記念事業として行うかなどについては、今後検討し、明らかにしてまいります。
〔加藤たくま議員登壇〕
○15番(加藤たくま) 区有施設整備計画において、延べ床面積を現行のまま更新する際には増やさないという前提条件は取っ払うというような趣旨の答弁だと思いましたけど、ちょっと具体的にもう少し教えていただければと思います。
〔企画部長岩浅英樹登壇〕
○企画部長(岩浅英樹) 再質問にお答えいたします。
区有施設整備計画におけます延べ床面積の考え方でございますけれども、先ほども申しましたとおり、区民ニーズですとか、バリアフリー等を実施する場合には、必然的に延べ床面積が増えるということもございますので、これまで削減するというような計画になっておりましたけれども、それも踏まえまして、新しい計画では検討してまいりたいということでございます。
○議長(酒井たくや) 以上で、加藤たくま議員の質問は終わります。
令和6年06月13日中野区議会本会議(第2回定例会)の会議録
○議長(酒井たくや) 次に、加藤たくま議員。
〔加藤たくま議員登壇〕
○15番(加藤たくま) 中野区議会における長い議論を経て中野区役所は新庁舎に移転し、1か月余りが経過いたしました。新しい本会議場における初めての登壇です。心機一転、一議員として先人が積み重ねてきた伝統を重んじながらも、常に新しいチャレンジをつくり上げる議会をつくり上げ、区政前進のため全身全霊で尽力していくことをお誓い申し上げ、自由民主党議員団の立場から一般質問をさせていただきます。
1、中野区役所新庁舎について。
最新鋭のサービス機器を取りそろえたものの、使いこなすまでには相当の年月が必要となるでしょう。まずはフロア案内人について。大きな予算をかけ各フロアに案内人を設置し、訪問された方の御用件を伺う、いわゆる前さばきの作業がなくなり、職員は常時窓口の様子を意識する必要はなくなり、目の前の仕事に集中しやすい環境になったはずです。しかし5月17日、私の息子のマイナンバーの受け取りでは、50分かかりました。予約は30分刻みであるために30分以内に終わる作業だと思っていたために、耐え難い時間を過ごしました。いまだ混乱がありますけれども、正常化した際には、今後フロア案内人と職員との連携、フロア案内人の人数の過不足、前さばきがなくなったことによる財政効果などを示し妥当な体制を検証していくべきと考えますが、区の見解をお伺いいたします。
次に、MS365導入の効果と今後の課題について。
新庁舎においてMS365、フリーアドレスはフレキシブルな仕事のやり方を創造できる無限大の可能性を秘めておりますけれども、時代、状況に合わせた最適解を常に導き出す習慣が必要だと考えます。でなければ、新庁舎に導入した新システムは、宝の持ち腐れどころか税金の無駄遣いとなります。システムを使いこなし、常に業務の効率を改善しようというマインドを醸成するため、区は各所管にどのような指導をするのか伺います。また、MS365の機能を内政だけでなく外部とのやり取りに活用することで業務効率をさらに上げることが可能と考えますが、区の見解を伺います。現在AIの技術は未熟ですが、2、30年も経てば、AIが区民の御要望が状況によってはわがままであると判定し、それ以上のサービスを提供する必要がないだのと判断、そしてそれが世の中から認められる世の中が来るかもしれません。技術革新とともに区民サービスの提供方法を改良し続けることを全職員が意識しながら業務改善されることを願います。
次に、国の国民の保護に関する基本方針、東京都国民保護計画に基づいて改定された中野区国民保護計画においては、例えば弾道ミサイル等が飛来した際の対応として、「攻撃当初は爆心地周辺から直ちに離れ、近くの堅牢な建物・地下施設等に避難」すると、誘導するとあります。旧庁舎では現実的ではなかったですが、新庁舎においては有事の際に地下へ避難することもできるようになりました。そういったことを考えまして、今後、区がそういったところに対してどのような見解を持っているか伺います。
この項の最後として、新区役所1階にドコモ・バイクシェア、HELLO CYCLING、Luupの3社に無償で駐輪場ポートを貸し出したと伺っております。民間会社としては区役所にポートを設置できれば会社のブランド力を高められるため願ってもない話で、賃料を払ってでも借りたいはずです。板橋区では入札で貸し出したと聞きますが、なぜ中野区は無償で貸し出したのか伺います。
それでは2、中野区の公教育の充実について。
本年度4月1日付で、これまで中野区の教育行政に御尽力されてきた田代雅規さんが教育長になられ、中野区教育委員会は新たなステージを迎えます。教育長になられる以前に個人的にお話した際、区立小中学校は私立人気に押され入学率が低下していることを危惧されていることが印象的でした。私は中野区立小中学校の出身ですが、受験というフィルターが全くない区立の多様性は、人格形成に大きな影響を与え、大人になって地域との関係性構築に大きな役割があったと感じております。
そもそも私立に行ったほうがよいのか。興味深いデータを発見しましたので御紹介させていただきます。使用したデータは、東京都教育委員会の令和5年度公立学校統計調査報告書の私立、区立以外の国公立などへの中学校への進路先データ、東京都総務局の令和5年度学校基本統計の大学進学率、いずれも23区比較で同じ学年のトレースではありませんが、傾向が分かります。まず、区立以外の中学校への進学率、1位は54.3%で文京区、2位は53.6%の中央区で、3位は51%の港区で、中野区は29.4%で14位です。一方、中野区立以外の中学に進学する理由として、大学進学に有利と考える御家庭もあるでしょう。そこで大学進学率を比較すると、1位は82.1%の渋谷区、2位は81.8%の目黒区、3位は81.1%の文京区で、中野区は76.5%で9位でした。中野区は私立中学へなどの進学率が14位ですが、大学進学率は9位と5位順位を上げているという表現もできます。ここで、中野区立の教育は他区よりも優れているという仮説が成り立ちそうですが、その分析は後日行わせていただきます。
様々と中野区が置かれた状況を説明させていただきましたが、教育長は今後中野区立学校の魅力の再発見、向上、発信を含めて、中野区の公教育をどう進められたいか抱負を伺います。
区立の学校の魅力をさらに充実させる御提案をこの後させていただきますけれども、まず中野区は区立ならでの規模感を認識する必要があると考えます。昨年私が御提案させていただいた中野区立中学総合体育大会連合陸上競技大会、いわゆる総体陸上ですけれども、国立競技場での開催は中学生に大きな感動を与えました。特に、校長会の御提案の九つの中学校対抗リレーは、国立のトラックで全校生徒が走るというプレミアムな経験となりました。私立ではできない経験です。全ての学校が力を合わせれば実現する事業があるはずです。今、教育委員会が注力されている中野区の部活動の地域移行においても、スケールメリットを図っていくべきです。部活動の地域移行に関しましては、本年度よりダンスをモデルケースとして導入を検討、中学校の合同部活動として土日の活用や、学校以外を会場とすることを検討していると伺っております。予算特別委員会総括質疑でも取り上げましたが、中野区には様々なプロのダンス、踊りの団体、個人が存在しており、特別講師として招聘することで子どもたちに新たな経験を提供できます。ダンス以外におきましても、一般社団法人中野区体育協会の協力を得て、弓道や居合道など気軽に近寄れない競技に触れる機会も提供できます。また、総体陸上においては、中野区立中学校で陸上部は実は9校中2校しか陸上部がなく、陸上部がない中学校は学校全体からメンバーを選抜されますが、指導者がいない課題があり、こういった選手たちをまとめて指導するという場所を提供することも重要かと考えます。部活動の地域移行におきましては中野区全体で体制を整えて、子どもたちが様々な経験ができる、そのような視点で事業構築の検討を願いますが、教育委員会の御見解を伺います。
現在、野球、サッカーで試合の人数がそろわない中学校があると聞きます。部活動の地域移行は現在事業のスタート時点の表現であり、地域移行が完了した際には地域で部活動が展開される、そういったことになります。小学生を対象とした少年野球、サッカーなどの地域スポーツチームには、中学生になっても引き続き指導していただく、そういった形が望まれます。そして、高校、大学生になってもプレーヤー、コーチとして関われば、中学生の部活引退を機にスポーツ自体を卒業する傾向は減り、生涯スポーツとしての定着も望めます。そして、そのスポーツ、趣味を通じた人間関係の縦のつながりは地域力の向上につながります。コミュニティ・スクールの体制に対して様々な声がありますが、部活動の地域移行がスムーズに進むようコミュニティ・スクールが部活動の地域移行との連携強化に関わるべきだと考えますが、教育委員会の御見解を伺います。
3、ギャンブル依存症対策について。
大谷翔平選手の元通訳水原一平氏の違法賭博問題でギャンブル依存症に注目が集まっております。ギャンブル依存症回復を目的とした都内で唯一の施設、東京グレイス・ロードという団体が中野区にありまして、メディアでも取り上げられております。同団体から様々な御要望を伺えているので質問させていただきます。
まず、ギャンブル依存症の現状ですが、長期にわたるデータがありませんが、厚生労働省の調査事業によりますと、精神科病棟におけるギャンブル等依存症の外来患者数は2017年度2,246人、2018年度が2,839人、2019年度が3,527人と年々増加しております。グレイス・ロードは10年前に山梨県で設立され、ギャンブル依存症に対して多くのノウハウをお持ちですが、ここ近年若者の割合が急増し、施設利用者のメインが30代から40代であったのが、20代から30代に移行しているそうです。その主要因は、スマホで気軽に違法ギャンブルにアクセスできるためです。公営ギャンブル、パチンコは年齢制限が割と厳しくできておりますけれども、違法ギャンブルは年齢制限をかけておらず、中高生でもできるということです。掛け金がなくても電話番号さえ申告すれば借金することもできます。本来であれば親の許可が必要ですが、内緒で返済能力がない子どもがゲーム課金、洋服購入などのための後払いサービスができるような、そういった社会になっております。なぜお金を借りれるかといえば、親が代わりに返済する担保がある、そして中には児童ポルノや闇バイトなどあらゆる手段で借金のツケを払わされることもあります。子どもたちのみならず大人も簡単にギャンブル依存症に陥る環境がはびこる時代に生き抜ける教育、区民への理解、周知を促進する必要があると考えますが、区の見解を伺います。
続いて、ギャンブル依存症になった場合の対処について伺います。ギャンブル依存症が発覚するのは多額の借金ができて本人が家族、友人に相談するときです。このとき、家族、友人が借金の肩代わりをすることが最もやってはいけない行為だそうです。MLBでは借金の肩代わりがペナルティになるそうで、大谷選手が肩代わりしたかどうかが捜査、裁判で一つの焦点となりました。なぜかといえば、ギャンブルをしたいという根本的な症状に何も対処せずに借金の肩代わりだけすれば、あらゆる嘘をついてまで新たに借金をするためです。また、借金返済により信用が上がり、借りられる金額が増加、最終的には家族全員が借金漬けになるというケースが大変多いということです。唯一の解決方法が、本人がしっかりと返す、破産するなどけじめをつける以外にないそうです。依存症の方が、一人暮らしをすれば、借金返済のために実家に戻させて余力で借金を返させようとしても、必ずと言っていいほど浮いたお金をギャンブルにつぎ込むそうです。家族だけで解決しようとしても正解が分からず、家族全員が不幸になっていきます。ギャンブル依存症が発覚した時点で周りの方は支援にすぐつなげる必要があります。そこで伺いますが、ギャンブル依存症の患者やその家族に対して、区はどのような支援をされるのか、その方法について伺います。
4、デジタル庁が進めるデジタルマーケットプレイス(DMP)の活用について。
国は現在自治体情報システムの標準化、共通化を進めており、これにより全国のデータが統一されることで全国自治体共通のソフトウェアを実装できます。昨年度よりデジタル庁が構築するデジタルマーケットプレイス(DMP)という仕組みです。DMPとは、デジタル庁とあらかじめ基本契約を締結した事業者が、デジタルサービスを登録するカタログサイトを設け、そのサイトより各行政機関が最適なサービスを選択し個別契約を行う調達手法でございます。スマホで言う、そういったダウンロードできるようなサービスと似ているところです。イギリスでは2週間でソフトウェアを契約できる体制を構築したということです。完成すればベンダーロックインをなくし、常に状況に合わせたソフトウェアの利用が可能です。これまで高い経費や長い期間などを要したシステム構築を不要とする手法であると考えますが、区はこの仕組みをどう捉えているのか、契約の観点からお伺いします。しかし現実問題としては、職員のノウハウ不足でベンダーの言いなりとなり、DMPからソフトウェアを調達することがかなわない可能性が多分にあろうかと思います。DMPに限る必要はありませんが、各所管でソフトウェアの更新時に最適なソフトウェアを調達できるよう、区としてさらなるフォロー体制が必要と考えますが、区の見解を伺います。
5、区民の防災リテラシーの向上について。
現在、災害の研究では行動経済学が活用されます。私も10年前に行動経済学のプロスペクト理論を使った避難行動を研究しておりました。2002年にノーベル経済学賞を受賞した理論で、今例題を挙げさせていただきます。あなたが今、次の条件のときにどちらを選択するかお答えください。選択肢A、無条件で100万円がもらえる、選択肢B、コイントスで勝つと200万円もらえて、負ければ0円。期待値はどちらとも100万円ですけれども、皆さんはどちらを選ぶでしょうか。ほとんどの方は前者を選びます。条件を変えて、それではあなたは借金を200万円しているという前提条件が加わったらどう考えるでしょうか。この場合、Bの選択肢が増える、コイントスをしてしまうという割合が増えることが分かっております。人間は、損得感情において得する快楽よりも、負の状況を回避したいという気持ちが勝り、一発逆転を狙うためです。
行動経済学とは、人間の感情を数式化、理論化する学問です。ギャンブル依存症も数式で表現できるわけです。この理論などを使い、災害時、パニックが原因で通常ありえない行動を選ぶことが説明されます。例えば、映画館内で大地震が起こり急いで館外に出ようというとき、遠くのすいている出口より一発逆転の近くの混んでいる出口に向かい、さらに混乱、圧迫、ドミノ倒しなど引き起こす可能性を上げます。また、リスクが巧妙にぼかされている場合もあります。一昔前に、不動産価値が下がるからといって、洪水ハザードマップを公開しないでくれというのが不動産業界からクレームがありました。現在では説明は義務化されておりますけれども、現在では価値を下げないために、リバーサイド、ウォーターフロントなどと横文字を使い、その弱点を補う努力がなされております。人間は損することを嫌うことが分かっているわけですから、真実をしっかりと伝え、その知識、考え方では損をしますよと、また、ある意味脅してでも災害に対するそういった情報を教えることによりまして行動変容を促す必要があると考えますが、区の見解を伺います。
能登半島地震を契機に、区は防災倉庫に携帯トイレを備蓄することになっておりますが、災害の備えとして必要ですが、区民に携帯トイレの個人所有を推奨することなしに、まずこれを進めたというところには少し疑問がありました。行政の災害に対する備えには限界があり、自助の力を高めなければ有事に対応できません。中野区の避難所の最大収容人数はおよそ5万人で、中野区民34万人に対して15%であり、あなたは避難所に入れないかもしれない、では在宅避難してくださいとなって、食べ物、生活日用品などの備蓄はもちろんのこと、携帯トイレがなければ成り立たないということを脅してでも理解してもらう、そういった気概が必要だと思います。江戸川区では、洪水時に最悪ケースで江戸川区全域が水没するそういった海抜ゼロメートル地域でありますので、洪水ハザードマップには江戸川区にいてはいけないということで、ここにいては駄目ですというのが真ん中にどばっと書いてあります。区外に逃げなきゃいけないということを真っ先に伝えるメッセージとなっております。いま一度区民の防災リテラシーを向上させ、自助の力を強化する必要があると考えます。そのような基本的な知識を含めて区民に普及啓発をする必要があると考えますが、区の見解を伺います。
先日第20回地域の防火防災功労賞の優良賞に南台四丁目東町会の「世代を超えて未来へつなぐ~発災対応型「まちかど防災訓練」の取組~」が選考されました。この試みは、「訓練地震だ」との掛け声を合図に自宅を飛び出し、街路消火器や防災資材倉庫に配備されているスタンドパイプを実際に配備されている場所から運び出し、地震発災時の一連の流れを意識した訓練です。どこに消火器があるかを日頃から認識しなければ消火器を現場に運ぶことができません。その内容はテレビでも取り上げられました。自分の家が火事になった場合、自分がやらずに誰が真っ先に初期消火をするのか、自助、公助の基礎的な能力向上として消火器の場所の把握が必要だと考えます。
今年3月より中野区の公開型GIS、なかのデータマップでは、避難所、避難場所、消火器、スタンドパイプの場所など様々閲覧することが可能となりました。自分の家周辺に何があるかGISでチェックし、現地で自分の目で確認することを促す必要があると考えますが、区の見解を伺います。
それでは最後に、その他で一問、区長に質問させていただきます。5月28日、来月7月7日の投開票の東京都知事選挙において、都内の市区町村長62名のうち52名の連名で小池都知事への出馬要請をされ、その中に酒井直人中野区長の名前はないと報道されました。連名すべきとは申し上げるつもりは毛頭ございませんけれども、酒井区長の都知事選挙に対する政治スタンスについてお伺いいたしまして、私からの全ての質問を終了いたします。
清聴ありがとうございました。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 加藤議員の御質問にお答えいたします。
まず初めに、中野区役所新庁舎について、フロア案内人導入の検証についてでございます。新庁舎において新たに導入したフロア案内人などの仕組みは、来庁者の迷わない、動かないを実現することを目的としておりますが、区民サービスの向上、業務効率化の視点から検証し、経費の最適化等を図っていく必要があると認識をしております。窓口における1年間の繁忙のサイクルなども踏まえながら検討を進めてまいります。
MS365が導入された効果と今後の課題についてです。チャットや電話がどこでも受け取れる状況になったことや、資料共有が以前より円滑になったことで、場所を選ばず効率よく仕事ができるようになりました。今後、MS365の活用等に関する職員アンケートを定期的に行っていくこととしておりまして、そこでの意見を改善につなげてまいります。また、昨年度からDXリーダー育成研修を行っておりまして、今後もDXリーダーを中心とした改善意識を持ちながら仕事を進められる環境整備を推進してまいります。
次に、MS365を活用した外部とのやり取りについてです。職員のパソコンからウェブ会議の開催や参加ができるようになったため、外部との連絡が以前より柔軟かつ円滑に行える環境となりました。外部とのチャット等に関しては、セキュリティ面での課題もありますが、現在検討しているところであります。
次に、国民の保護に関する基本指針についてで、有事の際の非難についてでございます。有事を想定し、区民と職員の安全を守ることや日頃からの備えが必要であり、今後適切に対応できるように研究をしてまいります。
次に、シェアサイクルの庁舎敷地使用についてでございます。区は、区民の移動利便性向上や鉄道、路線バス等の公共交通サービスの補完等を目的に、事業者と協力しながらシェアサイクルの普及促進を図っております。このため、目的、公共性、必要性等を総合的に判断し、新庁舎敷地の使用料を免除しているところであります。なお、有償で土地を貸し出した場合、これまで貸し出していたサイクルポートの設置事業者の変更による利便性低下やシェアサイクル利用料金の値上げといった区民への影響が生じる可能性があると考えているところであります。
次に、ギャンブル依存症対策についてでございます。まず、ギャンブル依存症の予防についてです。ギャンブルなどの依存症は、様々な要因によって誰もが罹患し得る病気でありまして、患者が病気であるとの認識を持つことが困難であることから、依存状態に至らないように予防することが重要であります。ギャンブル依存症予防に向けて、区ホームページやポスターなども活用した普及啓発を行ってまいります。次に、ギャンブル依存症患者等への支援についてです。ギャンブル依存症は精神的な疾病でありまして、症状の改善には専門的な支援が必要であります。すこやか福祉センターでは、保健師や精神科専門医師による本人や家族に対する相談を行ってまいりました。さらに、治療が必要なケースは医療機関の受診につなげるなど、依存状態からの回復に向けた取組を行っておりまして、今後も本人や家族に対する支援を継続してまいります。
次に、デジタル庁が進めるデジタルマーケットプレイスの活用についてでございます。DNPの活用については、各種行政手続に係るソフトウェアや利用支援サービスがパッケージ化され、自治体にとっては情報収集から調達までを迅速化でき、経費等削減も期待できる仕組みであると認識をしております。しかしながら、カタログサイトからのサービス選定による事業者の決定など、これまでの契約の手続とは異なっている点があることから、今後国の動向等を勘案しつつ研究を進めてまいりたいと思います。
次に、調達におけるフォロー体制についてです。これまでもデジタル政策課に所属するIT専門支援員が、各課情報システム担当者へ伴走型支援を行ってまいりました。今後はさらに庁内において緊密な連携を図るなど取組も強化してまいります。また、国等の取組状況を勘案しつつ、情報システムに関する調達ガイドラインの改訂も適宜行ってまいります。
最後に、都知事選挙に対する政治的スタンスの御質問です。都と基礎的な自治体の中野区はお互い中立的な立場にあります。都知事選挙に出馬するかどうかは候補者が自らの意思に基づいて判断すべきであって、現職の中野区長として現職の都知事に出馬要請する立場にはないと考えているところでございます。
〔教育長田代雅規登壇〕
○教育長(田代雅規) 私のほうからは、中野区の教育の充実について御回答させていただきます。
まず1点目の区立学校の魅力向上についてですが、区立学校の魅力とは、様々な個性や可能性を持つ子どもたちが出会い、共に日々の授業や学校行事を通して互いを理解し、協力する気持ちや思いやりの心を育みながら成長できることだと思っております。また、地域の中にある学校として、地域の人々との交流や、地域との連携した多様な活動があり、人とのつながりを大切にすることの重要性を学べる教育活動を展開する。特に国立競技場での連合陸上大会のように、中野区に合った質の高い教育をこれからも実践していきたいと考えております。
次の部活動の地域移行についてですが、専門性や必要な資質、能力を有する指導者を確保するだけでなく、区内のスポーツ団体、民間事業者、大学などと連携して地域移行に向けて体制を整え、部活動の地域移行を進めていきたいと考えております。なお、部活動の地域移行に対するコミュニティ・スクールの関わりについては、今後研究してまいりたいと思っております。
〔防災危機管理担当部長吉沢健一登壇〕
○防災危機管理担当部長(吉沢健一) 私からは、区民の防災リテラシーの向上について、そのうちのまず初めに、区民の行動変容を促すことについてお答えいたします。
区は、これまでも様々な防災訓練や地域防災会、住民組織連絡会議におきまして、区の備蓄量等を区民に伝えまして、自助の重要性を普及啓発してきたところでございます。今年度は、区民が自ら行動に移せるような普及啓発資料の作成につきまして、防災リーダーの協力を得て作成をし、全戸配布する予定でございまして、区民の行動変容を促せるようにしてまいりたいというふうに考えてございます。
次に、区民の防災リテラシーの向上についてでございます。区ではこれまでも、中野区ハザードマップなどの広報紙をホームページ上に公開するとともに、本庁舎総合窓口や各区民活動センター及びすこやか福祉センターにおきまして配布をするなど、防災情報につきまして普及啓発を行ってございます。本紙では、避難行動のタイミングを自らが考える、決める行動を促すため、区民の風水害タイムラインなどの内容を掲載しまして、防災リテラシーの向上を図っているところでございます。
続きまして、統合型GISの普及についてでございます。区は本年4月にホームページ上で統合型GISとしてなかのデータマップを公開したところでございます。掲載マップ一覧につきましては防災の項目がありまして、消火器等の初期消火機器の位置情報をはじめ、避難所マップや水害ハザードマップなどが公開されてございます。今後は様々な防災訓練などにおきまして周知を図りまして、区民自ら確認ができるよう行動を促してまいりたいというふうに考えてございます。
○議長(酒井たくや) 以上で、加藤たくま議員の質問は終わります。
令和6年02月22日中野区議会予算特別委員会の会議録
次に、加藤たくま委員、質疑をどうぞ。
○加藤委員 おはようございます。自民党の立場から総括質疑をさせていただきます。
まず冒頭に、改めまして能登半島地震におかれまして被災に遭われた方々に哀悼の意を示させていただきます。一刻も早く復興することを祈念いたします。
それでは、令和6年度の予算について質疑をさせていただきます。
先ほど山本委員の質疑の中で、特別区税とか、その辺の話がありましたけど、ちょっとおさらいすると、特別区民税で減税の措置などはありますけれども、実質2億円の増だということですけれども、これは物価高などのインフレ率を考慮すると、結局2億円増で300億円ぐらいなので、1%も伸びていないわけですね。それに対して物価高は、もうそれ以上になっているということで、僕は実質下がっているのではないかなと分析いたします。あと、固定資産税とか法人住民税の伸び、3、4%ということですけれども、全体の物価上昇の中ではトントンなのかなというところで評価します。そうした細かいところというよりは、今後10年間どういうふうに考えるかというところで、財政フレームを中心に質問をさせていただきたいと思います。
当初予算(案)の概要26ページの一般財源ベースの財政フレームを御覧いただきたいと思います。恐縮ですけど、新人議員の方々のレクチャーにもなると思いますので、見ていただきたいなと思います。
今年度より、この表の歳出の新規・拡充等事業の内数として施設経費というのを掲載していただきました。私が再三お願いをさせていただいていた項目が加わったわけであります。財政課には感謝申し上げます。なぜこの数値を知りたかったかというと、新規・拡充等事業というのはソフト事業、ハード事業、いろいろ混ざっていて、それぞれどれどのぐらい伸びたとかというのが分からなかったために、この施設経費を示してもらうことによって、その差を出せばハードとソフトのそれぞれの事業費が出てくると考えたからです。でも、この施設経費というのは私が求めていた真の値ということではなかったようですので、その辺も説明します。
皆さんには、当初予算(案)の概要の63ページを見ていただきたいんですけれども、ここに「基金・起債を活用する事業の一覧」というものがあります。財政フレームに掲載された施設経費という、先ほど言った施設経費というのは、この表における区有施設とか学校のみ、下にありますよね、枠が、区有施設と学校、このところの金額が載っていたということです。区有施設と学校というのは基本的に一般財源でつくられるものです。上のまちづくりと道路・公園等整備というのは補助金が入る事業ですので、一般財源以外のものも入るということで、その分けがあったということです。ということで、僕が知りたかったのは、上のまちづくりと道路・公園等の整備費も入ったハード事業費を知りたかったということで、取材の中でハード事業費の総額を伺うことができましたので、その数値を酒井区政の本格予算が始まった令和2年度から教えてください。
○竹内財政課長 令和2年度に関しましては236億8,800万円、令和3年度は213億3,500万円、令和4年度は167億3,300万円、令和5年度は464億4,100万円、令和6年度は345億9,600万円となってございます。
○加藤委員 その金額を新規・拡充等事業から差し引いたら幾らぐらいになるんですか。
○竹内財政課長 新規・拡充等事業から、例えば令和6年度ですと405億円が新規・拡充等事業ですので、そちらのほうを346億円から引きますと、大体59億円程度になるというものでございます。
○加藤委員 今の計算でいくと、新規・拡充等のソフト事業費が令和2年度で49億円、令和3年度が32億円、令和4年度が53億円、令和5年度が46億円、令和6年度が59億円というふうになります。その他事業というところですけど、新規事業の、私、ソフト事業と言っていますけども、逆に言うとハード事業を引いて残ったのをソフト事業と今呼んでいますけど、そういうのは何が含まれるかというのを言ってもらってもいいですかね。つまり一般事業費もソフト事業なわけですけど、一般事業費というのは何を示しているのかというのを、概要を教えてもらっていいですか。
○竹内財政課長 こちらの一般事業費の中身でございますが、ソフト事業費と、あと、老朽化に伴います施設の改修等にかかる経費、こういったものも一部含まれてございます。
○加藤委員 ハード事業は物をつくるもので、ソフト事業はそのほか全部という認識でいいですよね。
○竹内財政課長 そのとおりでございます。
○加藤委員 例えば、今回給食費が無償化しますとかといっても、これもソフト事業費でいいわけですよね。
○竹内財政課長 来年度、経常経費するということであれば、この一般事業費に入ってくるというものでございます。
○加藤委員 ということで、一般事業費と先ほど言ったソフト事業費というものを出してもらったんですけども、それを図面化したのが、委員長の許可を得てフリップをつくりましたけど、こういった図です。横軸が令和2年度から令和6年度の時系列を示しておりまして、縦軸をソフト事業費とさせていただきました。一般事業費というのは、その年のソフト事業費の経常経費ということで、先ほど言ってもらった数字というのは新規予算のソフト事業費ということで、上のオレンジのところで示させてもらっています。だから、経常経費と新規・拡充等事業におけるソフト事業費を足し合わせると、その年のソフト事業費の総計となるということでやらせてもらいましたけど、そういった認識でよろしいですよね。
○竹内財政課長 そのとおりでございます。
○加藤委員 これを見ますと、令和2年度は一般事業費、前年度から150億円、経常経費としてソフト事業が必要だというのが150億円で、その年度、新規事業で49億円、新しくソフト事業費が必要になったということで、総額199億円となりましたので、その翌年度も経常経費と新規予算ということで、令和3年度は245億円、令和4年度は267億円、令和5年度は291億円、令和6年度は341億円となりました。歳出抑制に努めると言われながらも、見直し・廃止された事業はこれまでほとんどありませんので、新規・拡充等事業がほとんど翌年度の経常経費化されて、翌年の一般事業費として計上されているという現状があります。毎年この新規・拡充等事業が一般事業化することが分かっているものの、財政フレーム上で一般事業費を10年間横ばいに設定します。
何を言っているかというと、財政フレーム、当初予算(案)の概要26ページの一般事業費というのが歳出の真ん中辺にありますけれども、ここで令和6年度は282億円、令和7年度は284億円と書いてあります。過去に遡ると、令和2年度のとき、予算を立てたときに、令和3年度、その翌年の一般事業費は150億円に設定すると書いてあるんです。なのに結局、新規予算が全て経常経費化されて、150億円にするどころか、213億円に増えています。さらに、翌年もどんどん経常経費が増えていっているというところで、毎年毎年、令和3年度になったら、150億円と設定していたのが63億円プラスの213億円が経常経費、翌年が、令和4年度、昨年度211億円と設定していましたけど3億円プラス、令和5年度は、その前年度、214億円と設定していましたけども31億円プラスで245億円、令和5年度のときに、令和6年度一般事業費251億円に設定すると言っていましたけども、プラス31億円で282億円となっております。これまで、過年度の財政フレームで設定した一般事業費に収められていないということはお認めになりますか。
○竹内財政課長 一般事業費が伸びていることは認識してございます。
○加藤委員 これまでに財政フレームに掲げる一般事業の金額内に収められるのかと、過去3年間、この予算の総括質疑の中で再三やらせてもらいました。そのときの答弁が、ビルド・アンド・スクラップ、PDCAサイクルをしっかり回し、既存事業の経費削減・抑制が必要であると考えており、今後もそういう形で進めていきたいというような趣旨の答弁を毎回されるわけですけども、全くできていませんけれども、何で約束を守れないんですか。
○竹内財政課長 今まで、この基本計画で掲げた重点プロジェクトや区有施設整備計画に基づく施設整備、社会情勢を踏まえた区民生活を基軸とした取組等、行政需要に的確に対応するため予算編成を進めてきたところでございます。ただ、一方で、物価高騰や人件費の高騰などの影響によりましてソフト事業費が伸びてございまして、そういったところから厳しい財政状況になっているという認識はございます。
○加藤委員 でも、これ、ソフト事業費でもともと199億円だったものが5年間で142億円増えて、70%も増えている。人件費の高騰とか物価高騰だけで説明がつきますか。
○竹内財政課長 様々ソフト事業、経常経費といったところの中身は、年度ごとの区民サービスに対応するようなところもございますので、だからこそPDCAサイクルをしっかり機能させて、ビルド・アンド・スクラップといった展開をしていかなければいけないと考えてございます。
○加藤委員 だから、PDCAサイクルが回っていないからこれだけ太っているわけじゃないですか、どんどん。自分で無理な答弁をしているなと感じませんか。それを聞きます。
○竹内財政課長 持続可能な区政運営を進めていくために、そういった取組を行っていかなければいけないと強く認識しているところでございます。
○加藤委員 過去そういうことがありました。来年度予算が今度どうなるのかというところで、新規・拡充予算、ソフト事業のところで59億円が足されますけれども、要求資料総務46で「次年度予算で計上した新規・拡充・推進事業に係る経常経費の見込み(一般財源ベース)」というものをつくっていただいておりますけれども、令和6年度の新規・拡充・推進事業の合計額は73億円、多分基金が入ったりとか、補助金も入った金額なので、この59億円と合わないんですけれども、その金額が後年度どうなるかというところで見ますと、令和7年度において73億円だったのが68億円ぐらいですね、大体。ということで、5億円ぐらいしか下がらないわけですよね。そのままやるとですね。何もやらないと。そうすると、これまでの実績を見ると、再来年度の一般事業費、計上経費というのはここから5億円引いたぐらいしか今のところ見えないわけですね。241億円だったのが、336億円程度が一般事業費化すると考えられてしまうんですけれども、一方、こっちの財政フレームでは284億円に一般事業費をしますと言っていますけれども、ここで50億円ぐらいの乖離が出ますけれども、どうやってビルド・アンド・スクラップ、PDCAサイクルを回して50億円を生み出そうとしているのか、お考えを伺います。
○竹内財政課長 新規事業と既存事業の見直しといったことを、経常経費の削減を努めてまいりまして、こちらの事業費のほうの削減に努めてまいりたいと考えてございます。
○加藤委員 1回もできなかったのに、できるんですか、いきなり。再来年度は。来年度において、そういう計画をして。全く信用がならないんですけれども。これを言っても、その答弁しか出てこないでしょうから、これはこのままにしておきますけれども、結局この142億円が増えてしまって、これがまた経常経費化するんじゃないかなという危惧があるということで、ここは、この図面ではそういうことを言います。
また、歳入も増えているというところも一つ見ていこうということで、ある意味そちらには好意的な見方をした図面が、次に用意させていただいたこれになりますけれども。これは先ほどと同様、令和2年から令和6年度の時系列で、左縦軸がソフト事業費と呼んでいるものと一般財源歳入になります。一般財源の歳入というのは、ここでは特別区民税と特別区交付金、あと、その他会計と財政フレーム上に書いてある合計値のものです。この数字というのは、当初予算(案)の概要の21ページにも書いてある棒グラフ、921億円とここがリンクするものです。財政フレーム上で、歳入の上の三つを足した数字ということで、基金・起債が入っていないということなので、ある意味、中野区の基礎体力的な歳入の総計ということが言えます。これに対してソフト事業費がどのぐらい増えたかというのを見るために、この図面をつくりました。
黄色のほうは今言った歳入ですけれども、青のほうは先ほどのソフト事業費、一般事業費と新規を足したもののソフト事業費の総計です。これは先ほど言いましたとおり、5年間で142億円増えました。歳入においては805億円から、翌年下がりましたけれども、これは新型コロナによって減収になってしまうんじゃないかという危惧のもと下がったということで、結果的に決算のときに戻っていましたので、ここが下がったのはそのときの見込みの話であります。ここから上がっていって、最終的に来年度予算で921億円、一般財源歳入で5年間で116億円が増額しました。ソフト事業費が142億円なのに対して、歳入は116億円、26億円ソフト事業費だけでもショートしちゃうという、増やすといったらですね。まちづくりのほうでも相当お金が増えているのに、こんなに上がっちゃっていいのかなということで、それで割合を見ますと、全体の歳入からソフト事業費を見ると、令和2年が24.7%だったのが、右肩上がりではないですけど、ここは横ばいですけども、最終的に来年度37%、ちょうど5年間で1.5倍にソフト事業費が全体に対して上がったということになります。これはすごい上がっているなといいますけど、一応この図面、僕がつくったので、こういった事実であるというのは認められるというか、という認識でいいですよね。
○竹内財政課長 この5年間、歳入は116億円の伸びに対して、ソフト事業費は142億円の伸びと、歳入の伸びとソフト事業費の伸びがこちらのほう合っていないという、勘定が合わないということは認識してございます。
○加藤委員 改めて伺いますけれども、このソフト事業費が本当に歳入よりも増えていっちゃっているというのが、本当に大変なことになっているなと思うんですけども、どうやってこれ、このままでいいという認識なんですか。
○竹内財政課長 経常経費が伸びているということは認識しておりますけれども、こちらはそのままでいいとは考えておりませんので、だからこそ、削減に向けて取り組んでいかなければいけないと考えてございます。
○加藤委員 削減よりも前に新しく新規事業を、やめるのは本当に難しいと思うので、新規事業をもう少し慎重に検討して、やるべきかどうかって、もう少し慎重に考えていくべきだと思うんですけど、まずそこからだと思うんですよね。やっている事業をやめるよりも、新しい事業を本当にやれるだけの財政的体力があるかという、そういう検討をされてきているのか本当に疑問なんですけど、その辺を伺います。
○竹内財政課長 今年度の予算編成に関しましては、基本計画で掲げた重点プロジェクトや区有施設整備計画に基づく施設整備、社会情勢を踏まえた区民生活を基軸とした取組に重点的に資源を配分していくというふうに編成をしたものでございます。なので、事業の中身というのはこちらのほうで1件1件算定させていただきまして、それに基づいて、これは必要であると区として考えまして、それを編成しているものでございます。ただ、削減を今後していかなければいけないと考えてございますので、そういったことは全庁を挙げて取り組んでいきたいと考えてございます。
○加藤委員 基本計画に書いてあれば何をやったって、どんな金額がかかろうといいんだという感覚でやっているようにしか聞こえないんですけど、そういったことなんですか。
○竹内財政課長 基本計画で掲げたプロジェクトに関しましても、こちらのほうで査定等を行いまして、そちらの規模感であるとか目的、そういったものを把握した上で、適切であるという形で予算編成を進めてきているところでございます。
○加藤委員 ここでまた、どうやって減らすかという議論をしてもなかなか進まないので、次に行きます。
一般事業費が年々増加して、業務量が増えれば職員の数が足らないなって、ここにあるのかなと思うので、逆に言うと、職員の数に対して業務量を設定すべきなのかなという考えも出てきました。こんなに、1.7倍も業務量がソフト事業で増えているなんて認識していなかったので、今回びっくりしているんですけども、1.5倍か、1.5倍に増えているという、そしたら職員は足りないわなってなるわけですよね。だから、全体的なところで、これをやりたい、あれをやりたいってやっていて、お金も人も足りないといっていたら、どこまで膨らんでいくのかなって。何で歯止めをかけていくのかなというのが本当に検討しないといけないんだと思うんですけども、その答えを持ち合わせてなさそうなので、次に行きますけれども、次にハード事業、つまりまちづくり、道路・公園整備、区有施設整備、学校などについて伺いますけれども、先ほど見てもらいました63ページの「基金・起債を活用する事業一覧」、見ていただきたいんですけども、この一覧は中野区区有施設整備計画にのっとり策定されたということでよろしいですか。
○竹内財政課長 こちらに関しましては、中野区区有施設整備計画にのっとって積算した施設を掲載してございまして、また、その他のまちづくりや公園整備についても併せて掲載してございます。
○加藤委員 前提として、当初予算のところで、財政フレームの歳入においては実質GDP成長率を加味した内閣府の経済財政諮問会議、中長期の経済財政に関する試算とかから算出されていますけれども、逆に、歳出に関するところにインフレ率とかGDPを加味したものがない、されていないと思うんですけれども、それでよろしいですか。
○竹内財政課長 一般事業費につきましては物価上昇の伸びを加味してございます。ただ、施設経費を含む新規・拡充等事業につきましては、工事費の上昇分のインフレ率等は見込んでございません。
○加藤委員 一般事業費、さっき言っていますけど、一般事業費の設定よりも新規・拡充等事業が経常経費化するので、そこで加味したところで本当に雀の涙ぐらいの上昇で、これにおいては282億円が、確かに10年間で300億円になるので入れてはいますけれども、でも、50億円ぐらいが新しく、新規・拡充等事業が経常経費化するから、そんなのはのみ込んじゃいますよねという話なんですけれども、いずれにせよ、歳出において一般事業費はこれしか入れていないので、まちづくり関連費のところのこういったところにインフレが全く考慮されていないということが問題なんじゃないかなと。デフレマインドから変えていかないといけないというのは、令和4年度の決算辺りから自民党会派としても言い続けているわけですけれども、そういったところを入れないといけないのかなというので、それを入れないと、ハード面の見積りの危うさというのがあると思いますので、そこら辺、質疑をさせてもらいます。
施設整備の費用を大ざっぱに計算するとき、延べ床面積と平米単価を掛け合わせて大体予算が出ます。しかし、中野区は両方とも見積りが甘いのかなというふうに思います。まずは延べ床面積の見積りの甘さについて伺いますけれども、区有施設整備計画では施設更新費の試算条件として、建物の更新は現在と同じ延べ床面積で更新すると仮定しております。一方、そうでいない施設もあるわけで、鍋横区民活動センターの再整備では延べ床面積は従前の何倍になりますか。
○高橋地域活動推進課長 現在の鍋横区民活動センターの延べ床面積は1,374.52平米、一方、再整備後の鍋横区民活動センターの延べ床面積は、基本計画の段階でございますが、約2,700平米を予定しております。このことから、おおむね2倍となってございます。
○加藤委員 財政フレーム上にこの面積というのが反映されているのか伺います。
○竹内財政課長 財政フレーム上は、鍋横区民活動センターの面積については基本方針時点の1,780平米で積算してございます。
○加藤委員 この63ページのところでは入っていると言っているんですか。
○竹内財政課長 2倍になったという変更の数値ではなく、基本方針時点の面積で積算してございます。計上してございます。
○加藤委員 そうすると、結局、延べ床面積掛ける平米単価、それだけじゃないですけど、それが分かりやすい試算方法なわけですけども、そうすると2倍の誤差が出るわけじゃないですか、その時点で。これが反映されていないということいいですか。もう一度確認します。
○竹内財政課長 財政フレーム上では、その2倍後の数字は反映されておりませんで、今後こういったことは適宜更新はしていきたいと考えてございます。
○加藤委員 かなり問題ですよね、入っていないということで。全然数字が変わってきちゃうわけですから。これは一例にしかすぎないですけど、延べ床面積や費用の上限を設定しないで、基本計画をつくるときですね、そういったのを設定しないで関係各社、地元の方々の思い思いのアイデアなどを入れて基本計画が完成するわけですけれども、ある程度できちゃったときに、このぐらいのボリュームになりますといって、財政当局のほうで、いや、これは金がかかり過ぎだから面積を減らしてくださいねって、その段階で言えるもんじゃないと思うんですよね。なので、基本計画を策定する前に、そういった前提として面積とか金額の上限を設定する必要があると考えるんですけど、いかがでしょうか。
○瀬谷資産管理活用課長 施設や地域の状況などがそれぞれ異なるため、一律に面積や金額等の上限値を定めることは現時点では難しいと考えております。区有施設の整備に当たりましては、集約化・複合化などによって、延べ床面積や維持管理コストの縮減に向けて取り組んでいく必要があると考えております。
○加藤委員 また、基本計画と基本設計・実施設計を分けて発注することが多いですけれども、基本計画があまりに、実現に難しいのか、基本設計・実施設計の公示をしても手挙げがなされないんじゃないかって危惧があるときが何回かあったと聞いています。基本計画がいい加減であると、最悪どの事業者も手を挙げない可能性というのも今後あるのかなというのを気にしています。基本計画の実現に責任を持たせるためにも、今後の施設整備においては基本計画から実施設計まで全てを担う発注方法も検討すべきと考えますけど、いかがでしょうか。
○原契約課長 基本計画や設計業務においては、同一事業者が担うことによる効果も認識しております。今後の施設整備については、業務の目的や性質等を踏まえ、最適な業務範囲で発注していくよう、施設ごとに検討してまいります。
○加藤委員 一体、一気通貫で計画から設計までやれば、3年かかっていたものが2年に抑えられる可能性もありますし、その間インフレでどんどん工事費が上がってしまうのを1年前倒しするだけで、それだけで財政効果が出る可能性もあるのかなと思いますので、その辺は検討をお願いいたします。
次に、平米単価の上昇について伺います。工事についてはインフレスライドを適用するなどの話が出てきて、物価高騰が無視できない状況になっているのは皆さん御存じのとおりだと思いますけれども、どの程度工事費が高騰しているのか、比較しやすい学校建設で伺います。現在、学校建設1校72億円としていますけど、その根拠について教えてください。
○瀬谷資産管理活用課長 学校1校当たりの更新経費につきまして、区有施設整備計画策定時の52億円に国土交通省の建設工事費デフレーターの伸び率とZEB化にかかるコスト増を踏まえまして、1校当たり72億円と試算し、財政フレームに反映しております。
○加藤委員 ちょっと話がずれますけど、70億円という数字も聞いた記憶があるんですけど、72でいいんですよね。
○瀬谷資産管理活用課長 72億円で大丈夫です。
○加藤委員 工事費の上昇を比較するために、学校再編の第1校目となりました中野中学校、あと、新型コロナ前に1校建設の費用の52億円の目安となりました中野第一小学校の平米単価について伺います。
○藤永子ども教育施設課長 学校施設整備の平米単価でございます。おおむねの建築工事の平米単価につきましては、平成24年度契約の中野中学校が平米約32万円、平成30年度契約の中野第一小学校が平米約51万円でございます。
○加藤委員 新型コロナ、ウクライナ侵攻前よりも既に工事費が上がっていて、平米単価32万円から51万円、これはたしか6年間の間ですけど、中野中学校から中野第一小学校の6年間の期間で平米単価の上昇の平均年率、どのぐらいになるか、教えてください。
○藤永子ども教育施設課長 学校施設整備の平米単価の増加についてでございます。中野中学校から中野第一小学校建築までの約6年間におきまして、平米単価は先ほど申しましたとおり約19万円増加してございまして、平均年率増加率は約8.2%でございます。
○加藤委員 8.2%、だから物価高騰、物価高騰と言っていましたけども、実は新型コロナが始まる、そういった物価高騰とかが騒がれる前から、既に8.2%も年率でインフレしていたということが分かりました。時点が1校同士だから、それは横暴な計算かもしれませんけど、少なからずそれだけ上がっていたという過去の実績があるということが分かります。先ほど聞いたからあれですけど、こういうのが財政フレーム上入っていないということが問題だと思います。となりますと、63ページの「基金・起債を活用する事業の一覧」というのは、このままの値を使っていいのかなというのが不安になるところです。先ほども72億円、試算で使っていたという国土交通省の建設工事費のデフレーターで、直近のデフレーターについて伺います。インフレ率のことですね。お願いします。
○竹内財政課長 建設工事費のデフレーターということで、近年ですと大体5%から7%程度と考えてございます。
○加藤委員 私のほうでも調べましたけど、2020年から2021年が4.8%、21年から22年が6.2%ぐらい上がっているということで、63ページの一般財源を必要とする事業費を全て足し合わせると、ハード事業費総計、10年間で2,104億円になります。先ほど学校の建設費上昇率8.2%と言っていましたし、今のデフレーターの話で5%から7%とかという数字がありましたけども、仮に年率5%上がるというふうに仮定して複利計算を行いますと、10年間で2,489億円となりまして、インフレを考慮しなかった場合に比べて385億円増額となります。10年間で割れば、年間約39億円程度が不足する試算となります。資産管理活用課としては、この結果に対してどう思うか伺います。
○瀬谷資産管理活用課長 将来のインフレを見込むことは難しいところもありますが、施設整備費用の縮減に向けては、引き続き複合化や長寿命化など取り組んでいく必要があるというふうに考えてございます。
○加藤委員 こういったインフレというのを考慮すべきだという考えはありますか。
○瀬谷資産管理活用課長 そういったところも踏まえて、引き続き縮減に向けて取り組んでいく必要があるというふうに考えてございます。
○加藤委員 縮減じゃなくて、そういうのを見積もっていかないといけないという認識はありますかと聞いています。
○瀬谷資産管理活用課長 将来推計につきましては、そういった御意見も踏まえながら研究していきたいというふうに考えてございます。
○加藤委員 だから、結局踏まえないといけないよねとは思っているわけですよね。同じく財政のほうはどう思いますか。
○竹内財政課長 こちらに関しましては、財政運営の考え方に基づきまして、起債を適切に活用しながら、公債費が区民生活へ影響を及ぼさないように、基金の積立ても着実に実行していきたいと考えております。
○加藤委員 歳入はGDPとかインフレを考慮しているのに、何で歳出は考慮していないのという話になるわけですよね。だから、やっぱり含めないといけないですよね、考え方として。その辺伺います。
○竹内財政課長 整備費用に関しましては、直近の事業計画の金額を足し上げて積み上げているものなので、一般事業費のほうにはインフレ率を加味してございますが、事業費のほうは直近のデータをこちらのほう積み上げているものでございます。ただ、委員の御指摘もございますので、今後こういった大きな影響がフレームに影響を及ぼさないように、こちらのほう、積算の仕方等も研究してまいりたいと考えてございます。
○加藤委員 ちなみに、さっき学校建設で8.2%とか言っていましたけど、こっちで複利計算でやると、10年後なので9回、1.08、8%を掛け合わせると大体ちょうど2倍になるんですね。10年後は2倍必要になるかもしれない。これはちょっとやり過ぎなのかもしれないですけれども、そういった危機感が財政フレーム上入れる、まずこういった箱物事業のところの基金・起債というのは先に決まってくるものだと思うので、財政フレームの一番最初のところだと思っているんですね、組立て方として。そういう認識でいいですか。最初に箱物の事業費から財政フレームって組んでいきますか。
○竹内財政課長 財政フレームを作成するときは、歳入の部分と、あと、歳出の部分というところを総合的に捉えながらやっていますので、施設整備だけを優先的にという形で積み上げているものではございません。
○加藤委員 もちろんそうですけど、大体10年後にこのぐらい箱物でかかると分かっているから、頭に入れないわけにはいかないのかなというので、かなり重要視しないといけないところだと思いますので、そこら辺の認識をしっかりやっていただきたいと思います。
○杉山委員長 加藤委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。
午後1時まで委員会を休憩します。
午前11時58分休憩
午後1時00分開議
○杉山委員長 委員会を再開します。
休憩前に引き続き、総括質疑を行います。
加藤たくま委員、質疑をどうぞ。
○加藤委員 午前中から引き続き、財政フレームについて、先ほどは建設費に関するところで、建設費のデフレーターを5%で複利計算10年間行うと、当初予算(案)の概要に書いてあるものより385億円、10年間で不足するんじゃないかと、そのぐらい見たほうがいいんじゃないかというところで各所管に聞いて、必ずしもポジティブな言い方ではないですけど、やはり検討しないといけないというような回答を得たところで終わっていると思っております。なので、10年間で割れば年間39億円、今後ショートしていく、そういったお金を見ていかないといけないのではないかということです。
続きまして、工事費において、先日2月9日に委員会審査があった補正予算で、まちづくり関連予算、国庫・都支出金から一般財源に財源更正された金額が4.7億円ありました。国土交通省と東京都に内示額全部もらえればよかったんですけども、結果的にもらえないで、一般財源からもらえなかった分を補填するというような状態になりましたけれども、なぜこのようなことが起こったのかというのを伺います。
○竹内財政課長 こちらのほうは、国や都のところから内示、補助金の交付が予算額どおり来なかった、このことによって内示額よりも下がっているということに関しまして財源更正を行ったというものでございます。
○加藤委員 その理由を聞いているんです。
○竹内財政課長 こちらのほうは、当初の算定から割り落としをされたというものでございます。
○加藤委員 その精度をもう少し高くできないのかというのを聞いているんですけど、どうですか。
○竹内財政課長 予算編成方針におきましては、国や都の政策動向を注視し、情報収集に努めること、特定財源より執行してきた事業のうち、補助金等の廃止や縮小があるものについては、代替となる新たな財源を調査し、財源確保に努めることとしてございます。令和6年度予算編成におきましても、過去の状況を踏まえ、確度の高い金額を計上しているところではございます。今後も継続して所管部署と情報共有を図りまして、国や都の動向を注視して、補助金の獲得に努めてまいりたいと考えてございます。
○加藤委員 内示割れを起こしてしまうというのは想定内の話なんですか、想定外なんですか。でも、毎年のようにあるから、想定内にしないといけないとは思うんですけど。
○竹内財政課長 予算計上の際には、こちらの予算額が想定しているところでございます。
○加藤委員 表向きの話じゃなくて、内示割れしちゃうというのが薄々、必ず100%もらえるとは限らないよなというのは、財政当局のほうでそういう腹積もりなのかというのを聞いています。
○竹内財政課長 予算編成時におきましては、この予算額で事業が執行されるものと考えてございますので、予算編成の際にはこちらの額が適当であると判断しまして計上しているものでございます。
○加藤委員 100%もらえないというようなことが多々続いているのに、そういうことでいいんですか。
○竹内財政課長 そういったところは所管部署とヒアリングをさせていただきまして、その中身、そういった内容を精査いたしまして、それが適当であると予算の段階では計上しているものでございます。
○加藤委員 ちょっと考え方を変えて、一般財源じゃなくて、まちづくり基金で補充というか、充填するというのはできないんですか。
○竹内財政課長 一般財源もございますし、あと、まちづくり基金の活用というところも考えてございます。
○加藤委員 内示割れが続くようだったら、まちづくり基金を多めに積んで、そういったときのための保険というのをつくっていくという考え方もあろうかと思いますが、いかがですか。
○竹内財政課長 まちづくり基金に関しましては、基本的に都区財政調整の財産費のところを積み上げているものが多くございます。基本的にはその中でやっていくことを考えてございます。ただ、今後そのような状況が変化しました場合は、適時適切に対応していきたいと考えてございます。
○加藤委員 一部の話だと、能登の災害対応でそういったまちづくり関連費が内示割れしちゃう可能性もあるんじゃないかなんていう声も聞いていますので、その辺しっかりと考えていただきたいと思います。
ほかの基金について伺いますけれども、当初予算(案)の概要66ページの図表ですけれども、「基金積立額・取崩額・残高の推移(一般会計)」を御覧ください。66ページです。令和4年度から令和5年度にかけて基金が67億円減るわけですけど、その理由は。
○竹内財政課長 こちらに関しましては、財政調整基金の残高が80億5,100万円余減少している、こちらのほうが主な要因でありまして、こちらは各補正予算の財源として繰入れを行ったところ、これが主な原因と考えてございます。
○加藤委員 何に繰り入れたんですか。
○竹内財政課長 こちらは各補正予算で、例えば給付金であるとか、そういったところのものを財政調整基金の繰入れから賄っているというものでございます。
○加藤委員 低所得者向けの給付金とかがあると思いますが、国庫から戻ってくるんですよね。その金額はどのぐらいですか。
○竹内財政課長 およそでございますが、大体45から46億円と考えてございます。
○加藤委員 ほかに基金に戻せるようなお金ってあるんですか。なければ、ないで。
○竹内財政課長 例えば、今考えているのは国の定額減税、こちらのほうは今後国から補填される予定でございますので、こういったものは基金へ繰り入れることにもなるかなと、そういうことは想定してございます。
○加藤委員 いずれにせよというか、令和5年度においては67億円、ここで減っていて、国から戻ってくるのが45億円で、22億円ぐらいが結果的に決算で出てくる値なのかなと思いますけれども、マイナスになってしまっていますけど、歳入が堅調だって言っているにもかかわらず、これだけ減ってしまっている要因って何でしょうか。
○竹内財政課長 令和5年度に関しましては、先ほども申し上げましたとおり、各補正予算の財源として繰入れを行ったことが大きいと考えてございます。令和6年度は定額減税の15億円というところがございますので、そういったところが主な要因と考えてございますので、そちらは収入がされ次第、こういったところの基金の積立て、そういったことができないかということは考えていかなければいけないかなと思っております。
○加藤委員 今度、令和6年度もかなり下げているわけですけれども、多分新庁舎関連がかなり入っているのかと思うんですけど、それでよろしいですか。
○竹内財政課長 一時的な財政負担であります新区役所の移転経費、また、物価高騰に伴う経費の増、そういったところが要因と考えてございます。
○加藤委員 財政調整基金の年度間調整分というのは、大体200億円ぐらいを残しておくというのが基本だったと思いますけれども、当初予算(案)の概要の22ページを見ると、令和5年度、令和6年度で167億円、163億円、歳入が割と堅調だというときに、厳しめのときに使っちゃっているという状況になっているわけですけれども、本当にそんな厳しかったんですか。そんなに、区の歳出がというより、世の中の、リーマンショックとか、そういったときに耐えられるようなための予算だったわけですけど、それに耐えられないような事態になっていたと考えているんですか。
○竹内財政課長 今回の、例えば給付金の国から来る部分というのが先ほど約46億円と申し上げましたけれども、これに関しても、要するに1年間で46億円必要になってくると。ですので、1年間で50億円ぐらいはやはりないと当該年度は財政運営が安定的にできないというふうに考えてございますので、これが例えばリーマンショックのときは、大体これが3年ほど続いたということもございますので、それが大体3年程度耐えられるぐらいの規模というのは、やはり財政として持っていなければいけないかなと考えてございます。
○加藤委員 そこを言いたいんじゃなくて、新庁舎で50億円ぐらいかかるみたいな話で、それは来年度はしようがないんだと言っていたなら、50億円ぐらい事前にため込んでおく必要があったんじゃないかという意味も踏まえて言っているんですけれども、その準備をしていなかったですよね、はっきり言って、この年度間調整分を見ると。
○竹内財政課長 新区役所移転経費で、総務委員会のほうで申し上げましたときには50億円程度かかるというふうなことを言ってございます。そのときは一般財源で対応するということを申し上げておりましたので、それに対する財源というのはどこから来るかというのは申し上げてございませんが、今回その財政調整基金の繰入れ、そうしたところで対応しているところでございます。これが今後また、令和6年度はございますが、令和7年度にはそういったイニシャルのところはございませんので、そういったところの一定的な余裕はあるかなと考えてございます。
○加藤委員 来年度予算では、社会福祉施設整備基金と義務教育施設整備基金の積立てが0円となりますけれども、財政運営の考え方において、対象施設の当該年度に発生する見込みの減価償却費相当額の25%を当初予算編成時に積み立てるよう努めとありますけれども、努められなかった理由について教えてください。
○竹内財政課長 こちらも先ほど申し上げたとおり、物価高騰に伴う経費の増であるとか、一時的な財政負担としての新区役所移転経費があったことが大きな要因であると考えてございます。
○加藤委員 だから、新区役所整備のやつは事前に積み立てなかったのは何でかというところに戻りますよ、そうしたら。いかがですか。
○竹内財政課長 こちらは積立てで賄うか、一般財源で賄うかというところがあると思いますけれども、そちらのほうは予算編成中におきまして、新区役所移転経費とか、精査で出てきたところでまた判断をして、今回は積立てを取りやめて、こちらのほうを対応するということを判断したものでございます。
○加藤委員 給食費のお話とも関連してくると思うんですけど、総務委員会の議論で、積み立てられなかった理由の中で、給食費の無償化が入ったからと言っていますけど、そうしたら毎年積み立てられないことになりますけれども、どういう考え方なんですか。
○竹内財政課長 今回行いました給食費無償化、令和6年度予算で約10億円ほどかかってございますが、こちらのほうに関しましては、東京都の補助というところも今回新しく出てきたりします。これが全く新しい経常経費になってくるということは考えてございませんので、令和7年度以降、令和6年度の補正もありますけれども、そうしたところで適時適切に判断しまして、経常経費のところを判断して、それを安定的な財政運営のところにつなげていきたいかなと考えてございます。
○加藤委員 先ほど図表でも説明しましたけど、何も事業見直しとか、やめることができないから、全くその言葉が信用できないんですね、この4、5年間全くやってこなかった。なかのエコポイントぐらいじゃないですか、やめるのは。億単位のお金が生み出せるとは到底思えないので、その言葉は本当に信じられないんですけれども。結局、給食費を入れるという判断が多分12月ぐらいに行われたと思うんですけど、実施計画の中で出てきたわけです。時系列で言えば、そのぐらいになると思うんですけども、その時点で、やっぱりお金が足りないから義務教育施設整備基金と社会福祉施設整備基金のところを、お金ためないって判断したんだと思うんです。通常であれば、最初から給食費を入れるというのであれば、新規・拡充予算の中に入れておいて、ある幅の中に収めようと思えば、ほかの新規事業をやめようという判断もあったと思いますけれども、ぎりぎりになったからこそ、これも全部入れちゃえといって、積み立てるのをやめようという話になったと推測しますけど、いかがですか。
○竹内財政課長 予算編成は、早ければ9月頃から予算編成方針を出しまして、そこから各部のほうで積算を頂きまして、これを12月下旬のところまで予算編成、大枠のフレームであるとか、財政の考えをまとめているところがございまして、一般財源充当事業費とか、あと、歳入一般財源規模というのがそこのところで出てきて、その時点で判断したというものでございます。
○加藤委員 結局、給食費を入れようという時点で全然、当初見込んでいた歳出をかなり上回ってしまって、それがどんどん、ソフト事業費とかを押し上げている結果になっていると思うんですよね。結局、給食費を入れるかどうかというのが、判断が遅かったから教材費をつけますというのも一時期ありました。今回も給食費をやる判断が遅かったから、ほかの新規事業もやめられないようなタイミングで入れたから、こういうふうになった。給食費を入れる判断が遅過ぎて、毎回毎回、他区よりもかなり出ていくお金が増えていくという状況になっている。判断の遅さがこういうことを招いているんだと思いますけど、いかがですか。
○竹内財政課長 各新規事業であるとか、あと、経常経費というのは12月の下旬のところで全て出そろって、それが各事業の規模感であるとか、内容であるとか、そういったものは最後まで分からないようなところもございます。それまで、ぎりぎりの予算編成のタイミングまで見極めながら最終的に判断してございますので、判断が遅かったとか、そういう問題ではなく、しっかりと精査をした上で、これが適切な予算であると判断して、今回予算の編成を行ってきたものでございます。
○加藤委員 まとめに入りますけれども、ソフト事業費が59億円増えて、取材で聞いているところですけど、新庁舎で16億円、イニシャルというか、単年度限り……(「什器」と呼ぶ者あり)新庁舎の什器で16億円なので、これは単年度、新規・拡充予算に入っていると思いますので、あと、令和6年度から令和7年度で、ランニングコストの下がりが6億円なんです。つまり22億円は、さっきの59億円の中から差し引きですけど、でも、37億円の新規予算がそのまま入っているなというふうになります。そうすると、令和7年度予算においては、来年度の新規・拡充予算の35億円分ぐらいがまた一般事業費、経常経費化するなというふうに見込んでいるわけです。あと、まちづくりのほうにおきましては、インフレ率を加味すると390億円ぐらいで、年間39億円ぐらいを見ないといけないなと。合わせると70億円ぐらいが今後ショートしていくんじゃないかという危惧を持っておりますので、ここに書いてある基金の残高が今560億円ぐらいですから、今の70億円ぐらいで割っちゃったら、8年ともたないかなというような、大ざっぱ過ぎますけどね、そのぐらい財政を今食い始めている。歳入は堅調と言いながら実際はそうじゃない。それに気づかずにどんどんソフト事業費を増やしているので、まちづくりの金額が上がっていくことに気づいていない。こういった状況になっているわけですけれども、こういったことを考えて、今後財政運営をどうしていくのかというのを部長から答弁いただけますか。
○岩浅企画部長 今様々委員から御指摘いただきましたけれども、後段ありました基金につきましては、課長も申しましたとおり、現在見込まれていない、予算に入れられていない国や都の助成金ですとか、あと、決算がこれからございますので、剰余金等も一定あるかなというふうに見込んでおります。それらも含めまして、財政調整基金、社会福祉施設整備基金等、適切に積んでいって、安定的な運営ができるようにしていきたいと思っております。また、施設整備の高騰につきましても、公債費負担比率、10%程度という目標を掲げておりますけれども、それにのっとりながら、起債も活用しながら対応していければなというふうに考えております。委員からの御指摘も踏まえまして、おっしゃるとおりインフレの状況ですとか、あと歳入、好調ではありますけれども、伸び率は少なくなってきているという状況はございますので、そういったものも踏まえて、リスクを想定しながら、今後財政運営を行っていきたいというふうに考えております。
○加藤委員 そう言うしかないんでしょうけど、本当に新規予算を、さっき言った35億円というのは令和7年度以降、新規予算を立てない前提で言っている話であって、今までのペースだと30億円、40億円、毎年毎年経常経費化しているわけですよ。これを止めないと本当に破綻しますよ。破綻すると、昔、中野区の行財政5か年計画では区長の給料20%カットとかやっていたわけですよ。一般職員でも4%、議長10%、一般議員でも4%カットをやっていましたよ。そういう時代が来るんじゃないかなと危惧しております。本当に33万人の区民のために、財政破綻に向かっていくんじゃないか、その終わりの始まりとも言える予算編成、これを賛成するということが無責任になってしまうのかなということを非常に深く考えているところであります。そういったことで、この項の質問を終了いたします。
次に、地域力向上モデルについて提唱させていただきたいと思います。
まずこの図面を御覧ください。例えば町会活動などの活動において、いろいろ幼児、小・中学生、高校、大学、20代から50代、60代、80代みたいに、こういうふうに様々な世代のレイヤーがあるとします。活動しているのは、この辺の70、80代ぐらいがメインで活動していますというようなことで、それぞれ世代間ギャップがあるというのを縦の矢印で示しています。この縦の棒というのが、一つの縦のつながりということで、例えば同じ小学校、中学校である、同小・同中みたいなつながりがあるということで、地域である程度一体感があるわけです。一方、同中・同小じゃない、区外から来た人をよそ者として捉える方もいるということで、これが必ずしもいいように作用するばかりでもないというふうなことが考えられます。
この前、世代間ギャップ、合わない話として、ある会合で20代の若者が彼自身の知っている曲の中で最も古いものなのか、カラオケで尾崎豊を歌ったものの、参加者の主要世代には、まだ二、三十代分の世代間ギャップを埋めるまでに至らず、どの世代にも刺さらず、挙句の果てに大御所たちに何の曲を入れているんだと説教されてというふうな場面がありました。昔は、お茶の間で一つのテレビを家族団らんで見ていたという時代がありますけれども、世代を超えた国民的な曲が当時はあったわけです。しかし、ウォークマンの誕生やインターネットの普及によりまして、個人個人が好きな曲を聞くようになりまして、全員が知っているような曲というのはなかなか難しいわけです。曲だけじゃなくて、多様な価値観が醸成される世の中になりまして、世代間ギャップだけじゃなくて価値観のギャップもあるという中で、共通語がない中で、地域活動で仲間意識をつくろうというのは難しいわけであります。
そういう中で、地域には同じ小・中学校という絆がありますけど、それ以外にも、こういったほかの関係性をつくる必要があるのかなと思います。中野区は年間10%の人口が転入出するわけで、どれだけよそ者の方を仲間に入れていくか、こういったことが持続可能な活動を推進する上で重要であります。地域活動団体の組織体としての現状の課題について、区はどのように捉えているか伺います。
○池内区民活動推進担当課長 町会・自治会だけではなく、地域で長年活動している子ども育成から高齢者の居場所づくりに至るまで、様々な団体において後継者がいないというような不安や課題を抱えているのが現状でございます。中野区の人口の特性は、若い世代の流動、それから単身世帯も多い状況が続いてございます。地域の課題を解決するためにも、そういった人口特性を生かしまして、若い世代の新しい風を取り込みながら、地域活動の活性化を目指す取組を進めてまいりたいと考えております。
○加藤委員 それで今の問題、私も持っていますし、区も持っていますけれども、地域活動団体の組織、今後どうあればいいかというのを、理想図を私のほうで考えてみました。先ほど言いましたけど、縦軸が同じ小・中学校ぐらいしかないですけど、ほかの縦軸みたいのをつくることができるんじゃないかなというふうに考えます。世代を串刺しにするイメージができればいいというので、その中で、次の項目で挙げますけど、中学校部活動の地域移行がこれに資する非常に最大のチャンスだと考えております。スポーツ部活動の地域移行の最終形態は、地域スポーツクラブに中学生を所属させることにあります。しかし、いきなり中学生の面倒を見てくださいと学校側から地域の方々に任せる体制が取れるわけがないです。恐らく少年野球、サッカーなどの小学生を中心とした地域スポーツクラブに中学生の年代までも面倒を見てもらうというイメージが主流になると思います。全国中学体育連盟、中体連では、あらゆる中学生のスポーツ大会に対して、地域スポーツ団体の出場ができるように指導をしています。中学校じゃなくて地域で大会に出られるというわけです。高校においても検討が始まっております。そうなれば、中学生たちは地域スポーツを卒業する必要もなく、高校・大学生以上になってもプレーヤー、指導者として地域スポーツクラブに所属し続ける組織にすることも可能と考えます。となれば、地域スポーツは地域における世代間を超える、この縦軸に生まれ変わると思っています。
例えば、高校の同窓会組織を思い浮かべてもらえば分かりやすくて、私の経験で、この前、私の区政レポートをきっかけに高校の15期上の先輩と初めてお会いする機会がありました。初めましてでしたけれども、私が所属したアメフト部でその方の同期の方がいたために、共通の知り合いが見つかり、一気に関係を縮めることができました。私がアメフトの縦軸があって、その世代の人たち、ここで直接知らないけど、斜めの関係みたいなところでつながっていくということもできると思うので、横と縦をそれぞれしっかり太くすることによりまして、様々なつながりが出てくるんじゃないかなと思います。大学においても、体育会系、サークル、ゼミ、研究室などの縦軸をしっかりしているために、割と組織としては強さがあります。地域においても、スポーツ、趣味などの共通語があれば、区外からの転入者も地域に入りやすい。後々は地域スポーツクラブなどの縁が町会などの活動の一助になると期待します。区は地域活動の活性化の一つの手法として、部活動の地域移行等の連携を図るべきと考えますが、どのような御見解でしょうか、お伺いします。
○池内区民活動推進担当課長 地域活動の活性化を推進するためにも、多世代に共通する趣味などを通し、地域で交流できることも効果的な手法と考えられます。部活動の地域移行と地域活動の接点は、指導者、コーチなどの地域からの輩出や世代を超えた交流にございます。部活動の地域移行が地域活動の活性化に寄与する可能性はございますけれども、円滑に進めるためにも、丁寧なコーディネート、それからマッチングが必要だと考えてございます。部活動の地域移行につきましては、地域に新たな風を吹き込む機会とも捉えてございます。地域団体や住民と連携が図れるよう、仕組みなども検討してまいりたいと考えてございます。
○加藤委員 続いて、部活動の地域移行についてお伺いします。
先日、中学校の現場ではダンスのニーズが高いということで、地元のプロダンスチーム、DリーグのFULLCAST RAISERZ等も協力を惜しまないということでした。ダンスはスポーツかつ文化・芸術であり、部活動の地域移行を進めるにはまたとないモデルケースになると提案させていただきました。そして、来年度は部活の地域移行のモデルケースとして、ダンス部の活動について検討を進めているとのことですが、その詳細について伺います。
○齊藤指導室長 ダンス部のモデル実施は、来年度の夏から秋頃にかけて導入できるように検討を進めております。合同部活動で活動することを考えており、土・日の活用や学校以外の幾つかの場所を会場とすることについて検討しているところでございます。
○加藤委員 土・日にダンス部活動を実施するということですけれども、ダンスを本気でやりたい人がいれば、平日も地域のダンススクールに入会を導くこともできますし、SNS用のダンスを学びたいというライト層も楽しめるとか、あと、平日は野球をやっているけど土・日はダンスをやってみたい、兼部みたいな形、そういったいろいろな生徒がいると思いますけれども、あらゆるニーズに対応できるような体制づくりをしていただきたいと思います。
部活動の地域移行については、地域との連携や指導者の確保、体制の構築まで、重要な課題をクリアしていかなければなりませんが、教育委員会内に部活動地域移行のための専属の組織を設けるなど、組織的な対応が必要と考えますが、いかがでしょうか。
○齊藤指導室長 地域移行を進めるためには、教育委員会だけではなく、関係する部署と連携・協力しながら、地域のスポーツクラブ、体育協会、民間事業者、大学、文化・芸術団体等の協力を得て進めてまいります。
○加藤委員 幾つか、すみません、時間があれなので質問を飛ばさせていただきます。
次に、いわゆる文化系の部活動についてです。先日、中野サンプラザのピアノの寄附の話、先ほどもありましたけれども、こういったものを引き取ったみたいな話がありますけれども、今度できる子ども・若者文化芸術振興基金を活用した事業に関しては、単にお金だけじゃなくて、そういった楽器などの物の寄附を募ったり、人などの紹介など、そういったいろいろな仕組みづくりが必要と考えますけど、いかがでしょうか。
○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 委員御提案の内容につきましては、新たに創設されます子ども・若者文化芸術振興基金を活用した事業を企画・実施していく中で、具体的にどういった楽器や資源が必要で、どのようにして寄附を募るのがよいか、また、活動促進に寄与するネットワークづくりにはどのような仕組みが有効かについて、事業に関わる人たちと意見交換を重ねながら考えてまいりたいというふうに考えてございます。また、今後、文化・芸術に関する情報発信の強化の一環としまして、アーティストバンクを創設し、アーティストや活動団体の情報を発信していくことで、子ども・若者を対象とした催しなどに活用してもらいたいというふうに考えてございます。これらによってもネットワークづくりを図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○加藤委員 今、南中野の育成の地区委員会に入っていますけれども、小学校を対象としたスポーツクラブを紹介する記事というのを広報紙でつくっているんですけれども。非常にそういう掲載をすると喜んでもらっているというのがあって、小宮山議員が指摘をよくしていますけど、学び場ステーション、これをもう1回見直して、そういった団体に役立つようにやっていただきたいなと、これは要望だけにしておきます。
最後に、デジタル地域通貨の有効活用について伺います。
デジタル地域通貨の導入は、我が会派として、さきの統一地方選挙の大きな公約の一つでありましたので、検討がここまで進んだことを喜ばしく思っています。区内経済の活性化、地域力の向上、健康施策に結びつけるように、ポイントの付与をしていただきたいですけれども、それが結果的に区の政策課題の解決、区の財政を抑制するなど、目的を明確化しなければ、ただのばらまき政策になりかねません。区のデジタル地域通貨事業の考え方について伺います。
○松丸産業振興課長 デジタル地域通貨事業におけるコミュニティポイント付与の目的の明確化ということでございますけれども、中野区デジタル地域通貨事業を活用したコミュニティポイント付与事業は、区の政策課題への対応とポイント付与・利用に適した事業や取組の双方に合致するものについて検討していくことにしておりまして、定量的な効果が図れるものが好ましいというふうに考えているところでございます。現時点の政策・施策案といたしましては、スマートウエルネスシティの推進、SDGsの推進などを掲げておりまして、区として政策的視点から協議し、目的を明確化した上で、副区長をトップとした関係部課長によるPTを設置して、さらに事業の検討を深めていきたいというふうに考えているところでございます。
○加藤委員 いろいろとばらまきにならないように、スモールスタートみたいなことをしていくべきだと思うんですけれども。例えば、コミュニティポイントの話がありますけれども、町会にいきなり3万円分渡しますと言っても、いきなり20代、30代にポイントをあげますだと、その後なかなか、70代の人たちと交流を取れないみたいな感じで、次は来ないみたいな感じになりかねないなと思ったので、まずスモールスタートとして地区委員会とか、地区まつりとか、ある程度人が集まりそうなところからスタートしてほしいなと、これは要望で終わらせていただきます。
これで質問は終わりなんですけれども、やはり予算のところ、かなり問題があるということを最後改めて御指摘させていただきまして、私からの総括質疑を終了させていただきます。ありがとうございました。
○杉山委員長 以上で加藤たくま委員の質疑を終了します。
令和6年02月14日中野区議会本会議(第1回定例会)の会議録
中野区議会議員 加 藤 たくま
1 施政方針説明について
2 その他
○議長(酒井たくや) 次に、加藤たくま議員。
〔加藤たくま議員登壇〕
○11番(加藤たくま) 自由民主党議員団の立場から質問させていただきます。
まず、能登半島地震におかれましてお亡くなりになりました方々に哀悼の意を表しますとともに、被災された方、そして、大切な方を亡くされた方々に対しましてお悔やみ申し上げます。
それでは、2月9日の区長の施政方針説明について質問いたします。
能登半島地震における区の対応について述べられました。我が会派は、3回の街頭募金活動など、微力ではありますが、今やれることを実施しております。中野区としては、災害支援の調整役である東京都からの依頼で、職員派遣、ふるさと納税の代理受付、義援金の受付を行うとのことです。東京都派遣のDMATの報告によれば、全国規模で息の長い支援が必要とのことです。助け合いの精神が重要で、区は、被災地の状況に合わせて、受動的に行動するのではなく、能動的に動くべきです。
そこで伺いますが、現時点で想定される被災地支援とその準備について伺います。
次に、中野区の地域防災計画について伺います。
能登半島地震は、マグニチュード7.6でした。中野区が地域防災計画で想定している東京湾北部地震はマグニチュード7.3、関東大震災ではマグニチュード7.9、東日本大震災ではマグニチュード9でありました。マグニチュードは対数表示で、1増えればエネルギーは約32倍異なりまして、マグニチュードの僅かな差は、被害としては大きな差となります。また、能登半島における2020年時点の今後30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率はおおよその地域で3%未満とされておりましたので、現地での今回の地震は想定外との認識です。そして、まさかの1月1日の発生、あらゆる想定、イメージは簡単に覆ります。中野区としては、東京都が示す被害想定で計画を立てる必要がありますけれども、想定以上の事態、特に避難者数をうのみにすることは危険だと考えます。
そこで、想定以上の被害に遭った場合の区の対応について伺います。
また、例えば中野区が被災し、道路が寸断される場合、どの道路を優先的に対応するのか、その際にはどのくらい重機が必要なのか、その重機の確保策として何が必要か、災害協定を結ばれている団体は全くイメージできていないということです。災害対応のイメージ共有のためにも、被害想定シナリオをつくる必要があると考えますが、区の見解を伺います。
また、新庁舎においてライフライン途絶時に備えたバックアップ対策の拡充等を行うということですが、どのような機能があるか伺います。
新型コロナが5類となり、対応が変わりました。しかし、人類は感染症との闘いでもあり、大地震、風水害とともに体制をしっかり確立する必要があります。その中で、教育センター分室の敷地において新しい保健所の建設が計画されておりますが、新型コロナで得られた教訓を生かした施設にすべきです。例えば現保健所の平置き駐車場に設置されたPCRセンターは新しい施設においても同様とするのか、中野四季の森公園が近いためそこに設置するのか、また、ワンフロアは広いほうがいいのか、MS365によりオンライン会議ができるため、衛生面から逆にワンフロアを狭くし、隔離できるようにすべきなのか、理想のイメージがあるはずです。新型コロナで得られた教訓から新しい保健所に求める機能、レイアウトについて伺います。
MS365の導入において、区民や事業者の中には、行政とのやり取りの効率化が図れると期待の声があります。外部とのやり取りにより、行政内でMS365の機能をより深く理解した活用が期待できます。今後のMS365の庁外との活用について伺います。
施政方針説明の中で「VUCA」というキーワードがありますが、平成30年第2回定例会で私が取り上げました。VUCAは、経済のグローバル化やICT技術の進展などを背景に、個人の考えや行動基準が多様化、そして、情報共有が迅速となり、予測不能な世の中となりました。まさに新型コロナ、ウクライナ侵攻はその最たるものです。グローバル化による輸出入、ICT進展によるあまたの偽情報の拡散がなければ、ここまでの混乱はなかったとも考えられます。この混乱は、ここ数年の偶然の事象ではなく、今後も起こり得るということです。
その中で、基本計画をはじめとした計画は5か年で基本つくられていまして、時々刻々さま変わりする世界情勢に対応し切れていないと考えます。計画は重要ですが、事業を途中でやめる必要が生じる場合もあります。今後は、計画の改定を例えば3年に短縮する、もしくはリスクを想定して優先順位を立てた計画を立案するなどが必要だと考えます。また、各事業においては、キャッチフレーズ的な目的ではなく、揺るぎない明確な目的、目標を持たせる必要があると考えます。目的があやふやであれば、予測不能な事態に陥ったときに適切な判断ができないためです。短期間で状況が変化するVUCAワールドを乗り越えるため、どのような対策を講じるのかを伺います。
子育て先進区の実現の中で、ひとり親家庭の支援について伺います。
離婚成立前の実質ひとり親家庭においては、今年度より10万円の子育て支援給付事業が行われており、制度利用したいという方から相談を受けましたが、結果、断念することになりました。理由は、必要書類の中に申請者の配偶者が申請者が給付を受領することを認める書類、これの入手が困難であるためです。この相談者は、この書類の提出を認める配偶者であれば離婚まで至っていないと嘆きの声がありました。できたばかりの制度で不備もあるでしょうが、改善が必要と考えますが、区の見解を伺います。
中学校部活動の地域移行について伺います。
学校現場の調査ではダンスのニーズが高いと聞いております。九つの区立中学校にダンス部は一つもない状況です。中野区には、日本初のダンスプロリーグ、Dリーグで優勝経験があるFULLCAST RAISERZがいらっしゃることから、部活動の地域移行について私は伺いました。ダンスといっても種類が無数にあり、人によってはTikTokなどのSNS用に踊れればよいライト層もおり、体制づくりは簡単ではないが、できる協力をしていきたいというお話でした。また、ダンスはスポーツであり、舞台上で披露することもできる文化芸術の側面もありまして、スマホさえあればできるというのも魅力的な条件です。諸条件から、教育委員会は、部活動の地域移行のモデルケースとしてダンスに注力してはいかがかと考えますが、伺います。
中学の部活動の地域移行においては、あまたのスポーツ団体との連携が必要となり、そこで期待を寄せるのが一般社団法人中野区体育協会です。現在、中学校に一度たりとも存在しなかったスポーツを経験するチャンスを創出することもできると考えますが、中野区及び教育委員会の御見解を伺います。
子育て先進区の実現において、最後の質問として、何が先進性がある試みなのか伺います。
次に、地域包括ケア体制の実現について伺います。
これまで区民不在で地域包括ケア体制の構築が進められ、一般区民で地域包括ケアという言葉を知る人はほとんどおりません。その中で、スマートウエルネスシティの理念を踏まえた方針は、区民も巻き込めると期待するところです。この件に関しましては、令和5年第4回定例会一般質問で私が新潟県見附市の事例を紹介、提案し、早速、区の健康施策として取り入れられたことは喜びます。
区では、デジタル地域通貨導入を始めるための健康施策としての連携が望まれます。しかし、中野区は、スマートウエルネスシティ首長研究会に9年も加盟しながら、一度たりとも議会報告がなかったことを鑑みると、性急なスタートとして危惧するところです。デジタル地域通貨は、区政課題の解決ツールであるべきで、ばらまきのツールになってはいけません。御紹介した見附市は、いわゆる車社会で、基本歩くことがありません。歩く人がおりませんが、中野区では、世帯当たりの自動車保有台数が23区で一番少ない特徴があり、全く条件が異なります。御紹介した見附市の年間平均8,000歩を歩いた方々への6,000ポイント付与による医療費抑制の事例が単純に中野区でも当てはまるかは分かりません。
そこで、例えば500人程度でモニター調査などを実施する必要があると考えますが、区の見解を伺います。
また、口腔ケアができている人は医療費を抑制できている事例などもありますので、併せて御検討されたいと思います。
次に、活力ある持続可能なまちの実現、中野サンプラザ権利床について伺います。
新北口駅前エリアの再整備について、先日の特別委員会の報告では、区関連分の従前資産評価について、約640億円から約663億円に増加する見込みと報告がありました。例えば定期借地などの議論がこれまでありましたが、本地区の事業手法について、区関連分の従前資産評価の増加を踏まえても、現在検討を進めている市街地再開発事業という手法の選択が適切であるか伺います。
従前資産と権利変換による従後資産については、提案時、令和4年12月、令和5年1月に、それぞれ状況を反映した額や面積が示されてきました。これらがいつになったら確定するのか、また、今後さらに工事費等が高騰することも想定されますが、その場合には権利床がこれ以上縮小しないことを施行予定者に約束することができるのか伺います。
また、区の権利床については、これまでの施設イメージ、収支想定が示されました。展望レストランの機能や面積、展望スペースの入場料、具体的な活用方法については、いつまでにどのように決めていくのか伺います。
続きまして、西武新宿線の連続立体交差について伺います。
来年の主な取組におきまして、鷺の杜小学校の開校に当たり、通学路における児童の安全保障のため、西武新宿線の踏切を横断する際の安全対策の実施や西武新宿線の横断施設を設置する場合の構造物の検討を行うとあります。横断施設が地下通路であれば西武新宿線の地下化を妨げ、跨線橋であれば高架化を妨げることになります。つまり、西武新宿線を高架化するか地下化するか、結論を出さなければ横断施設をつくることもできません。子どもたちがかわいそうと言うのであれば、大人たちはこの議論に終止符を打たねばなりません。東中野駅東口の検討業務が10年以上何も結論が出ない状況の二の舞となります。そもそも新校が整備される前に結論が導かれるべきでした。詳細は我が会派の議員が伺いますが、私からは、中野区は一、二年間で西武新宿線の連続立体交差化事業で一定の結論を出す覚悟はあるのかのみ伺います。
持続可能な区政運営について伺います。
今の区政においては、持続可能な財政運営に関する意識、つまり、コスト意識が弱いです。中野区人材育成計画では、近年必要とされる様々なスキルを学ばせようと考えているようですが、持続可能な区政運営に必要な支出として適切なコスト意識が必要と考えます。新人職員はもちろん、これまでの仕事の仕方や考え方から抜け出せないベテラン職員に対してこそコスト意識を高める取組が必要と考えます。区の見解を伺います。
区長は、事あるたびに中野の最大の財産は人と、施政方針においても、「「人」と「人」がつながり、「人」と「まち」がつながり、新たな生活やチャレンジがはじまるまち・中野」と述べております。それ自体否定するものではありませんが、その結果、中野区として、酒井区長時代において、文化、伝統、ブランディングとして成功した事例、つまり、何が始まったか伺います。
対話、話合いだけではなく、区がコンセプト、方向性を示し、後押しすることが必要と考えます。例えば東北絆まつり、ランニングフェスタは10年の節目を越えて中野の大きな催物となりました。長く続く楽しまれる事業の誕生が望まれます。
そこで私は、ここで、「心・体踊るまち中野(仮)」の提唱をさせていただきます。先ほど取り上げました部活動の地域移行におけるダンスの推進、そして、昨年行われました盆踊りのギネス世界記録挑戦、東北絆まつりにおける踊り、中野チャンプルーフェスタにおける沖縄エイサーなど、中野区は踊りにあふれております。また、子ども・若者文化芸術振興基金との相性もいいと考えます。この踊り、ダンスのエネルギーを新サンプラザアリーナが完成したときに舞台でぶつける、そのような夢、未来を描きながら、旧サンプラザがない期間において、中野のまちのにぎわいを維持し続けるわけです。中野区は踊りのまちとしてブランディングできる可能性が高いと考えますが、区の見解をお伺いして、全ての質問を終えます。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 加藤議員の御質問にお答えいたします。
まず初めに、施政方針説明についての能登半島地震の被災地への支援についてでございます。令和6年能登半島地震を受けて、より積極的に対応できるよう、区の情報連絡体制や協定締結先自治体との連携体制について見直しを図ったところであります。過去の大規模災害発生時には、清掃業務や罹災証明の発行事務、仮設住宅、住宅応急処理、瓦礫撤去などの受付事務等、人的支援の要請があったため、こうした支援要請に速やかに対応できるような準備を進めているところであります。
想定以上の被害になった場合の区の対応についてです。区では、一昨年5月に公表された首都直下地震等による東京の被害想定のうち、中野区における被害が最も大きく見込まれる地震を想定して、防災関係機関と連携して防災計画を修正しているところであります。この計画では、東京都の被害想定を災害対策の上限として考えず、想定外の事態への備えについても適切な対応を講じることとしております。また、区のみでは応急対策及び復旧対策を実施することができない場合に備えて、他自治体と相互応援に関する協定を締結するなど、様々な災害協定を締結するなどの取組を推進しているところであります。
次に、協定締結団体との災害対応イメージの共有についてです。中野区で大規模な災害が発生した場合について、協定締結団体と災害対応イメージを共有することは重要であると考えております。中野区における被害想定や中野区地域防災計画に基づき、協定締結団体と災害対応のイメージを共有するよう工夫してまいります。
次に、新庁舎のライフライン途絶対策です。電力は二つの変電所から引き込むほか、外部からの電源供給が途絶えた際にも非常用発電設備を設置し、庁舎機能を5日間維持できる燃料を備蓄することとしております。水道につきましては、上水は、受水槽によって飲用及び雑用水として活用することを想定しております。また、トイレ洗浄水は、雨水を活用することで機能を維持できる計画であります。ガスの引込みは災害時にも途絶しにくい中圧ガスを採用しておりまして、通信は、複数のキャリア回線を併用する予定であります。
次に、新型コロナウイルス感染症の教訓から新しい保健所に求める機能、レイアウトについての御質問です。新型コロナウイルス感染症の拡大によって事務量が増大した期間には、他部署や東京都からの応援職員、委託事業者の従事者などを受け入れるために、保健所内の講堂や会議室、保健所別棟の部屋を事務スペース等として活用しました。新しい保健所においても、非常時に事務室に転用できるスペース及びリモート対応できる通信環境、これらが必要になると考えております。また、今回は、保健所敷地内の駐車場に仮設のPCR検査センターを設置して検査を実施いたしました。移転後の保健所におきましては、建物内での検査に備え、入り口や動線を分けられるようなレイアウト、十分な換気ができる機能を検討するとともに、感染の状況に応じては広く区有地を活用することも含めて考えてまいります。
続きまして、Microsoft365を活用した区民や事業者とのやり取りについてです。Microsoft365の機能の一つであるTeamsを用いて、区民や事業者と相互に資料等を共有しながら、効率的かつスピーディーにオンラインによる会議等を開催することができると考えております。加えて、チャット機能やファイルの共有、相互編集機能等を活用することでさらに利便性や効率化が図られると考えておりますが、これらの実現には一定のセキュリティー対策が必要となるため、利用可能とする対策等について、現在検討を進めているところであります。
次に、VUCA時代における計画期間の設定等についてです。基本計画は、適切な計画期間を定めた上で、社会経済状況が大きく変化した場合等には必要に応じて改定を行うこととしておりまして、次期基本計画についても、この考え方を基本に検討を進めていく考えであります。個別計画につきましては、法令等の趣旨や計画の目的、社会情勢の変化等を踏まえ、基本計画との整合も図りつつ、適切な計画期間を定めてまいります。また、社会情勢が短期間で急激に変化し、区民生活に多大な影響を及ぼすような状況におきましては、これまでの新型コロナウイルス感染症対策や物価高騰対策と同様、区民の暮らしを守ることを最優先に考え、迅速に効果的な対策を実施してまいります。
続きまして、実質ひとり親家庭の子育て支援給付についてでございます。実質ひとり親家庭への子育て支援給付事業は、調停中で離婚成立前から実質的にひとり親家庭となった家庭に対し、対象となる児童1人当たり10万円を給付することによって、児童扶養手当が受給できない間の子育てを支援することを目的としております。このため、対象となる児童を実質的に養育しているかを客観的に判断する書類の提出を求めているところであります。今年度の事業開始後、そういった書類の提出が難しいケースも発生しているということで、児童の養育者を判断する書類についての改善を検討してまいります。
次に、体育協会の御質問でございます。体育協会につきましては、子どもたちへのスポーツ機会の提供ということで大きな協力を頂いているところでございます。今後についても、体育協会との連携において、子どもたちに新しい運動の機会を提供していきたいと考えております。
次に、子育て先進区実現に向けた先進的取組でございます。区が目指す子育て先進区は、子どもと子育て家庭の満足度の高いまち、多くの子どもと子育て家庭から選ばれるまちであります。令和5年度は実質ひとり親家庭への児童扶養手当相当額の給付を23区で初めて開始し、令和6年度は、ひとり親家庭の住まい確保への経済的な支援、高校等への入学時にかかる費用の支援等の取組を進めてまいります。あわせて、新たに子どもの意見を反映させた教育活動の推進の取組も行ってまいります。
次に、スマートウエルネスシティの推進についてでございます。誰もが健康に暮らせるまち、スマートウエルネスシティの実現に当たっては、日々の生活の中に健康づくりの仕組みや仕掛けを取り込んでいく必要があると考えております。デジタル地域通貨のプラットフォームを活用した健康ポイントを導入する際には、疾病予防や健康づくりの効果測定ができるよう、データヘルスによる取組手法を検討してまいります。また、健康ポイントをインセンティブとした口腔ケアを促す仕掛けについても検討してまいります。
次に、新北口駅前エリア再整備事業についてで、事業手法についての御質問です。新北口駅前エリアの事業手法につきましては、新北口駅前エリア再整備事業計画に基づいて、事業を総合的かつ計画的に推進するため、市街地再開発事業による整備として検討を進めてまいりました。現在地価の上昇によって区の従前資産評価は増となっていますが、区としては、これまでどおり、新区役所整備などの財源の確保、まちづくりの考え方に基づく施設の機能誘導、他の地権者との合意形成といった視点から、事業手法の選択は適切であったと考えております。
次に、従前従後の資産についての御質問です。今定例会では財産処分の議案提出を予定しておりまして、これは、議決を頂いた上で、現庁舎の一部を権利変換せずに転出する申出を行うためのものであります。審査に当たっては、区関連資産の状況もお示しする予定であります。最終的な従前従後資産は、権利変換計画を区として同意した後、同計画の申請、認可を経て定まるものでありまして、令和7年1月頃の認可を目標に進めております。再開発事業の事業収支が悪化した場合は、様々な工夫を行うなど、施行予定者の責任において対応していくことを求めていく考えであります。
次に、区の権利床の活用方法についてであります。権利変換認可後、区が所有する事務所床については、区以外が所有する事務所床と同じマスターリース形式での運用に向けて、具体的な協議を進めてまいります。展望施設やバンケット、コンベンションセンター、子どもの屋内遊び場につきましては、民間事業者のノウハウを最大限に生かす必要があると考えております。適宜検討状況をお示しし、御意見を頂きながら、建物竣工の3年前、令和8年度頃までには、運営の方法や条件を決めて、必要な制度を構築したいと考えております。
次に、連続立体交差化の早期実現に向けた取組についてでございます。昨年11月に、知事との意見交換の場において、私自らが野方以西の連続立体交差事業の早期事業化について要望いたしました。その際、東京都からは、区、鉄道事業者としっかり連携して事業化に向けて取り組んでまいりたいと回答いただきました。引き続き、区としては、東京都と意見交換を行いながら、連続立体交差化の早期実現に向けて強い決意を持って取り組んでまいります。
〔教育長入野貴美子登壇〕
○教育長(入野貴美子) 私からは、中学校部活動の地域移行のモデルケースについてお答えいたします。
ダンス部につきましては、今年度、指導室が各学校の生徒、保護者、教員を対象に実施した部活動に関するアンケートにおいて生徒たちから立ち上げの希望が多かったものでありまして、令和6年度には部活動の地域移行のモデルケースとして活動できるよう検討を進めているところでございます。部活動の地域移行に当たりましては、子どもたちのニーズに合った専門性や資質、能力を有するのみならず、生徒の安全面や健康面にも配慮できる方たちのお力が必要でありますので、中野区の人材の確保について、現在検討しているところでございます。
〔総務部長濵口求登壇〕
○総務部長(濵口求) 私からは、職員のコスト意識を高める取組についてお答えいたします。
持続可能な組織運営においては、限りある経営資源をいかに効率的に活用して効果的な成果を生み出すかという職員の高いコスト意識が求められていると考えてございます。現在策定中の人材育成計画においても、効率的、効果的な仕事の考え方や業務の進め方など意識や思考の変革につなげる取組を考えており、コスト感覚を有した職員の育成を組織的に進めてまいります。
〔文化・産業振興担当部長高村和哉登壇〕
○文化・産業振興担当部長(高村和哉) 私からは、まず、文化振興やブランディングとして成功した事例についてお答えいたします。
文化芸術やコンテンツを通じたシティプロモーションなど、中野のイメージアップにつながり、また、波及効果のある取組が展開しつつあると考えております。数例を挙げると、中野駅北口駅前広場に制作した壁画が評判となり、企業からの寄附を得て区内で5か所の壁画を制作したナカノミライプロジェクトは、今後、民間事業者が主体となって身近に触れられる壁画が制作される見込みでございます。また、事業者と区の連携により中野を元気にする企画とその発信を行っているナカノミライプロジェクトは、参加企業が年々増え、次年度は、中野をアピールするショートフィルムの制作とフィルムコンテストの実施へと展開する予定でございます。このほか中野区観光協会などによるアニメコンテンツを活用した区内の回遊企画が実施される予定であるなど、さらなる発展が期待できるものと考えてございます。
最後に、踊りのまちとしてのアピールについてでございます。中野区では、子どもたちや学生による各種ダンスが盛んである一方、日本舞踊、バレエ、モダンダンス、盆踊り、エイサーをはじめ幅広いジャンルの踊りが多くの方に親しまれております。また、ジャンルによっては世界レベルの踊り手がいることから、踊りは中野のアピールポイントになるものと認識してございます。新年度には区役所新庁舎1階のイベントスペースでのダンスイベントの企画も検討されており、また、踊りは、音楽や映像をはじめ親和性の高いものが多く、コラボ企画など様々な可能性があると考えてございます。(仮称)NAKANOサンプラザシティにおける大規模イベントの実施も見据えながら、様々な団体や事業者との連携により、踊りに関する企画の実施や支援、情報発信にさらに努め、踊りのまち中野をアピールしてまいります。
〔加藤たくま議員登壇〕
○11番(加藤たくま) 西武新宿線の連続立体交差について再質問させていただきます。
来年度予算とか主な取組の中で横断施設をどういうふうにつくるかという検討をするわけですけれども、質問でもさせていただきましたけれども、西武新宿線本体のほうが地下化するのか高架化するのかが決まらないと横断施設の仕様も決まってこないということで、その覚悟を、どうするのかというのを一、二年で決める覚悟がおありかという質問に対して、ちょっとそれに対しての答弁ではなかったというふうに思いますので、改めて質問させていただきます。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 加藤議員の再質問にお答えいたします。
高架式か地下化かという構造形式について決める権限というか、決めるのは東京都でございます。区としては、それが決まることを前提にいろんな準備を進めているわけでございますけれども、この一、二年で構造形式の決定が進むように、強く申入れをしていきたいと考えております。
○議長(酒井たくや) 以上で加藤たくま議員の質問は終わります。