【質問通告】
1 中野区実施計画について
2 財政フレームについて
3 中野区デジタル地域通貨事業について
4 子どもの生活実態調査の結果を踏まえた子育て支援体制について
【概要】
1.中野区実施計画について
10月の決算特別委員会で、R3策定「中野区基本計画」における112の成果指標の中間報告で、低下した指標は40(36%)あり、区政の一部停滞・後退が明らかになった。
原因を究明すると、中野区の最上位計画である同計画は無視されいたことがわかった。
今後は同計画をお飾りにせずに、自ら掲げた目標達成のために努力していただくほかない。
また、どうやっても達成が困難である指標が散見された。
例えば、成果指標「感染症の予防を心がけている人の割合」はコロナピーク時に設定されたため、今後上昇させることは困難。」
このような成果指標が設定される理由は、計画策定時に慌てて、使えそうな指標を探すため。
本来であれば、じっくりと成果指標となる指標を作る必要がある。
しかし、多くは手ごろな中野区区民意識・実態調査から選ばれる。
同調査は、継続性重視のため時代錯誤なものもある。
また、調査する年によって、回答者の世代分布が全く異なるにも関わらず、調整されないため、若者世代の割合次第で結果が大きく変わるなどの問題が判明。
成果指標となるアンケートについて改良をすべきである。
区民意識調査以外を成果指標とする事例で、保育所の調査にある「「中野区保育の質ガイドライン」を知っている保護者のうち、ガイドラインが教育・保育に役立てられていると感じる保護者の割合」がある。
ガイドラインを知らない人は母数から削除、知っている方も役立てられているかまではわからない。
指標にするならば、同調査の「現在利用している施設等における教育・保育の内容について、満足していますか」を採用する方がシンプル。
保育の質ガイドラインはあくまで手段であり、施設に満足しているかという目的を指標にすべきです。
今後、成果指標の設定には合理的なものを求める。
2.財政フレームについて
施設関連経費が物価高騰のみならず、区民ニーズによって年々増加しているため、その抑止のため、戦略を練るべき。
アゴラに詳細を
https://agora-web.jp/archives/231222065110.html
3.中野区デジタル地域通貨事業について
中野区民・店舗、双方にメリットが出てくるアプリの開発が求められる。
また区内経済の活性化のみを目的とするのではなく、アプリを活用して、全庁的な政策・施策を推進できるように構築段階から拡張性のある仕様にすべき。
先日、我が自民党会派は新潟県見附市のスマートウェルネスについて視察した。
に伺った。
見附市はスマートウェルネスシティ首長研究会という全国123自治体が加盟する団体のチャーターメンバー。
http://www.swc.jp/
同市ではスマートウェルネス施策として、健幸ポイント事業を実施。
同事業では、特に歩くことを推奨しており、国土交通省「まちづくりにおける健康増進効果を把握するための歩行量(歩数)調査のガイドライン(https://www.mlit.go.jp/common/001186372.pdf)」に示される一歩当たりの医療費抑制効果0.065円から0.072円を参考に、今よりも1500歩多く歩くことを目指す。
一日1500歩の歩行で一人当たり年間約3万5千円の医療費相当が抑制できると推定し、毎日8000歩歩いた人に年間6000ポイントを付与している。
結果的に医療費・介護費が抑制され、行政コストである国民健康保険・介護保険事業会計への繰り出し金の抑制につながったとのこと。
中野区のデジタル地域通貨事業のプラットフォームにおいて、スマートフォンの歩数カウント機能と連動できれば、見附市のような健康ポイントを効率よく付与できると考える。
R5第2回定例会において、地域活動ポイントの導入について質問した際に「地域活動に対するポイント付与は、地域活動の活性化に向けた仕掛けとして有効であり、デジタル地域通貨の導入に合わせて組み込んでいくのが効率的かつ効果的である」との答弁だが、着実に進めて欲しい。
構想段階から、利用者視点で事業の組み立てを。
GPS機能を活用すれば、利用者が、いつ、どこを歩くのか、情報を分析し、観光やウォーカブルなまちづくり施策の展開にも生かせる。個人情報や家族情報と連動できれば、子育てに関する情報などをプッシュ通知できるなど区民と区をつなぐよいツールになる。
4.子どもの生活実態調査の結果を踏まえた子育て支援体制について
東京都立大学の子ども・若者貧困研究センターが中野区内の高校2年生年齢の子どもに対して行った令和4年度子どもの生活実態調査の報告書が先の定例会で示され、調査結果はエビデンスに基づく政策の一助となると考える。
https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/kusei/toukei-cyousa/survey/kosodate/kosodate.html
同調査が定義する生活困難度は、子どもの生活における生活困難を三つの要素「①低所得、②家計の逼迫、③子どもの体験や所有物の欠如」から捉えており、この三要素のうち、二つ以上該当する世帯を「困窮層」、一つのみ該当する世帯を「周辺層」、どれにも該当しない世帯を「一般層」と分類。
一つ目の低所得は世帯所得が142.9万円を下回るか否か、
二つ目は家計の逼迫で、経済的な理由による光熱費、家賃などの滞納、必要品が買えなかった経験があったか、
三つ目の子どもの体験や所有物の欠如は子どもと過去一年間において「海水浴、博物館」などに行ったか、また「お小遣いをあげた、家族旅行に行った」などの経験があるか、また「子どもの年齢にあった本、スポーツ用品・おもちゃ、子どもが自宅で宿題することができる場所」を提供できたかが問われる。
結果より、ヤングケアラーについて。
毎日4時間以上、家事や育児、介護等に該当する活動を行っている「子どもをヤングケアラー」と定義した場合、家事は1.2%、弟や妹の世話は0.4%、父母・祖父母などの家族の介護・看病および家族の通訳や手続きの手伝いは0%で、最大値をとると合計1.6%で、65人に一人という結果。
厚生労働省の令和2年度の調査結果では、全日制の高校で24人に一人がヤングケアラーであり、本調査の方が低い割合。
ちなみによく聞く17人に一人という数字は中学生のこと。
国の調査の数字との違いを分析する必要がある。
子どもの経験・体験について。
子どもに過去1年間にさせた体験として、困窮層の48.1%が金銭的な理由で「キャンプやバーベキューに行くことができない」と回答しているほか、「習い事、学習塾に通わせる」、「1年に1回くらいの家族旅行」についても家庭の状況により差が生じている。
我が会派は「海での体験事業」、「中学校総合体育大会連合陸上競技大会」の国立競技場での実施など、生活困窮度に関係ないプライスレスな経験ができる事業を提案・実現した。
また、小6から中3対象の「学習支援事業」の拡充を求め、今年度から小5まで、今後小4までとなる予定。
今後も推進を。
子どもが「自分の部屋」と「家の中で勉強ができる場所」を持ちたいがないと回答は25%程度で生活困難度別には困窮・周辺層が多い。
私は大学受験のときに毎日、150人くらいが座れる机と椅子だけの大部屋がある杉並区の高円寺図書館に行っていた。
利用者はほぼ受験・資格試験の勉強をされている方。
区が机と椅子だけ用意するだけで、子ども達の居場所になる。
区はこのような世帯に寄り添える政策をさらに進めるべき。
子どもの進学について。
「進学予定はない・分からない」と答えた子どもに進学しない理由は32%が経済的な問題。
この理由は親ではなく、子どもが答えたもの。
3割の子どもは世帯の経済状況をみて大学へ進学しない方向性を答える。
教育費は非常に重要な問題である。
少しケースは異なるが、私は学生時代に奨学金制度を活用し、大学・大学院を卒業しました。
博士課程まで進学したため、奨学金をもらう期間は5年間におよび、借金総額は1000万円まで到達し、今でも奨学金3万円を毎月返還しており、残り2年間ある。
当時、博士課程まで進学した仲間たちとは、1000万円プレイヤーだなと苦笑いし、不安を抱えながらも未来は明るいと信じ頑張っている。
自分の人生に投資するといえば、聞こえはいいですが、投資行為はある意味ギャンブルで、借金をしてまで投資をしているわけです。
私自身、返済が大変厳しい時期があり、一年間返還を延期した年もあった。
住宅ローンを組む際にもハードルのひとつとなる。
教育費の問題は行政がある程度担えないのか期待するところ。
私は令和4年決算特別委員会において、今から子どもが欲しいと思う家庭の金銭的な不安を取り除くセーフティネットとして、奨学金制度の創設を提案。
https://agora-web.jp/archives/221012014642.html
傾向から日本の人口維持には、子どもがいる世帯にさらに産んでいただくほかないが、第三子以降の教育費は厳しい世帯は相当数いる。
経済的な不安を取り除き、もっと子どもを産んでもいいと思える環境を整備のため、区財政を考え現実的なラインとして3人目以降を対象とした奨学金の制度設計を願いたい。
【議事録】
○議長(酒井たくや) 次に、加藤たくま議員。
〔加藤たくま議員登壇〕
○11番(加藤たくま) 自由民主党議員団の立場から一般質問させていただきます。
1、中野区実施計画について。
本件については、さきの定例会の決算特別委員会総括質疑で取り上げましたが、改めて違った切り口から質問させていただきます。
令和3年に策定された中野区基本計画には112の成果指標が設定されており、令和5年7月の委員会において、その中間報告が行われました。成果指標のうち、計画策定時から低下した指標は40、全体の36%であり、区政の一部停滞・後退が明らかになりました。
そこで、総括質疑において、成果指標がマイナスになった理由と今後の展開について質疑をしました。恐ろしいことに、そもそも中野区基本計画と照らし合わせて予算編成をしていないということが明らかになりました。最上位計画である中野区基本計画を無視した区政運営でした。今後は、自ら掲げた目標達成のため努力していただくほかありません。
例えば、低下している成果指標に「地域包括支援センターを身近に感じる人の割合(50歳代以上)」があります。さきの定例会の厚生委員会で、現状として地域包括支援センターの人員体制の見直しが必要であり、人員配置に関する条例改正をする考えが示されました。予算の増額が唯一の答えなのか現時点では分かりませんが、成果指標の目標達成に向けた改善策を立てたということは、成果指標が有効に使われていると考えます。
しかし、どうやっても達成が困難である指標が散見されました。例えば、成果指標「感染症の予防を心がけている人の割合」は、基本計画策定時の値がコロナ禍だからこそピークで、メディアからも感染症に関する警戒がなくなり、下がっていく指標です。成果指標の設定が、基本計画策定時に慌てて使えそうな指標を探すために、このような結果を招いていると考えます。
本来であれば、じっくりと成果指標となる指標を作る必要がありますが、多くは手頃な中野区区民意識・実態調査から選ばれております。区民意識・実態調査は、継続性を重視するがあまり、時代に合っていない設問があります。また、調査する年によって回答者の世代分布が全く異なるにもかかわらず、調整されないまま、若者世代の割合次第で結果が大きく変わるなどの問題が判明しました。
前例踏襲主義の役所文化において、中野区区民意識・実態調査で継続性を維持したい気持ちも理解できなくもありませんが、新たな時代に向け区政を前進させていくためには、新たな設問も加えるべきと考えます。しかし、急激にアンケート内容を変更することは困難であり、現行の区民意識・実態調査と並行して新たな調査を始めることも一案かと考えます。方法は要検討ですけれども、区民意識・実態調査の内容を改定すべきと考えますが、区の見解をお伺いします。
区民意識・実態調査以外も成果指標として使っております。例えば、子育て施策の成果指標に、保護者満足度調査にある「「中野区保育の質ガイドライン」を知っている保護者のうち、ガイドラインが教育・保育に役立てられていると感じる保護者の割合」があります。保育の質ガイドラインを知らない人がその対象から外れる理由が分からなければ、知っている方も役立てられているかまで分からない、非常に難解な指標です。指標にするならば、同調査にあります「現在利用している施設等における教育・保育の内容について、満足していますか」を採用する方がシンプルです。保育の質ガイドラインはあくまで手段であり、施設に満足しているかという目的を指標にすべきです。
中野区実施計画では、合理的ではない成果指標を変更すべきと考えますが、区の見解をお伺いいたします。
今回の質問を受けて、中野区実施計画の抜本的な内容変更がなされることを期待いたしませんが、次期中野区基本計画においては、指摘事項の反映をお願いしまして、この項の質問を終えます。
2、財政フレームについて。
中野区基本計画の10年間の財政フレームでは、基本計画の前期2年間、後期3年間、次期基本計画の5年間、それぞれの合計値が示されるも、各年度の具体的な数値は分かりません。しかし、さきの定例会で報告された中野区実施計画(素案)においては、残り3年間の各年度のそれぞれの財政フレームが示されました。
中野区実施計画の財政フレームには存在し、当初予算の概要で示される財政フレームにはない指標があります。新規・拡充等事業の内数にあります施設関連経費という項目です。私が再三、財政フレームに入れるべきだと申し上げている項目です。
施設関連経費は大きな金額である上に、年度によって大きく変化するため、その内訳を明確に示すべきにもかかわらず、予算上、非常に見えづらい数値であります。今年度の予算は、新区役所整備費により大きく金額を伸ばし、前年度に比べて約377億円、23.9%の増の約1,956億円となりました。
うち、投資的経費の増額は349億円でした。この投資的経費のうち、一般財源がどの程度なのか、とにかく分かりづらいです。中長期的にも必要な投資的経費の一般財源と特別財源の内訳も分からないまま財政を議論しても空虚であると、ずっと考えておりました。ところが、中野区実施計画では、単年度ごとの施設関連経費が示されたことから、これからは、今後10年間の財政フレームにおいても施設関連経費を示すことができると考えますが、区の見解をお伺いします。
予算上、一般財源において施設関連経費が記載されなければ、計画的な施設計画ができるのかを判断し難いです。中野区は、以前、コロナ禍で歳入の大幅な減少を危惧し、鍋横区民活動センター、中野本郷小学校の設計を延期し、整備まで3年以上の遅れが生じております。このような事態のために、財政調整基金の年度間調整分を充てることもあり得たわけですが、判断できる数値は示されることもなく、行政側の判断で延期となりました。
施設関連経費を財政フレームに記載するのであれば、中野区区有施設整備計画に試算されている施設更新経費の試算結果を財政フレームに当てはめれば、非常に明解となります。中野区区有施設整備計画の施設更新費の試算結果で、今後20年間平均97億円との結果です。この金額を基準に、施設関連経費の財源を一般財源、基金、起債のバランスを考えます。
例えば、ある年の施設関連経費が50億円だとしたとき、97億円引く50億円の47億円は、基金として積み立てる。ある年は、例えば施設関連経費150億円かかるのであれば、150億円引く97億円の53億円は基金、起債から賄うといった、シンプルな財政運営が可能となると思います。新規・拡充等事業の経費の内訳はブラックボックスでしたが、施設関連経費を抽出するだけで、財政運営が理解しやすいものとなります。
ところで、今、20年間平均97億円と言いましたが、到底この金額では収まらない物価高騰があります。令和3年度に策定された中野区基本計画の財政フレームで、次期基本計画5年間の施設関連経費が407億円でありましたが、先ほど紹介しました実施計画(素案)では641億円に増額しました。物価高騰で1.57倍の上昇となっております。単純計算で、20年間の平均97億円掛ける物価高騰1.57倍を掛けますと、20年間平均は152億円となります。
そして、さらなる問題があります。施設更新経費の試算条件は、建物の更新は現在と同じ延べ床面積で更新すると仮定しています。今、小学校、区民活動センターなどで大規模改修をして、面積を維持、減少させている、もしくはその予定の施設があるでしょうか。そう考えると、倍率はさらに増えることは間違いありません。起債をする際に、世代間負担の公平化を図ると言い訳をしますけれども、オーバースペックの施設の建設は、次世代に大きな負担となります。区有施設整備計画において、総延べ床面積の考え方としては、総延べ床面積の縮減を図ると書いてありますが、区としてボリュームコントロールをしている様子は見受けられません。
そこで、どの部署が、どのようにして、総延べ床面積の増加の抑制を行っていくのか、伺います。
先日、総務委員会の地方都市行政視察で、名古屋市のアセットマネジメントを伺いました。2020年から2050年までの30年間に人口が6%減少、生産年齢人口の割合低下も踏まえた財政の観点から、一般施設を同30年間で、人口減少よりも多めの延べ床面積8%の減少の方向性を示しております。施設の維持管理は、あくまで財政状況で考えているわけであります。
中野区においても、総延べ床面積の縮減を図るという文言にとどめるのではなく、具体的な数字を示し、そこへ向けた施設の再編計画を策定すべきと考えますが、区の見解を伺います。
もしボリューム増を了とするのであれば、区有施設整備計画に将来資産は現在と同じ延べ床面積との仮定をやめて試算しなければ、財政フレームが組めません。
また、施設利用の考えを改める必要があると思います。現在空室がかなりありますが、規制緩和により空室を埋め、それでも部屋が足りなければ、再整備に合わせて面積を広げる判断をすべきです。やるべきことをやっておりません。前定例会の白井議員の一般質問において、区民活動センターの集会室における飲食を可能とすべきとの御提案に、実施との答弁でありました。ほかに利用率を上げるためにも、例えば区民活動センターの集会室の利用について、1週間前くらいに空室があれば、特例措置の緩和などを行い、ビジネスの会議くらいならば使えるよう、利用の門戸を広げるなどの工夫が必要だと考えますが、区の見解をお伺いします。
話を財政フレームに戻しますが、仮に全ての経費が、来年度、主な取組に入り、新規・拡充等事業の経費となれば、テクニカル的には財政フレームにおける事業の経常経費である一般事業費をゼロとすることが、さきの定例会で明らかになりました。となると、一般事業費と新規・拡充等事業の経費の線引きが曖昧であり、一般事業費を抑え込むために無理やり推進事業に変更すれば、見かけ上は一般事業費を抑え込むことができます。
そういった財政フレームに意味があるのか疑問があり、真の意味での一般事業費の抑制ができるとは思えません。一般事業費と新規・拡充等事業の経費の考え方について伺います。
新規・拡充等事業の考え方をしっかりと定義付け、計画に沿った確固とした施設関連経費を基礎とする投資的経費の資金スキームこそが財政フレームの根本となり、持続可能な財政運営の礎になると考えます。区の財政フレームに関する認識を伺い、この項の質問を終えます。
3、中野区デジタル地域通貨事業について。
中野区でデジタル地域通貨の検討を進めているということですが、大手決済事業者がある中で、新たに構築したアプリケーションが、どれだけ区民にメリットがあるものとして受け止められ、インストールしてもらうことができるのか、魅力ある事業を構築できるかが、中野区内の経済活性化に向けた鍵だと考えます。
これまで物価高騰対策の一環として、一昨年、昨年、今年度は12月から実施予定ですけれども、3年間にわたりキャッシュレス決済ポイント還元事業を実施してきましたが、これまでの事業とデジタル地域通貨事業の違いはどのようなものになるか、伺います。
大手決済事業者を利用するか、独自の決済手段を構築するかの差があるにせよ、経済対策として実施するのであれば、中野区内の店舗がメリットを享受できるスキームにする必要があろうかと思いますが、デジタル地域通貨を導入した場合、店舗側のメリットはどのようなものになるか、伺います。
利用可能な店舗が多くなければ、利用者も増えません。利用可能店舗の開拓、拡大のために、どのような視点を持ってこの事業を進めていくのでしょうか。一方で、利用者がいなければ、導入店舗も広がっていきません。利用者を増やすための取組と併せて伺います。
デジタル地域通貨事業の導入に当たり、区内経済の活性化のみを目的として導入するのではなく、アプリケーションを活用して全庁的な政策・施策を推進できるように、デジタル地域通貨の構築段階から、拡張性のある仕様になることを期待します。
例といたしまして、健康施策、地域活動に関する活用について伺います。
まず、健康施策。先日、我が自由民主党会派は、新潟県見附市のスマートウエルネスについて視察を行いました。見附市は、スマートウエルネスシティ首長研究会という、全国123自治体が加盟する団体のチャーターメンバーです。研究会設立時の共同宣言で、プロジェクトの目的として、ウエルネスをこれからのまちづくりの中核に捉え、健康に関心のある層だけが参加するこれまでの政策から脱却し、市民誰もが参加し、生活習慣病予防及び寝たきり予防を可能とするまちづくりを目指す。そのために、科学的根拠に基づき、市民の健康状態の改善が実証された健康まちづくり政策を、自治体間の連携によって、3年をめどに推進していこうというものであります。
見附市では、スマートウエルネス施策として、「健幸ポイント事業」を実施しております。この事業は、市民の健康づくりを応援し、地域を活性化することを目的とした事業で、歩数や健康づくり事業への参加、健康診断の受診、ダイエットや筋肉増加といった健康に資する活動を行った市民に対し、ポイントを付与する事業です。
特に歩くことを推奨しておりまして、国土交通省、まちづくりにおける健康増進効果を把握するための歩行量調査のガイドラインに示されております、一歩当たりの医療費抑制効果が0.065円から0.072円を参考に、今よりも1,500歩多く歩くことを目指すことで、1人当たり年間約3万5,000円の医療費相当が抑制できると推定し、毎日8,000歩以上歩いた人に、年間6,000ポイントを付与しております。結果的に医療費、介護費が抑制され、行政コストである国民健康保険、介護保険事業会計の繰出金の抑制につながったということです。
中野区のデジタル地域通貨のプラットフォームにおいて、スマートフォンの歩数カウント機能と連動できれば、見附市のような健康ポイントを効率よく付与できると考えますが、区の見解をお伺いします。
ところで、中野区もスマートウエルネスシティ首長研究会に2014年から加盟しているようですが、これまで一切報告がありません。現在の中野区のスマートウエルネスに関わる取組状況について伺います。
続いて、地域活動について。今年の第2回定例会において、地域活動ポイントの導入について質問した際に、地域活動に対するポイントは、地域活動の活性化に向けた仕掛けとして有効であり、デジタル地域通貨の導入に合わせて組み込んでいくのが効率的かつ効果的であると御答弁いただきました。デジタル地域通貨事業の検討が進んでいく中、地域活動ポイントの取組や地域活動活性化モデルの現在の検討状況について伺います。
プラットフォームを構築する段階から、利用者視点に立ち事業を組み立てるべきです。例えば、GPS機能が使える仕様であれば、利用者がいつ、どこを歩くのか情報を分析し、観光やウオーカブルなまちづくりの施策の展開にも生かせ、個人情報や家族情報と連動できれば、子育てに関する情報など、利用者個人に合わせた情報をプッシュ通知することが可能となり、区民と区をつなぐよいツールになると考えます。コミュニティポイントを様々な施策とひも付けて効果的な展開ができるよう、事業者提案させるべきと考えますが、それについて伺いまして、この項の質問を終えます。
4、子どもの生活実態調査の結果を踏まえた子育て支援体制について。
東京都立大学の子ども・若者貧困研究センターが、中野区内の高校2年生年齢の子どもに対して行った令和4年度子どもの生活実態調査の報告書がさきの定例会で示され、調査結果はエビデンスに基づく政策の一助になると考えます。
この調査の前提には、生活困難度というものがあります。生活困難度は、子どもの生活における三大困難を三つの要素、1、低所得、2、家計の逼迫、3、子どもの体験や所有物の欠如から捉えており、その3要素のうち二つ以上該当する世帯を困窮層、一つのみ該当する世帯を周辺層、どれにも該当しない世帯を一般層と分類しております。
低所得は、世帯所得が142万9,000円を下回るかどうか。二つ目は家計の逼迫で、経済的な理由により、光熱費、家賃などの滞納、必要品が買えなかった経験があったか。三つ目の子どもの体験や所有物の欠如は、子どもと過去1年において、海水浴、博物館などに行ったかどうか、また、お小遣いをあげたか、家族旅行に行ったかなどの経験、また、子どもの年齢に合った本、スポーツ用品、おもちゃ、子どもが自宅で宿題をすることができる場所を提供できたかどうか、全15項目のうち、経済的理由で三つ以上該当するかが問われます。
発送数1,664通で、有効回答数は分析上512サンプルで、有効回答率は30.8%でした。調査結果で、興味深いものについて幾つか取り上げさせていただきます。子どもの様々な所有物の所有率は、生活困難度別で差はありましたけれども、スマートフォンには差がありません。スマートフォンを所有したい人はほとんど所有しているということから、高校生に対する政策を検討する場合、スマホの活用が有効と考えられます。
また、生活の楽しさについて10点満点で尋ね、5以上と回答した率は83.3%で、生活困難度との相関性はなく、悩み事は生活困難度別に異なる可能性が示唆されます。例えばアルバイトの場合は、一般層16.3%に対して、33.8%の2倍程度である困窮層、周辺層は、生活のためにアルバイトをせざるを得ない可能性があり、就労の悩みがある可能性があり、一般層においては大学受験などの悩みがあるかもしれません。どの環境でも楽しさ、悩みがあることは参考になりますし、注意すべき結果であります。
また、ヤングケアラーについて、毎日4時間以上、家事や育児、介護等に該当する活動を行っている子どもをヤングケアラーと定義した場合、家事は1.2%、弟や妹の世話は0.4%、父母・祖父母などの家族の介護・看病及び家族の通訳や手続の手伝いは0%で、最大値を取ると合計1.6%、65人に1人という結果です。厚生労働省の令和2年度の調査結果では、全日制の高校では24人に1人がヤングケアラーであり、本調査のほうが低い割合です。ちなみに、よく聞く17人に1人というのは、中学生のことです。国の調査は、全国の高校6万8,000人にアンケートを送付し、7,407人の回答、回答率は約11%です。双方のアンケートの回答率などを総合的に勘案すれば、都立大学の調査のほうが精度高く実態を捉えていると考えられます。
となりますと、65人に1人と、24人に1人という差は、都市部特有のものだとすれば、今後、ヤングケアラー対策を中野区がそのまま実施することは、政策として見誤りがある可能性があります。そこで、国の調査の数字との違いをどう分析しているか、見解を伺います。
子どもの経験・体験について、子どもに過去1年にさせた体験として、困窮層の48.1%が金銭的な理由でキャンプやバーベキューに行くことができないと回答しているほか、習い事、学習塾に通わせる、1年に1回くらいの家族旅行についても、家庭の状況より差が生じております。
我が会派としましては、これまで、海の体験事業、中学校総合体育大会連合陸上競技大会の国立競技場での実施などを提案し、生活困窮度に関係ないプライスレスな体験・経験ができる事業の実現をしてきました。また、小学校6年生から中学校3年生を対象にしていた学習支援事業についても拡充を求め、今年度から小学校5年生まで、今後小学校4年生までの拡充が予定されております。
このように、子どもの経験・体験の機会の拡充を進めてきましたが、区は、今回の調査結果を踏まえて、どのように子どもの経験・体験に関する施策を進めていくのか、見解をお伺いします。
子どもの住居の重要な要素である自分の部屋と自分の家の中で勉強ができる場所を持ちたいが持っていないと回答したのは25%で、生活困難度別に困窮・周辺層が多いという結果です。私は大学受験のときに、毎日、お隣、杉並区の高円寺図書館に行っておりました。その図書館は、机と椅子だけの大部屋があり、150人ぐらいが座れ、利用者はほぼ受験、資格試験の勉強をされている方でした。区が机と椅子だけ用意するだけでも、子どもたちの居場所になります。区はこのような世帯に寄り添える政策をさらに進めるべきと考えますが、見解を伺います。
子どもの進学について、進学予定はない、分からないと答えた子どもに、進学しない理由を聞くと、32%が経済的な問題を挙げています。親ではなく、子どもが答えたものです。3割の子どもが世帯の経済状況を見て、大学へ進学しないと方向性を答えるわけです。教育費は非常に重要な問題であります。
少しケースは異なりますけれども、私も、学生時代に奨学金制度を活用しまして、大学、大学院を卒業しました。博士課程まで進学したために、奨学金をもらう期間は5年間に及び、借金総額は1,000万円まで到達し、今でも奨学金3万円を毎月返還しております。残り2年間あります。
当時、博士課程まで進学した仲間たちとは「1,000万円プレーヤーだな」などと苦笑いし、不安を抱えながらも、明るい未来はあると信じて頑張っております。自分の人生に投資するといえば聞こえはいいですが、投資行為はある意味ギャンブルで、借金をしてまで投資をするわけです。私自身、返済が大変厳しい時期があり、1年間返還を延期した年もありました。住宅ローンを組む際にもハードルの一つとなります。
教育費の問題は、行政がある程度担えないか期待するところであります。私は、令和4年決算特別委員会において、今から子どもが欲しいと思う家庭の金銭的な不安を取り除くセーフティネットとして、奨学金制度の創設を提案しました。
その際にも取り上げましたが、社会保障・人口問題研究所の18歳から34歳までの未婚の方への調査で、一生結婚するつもりはないという人の割合は、2000年代に入って増加傾向が続き、男性が6年前から5.3ポイント伸ばし17.3%、女性は6.6ポイント伸ばし14.6%となり、34歳以下で一生結婚するつもりはないと決断する人が増えております。また、結婚願望があっても結婚に至らない場合もあるため、未婚率は相当高くなるでしょう。
日本の人口維持には、子どもがいる世帯にさらに産んでいただくほかありません。しかし、教育費を考えると、3人目以降の子どもは厳しいと考える世帯は相当数いると考えます。経済的な不安を取り除き、もっと子どもを産んでもいいと思える環境の整備のため、区財政を踏まえると、現実的なラインとして、3人目以降を対象とした奨学金の制度設計でもよいと考えます。今回の調査結果を踏まえた区の見解を伺いまして、私の全ての質問を終えます。御清聴ありがとうございました。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 加藤議員の御質問にお答えいたします。
初めに、区民意識・実態調査の内容についてです。中野区区民意識・実態調査は、年1回、2,000人の区民を対象とし、区民意識と実態の変化を把握し、広く公表するとともに、今後の政策立案のエビデンスとして活用する目的で実施をしております。そのため、基本計画の成果指標など、現行施策の達成度を測る質問を行う一方、社会情勢や地域課題を見据えた質問を加えるなど、設問の新陳代謝に努めております。例えば、昨年度の調査では、デジタル端末の利用状況やひきこもりについて、今年度はヤングケアラーの意味や自転車用ヘルメット着用実態等について新たな質問項目を設定しております。今後も、次期基本計画策定等も十分視野に入れて、区民意識・実態調査が区の施策の確かなエビデンスとなるよう努めてまいります。
次に、実施計画における成果指標についてです。基本計画で設定した成果指標については、施策の各取組を実施したことによる成果を数値で表すものとして設定したものであります。現在検討を進めている中野区実施計画における成果指標については、基本計画策定時からの制度変更等によって、同様の方法で数値を算出することが困難になったものについてのみ変更することとしております。来年度から検討を進めていく次期基本計画における成果指標については、現基本計画の状況や議会からの御意見も踏まえながら検討してまいります。
次に、財政フレームへの施設関連経費の掲載についてです。持続可能な財政運営を行うに当たって、議論することができるような財政フレームを示すことが必要だと考えております。施設関連経費につきましては、今後の財政フレームにおいてより分かりやすく示してまいります。
次に、区有施設の総延べ床面積についてでございます。区有施設整備計画では、改築は原則として従来施設から延べ床面積を増加させないこと、新たな施設サービスの実施に当たり施設整備が必要な場合は、他の施設の併設や廃止施設の転用を検討すること、未利用施設の売却を検討することなどによって、総床面積の増加を抑制していくものとしております。総床面積については、企画部が中心となって把握や調整をしていく考えでございます。
次に、総延べ床面積の削減目標についてです。長期的には、将来の区の人口減少、サービス概要の変化などを見据えて、適正な施設規模の検討、区有施設の見直しや再編を行っていく必要があると認識しておりますが、具体的な目標値を示すことについては、今後研究してまいります。
次に、区民活動センターの集会室の利用についての御質問です。現在、施設予約システムの導入を見据え、区民活動センター集会室の利用ルールを見直しておりまして、区民の活動や交流促進に向け、利用要件の緩和や改善を図ってまいります。飲食を伴う利用についても、区民活動センター運営委員会の合意が得られ次第、運用開始をしてまいります。
次に、一般事業費と新規・拡充等事業の経費の考え方についてです。一般事業費は、義務的経費を除いた事業の経常経費について計上しております。新規・拡充等事業は、実施に当たって政策的な判断を要する事業や臨時的な事業について計上しております。一般事業費と新規・拡充等事業の合計が当該年度の事業費になるものでありまして、いずれの経費についてもエビデンスを基にした分析により適切な需要推計を行い、計上しているものであります。
次に、中野区デジタル地域通貨事業についてで、キャッシュレス決済ポイント還元事業との違いについてです。大手決済事業者によるキャッシュレス決済ポイント還元事業は、買物などで支払った金額に応じてポイントが付与される仕組みでありまして、そのポイントは地域にかかわらず買物や特典と交換できるものであります。一方、デジタル地域通貨は、特定の地域やコミュニティでのみ使用できる電子通貨でありまして、地域内での消費が促進され、地域経済の活性化につながるとともに、ボランティア活動やエコ活動、健康増進に寄与する行動などへポイントを付与し、獲得したポイントを地域内の買物や支払いなどに利用できるコミュニティポイントとして、自治体の施策を側面で促進することができる点が大きな違いであります。
次に、店舗側のメリットについてです。各店舗にとっては、大手決済事業者によるキャッシュレス決済ポイント還元事業と比べて、決済手数料や換金手数料の負担が縮減、軽減されます。また、利用者情報や流通経路のデータが入手できるため、店舗ごとの利用状況が把握しやすく、各店舗のマーケティング施策につなげられることも利点であります。さらに、地域内のみで流通する通貨であるため、当該店舗をリピートして利用することが期待できます。
次に、利用可能店舗や利用者を増やす取組についてでございます。これまで協議してきた中野区商店街連合会など区内経済団体と連携をして、各店舗へ様々な機会を通じて、デジタル地域通貨の仕組みや導入することのメリットを動画なども利用しながら、分かりやすく丁寧な説明を繰り返し行ってまいります。他方で、店舗、利用者双方にとって使い勝手のよいアプリケーションを構築することや、店舗側にとって過度な負担とならない手数料を設定していくことが不可欠であると認識をしております。一方、利用者を増やすためには、操作性が高く、使用感のあるアプリといたします。また、プレミアム通貨を発行するとともに、コミュニティポイントの付与や様々な支払いへの利用など、今後の可能性を分かりやすく示し、利用者にとってのメリットを明らかにしてまいります。さらに、通貨の名称やロゴのデザインを公募するなど、区民に愛着を持ってもらう工夫をしていきます。これらについて積極的に広報していきたいと考えております。
次に、スマートフォンと連動したプラットフォームについてです。他自治体において、地域通貨のプラットフォームを活用して、健康ポイントとひも付けた施策を実施している事例があることは認識をしているところであります。デジタル地域通貨の実施に当たっては、他のアプリなどのデジタルデータと連動が可能とするなど、使用感や拡張性を担保したプラットフォームの導入を検討してまいります。
次に、スマートウエルネスシティー(SWC)の取組状況についてです。これまで中野区もスマートウエルネスシティ首長研究会に参加をし、スマートウエルネスシティの理念を踏まえたまちづくりの実現に向けて検討を行ってきたところであります。今年度末に策定予定の中野区健康福祉総合推進計画の素案においても、スマートウエルネスシティの理念を踏まえ、産官学の連携を図りながら、健康づくり施策を推進するための基本的な、具体的な方策について検討することを明記したところであります。今後、デジタル地域通貨事業のプラットフォームを活用した健康ポイントの仕組みなど、先進事例を検証し、産官学の連携による健康づくり事業の実現に向けて検討を進めてまいります。
次に、地域活動ポイントについてです。地域活動ポイントは、地域活動を活性化させるツールとして有効であると考えておりまして、デジタル地域通貨のプラットフォームを活用した形での展開を検討しております。
私からは最後に、コミュニティポイントの展開に関する事業者提案についてです。区がデジタル地域通貨事業を導入する目的の一つは、区の政策、施策を側面的に推進することでありまして、コミュニティポイントの付与とその利用は必須であると考えております。デジタル地域通貨のプラットフォームを構築する段階から、様々なコミュニティポイントと連動できる仕様にすることを前提とするとともに、事業者からもコミュニティポイントとしての活用の提案も受けながら、庁内や関係団体等との検討を進めてまいります。
〔子ども家庭支援担当部長小田史子登壇〕
○子ども家庭支援担当部長(小田史子) 私からは、子どもの生活実態調査の結果を踏まえた子育て支援体制についての御質問にお答えさせていただきます。
初めに、ヤングケアラーの割合についてでございます。今回の区内の高校2年生年齢の子どもと保護者を対象とした実態調査と、令和2年度に厚生労働省が実施した調査では、ヤングケアラーの定義が異なるため、ケアを担っている子どもの割合に相違が見られたものと思っております。現在実施しております中野区ヤングケアラー実態調査の実施結果も含めまして、ヤングケアラーの実態把握を行ってまいります。
次に、子どもの経験・体験の機会の拡充についてでございます。子どもの経験・体験につきましては、家庭の経済状況等にかかわらず、多様な経験・体験を得て、豊かな人間性を育むことができる環境を整えることが重要であると認識してございます。本調査におきましても、家庭の生活困難度により差が見られますため、本調査の分析結果も踏まえ、子どもの経験・体験の機会の確保に向けて施策を充実していく考えでございます。
学習スペースの確保についての御質問でございます。子どもの学習環境につきましては、家庭の経済状況などによりまして学習の機会が奪われることがないよう、自宅以外で子どもが安心かつ集中して学習できる場所を確保することは重要であると認識しておりまして、可能な範囲で、児童館、区立図書館等の区有施設において、学習スペースとしての開放を進めてきたところでございます。本調査におきましても、家庭の生活困難度により差が見られるために、さらに取組を充実させてまいります。
最後に、奨学金制度の検討についての御質問でございます。本調査におきまして、子どもの成長に合わせて必要となる教育費が家計にとって大きな負担になっているなど、子どもの進学や就学に関する現状を把握することができました。本調査の分析結果を踏まえまして、奨学金制度を含め、進学や就学に向けた支援の在り方について、全庁的な検討を進めてまいります。
〔加藤たくま議員登壇〕
○11番(加藤たくま) 区有施設整備計画において、延べ床面積をこれ以上増やさないように縮減を図っていくというところの質疑に関しまして、再質問させていただきます。
区有施設整備計画の中で、面積をそのまま同じと仮定して試算がされているわけで、それで、今まで小学校を改築すると大体1.3倍ぐらいの延べ床面積が増えているかな。新しく鍋横区民活動センター、今出ていますけど、500平米から900平米ぐらいで、大体1.8倍ぐらいになっている。この中野区自体では、23区で比較すると、区民1人当たりの延べ床面積は下から2番目で、現状少ないというのであれば増やせばいいとは思うんですけども、そうすると、今度試算するときに、延べ床面積を増やした試算でやらないと、結局財政フレームに乗っけたときに、結果的に増えちゃいましたと、やっぱり大きいのにしますというのを繰り返していると、いつまでたっても将来的な、持続可能な経営というのが難しいと思うので、縮減を図っていくという、先ほど明言されておりましたけど、その辺のところを踏まえて、もう一度御答弁いただきたいと思います。
〔区長酒井直人登壇〕
○区長(酒井直人) 加藤議員の再質問にお答えいたします。総延べ床面積について縮減の目標を掲げておりますけれども、1個当たりの施設の面積が増えており、総計としてそれが増えていく傾向にあるということ、それについては認識をしているところでございます。今後の区の総延べ床面積についての考え方については、改めてこの現状を踏まえながら検討してまいりたいと思います。
○議長(酒井たくや) 以上で加藤たくま議員の質問は終わります。