令和5年中野区議会(第3回定例会)決算特別委員会 総括質疑


【質問通告】
1.中野区基本計画における施策の進捗状況からみる令和4年度決算について
2.財政フレームについて
3.職員の人材育成・適正配置について
4.業務発注について
5.中野区の農業政策について

【概要】

1.中野区基本計画における施策の進捗状況からみる令和4年度決算
 令和3年度に策定された「中野区基本計画」には112の成果指標が設けられており、令和5年7月にその中間報告が行われた。
成果指標のうち計画策定時から低下した指標は40あり、全体の36%。
(目標値達成:20、当初から向上:41、変化なし:3、測定不能:8)
区政が一部停滞・後退している。
決算特別委員会総括質疑の場で成果指標がマイナスとなった理由と今後の展開について質疑をした。
成果指標は中野区区民意識・実態調査というアンケートを主に使用しているが、継続性を重視するがあまりに時代に合っていない設問、年によって全く異なる世代分布にも関わらず調整がなされていないなど問題がたくさんあることが判明した。
一つ事例を挙げれば、子育て施策の成果指標に【保護者満足度調査】にある「「中野区保育の質ガイドライン」を知っている保護者のうち、ガイドラインが教育・保育に役立てられていると感じる保護者の割合」がある。
そのアンケートは写真の通りであるが、ガイドラインのことを知ってもらうような努力はなされていない。
どうせ指標にするならば、問4「現在利用している施設等における教育・保育の内容について、満足していますか」を採用すべき。
このような質疑を70分程度し、基本計画が杜撰であることを証明した。
Q. とはいっても、中野区の最上位計画である「中野区基本計画」の内容を確認することなしに政策決定、予算編成がなされていたようだが区の見解は?
A.基本計画の全ての成果指標と取組を結び付けて政策議論をしているわけではない。←いや、それはダメでしょ。


(個別政策:中野のブランディング)
区のSNSのインプレッション増加には、観光、イベント情報を載せていく必要があるが、地域資源が急に現れることはないため、投稿がマンネリ化する。
現在ある地域資源だけに頼るのでなく、新たな付加価値、ストーリー性等が必要と考える。
生類憐れみの令は、戦国時代から続いた切り捨て御免などの文化が残る時代に、現代ではあたり前である人の命を大事にしようという人権擁護の法律である。
犬に関しては行き過ぎた点があったが、その他動物を含めた動物愛護の観点からも重要なものであったと解釈がある。
そういった法律のシンボリックな施設が中野にあったことは黒歴史ではなく、誇っていいものであると考える。
Q.区は誇張表現してでも、こういった事実を広めていく必要があると考えるが。
A.地域や資源と歴史を関連付けた情報発信は有効かつ必要と考える。
現在、中野区認定観光資源の見直しに着手、犬屋敷のような歴史をひもとき、地域や資源と歴史の関連付けに取り組み、情報発信に努める。

Q.新たに観光資源をつくる必要もあると考える。
新庁舎の四季の森公園を一望できる展望ラウンジがあるが、そこからVRで四季の森を見て当時の画像と重ね合わせる。
例えば犬小屋、日本初の公園と解釈できる花見のメッカであった桃園、中央線の前身の甲武鉄道、陸軍鉄道大隊、陸軍省の電信連隊、中野スパイ学校、警察大学校、このような歴史の変遷をVRで見るようにできれば、新しい観光資源になるのでは。
A.中野駅の北側一帯をVRにより昔の姿を見られるようにすることは、歴史とひもづけた情報発信として非常に可能性を感じる。
事業者等と連携しながら検討する。

Q.中野を代表するお土産がないため、開発していただきたい。
しかし、いきなりゼロから作るのは困難であるため、歴史から。
江戸時代、宝仙寺に象がいたという話は有名だが、象を飼っていた源助は、象の餌代を捻出するために「象の三色まんじゅう」を販売していた。
(象の糞を使った漢方もあったようだが、これは非現実的)
象の三色まんじゅうの復刻に加え、「ブラタモリ」でも指摘されていた中野の町は「動物に縁がある」というブランディングをしてはいかがか。
A.歴史をひもづけた資源の開発という視点は中野の都市観光において有効かつ必要。
ふるさと納税の返礼品の可能性があると考える。
御提案の内容は、まずは宝仙寺などの関係者とその可能性について協議したい。


(個別政策:中野の産業振興)
Q.交通アクセス以外の点で、中野で仕事がしたいと思えるインセンティブを作る必要がある。
中野で産業を盛り上げるきっかけになればと、私は区内でドローン飛行を進めている。
中野区がドローン特区となり、ドローン関係者が区内で産業をやってくれないかと期待してのことである。
区役所とサンプラザで行ったドローンを活用した建物点検の社会実験は結果的にドローン建築物調査安全飛行技能者という資格の設立までに至り、もう中野だけではなくて全国でできるようになり、やり過ぎてしまったww
次の展開として、ドローン物流を区内でできないかと神田川の中で実験を始めた。
今後、区はエリアマネジメントを進めていくがエリアの概念は面的ではなく、空間として認識し、ドローンの活用を検討されたい。
またエリマネではロボット、新交通を試す土壌が中野駅周辺であってもいいと考える。
西武新宿線の上部空間が空けば、線路の点検技術のような新しい技術開発ができる。
中野区が実験フィールドを提供することで、中野で仕事をしたいと思える企業を増やせるのでは。
A.中野サンプラザでドローンを外壁点検に用いる実証実験、大変話題になった。
当然、建物の調査手法の社会実装を目指したという研究価値もありましたが、これ自体が中野区のプロモーションにも寄与するものになったと考える。
企業数の増加、シティプロモーションに資する点でも、今後再整備が進む中野駅周辺が中心になる。
実証実験などの要望があれば、法的規制など様々な問題をクリアする必要はあるが、開発事業者をはじめ関係各所と協議して進めていく考え。


(部活の地域移行)
Q.今後、部活を地域へ移行していく考えがあるが、検討状況は。
A.今年度、中野区として、部活動の地域移行の在り方や対応方針について、学識経験者、学校の教職員、スポーツ振興課や文化振興・多文化共生推進課の職員、指導主事をメンバーとした検討委員会を立ち上げ、検討を開始。
今後、生徒、教員、保護者へのアンケートを実施し、中野区の現状を把握、分析し、令和6年度からは幾つかの部活動において先行実施できるように検討を進めている。
Q.部活の地域移行は少子化、雑務が増えた教員の労働環境の改善、児童・生徒たちの運動に対する考え方が変わったなど、ネガティブなイメージがあったが、先日テレビで室伏広治スポーツ庁長官が、部活が地域移行することで、今まで部活・スポーツは学校卒業と同時にやめてしまうことを防げ、生涯スポーツへとなっていく、また地域力の向上につながる、との趣旨のお話をされていて感銘を受けた。
今進めている部活の地域移行の中で生涯スポーツという観点も含んだ上での検討を進めてはいかがか。
A.部活動検討委員会では、生徒だけでなく、地域住民も対象とした、将来にわたりスポーツや文化芸術に継続して親しむことができる機会の確保、環境の整備を行うことを部活動の地域移行の目標の一つとして検討を始めている。地域スポーツ環境の整備が重要な課題であるため、担当所管であるスポーツ振興課と連携して検討を進めていく。


(区主催の講演会における工夫)
Q.あらゆるイベントがその関係者しか集まらず、知ってほしい方々にリーチしていかない。
無関係な人たちを巻き込む工夫が必要なのでは。
A.犯罪被害者の支援に関するイベントで、過去に交通事故で亡くなられたバリスタの遺族の方が主催され、バリスタの仲間を集めておいしいカフェを提供するイベントと併せて来場者を増やしていた。
普及啓発の講演会と併せて他のイベントを実施することでたくさんの方がお越しになり、マスコミなどでも取り上げられて、周知や啓発の効果が高かった。
そのような事例を参考にして、集客力の高いコンテンツやイベントと併せて開催を検討していく。


(中野のまちづくり)
Q.安全・安心、子どもを育てやすいまちづくりを進めていくには用途地域の変更は不可欠。
西武新宿線の連続立体交差事業や沿線のまちづくりは最大の契機にも関わらず、区にはその姿勢が全く見えないが。
A.委員御指摘のとおり、連続立体交差事業や沿線のまちづくり、そういった契機が大事と考える。
これに併せて都市基盤の整備や駅周辺のにぎわい形成、そして防災を含む周辺の住環境向上に向けた、各地域特性を踏まえた地区計画等、様々なまちづくり手法を駆使することで達成していくものと考える。
線路上空活用や用途地域についても、こうした地域特性を踏まえたまちづくりを進める中で検討していきたい。
Q.サンプラザ容積率600%だったものが、良好な住宅、ホテルを造るなどの要件を揃える公共貢献の制度を使ったことで、容積率1000%まで引き上げた。
中野区でこの制度を使った唯一の事例と聞いている。
今後、西武新宿線の駅周辺も公共貢献の制度などを使うことで容積率のインセンティブを与えつつ、区の欲しい施設を入れることが重要と考えるが。
A.地域特性や地域の要望を踏まえながら、様々なまちづくり手法を活用していく中で達成していきたいと考えていく。


2.財政フレーム
区の今後10年間の財政計画のこと。
Q.概要として、家庭でいえば固定費(水道光熱費、住居費、通信費、保険料、車の維持費、教育費など)と変動費(食費、交際費、交通費、医療費、被服費、雑費等)に分けてものを考え、今月は贅沢できるかなと計算するべきところ、中野区の財政計画では固定費と変動費が混ざった数字になっているために長期計画が立てられるわけがないため、分割すべきと指摘。
A.(総括質疑では明言しなかったがのちの委員会のやりとりで)やります。


3.職員の人材育成・適正配置
近年、業界団体から、職員の技術力が低く、発注者、監理者として備えおくべき必要な知識経験が足りないとの話。
発注における仕様のミスにより追加発注によるコスト増や納期遅延となり、行政運営、区民サービスへ大きな影響を残した事例もある。
職員の技術力の低迷により、取り返しのつかない事態も想定できる。
Q.中野区の技術職の育成はどうしているのか。
A.職場でのOJTを基本に、基礎的な知識習得や実務能力の向上を目的とした職場単位での研修の実施。
特定の高度の専門知識や最新の法令、技術情報等の獲得につきましては、特別区職員研修所や東京都あるいは国や関係機関の外部研修を活用。
土木建築職を中心とした技術職の人材育成プランの策定の検討を進めて、令和6年度には策定したい。

Q.業界からの声で、技術職の対応に問題があるとも聞く。
職人気質になっているのか、かなり横柄な態度で対応する職員も少なからずとのこと。
視野を広げるため、コミュニケーション能力を高めるためにも、技術職特有の特定職場にこだわらず、事務系の窓口職場等の経験をさせる異動ローテーションを経験すべきと考える。
A.異なる分野で区民と直接関わり合える職場の経験は、視野の拡大やコミュニケーション能力の獲得には有効と考える。
技術職の育成プランの中でも検討を進める。

Q.2017年5月、国はデジタル社会に対応した行政サービスを実現する方針としてデジタル・ガバメント推進方針を定めた。
その一つの柱としてデジタル技術を徹底活用した利用者中心の行政サービスの改革であり、その推進の考え方としてはサービスデザイン思考を取り入れると宣言、東京都もガイドラインを定め、サービスデザイン思考を基軸としたDXの推進、サービスの改革、そして職員の育成に取り組み始めているが、中野区はいかがか。
A.区民サービスの向上を目的としたサービスデザイン思考を新たな議論のテーマとしても取り上げて検証している。
今後はDXの分野に限ることなく、区民サービスの質向上に貢献する施策構築の仕組みにつながるよう、サービスデザイン思考を人材育成の視点や要素に取り入れた人材マネジメントの取組を検討したい。


4.業務発注
Q.中野区公契約条例により、1000万円以上の委託業務においては労働報酬下限額が1170円となったが、1000万円未満の委託業務においては公契約条例の対象外となるために、東京都の最低賃金1072円に準じ、契約金額も入札により割安となる。
1000万円以上・未満の両方の委託業務を受けている会社があり、前者は1170円以上、後者は1072円以上の基準だが、同じ会社の従業員で、委託金額により給料が異なるとは説明できないために両業務とも1170円を最低の時給に設定せざるを得なくなり、赤字になる見込みとのこと。
A.公契約条例の趣旨として、適切な労働者の契約環境の確保、それと公共サービスの品質確保という観点があり、その履行のために、公契約条例では、まず対象となる委託業務を制限の下、運用をスタートした。
今後の運用については引き続き状況を注視しながら考える。

Q.工事請負契約約款第26条第6項のインフレスライド条項を適用する場合のスライド額、協議の流れ、対象品目について伺う。
A.受注者が、インフレスライド条項の規定により賃金水準または物価上昇の変動により契約金額が不当となったことを示す資料とともに、変更請求概算額を工事主管部署に提出。
区は、受注者からの申出を受けた後、受注者とのスライド協議を開始するとともに出来高等の確認を行い、スライド額案を受注者へ提示する。
受注者は、区から提示されたスライド額案について異議のない場合は承諾書を区へ提出。
協議が調わない場合は発注者がスライド額を決定し、受注者へ通知する。
インフレスライドの運用の見直しは今後の検討となるが、物価高騰の実態を踏まえ、都の工事単価を採用している品目以外で、例えばサッシや可動間仕切り壁、エレベーターなどの品目についても協議の対象とする。

Q.発注図書において工事の数量等の詳細を一式と表記しているものがあり、スライド額の協議申出をする際に、一式だと単価、ロットが分からないため、一式表示をやめていくべきでは。
A.今後の一式表示の在り方については他の自治体などの状況も把握しながら工夫していきたいと考える


5.中野区の農業政策
中野区には生産緑地地域と設定される農地があり、区の貴重な緑地の保全の観点から維持することが求められる。
しかし2011年、農林水産省の都市農業に関する実態調査で示された営農者の高齢化、収益性が悪くもうからない、後継者の不足という都市農業が抱える問題があり、中野区も同様。
中野区の農業者さんによると、先祖代々の土地を守りたいが続けられる自信がないとのこと。
都市型農業の支援をして農業を続けるモチベーションを高めてもらう必要がある。
最も重要なのは収益性を高めることで、それにより後継者不足も解消される可能性が高まる。
中野の農作物に付加価値をつけ収益性を高めるために考えるのは、キーワード「朝採れ」。
都市で収穫するため農作物の運搬コスト、時間が格段に少ないことが中野の農業の最大の魅力。
郊外の農地の直売所、道の駅、ファーマーズマーケットなどに、なぜ都心の方々がわざわざ野菜を買いに行くのかといえば、朝採れのため鮮度、味が全く違うため。
スーパーなどで売られている青果品は生産者から消費者に届くまで1~3日経つため、トマトなどは緑のままもぎ取って、それを出荷して、スーパーに並ぶときに赤くなる。
一方、朝採れ野菜は朝、真っ赤になったおいしさピークのトマトとなる。
Q.区は中野の朝採れ野菜をブランディング化してはどうか。
A.消費者のニーズが一定程度あるものと考える。
一方、区民や来街者、事業者にも、中野区内に農地があって新鮮な野菜が採れるとの認知が低い。
まずは周知に努め、その中でブランド化の可能性、支援の在り方を探る。

Q.中野区役所の食堂、総合体育館1階のカフェなど区有施設内で中野の野菜を使った料理を提供するなどスモールスタートするのはいかがか。
A.運営する当該事業者に区内の朝取れ野菜の提供を働きかけたい。

 

【議事録】

○加藤委員 それでは、自民党トップバッターとして総括質疑をさせていただきます。我が会派、ちょっとインフルエンザがはやってしまいまして、今日、風邪を引かないのかどうか不安がありましたけど、何とかこの場に立ててよかったなと思っております。今回は新たな試みで、かなり多くの理事者が参加するような総括質疑となります。せっかく間引きの設定をしたんですけれども、こういった事態になりまして申し訳ないとも思っておりますが、区政前進のためということでいろいろ御指摘させていただきたいと思います。

 それでは、項目1の中野区基本計画における施策の進捗状況からみる令和4年度決算について質疑させていただきます。まず皆様、決算特別委員会の要求資料の総務の113番を御覧いただきたいと思います。これを基本に1時間ぐらいは質疑すると思いますので、ぜひ見ていただきたいなと思っております。ちょっと時間、そのために取りますけども、この資料は今回企画課に作っていただいて、17ページに及ぶ資料でございますけれども、その辺の内容は見ていただいてからということで、皆さん大丈夫ですかね。総務の113番です。

 では、この表について、「中野区基本計画」における施策の成果指標のうち計画策定時から低下した指標及び関連する主な事業一覧というタイトルですけども、この資料は項目の一番左、基本目標から真ん中辺にあります所管部、ここまでの部分に関しましては今年の第2回定例会の全常任委員会で報告された中野区基本計画及び中野区構造改革実行プログラムの進捗状況についてという報告の中で出ていた部分です。そこでは112の指標が設定されておりまして、進捗状況は五つの評価で分類されていました。2025年度の目標値を達成している指標は20個、当初から向上している指標が41個、当初の値から変化がない指標が3個、当初の値から低下している指標は40個、測定不能な項目は8個ありました。この資料は、当初の値から低下している指標40指標をリストアップしたものです。ちなみに、全部で112個指標がありましたので、そのうち40個下がっていて、36%が現状、目標とする指標を下回っているという状況であります。中にはコロナ禍で数値を上昇させるには厳しいだろうと思える指標もありますけれども、それは2020年に策定が計画されている時点で分かっていたことであり、現に基本計画案が出されたときに、例えば指標の中で中野駅の乗車数というものがありましたけれども、コロナ禍なので中野駅の乗車数を増やすなんて絶対無理だろうということで、私、当時、建設委員だったので強く要望したところ、中野駅乗車人員のJR東日本エリア内の順位という項目に変わりまして、結果的に2020年度20位だったものが21年度17位ということで上がった指標であります。これ、人数のままだったら絶対に上がっていなかっただろうと考えられる指標かもしれません。これは好事例でありますけれども、当時再三指摘させていただきましたように、指標は工夫できるものがあったと考えます。適当な指標をそのまま設定して今回達成できずに、自分で自分の首を絞めている状態になっていると考えられます。

 そして、この資料の今説明した成果指標のところより右側の項目はそれに関連する主な取組、主な事業、実施内容とその進捗部分です。17ページのこの資料ですけれども、企画課にゼロから作っていただいたということで感謝いたします。逆に言うと、それまでこういった資料がなかったということで、内容からすれば成果指標とそれにひもづく事業であるわけですから、このぐらいの資料はそもそも区のほうにあってもよかったんではないかなと考えます。

 そこで伺いますけれども、事業の企画、立案、予算編成をするときに、成果指標を見ていない、つまり基本計画を意識した政策決定がなされていなかったということを意味すると思いますけども、区の見解を教えてください。

○森企画課長 基本計画は区政全般にわたる総合的な計画でございまして、各個別計画の上位の計画として位置付けております。区のほとんどの事業は基本計画の政策、施策の取組に位置付けているところでございます。基本計画の全ての成果指標と取組を結び付けて政策議論をしているわけではございませんが、基本計画の推進に向けて、企画立案、予算編成を行って政策形成をしているというふうに考えております。

○加藤委員 基本計画の中で成果指標が大事だということで、それぞれの施策の中に成果指標が設けられたわけですけど、今、結び付けて見ていなかったって。つまり、基本計画で目標として設定している成果指標を見ないで、これまで予算編成だったり、政策立案過程でその事業をやっていいかというのを決定していたということを今おっしゃったわけですけれども、基本計画を何のためにつくったんだという話になるわけですよ、それは。そういった前提の中でこの資料に基づいて施策ごとにお話を伺っていきます。基本的には成果指標が下がった理由、そして成果指標の2025年の目標を達成するために何を改善させるかの2点を中心に伺っていきます。

 施策の1番の人権と多様性の尊重でありますけれども、この指標が下がった理由について教えてください。

○国分ユニバーサルデザイン推進担当課長 ユニバーサルデザインの認知度についてでございますが、年代別に見ると、例年若い世代のほうが高い状況にございます。この認知度の基となっている中野区区民意識実態調査でございますが、回答者に占める30歳代以下の割合が2020年度は28.4%に対し2022年度は17.2%と少なくなっております。こうしたことから、2022年度は回答者に若い世代が減ったことが認知度が下がった一つの要因であると考えております。今後、認知度を上げていくため、若い世代以外にもユニバーサルデザインを広げていくための取組等を充実してまいります。

 また、二つ目の社会全体における男女の地位が平等だと思う人の割合についてでございますが、国の調査においても令和元年度と令和4年度の比較で下がっておりまして、国全体で下がっていると認識しております。これは、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、全国的に雇用状況の悪化、家事負担の増など、とりわけ女性をめぐる問題が表出したことが一つの要因ではないかと考えております。今後この割合を上げていくために、仕事と生活を両立するための公的サービスの充実、男女問わず誰もが働きやすい職場づくりの推進等に取り組んでまいります。

○加藤委員 今、ユニバーサルデザインの認知度が下がった理由が、区民意識実態調査において回答者の年代がばらばらだから若い世代の回答者比率が高いとユニバーサルデザイン認知度が高くなるんではないかと分析されているわけです。確かにそうでしょうけど、そうすると、この区民意識調査の精度というか、信頼性というのを欠いているということを今おっしゃられていると思うわけですけれども、その辺は後で企画課のほうに伺いますけれども、こういった問題点があるということを指摘させていただきまして、次の施策に行きます。

 では、3の地域における人のつながりと愛着が生まれる環境づくりについて、成果指標が下がった理由について伺います。

○池内区民活動推進担当課長 地区祭りやサロンなど広く区民に周知されてきました地域の恒例行事や事業が新型コロナウイルス感染症の影響によりまして活動の停止や規模の縮小を余儀なくされ、住民同士の交流の場が減少したことが大きな原因であると捉えてございます。また、地域における公益活動の再開、活性化に向けた取組として、区民活動センターにおける中間支援組織と連携した伴走支援の強化や、誰もが利用しやすいウェブアプリケーションためまっぷなかのの導入による活動情報の発信、また、活動実績が1年未満の団体への助成制度の設置、それから利用しやすい政策助成制度の見直しを行い取り組んでいるところでございます。

○加藤委員 ためまっぷは今年度からでしたか。ということは数字に表れないですけど、コロナ禍でどんどん下がっているのか。さっきみたいに数値に横ばいと見るぐらいの差しかないのか分かんないですけれども、まだ数値として出ないですけど、そういったウェブ戦略というのは効果が出てくるという、肌感ではどうなんですか、教えてください。

○池内区民活動推進担当課長 こういったウェブアプリケーションになりますと、やはりいろいろな世代だったり、高齢の方もそうですけれども、若い世代にも届きやすいアプリケーションだと思っておりますので、今後活躍していただければと考えております。

○加藤委員 続いて、2ページ目、6の施策、誰もが身近に文化芸術に親しめる環境づくりについて、成果指標が下がっている理由について教えてください。

○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 まず、割合が低下した理由ですけども、新型コロナウイルス感染症の拡大によりまして、区民の活動ですとか行政における取組、こういったものが制限されたこと、これが指標の値に影響しているものと認識しております。そして、目標値達成に向けた改善についてですけども、本年3月に策定いたしました中野区文化芸術振興基本方針に基づきまして、今年6月にオープンしましたなかのZEROの新たな文化芸術スペースの活用を充実させるほか、今年度中に次世代育成に資する文化芸術の鑑賞体験機会の充実策を明らかにいたしまして、子どもや若者、文化芸術活動の促進策を着実に推進していくことで目標値の達成につなげていきたいというふうに考えてございます。

○加藤委員 下がった、横ばいとも言える数字ですけども、この目標に対して上げるにはそれでは弱いのかなと思いますけども、その辺、目標達成のためにはどうすればいいか、もう一回。

○冨士縄文化振興・多文化共生推進課長 繰り返しになりますけども、昨年度、中野区の文化芸術振興基本方針、こちらを策定しました。これに基づく、いろいろ具体的な取組への策が書かれていますので、こういったものを着実に実施していきまして目標値の達成に寄与していきたいと、そういうふうに考えてございます。

○加藤委員 次、7の魅力的な地域資源の発掘・発信ついて、この指標が下がった理由を教えてください。

○高村シティプロモーション担当課長 SNSで発信した地域資源情報のインプレッション数の減少の理由と、あと目標値達成のための改善ですが、2020年度と比べて特に上半期のイベント数が少なかったこと、また、行政評価を踏まえまして、事業者に委託して行っていた観光サイトまるっと中野の運営等、SNSによる情報発信を廃止したところでございます。これらに伴いSNSによる発信数が少なかったことがインプレッション数が減少した主な要因でございます。

 今後、目標値を達成するためには、SNSによる発信数そのものを増やすとともに、区とは異なる視点を持った、中には御自身の発信力の高い方もいらっしゃる区民レポーターによる発信を積極的に行うこと、さらに中野区観光協会などの発信をシェアやリツイートすることで目標値の達成を図ってまいります。

○加藤委員 地域資源というものが急にぽっと現れるわけでもないので、そうすると、投稿が例えば哲学堂公園とかの配信も年がら年中やるわけにもいかないとなると、やっぱりマンネリ化を防ごうという中において、発信の数というか、最初立ち上げたときはいっぱいやるかもしれないけど、徐々に発信する数も減ってくるのかなと考えて、そういうマンネリ化を防ぐためにちゅうちょしているという点もあると考えますが、いかがですか。

○高村シティプロモーション担当課長 委員御指摘のとおり、地域資源の情報発信がパターン化しがちになる、こういう傾向があることは認識しているところでございます。そこで、先ほども申したように、区民レポーターによる異なる切り口での発信ですとか、それから地域資源をストーリー仕立てにするなどの工夫が必要かというふうに考えてございます。

○加藤委員 現在ある地域資源だけに頼るのでなくて、新たな付加価値だったり、今おっしゃったようにストーリー性みたいなものが必要かなと思っていて、以前にも取り上げましたけども、歴史などをやっぱりストーリーとして組み立てるという中で、犬小屋だったり、その事例は挙げましたけども、四季の森にあった場所に、生類憐みの令のシンボリック施設であります犬小屋が天下の悪法と言われている中で、ある意味、中野の黒歴史なんていうふうにも言える施設だと思っておりましたけれども、現在、生類憐れみの令は、戦国時代から続いた切り捨て御免とか、人を殺してもやむなしみたいなそういった感覚をゼロにするために、人の命を大事にしようという観点が一番最初。犬ではなくて、人権擁護の観点からあったとも言われていますし、もちろん動物愛護もありますが、そういったところで、現在世界で最も治安がよいと言われている日本の形をつくった礎の法律という解釈もあるわけで、こういった歴史をしっかり、そういったシンボリックな施設が中野にあったというのを言ってもいいと思っているんですね。各自治体でいろいろ地域資源を見ますと、ちょっとこれはうそではないかぐらい、誇張表現するようなぐらい宣伝するものもあって、でも、こういったものをその自治体が宣伝しなきゃ誰が宣伝するんだというふうに思うわけであって。うそはついてほしくないですけど、ある程度誇張するぐらいだったら、中野区はこういったすばらしい歴史を発信していってもいいのかなと思いますけど、区のお考えをお伺いします。

○高村シティプロモーション担当課長 地域や資源と歴史を関連付けた情報発信は有効かつ必要かというふうに考えてございます。現在、中野区認定観光資源の見直しに着手しておりまして、その中で今おっしゃったような歴史をひもといて、地域や資源と歴史の関連付け、こういったものにも取り組んでそれらの情報発信に努めてまいります。

○加藤委員 あと、観光資源を新たにつくるという観点も必要かなと思っています。新庁舎の議会フロアの屋上というか、議会棟の上のところになるんですけど、あそこから四季の森公園を一望できる展望ラウンジができそうですけれども、そこからVRで四季の森を見て当時の画像と重ね合わせる。例えば犬小屋だったり、日本初の公園と解釈できる花見のメッカであった桃園、あと中央線の前身の甲武鉄道だったり、陸軍鉄道大隊だったり、陸軍省の電信連隊、中野スパイ学校、あと警察大学校、こういった歴史の変遷をVRで見るようにできればいいななんて思っています。新しいサンプラザにおきましては、260メートルぐらいから下を見るのはなかなか現実的ではないな。もし展望ができるんだったらですね。だから、区役所から見るぐらいがちょうどいいかななんて思いますけど、こういった仕掛けをつくることによって新しい観光資源をつくる必要があると思いますけども、いかがですか。

○高村シティプロモーション担当課長 中野駅の北側一帯をVRにより昔の姿を見られるようにすることは、歴史とひもづけた情報発信として非常に可能性を感じるものだというふうに思っております。昨年度、外部委員による検討会を設置して、都市観光施策の見直しに取り組んだところでございますが、その中でもVRとかARの積極的な活用が議論になったところでございます。事業者等と連携しながら、委員の御提案について、旧中野刑務所の正門など現存する文化的資源との関連付けも含めまして検討していきたいと考えてございます。

○加藤委員 あと、中野で何かお土産みたいなのが、我々も視察とか行くと何を持っていけばいいんだろうみたいなんで、中野の名産品みたいなものが欲しいなと思っているんですけども、今いきなりゼロから作るというといろいろもめるところでありますけど、歴史をひもとくと、江戸時代、宝仙寺に象がいたという話は有名ですけれども、象を飼っていた源助という人は、象の餌代を捻出するために象の三色まんじゅうというのを売っていたらしいです。あと、象のふんを使った漢方ですけど、これはなかなか非現実的ですけども。こういった三色まんじゅうぐらいは、歴史からひもとかれたお土産ならなかなかいいのかなみたいな。あと、犬小屋とマッチして、例えば「ブラタモリ」でも中野の町は動物に縁がある町だみたいな紹介で、そういったブランディング化するのもあると思いますけども、そういった中でこういった商品開発も考えたほうがいいのかなと思いますけど、見解をお伺いします。

○高村シティプロモーション担当課長 先ほども申しましたが、歴史をひもづけた資源の開発という視点は中野の都市観光において有効かつ必要かと。ふるさと納税の返礼品というようなところでも可能性があるかというふうに考えてございます。御提案の内容につきましては、まずは宝仙寺などの関係者とその可能性について協議したいと考えてございます。

○加藤委員 ありがとうございます。そこまでというつもりはなかったですけど、そうやっていただけるとありがたいなと思います。

 いずれにせよ、インプレッションが下がっているというのはかなり問題があるとは思っていますけども、様々工夫をやらないと絶対に意味ないものになってしまいますので、この辺は指摘させていただきます。

 続きまして、3ページ、8番、持続可能な地域経済の成長と働き続けられる環境づくりについて、成果指標が下がった理由をお伺いします。

○松丸産業振興課長 こちら業種ごとの違いはございますけれども、他区とほぼ同様でございまして、以前から課題となっておりました後継者不足により事業承継ができないことですとか、ICTやDXが進まずに生産性向上が図れていないことに加えまして、新型コロナウイルス感染症拡大による休業ですとか売上げの減少、これらによる廃業によりまして、新たに開業した事業所数を上回ったことが主たる要因であると捉えております。目標達成に向けましては、中小企業の経営を安定化させることにより事業活動を軌道に乗せて倒産を防いでいくこと。それから、創業スタートアップ支援によりまして、起業者、創業者を増やしていくこと。この二つの施策を軸にした事業展開を考えております。

○加藤委員 ほかにも指標の中で区内従業者数、つまり従業員数の数字もあったわけですけども、そちらについてちょっと説明してください。

○松丸産業振興課長 こちらは様々な要因が考えられるところでございますけれども、従業員数の多い事業所が増えたということと、それから事業規模が拡大されたこと、こういったことが主な要因であるというふうに捉えております。

○加藤委員 何か答弁、かみ合っていたか分かんないですけど。やろうとしていたのは、企業数は減ったのに働いている人が増えたという結果が出ているわけですね。こういった中で、従業員数が増えているんだったら、企業数が、M&Aとか事業承継がうまくいったかで、減っている分にはそんな問題ないのかなと思いますけども、そういった中でも企業数を本当に増やすのであれば、このまま中野区のやり方でいいのかな。失敗に終わってしまいましたけども、ICTCOなんかは区内で産業をつくろうという意味では、うまくはいかなかったですけども、結局、うまくいったとしても区内にとどまってくれなかったみたいな、こういった反省点があるわけですけども、その辺、どういう見解かお伺いします。

○松丸産業振興課長 創業後に中野区内で事業活動を継続するためのインセンティブですとか支援策が十分ではなかったというところは認識しておるところでございます。産業振興機能集約の検討ですとか、今後、創業スタートアップ支援を検討していく中で、他自治体と差別化を図った産業支援策を考えてまいりたいというふうに考えております。

○加藤委員 今後も企業数を増やすという前提でよろしいわけですよね。もちろん指標に入っているわけですから。そうした場合には、僕なんかいろいろドローンを区内で上げさせていただいていますけど、それって何か特区みたいなもんで、ドローン関係者が区内で産業をやってくれないかなみたいな観点でいろいろと上げさせていただいたんですけど、区役所とサンプラザを借りてやらせていただいた建物点検というのはあまりにもうまくいき過ぎてしまいましてね。ドローン建築物調査安全飛行技能者という資格ができてしまって、もう中野だけではなくて全国でできるようになってしまったというもので、中野だけでそういうのが発展すればいいなと思ったんですけど、ちょっとやり過ぎてしまったというのもあるんですけど。そういった意味では、次、ドローンの物流というものが中野区でできないかなみたいなんで実験させていただいているわけですけども、これなんかはいきなり上空を飛ぶことはできませんので、川の中だったら面的な動きができるかなみたいなことで、こういった特区みたいなものが必要かなと。

 あと、エリアマネジメントを使ったら、例えば、エリアというのは面的に見えますけど、空間としてドローンの活用もありかなと思います。また、ロボットだったり新交通を試すようなものがこの中野駅周辺であってもいいのかなと。あと、西武新宿線の上部空間も空けば、また線路の点検技術みたいな新しい技術開発みたいな、こういったことが可能かな。こういったフィールドを提供することによって、中野でやりたいな、中野でやるほうがいいなみたいなところで、先ほどのICTCOでうまくいったけど出ていってしまったみたいではなくて、中野でそういうインセンティブがある事業ができるということをやらないと中野区の産業として企業数が増えていかないのかなと思うんですけど、その辺、見解をお伺いします。

○高村シティプロモーション担当課長 先ほど委員からお話がありましたように、昨年、中野サンプラザでドローンを外壁点検に用いる実証実験、大変話題になったところでございます。当然、建物の調査手法の社会実装を目指したという研究価値もありましたが、これ自体が中野区のプロモーションにも寄与するものになったかなというふうに考えてございます。

 企業数を増やすという点でも、それからシティプロモーションに資するという点でも、多分、今後再整備が進む中野駅周辺が中心になるかと思いますが、そういった実証実験などの要望があれば、法的規制など様々な問題をクリアする必要はいまだありますけれども、そういった開発事業者をはじめ関係各所と協議して進めてまいりたいというふうに考えてございます。

○加藤委員 続きまして、9番、商店街の活性化支援によるにぎわい空間の創出について、指標が下がった理由を教えてください。

○松丸産業振興課長 2020年度は緊急事態宣言の影響によりまして、遠出が制限されまして近所での買物が促進されたことによって増加しましたが、外出制限が解除されることによりまして新型コロナウイルス感染症拡大期以前の水準に戻ったものというふうに捉えております。区内店舗の魅力創出、集客力を高めるための支援ですとか、現在検討を進めておりますデジタル地域通貨を活用しまして、商店街のデジタル化の促進をすることなどにより顧客の利便性の向上を図ってまいりたいと考えております。

○加藤委員 その前に、新型コロナ前からの数値、推移を教えてください。

○松丸産業振興課長 こちら、買物やサービス等利用のために商店街へ週1日行く人の割合ということでございますけれども、新型コロナ前2016年が65.7%、2018年で64.5%、2019年で63.7%だったものが新型コロナ期間につきましては70%台ということでございました。

○加藤委員 結局新型コロナ前のほうが値が低かった。新型コロナで買物を近隣でやってくださいというのがあったから、移動をできるだけするなということで、近隣で買物しろということで、2020年がピークの72.6%だった。それまでは6割台だったと。増えたということで、それは社会状況を考えれば上がるのはあれですけど。新型コロナによって、基本計画策定時の数字を設定した上で、それよりさらに目標値を上げようとしても、かなり新型コロナのおかげで上がってくれた数字をまたさらに上げようというのはかなりむちゃな目標になっていたんではないかなということで、ここは後で全体で指摘させていただきます。

 続きまして、4ページの11番、中野駅周辺のまちづくりにおける都市基盤の整備と多様な都市機能の誘導について、この指標が下がった理由について教えてください。

○小幡中野駅周辺まちづくり課長 当該指標については、過去5年の数値を見ますと、調査年、その調査対象の違いによって上下しながら推移をしておりまして、2022年度の数値が下がったということについて特定される理由はないというふうに考えてございます。引き続き中野駅周辺各事業の確実な進捗を図るとともに駅周辺まちづくりの周知に努めていきたいと考えてございます。

○加藤委員 100年に一度とも言われている開発をしながら顕著な上昇がないというのは何か悲しいなと思うんですけども、その辺、どう見解をお持ちですか。

○小幡中野駅周辺まちづくり課長 現在は各地区で事業が進捗をしているものの、工事中の地区が多数でございまして、未完成の状態でございます。所管としては数値の長期トレンドで数値の推移を見ていきたいというふうに考えてございます。

○加藤委員 駅前などの重点的なまちづくりというのが特に力を入れているなというわけですけど、完成してしまったら下がる数字かなと私は思うんですけど。それはいいです。

 それよりも何かこの指標自体が、駅前の再開発、すごい頑張っているなという指標ですけど、まちづくり推進部としてはこのベンチマークでいいかもしんないですけども、中野区全体で、中野区は駅前開発頑張っているなという見られ方がいいのかなみたいな。例えば公園緑地政策頑張っているなとかだったら理解できるんですけど。私は駅前開発頑張るべきだと思いますけど、あるグループからすれば、それでいいのかなとちょっと疑問を感じる指標だということをここでは指摘をさせていただきます。

 次、17番、発達の課題や障害のある子どもへの教育の充実ということで、この指標が下がった理由についてお伺いします。

○佐藤学務課長 こちらの指標二つございますけれども、まず一つ目、学校生活支援シートのほうですけれども、学校生活支援シートの作成に当たっては学校と保護者のコミュニケーションが重要となりますが、それぞれ就学時の意向が異なることも影響したというふうに考えてございます。引き続き、双方のコミュニケーションが充実するよう、学校と連携して取組を進めてまいりたいと考えてございます。

 もう一つの指標でございますが、こちらにつきましては心理士による特別支援教育巡回相談について、現状でも適切な相談が行われているというふうには認識しているところでございます。引き続き、巡回相談を含めた就学に関わる相談を充実し、取組を推進していきたいというふうに考えてございます。

○加藤委員 2番目の巡回相談で対応したケースの割合が下がっている理由について詳細を教えてください。

○佐藤学務課長 こちらにつきましては、指標を作成した際には年当たり2%ずつ上昇するというところで考えていたところでございますけれども、実際につきましては、特別支援教育に係る巡回相談というのも同時に充実しているところでございます。それによって、結果として指標が、各学校を巡回するというこちらの割合としては下がってしまったというふうに認識しているところでございます。

○加藤委員 ある意味、改善したおかげで数字が下がっているけど、目標は達成できないということですけど、こういった状況で指標というのはこれでいいのか、どうお考えですか。

○佐藤学務課長 こちらについては、指標の設定時の考え方として、改めて学務課として、区として考えていかなくてはいけないのかなというふうに認識しているところではございます。

○加藤委員 では、続きまして5ページ、18、特色ある学校づくりと家庭・地域との協働による学校運営の推進について、この成果指標が下がった理由を教えてください。

○齊藤指導室長 学校での外部人材の活用は、令和元年度までは増加傾向でしたが、新型コロナウイルス感染症の対策で外部人材を招聘して事業等を行うことが難しくなり、令和2年度から令和4年度の間は減少していました。今年度5月に新型コロナウイルス感染症が5類になったことから、外部人材の活用は令和元年度以前に戻りつつあります。また、今後、コミュニティスクールの地域学校協働本部が全校に設置されることで様々な人材活用がより充実していくものと考えております。

○加藤委員 コミュニティスクールでいろいろ地域人材の活用ということがうたわれているわけですから、必ずこの数字は上がっていくものと考えられますけれども、今後は部活を地域へ移行していくという考えが出てきているわけですけども、その検討状況について概要を教えてください。

○齊藤指導室長 今年度、中野区として、部活動の地域移行の在り方や対応方針について、学識経験者、学校の教職員、スポーツ振興課や文化振興・多文化共生推進課の職員、指導主事をメンバーとした検討委員会を立ち上げ、検討を開始したところです。今後、生徒、教員、保護者へのアンケートを実施し、中野区の現状を把握、分析し、令和6年度からは幾つかの部活動において先行実施できるように検討を進めております。

○加藤委員 部活の地域移行というのが、少子化だったり、雑務が増えた教員の労働の改善という職場環境の改善だったり、児童・生徒たちが運動に対する考え方が変わったというので、ちょっとネガティブな感じを受けてこういった状況になってしまったのではないかなとは思っていたんですけども。しかし、先日テレビで室伏広治スポーツ庁長官がおっしゃっていたんですけども、地域移行することで、今までスポーツというのは学校を卒業、部活動を卒業してしまうとやめてしまうようなものだったけども、地域に移行できることになれば、ひょっとしたら生涯スポーツへと持っていけるのではないかみたいな期待の話。そして、またそれが地域力の向上につながるのではないかなみたいな趣旨のお話をされていて感銘を受けたわけですね。そういった意味では、今進めている部活の地域移行の中で生涯スポーツという観点も含んだ上での検討みたいなことを行っていただきたいなと思いますけども、見解を教えてください。

○齊藤指導室長 部活動検討委員会では、生徒だけでなく、地域住民も対象とした、将来にわたりスポーツや文化芸術に継続して親しむことができる機会の確保、環境の整備を行うことを部活動の地域移行の目標の一つとして検討を始めております。地域スポーツ環境の整備が重要な課題であるため、担当所管であるスポーツ振興課と連携して検討を進めてまいります。

○加藤委員 続きまして、20番、地域における子育て支援活動の促進の成果指標が下がった理由を教えてください。

○細野育成活動推進課長 2020年度から2022年度にかけて新型コロナウイルス感染拡大等の影響によりまして、児童館における子育て活動支援事業や育成団体支援事業の実施に制限があったこともあり、値が下がったものというふうに捉えてございます。今後は児童館のソーシャルワーク機能の強化を図り、地域の見守りネットワーク支援、団体支援を進め、子育て活動支援の取組を充実させてまいりたいというふうに考えてございます。

○加藤委員 新型コロナ明けしたからといってこの目標を達成するのは非常に困難かと思いますけど、達成のためにどういった工夫をされるのか教えてください。

○細野育成活動推進課長 児童館の機能強化に現在取り組んでおります。その中で地域の見守りネットワーク支援に加え団体支援ということも視点の一つに置いております。そういった子育て団体さんへの活動支援などを充実させることで、よりこの辺りの強化に向けて進めてまいりたいというふうに考えてございます。

○加藤委員 続きまして、22、将来を見通した幼児教育・保育の実現の成果指標が下がってしまった理由を教えてください。

○半田保育園・幼稚園課長 保育の質ガイドラインにつきましては、2020年3月に策定いたしまして、2023年4月に改訂したところでございます。2020年度は策定直後であり、積極的に保護者への周知を行ってまいりましたけれども、その後の周知が不足していたこと等によりまして成果指標が下がってしまったというふうに考えてございます。

○加藤委員 「中野区保育の質ガイドライン」を知っている保護者のうち、ガイドラインが教育・保育に役立てられていると感じる保護者の割合という非常に複雑な指標なわけですけども、ガイドラインを知っているにもかかわらず役立っていると思わない人が増えたというのはかなり問題なのかなと思いますけども。知っている人の割合が指標ぐらいならまだいいのかもしれないですけど、基本的に50ページぐらいあるこの冊子を持っている人はいないでしょうから、チラシの存在が重要になってくるのかなと思います。そういう中で、私も子どもを保育園に預けていますのでチラシを頂きましたけども、保育目標で、丈夫な体、豊かな心を育てるとかいう目標だけ書いてあって、当たり前のことがあるわけですから、チラシを見ても何も印象に残らないわけですね。そんなチラシが必要なのかとちょっと疑問になるわけですね。ガイドラインが存在することをわざわざそこまで宣伝するのかなというふうにも感じるわけですよね。

 もしそれでも宣伝したいというんであれば、所管をまたがるかもしれないですけど、例えばある年は不適切保育でバスの閉じ込めだったり、体罰、暴走車による交通事故などメディアで騒がれている事象に対して対策を講じましたとか、こういったことをチラシに載っけるならまだいいと思うんですけども、何かこの指標に合わせるためということになってしまいますけど。でも、ただ保護者の方々に安心して預けられるなみたいな話をしていくためにも重要なのかなと思いますけど、どうでしょうか。

○半田保育園・幼稚園課長 保育の質ガイドラインにつきましては、区や保育施設だけではなく保護者や地域も含めた関係者が協力して保育の質の向上に取り組むことを目指してございます。保護者の方にも保育の質ガイドラインを御理解いただく必要があると考えてございまして、引き続き保育の質ガイドラインそのものの周知にも努めてまいりたいというふうに考えてございます。

○杉山委員長 加藤委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。