令和5年中野区議会(第2回定例会)一般質問


【質問通告】
1 行政報告について
2 中野サンプラザの今後について
3 中野区の子ども施設の今後の展望について
4 地域活動・地域経済の好循環を目的とした地域通貨の導入について
5 S-uiPSによるリアルタイム浸水予測システムについて

【概要】

1 行政報告について

[物価高騰対策]
ウクライナ侵攻を起因として、一年以上連続の物価上昇。
現段階で給付金などの制度は理解できるが不公平感が出る。
実質賃金の指標を利用するなどして、明確な出口戦略を検討すべきでは?
→検討する。

[子育て先進区の実現]
中野区が描く子どもの意見聴取および施策への反映についての具体的な方法は?
→これから実践的な手引きを作成し、推進。
また学校現場における効果は?
→子ども達自身が考えた学校生活のきまりや運動会の種目などを取り入れて変更した事例あり。

[地域包括ケア体制の実現]
中野区は現在、地域包括ケア体制の基盤づくりを進めていると表現。
アクションプランが始動も未だに基盤づくりとは…いつ本格稼働?
次の目標と、具体的な戦略は?
→ヤングケアラーやひきこもり、社会的孤立など顕在化しにくい課題に向けて取り組む。

[活力ある持続可能なまちの実現]
コロナで中野区への転入者の特徴が変化。
中野区内の不動産業者によると現在、中野区の単身世帯用住居は供給過多、一方、ファミリー世帯用住居は不足。
ワンルームの部屋二つを一つにできたとの冗談が出るほど。

中野区は、これまで新入社員、進学者などの転入者に人気も、在宅ワーク、オンライン授業の普及で必ずしも毎日、会社、学校に通わずともいい社会環境になったからと推察。
中野の交通便は、若者から選ばれる主要因にならない可能性。
一方、中野区内のファミリー世帯用住居が高騰も非常に大人気で不足。

他区では大規模建築物に対し、子ども施設や福祉施設の整備等の公共貢献を条件として容積率を緩和する制度があり、中野区は戦略を持っていない。
民間企業による公共貢献を促すため、中野区でも制度の整備が必要では?
→他区の事例を参考にし、研究する。

[中野区ゼロカーボンシティ]
CO2排出量削減目標を2030年に2013年度比46%は中野区が国に示した公約。
中野区のCO2排出量構成比は、家庭内の活動を表す民生家庭部門51.7%、サービス業の活動を表す民生業務部門27.8%で、合わせて79.5%。
つまり室内を中心とした活動で8割。

区内で46%削減の実現には民生家庭・業務部門の排出量の抑制が肝要。
ケースによるが、環境配慮型住宅にすることで断熱効果は高まり、一般的に光熱費は半分以下になると試算。
CASBEEなどを導入し、中野区が高性能住居に太鼓判を押すべき。

家賃上昇も光熱費の抑制で全体的にコストダウンすることを区民にご理解いただくべき。
→区民や事業者に対する意識啓発を含め、効果的な方策について検討していく。

区の重点プロジェクトとして、まちづくりを推進する中で、再開発事業における公共貢献の確保、環境配慮型住宅、ファミリー世帯用住宅への誘導の推進、これらが一つの形となるような議論をすべきと考える。
→各部連携のもと取り組んで参りたい。

[人材育成]
区の政策形成手法の柱に位置づけられ、目指すべき職員像、行動指針の重要な要素のひとつであるEBPMのスキル強化こそ、DX推進の中で、今まさに手をつけるべき人材育成の最重要課題にどのように取り組んでいくのか?
→MS社と連携、外部の高度専門人材の活用などを検討。

2 中野サンプラザの今後について

[新・中野サンプラザ]
様々な意見が出て、着地点が見えていない新サンプラザにおいて、区民や来街者が、5・6階までしか上がれないなんてありえない。
区民と高さ262mの話をすると「すごい景色だよね」と胸を躍らせる。
高層階の展望施設は必須、民間事業者による所有・運営ができるか?

民間か区のどちらが所有・運用をするにせよ、新たな公共財産である景観をみることができる展望施設の規模、レストラン機能の要否などについて、実現可能なパターンを整理して、早期に検討すべき。
→施設の在り方について早期に再検討を行う。

議会では展望施設の在り方に結論が出ておらず、今後の整備スケジュールに不安が残る。
万が一、整備スケジュールが遅れた場合に想定される財政面に与える影響は。
→借入金利子、固定資産税等で毎月3千万円程度の負担、新庁舎移転後の現庁舎閉鎖管理、新庁舎整備費の利払いで年1億円程度発生。

[現・中野サンプラザ]
今年度、サンプラザの3次元計測・データ生成の予定。
例えば、3億人が利用する「フォートナイト」内でサンプラザが建設されれば、屋上にパラシュートで着地、館内で銃撃戦、ホールのライブも可能。
事業者とのヒアリングの上、事業を進めるべきと区に助言したが進捗は。
→進捗中。

3Dデータをくまモンのようにフリーライセンスとし、様々なメタバース空間での利用促進を図る一方、適切にライセンス管理し、サンプラザの文化的価値や中野区のシティープロモーションに資する利用となることを担保すべき。
→しっかりと進めていく。

中野サンプラザの建設に大きくかかわった田中角栄総理大臣が祝辞を述べている開館当時の動画や、中野サンプラザのホールで行われた記録の資料、サンプラザを思い出させる残置物があり、積極的に公開・活用を図っていくべき。
→中野区歴史民俗資料館等での保存を検討している。

3 中野区の子ども施設の今後の展望について

[子ども施設の適正配置]
区の資料によると0~4歳の転入7%、転出12%、差し引き5%転出。
5~9歳転出3%、転入4%、差し引き1%転出。
10~14歳転出3%、転入2%、差し引き1%転入。
小中学校に入ると親御さんたちがお子様の転校をさけると推測。

小学校入学前に転出すると中野区愛を育めないため、大人になったとき、昔、中野住んでいた程度の関係性になる。
私の経験上、中野区立の小中学校卒業をすると、中野愛がすごい。
何らかの事情で中野区から転出するときに「中野はよかった」と口々にする。

中野区に愛着をもった子ども達が大人になり、中野区へ恩返しをしようと考える人が少なからずいる。
中野の街をつくる担い手として、次世代の若者達を育てるならば、少なからず小学校を卒業してもらい、中野愛を育むことが重要になると考える。

保育園の待機児童問題が解決したが、今は学童クラブの待機児童問題へとスライド。
学童クラブの待機児童の解決は、中野区立の小学校に通わすか、中野区に住み続けるか判断基準となる世帯もあるでしょう。

学童クラブの拡充は子ども達の未来を左右し、結果的に今後の区政運営に大きな影響を与える重要な課題です。
これまでに他会派の議員が中野区立小中学校再編計画は当時の人口推計を基に計画を立てられ、学校数の数ありきの議論は、現状にそぐわないために検証が必要であると訴えられた。

児童館をふくめた地域子ども施設は、統廃合の目標とする数ありきではなく、人口動態の変化やファミリー向け住宅の供給状況、共働き世帯の増加による学童クラブ需要の変化などにも目を向けて再検討すべき。
→社会状況の変化も踏まえた上で、地域子ども施設の整備など多様な居場所づくりを進める。

4 地域活動・地域経済の好循環を目的とした地域通貨の導入について

コロナ拡大で社会情勢は変化。
そこをチャンスと捉えて仕掛けるべき。
ポイントは地域通貨!
https://agora-web.jp/archives/230320052736.html

各所管が地域通貨のプラットフォームを活用できるような整備をすべきと考えるが、区の見解は。
→他自治体の先進事例も参考にしながら、デジタルによるポイント活用によって、商店街や地域に新たな「つながり」を生み出すような仕組みについて、全庁的な検討を進めていく。

5 S-uiPSによるリアルタイム浸水予測システムについて
早稲田大学理工学術院の関根正人教授らが開発したシステム。
同システムは6月12日のNHK「クローズアップ現代」で取り上げられた。
システムを活用し、区、消防団は水防活動できるように支援すべきでは。
→開発者と協議して進めていく。


【議事録】

○議長(酒井たくや) 次に、加藤たくま議員。

〔加藤たくま議員登壇〕

○11番(加藤たくま) 4月に行われた中野区議会議員選挙の後、初めての定例会となりますため一言御挨拶申し上げます。さきの選挙におきまして、自由民主党の公認候補者に約2万1,732票を賜り、多くの御支持を頂くことができました。御支持頂きました皆様の期待に応えるべく、中野区議会自由民主党議員団の議員が力を合わせ区政前進に向けて尽力していく決意であります。

 それでは、令和5年第2回定例会において、自由民主党議員団を代表して一般質問させていただきます。

 1、行政報告について。

 定例会初日の区長の行政報告について質問いたします。当選に対するお祝いの言葉ありがとうございます。報告の中で、「議会におかれましては、公正な御審議と厳正なチェックに加え、建設的な御議論と御提案を賜りますようお願いいたします。」と発言されており、執行機関の皆様方には、我が会派の区政をよりよくするために打ち出す政策に御理解を頂くことをお願いさせていただきます。

 それでは、報告の中身について伺います。新型コロナが5類感染症に移行され、今後は中野のにぎわいを取り戻し、さらに活性化させる取組が重要との御発言ですが、具体的にはどのような施策を講じられるか伺います。

 続いて、物価高騰対策について。ウクライナ侵攻を起因として、1年以上連続して物価が上昇しております。中野区民、事業者が苦しい生活を余儀なくされる状況下で、中野区はいつでも手を差し伸べるという姿勢、メッセージを示すことは重要で、給付金及びそれに準ずる施策の必要性は理解します。一方、制度の対象外の方々からは不公平感が出るのは必定です。現在の厳しい社会状況下において理解を一定程度得られるでしょうが、制度のやめどきに関して出口戦略を考える必要もあります。例えば、報告で触れられている、実質賃金がウクライナ侵攻前の基準に戻ったときに物価高騰対策をやめるなど、明確な出口戦略を今のうちに検討すべきと考えますが、区の見解を伺います。

 続いて、三つの重点プロジェクトについて。そもそも重点プロジェクトは、縦割り行政において円滑に新たな事業を進めるために、様々な所管を集め、横の連携、部署間の調整をするためにできたと認識しておりました。しかし、昨年の第3回定例会において、中野区基本計画における重点プロジェクト等の取組状況について報告がなされましたが、横の連携が図られた形跡が見えません。また、今年の予算特別委員会の要求資料総務7、中野区基本計画(重点プロジェクト)に係る主な事業一覧では、横の連携があったからこそ予算化されたという事業はなかったように考えます。会議で報告、協議するたびに事業スピードが落ちるわけですから、横の連携が必要ない事業であれば重点プロジェクトに含めないほうがよいという判断もあります。この会議体がしっかりと運用されているのかが疑問です。そこで、重点プロジェクトの意義と、横の連携が図れた結果生まれたという具体的な成果として何が挙げられるのか伺います。

 続いて、子育て先進区の実現について。子どもの意見を区政運営に反映する仕組みづくりとありますが、子どもの権利に関する条例が策定されて以降、具体的に子どもの意見をどのように聞くのか、これまでに報告はありません。中野区が描く子どもの意見聴取及び施策への反映についての具体的な方法について伺います。

 また、学校現場として、条例制定を受けて、さらに子どもの意見を生かした学校運営や校則などにどのような効果があるのか伺います。

 続いて、地域包括ケア体制の実現について。「中野区地域包括ケア総合アクションプランに基づき、包括的な相談支援、参加支援、地域づくりに向けた三つを柱として、相談支援の質を向上するとともに、区民・団体と連携した地域づくりや関係機関を巻き込んだ基盤づくりを進めています。」と報告がなされました。アクションプランが動き出しているにもかかわらず、いまだに基盤づくりを進めるという表現です。いつになったら本格稼働をするのでしょうか。

 地域の方々から地域包括ケアに関する話を聞いたことがありません。地域包括ケアの担い手同士の連携が強化されている様子はうかがい知れますが、受け手側が置いてきぼりになっているのではないかと感じます。例えば、社会福祉協議会と無理やり役割分担を図るがゆえに無理やり縦割りをして、区民に対して窓口担当がばらばらになることを懸念します。中野区はマネジメントしやすい体制の構築を進め、受け手である区民の視点が欠けているように感じます。そこで、地域包括ケアの基盤づくりのネクストステージの目標と、それに向けた具体的な戦略について、区の見解について伺います。

 続いて、活力ある持続可能なまちの実現について。持続可能なまちをつくるためには、中野駅周辺だけだけではなく、住居のまちづくりに力を注ぐ必要があります。コロナ禍で中野区への転入者の特徴の様相が変わってきました。中野区内の不動産事業者に話を伺いますと、現在、中野区の単身世帯用のワンルームマンションは供給過多となり、一方、ファミリー世帯用のマンションが不足しているという話です。ワンルームの部屋二つを一つにできたらいいのになと冗談が出るほど、これまでになくワンルームが余っているということです。中野区は、これまで新入社員、大学へ新たに進学する方々に人気ではありましたけれども、テレワークなどによる在宅ワーク、オンライン授業などで、必ずしも毎日会社、学校に通わずともいい社会環境になったためと推測されます。一方、ファミリー世帯用住居は、原材料の高騰が価格に転嫁されているにもかかわらず、中野区内においても非常に人気があるそうです。ファミリー世帯住居に住みたくても住めない状況になっております。このような状況について、区はどのような見解をお持ちか伺います。

 中野区内の住居の仕様の転換を図るために大がかりな施策が必要だと考えます。今年の予算特別委員会総括質疑でも触れましたが、新・中野サンプラザの容積率を1,000%まで上げるのに使われた公共貢献の制度を中野区全域で活用すべきと考えます。他区では、大規模建築物に対し、子ども施設や福祉施設の整備等の公共貢献を条件として容積率を緩和する制度があり、中野区が戦略を持たないまま、まちづくりが進むのはもったいないことであります。民間企業による公共貢献を促していくためにも、そういった制度の整備が必要だと考えますが、区の見解を伺います。

 中野区ゼロカーボンシティは、区のCO2排出量削減目標を、2030年に2013年度比46%、2050年には100%削減としており、このことは環境省ホームページにも明記され、言わば中野区が国に示した公約でございます。オール東京62市区町村共同事業、みどり東京・温暖化防止プロジェクトによる中野区における二酸化炭素排出量構成比を見ますと、家庭内の活動を示す民生家庭部門が51.7%、第3次産業であるサービス業の活動を示す民生業務部門が27.8%でありまして、これを合わせると79.5%となります。つまり、中野区内の室内を中心とした活動で約8割がCO2の発生の原因となっているわけです。当面の目標である46%削減を考えたときに、まず行うべきは、この民生家庭・業務部門の排出量を抑えることが重要となってきます。建物ごとにケースは異なりますが、環境配慮型住宅などにすることで断熱効果は高まりまして、一般的には光熱費は半分以下になると試算されております。光熱費の基本料金を考慮すれば、二酸化炭素排出量はそれ以上に削減されるわけであります。

 そこで、令和4年第2回定例会で伺いましたが、CASBEE(建築環境総合性能評価システム)を導入して、中野区が高環境性能である住居に太鼓判を押して、多少家賃は上がるかもしれませんが、光熱費を抑制することで結果的にランニングコスト全体を下げるというようなことを区民に理解してもらうことが必要なのではないかと訴えました。当時の答弁といたしましては、事業者との連携も視野に入れ、環境配慮型のまちづくりを進めるための施策等を検討していくということでしたが現在の検討状況について伺います。

 また、重点プロジェクトとして、まちづくりを進めるというのであれば、例えば、再開発事業における公共貢献の確保、環境配慮型住宅、そしてファミリー世帯用住宅への誘導の推進、これらが一つの形となるような議論をしていただけないかと考えますが、可能かどうか伺います。

 続いて、人材育成について。人材育成を計画的・戦略的に進めるため、(仮称)中野区人材育成計画を今年度策定する予定とのことです。行政報告でもあったとおり、この肝となるのがDX人材の育成かと思われます。3月の総務委員会でもDX推進に資する人材の確保・育成等の考え方が示され、今後、日本マイクロソフト社とも連携をしながらDX人材の育成の取組を強化していくことは、時勢に遅れている感はありますが、適切な判断だと考えます。

 一方で、さらなる取組の推進が求められる状況にありながら危機感が感じられないのが、EBPMの機能の強化、そしてその中核となる人材の育成だと考えており、これまでも何度となくその必要性を訴えてまいりました。昨年の第3回定例会決算特別委員会の総括質疑で、区職員のEBPMに関する能力をどう捉えているかとの問いに、高いレベルではないとの答弁がありました。このような認識にあるのであれば、区の政策形成手法の柱に位置付けられ、目指すべき職員像、行動指針の重要な要素であるEBPMのスキル強化こそ、DX推進の中で今まさに手をつけなければならない人材育成の最重要課題ではないかと考えます。今後、どのようにそれらについて取り組んでいくのか、区の見解を伺います。

 以上で、本項目の質問を終えます。

 続きまして、2番、中野サンプラザの今後について。

 今年の第1回定例会の委員会報告の際にはいろいろな意見が出ておりましたけれども、中野駅周辺まちづくりの目玉事業として進められている新北口駅前エリアの拠点施設において、区民や来街者が低層の5、6階までしか上がれないということはあり得ません。262メートルの建物高さに、中野サンプラザ付近の海抜は30メートル程度あり、合わせて300メートル弱から見ることができる景観は、公共物として非常に重要な財産であり、これを自ら手放すことは考えられません。新・中野サンプラザの262メートルの高さの話を区民とすれば、間違いなくすごい景色が見えると胸を躍らせます。高層階からの眺望を楽しめる展望施設は必須であると考えますが、民間事業者による所有、運営ができるのか伺います。

 また、民間か区のどちらが所有、運用をするにせよ、新たな公共財産である景観を見ることができる展望施設の規模、レストラン機能の要否などについて、実現可能なパターンを整理して、早期に検討すべきと考えますが、区の見解を伺います。

 議会では、展望施設について結論が見いだせていない状況であり、今後の整備スケジュールに不安が残ります。万が一、整備スケジュールが遅れた場合に想定される財政面における影響について伺います。

 それでは、話を現中野サンプラザに移します。令和4年第4回定例会一般質問では、中野サンプラザのレガシーとにぎわいを生み出す取組として、中野サンプラザの外観を活用したプロジェクションマッピングの実施や、中野サンプラザの内観・外観を三次元データとして計測し、研究材料として活用する一方、オープンデータとして利用を促すことなどを検討していると答弁されました。オープンデータに関しましては、今年度予算で三次元の計測をいたしますが、そのデータが広く活用されるには様々なプラットフォームで活用できるようにデータを整理する必要があると考えます。例えば、3億人が楽しんでいるというメタバースのシューティングゲーム「フォートナイト」内で中野サンプラザが建設されれば、中野サンプラザの屋上にパラシュートで着地し、中野サンプラザ内で銃撃戦ができるようになります。また、中野サンプラザホールのライブもメタバース上でできます。しかし、事業者によって3Dデータに求めるクオリティ、仕様は異なるため、様々な事業者とのヒアリングの上、事業を進めるべきだと助言してきたところでありますけれども、現況について伺います。

 また、中野サンプラザの3Dデータをくまモンのようにフリーライセンスにすることで、様々なメタバース空間での利用促進を図る一方、適切にライセンス管理し、中野サンプラザの文化的価値や中野区のシティプロモーションに資するように利用を担保するべきと考えますが、区の見解についてお伺いいたします。

 また、中野サンプラザに関しましては、その建設に大きく関わったとされる田中角栄総理大臣が祝辞を述べている開館当時の動画や、現在、中野サンプラザに展示されているホールで行われた記録の資料、中野サンプラザを思い出させる残置物、最近ではドローンを活用した実験など歴史的価値がある様々な資料について、積極的に公開、活用を図っていくことが必要と考えますが、区の見解を伺いましてこの項の質問を終えます。

 続きまして、3番、中野区の子ども施設の今後の展望について。

 令和5年3月に策定された中野区子ども総合計画の14ページに掲載されている、令和3年度における区の転入者・転出者の状況によると、0歳から4歳の転入者割合が7%、転出者が12%で、差引き5%が転出していることが分かります。また、5歳から9歳では、転出3%、転入4%で、差引き1%の転入、10歳から14歳では、転出が3%、転入が2%で、差引き1%が転出となっております。

 小・中学校に入ると転校を避けたい親御さんたちが、転入・転出を避けるではないかと推測されます。就学前に転出してしまうと、中野区に対しての愛着を抱かないために、子どもたちが大人になったとき、昔、中野に住んでいたみたいといった程度の関係性になってしまいます。中野区の小・中学校の出の私といたしましては、成人の集いで中野サンプラザに集まった同級生たちから中野愛を感じましたし、何らかの事情で中野区から転出したときに、「中野はよかった」と口々にしております。中野区に愛着を持った子どもたちは、大人になり中野へ恩返しをしようと考える人が少なからずいると考えます。中野のまちをつくる担い手として、次世代の若者たちを育てるのであれば、少なからず中野区立の小・中学校、中野区内で小学校時代を過ごしていただくことが、中野愛を育むことに重要だと考えます。

 保育園の待機児童問題が解決しましたが、学童クラブの待機児童問題へとスライドしてきました。学童クラブの待機児童の解決は、中野区立の小・中学校に通わすかどうか、中野区に住み続けるかどうかの重要な岐路に立つ世帯もあることでしょう。学童クラブの拡充は子どもたちの未来を左右し、結果的に今後の区政運営に大きな影響を与える重要な課題と考えます。これまでにほかの会派の議員が、中野区立小中学校再編計画は、当時の人口推計を基に計画が立てられ、数ありきの議論は現状にそぐわないために検証が必要であるといった趣旨の質問をされてきております。児童館を含めた地域子ども施設についても、数ありきではなく、人口動態の変化やファミリー向け住宅の供給状況、共働き世帯の増加による学童クラブの需要の変化などにも目を向けて在り方を見直すべきと考えますが、区の見解を伺いまして、この項の質問を終えます。

 4、地域活動・地域経済の好循環を目的とした地域通貨の導入について。

 この項に関しましては、今年の予算特別委員会におきまして、我が会派の若林前議員が取り上げさせていただきましたけれども、改めてお伺いいたします。

 新型コロナの拡大によって社会情勢が大きく変わりました。地域活動は中止、縮小を余儀なくされ、そのダメージは小さくなく、その果ては地域防災力の低下につながりかねません。今年度よりウィズコロナ、アフターコロナの中で地域活動が本格再開に向けて動き出しておりますが、3年、4年ぶりのフルスペックの開催となるところも多く、地域の方々からは、人が集まるのか、体力が持つのかなどの不安の声を聞きます。

 一方、コロナ禍により、在宅勤務、早期帰宅などにより、中野区民の区内滞在時間が長期化していると考えられます。JR東日本が公開している中野駅1日平均乗車人数は、コロナ禍前の2019年の約15万人から、新型コロナ拡大の2020年、2021年は、約10万人、11万人となり、およそ3分の2に減少しました。今年に入り増加しているようにも感じますが、人の流れは大きく変わってきました。

 令和5年5月8日に新型コロナ感染症の位置付けが5類に移行しましたけれども、新型コロナによって変化した在宅勤務、早期帰宅などのライフスタイルは、コロナ禍前のように戻ることはないでしょう。そしてライフスタイルの変化は、自宅や自宅近くの飲食店で飲食をする機会を増やしました。事実、コロナ禍前の令和元年度の燃やすごみは約5万4,000トンから、令和2年度は5万6,000トンと、3%増加いたしました。この間の人口は0.5%減少です。自宅で食事をすれば、商店街で買物に行く機会も増えます。また、飲食店に行く機会が増えれば、地域の方々同士の出会いが増えることも期待できます。裏付けとなるデータとして、リクルート社の調査があります。新型コロナ以降、新たななじみの外食店ができたという人は57.5%、新たにできたなじみの外食店の立地は自宅や最寄り駅の周辺が74.8%という結果でありました。不要不急の外出自粛が要請され、また、在宅勤務等も影響してか、なじみの外食店の場所も自宅近くに出来たという人が多いと分析されております。下品な言い方になるかもしれませんけれども、コロナ禍前、都心部で落とされたお金の一部がコロナ禍によって中野区で落とされるような形になったというわけであります。

 国勢調査で中野区の昼間人口は、2015年度31万3,270人から、2020年度32万5,767人と、1万2,000人以上が増加しております。これは、日中どこに通勤通学しているかという調査結果であり、リモートワーク、オンライン授業が反映された結果とは考えづらいですが、一つの参考値にはなります。企業が多い中野駅周辺においては、リモートワークの影響で昼間人口が少なくなった可能性は高いですけれども、区内全体を考えますと昼間人口が増えていると想定されます。アフターコロナによる地域活動の不安ながらの復活、そして在宅勤務で中野区民の区内滞在時間の長期化、この二つの状況をどうにか絡められないかと考えるわけであります。

 結論を先に言いますと、中野区版のデジタル地域通貨のプラットフォームをつくり、地域活動における地域活動ポイント制度を策定し、そのポイントをプラットフォーム上で運用できるようにすべきと提案させていただきます。地域活動ポイント制度により、中野区内にいる人材を地域デビューさせるための呼び水にできないかと考えるわけです。そして、地域活動で得られた地域活動ポイントは、中野区内限定での使用しかできないために、区内経済の好循環が期待できるわけです。

 前置きが長くなりましたけれども、それではデジタル地域通貨の導入について伺っていきます。この件に関しましては、行政報告で、「商店街に対しては、キャッシュレス化への支援を進めるとともに、デジタル地域通貨導入に向けた検討に着手します」と触れられており、我々のこれまでの要望の実現に向けて、前進したと評価させていただきます。

 ところで、令和4年度予算でも同様の事業があったかと思いますけど、その検討状況はどのようなものだったかお伺いします。

 これまでの実績から、区内商品券は確実に区内消費の促進につながることから、商品券の電子化で紙の商品券よりも使い勝手がよくなることは理解します。しかし、単に商品券を電子化するだけではなく、中野区が地域通貨のプラットフォームをつくり、そのプラットフォームの上に商品券を組み込むなど、商品券と互換性を持たせたデジタル地域通貨の仕組みをつくるべきと考えますが、区の見解についてお伺いいたします。

 もしそのプラットフォームが庁内全体、また商店街連合会などが利用できるデジタル地域通貨の仕組みが整備されれば、エコポイント、生活応援事業に関わるポイント還元事業、デジタル区内商品券などの既存サービスが一つのプラットフォームで運用が可能となります。貯まったポイントが地元で消費されれば、さらなる区内消費の活性化にもつながり、好循環が生まれます。各所管が地域通貨のプラットフォームを活用できるような整備をするべきと考えますが、区の見解をお伺いいたします。

 ただし、このプラットフォームを管理する所管が執行委任を受けないような形は担保すべきと考えます。

 次に、地域活動ポイントの導入について伺います。三鷹市では、ボランティアポイントとして、地域通貨の特徴を持ち合わせ、コミュニティ活動の参加者に対して市がポイントを付与し、コミュニティ活動への参加促進と地域のにぎわいを創出する、共に支え合う新しい地域社会の実現に向けた基盤として地域ポイントの取組を進めております。中野区においても、地域活動の活性化のテコ入れとして地域活動ポイントの導入を、時限的、サンセット方式でもいいので創設すべきと考えますが、区の見解についてお伺いいたします。

 ところで、今年の予算特別委員会総括質疑におきまして、昨年、中野区生活応援事業、ポイント還元事業で利用が多かった業種を伺ったところ、第一弾の大規模チェーン等を除く区内中小加盟店を対象としたキャンペーンで一番利用が多かった業種は、飲食店、喫茶店、続いて居酒屋、パブ、バー、3番目が理容、美容ということでした。そして、第二弾のコンビニを除く大手チェーンを対象としたキャンペーンでは、一番多かったのが食品スーパー、続いて飲食店、喫茶、3番目が医薬品、化粧品、ドラッグストアとの答弁でした。

 デジタル地域通貨の通常使用できる範囲は今後検討していくべきですが、大手チェーンを除くとすれば、飲食店などに大きな還元がされることが予想されます。デジタル地域通貨が整備されるのであれば、ターゲットは飲食店にすべきと考えます。地元飲食店を通じて地域デビューのきっかけをつくり、地域活動ポイントによりさらに呼び水としていく、このような地域活動の活性化モデルを設計すべきと考えますが、区の見解を伺いまして、この項の質問を終えます。

 5番目、S-uiPSによるリアルタイム浸水予測システムについて。

 本項目に関しましては今年の予算特別委員会の総括質疑で取り上げましたので、その後の進捗について伺います。

 S-uiPSとは、早稲田大学理工学術院の関根正人教授らが開発したシステムで、雨雲レーダーの降雨予測値をインプットし、約20分先の河川氾濫・道路の浸水状況を動画にしてお知らせするアプリケーションです。河川、下水道の水の流れをシミュレーションし、河川・道路のどこで水があふれるか、水深5センチメートル程度の誤差まで表現できるように精度を高めてまいりました。無料でインターネット閲覧するだけで、災害情報の重要な拡充に資するわけです。ちなみにこのシステムは、6月12日のNHKクローズアップ現代でも取り上げられました。

 このシステムのテスト配信ユーザーとして、中野区に参加してもらえないかという打診がありました。区は、「テスト配信を受けながら、今後の活用について研究してまいりたい」と答弁されました。6月2日の台風2号の影響により大雨洪水警報が発令されるとともに、区内の河川では、妙正寺川において氾濫危険水位に達しました。また、善福寺川上流の杉並区の西田端橋では一時氾濫発生水位を超え、道路冠水が発生しました。

 気候変動、ヒートアイランド現象などにより、大規模な都市水害はいつ起こってもおかしくない状況です。このような状況において、水害の発生が予測できるシステムの必要性はますます重要となってまいります。このシステムを活用すれば、中野区防災担当、また消防団の方々が、水没することが予想されたアンダーパス、地下空間に対して事前に封鎖することも可能となります。「今後の活用について研究をしてまいりたい」という前回の答弁よりもさらに踏み込み、開発者と共同で新たな取組を進めるべきと考えますが、区の見解をお伺いしまして、全ての質問を終えます。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 加藤議員の御質問にお答えいたします。

 まず初めに、行政報告についてで、今後の活動活性化に向けた取組についてでございます。小・中学生の豊かな感性、想像力、人間性などを育むための様々な文化芸術体験の機会を確保する取組、区民公益活動の活性化及び住民参加の促進を図るための地域団体活動情報発信ツールとしてのWebアプリの導入、商店街キャッシュレス普及キャンペーン事業などを着実に実施をしてまいる考えでございます。また、経済活性化策として、複数の決済事業者によるキャッシュレス決済ポイント還元事業の実施も検討しております。

 続きまして、物価高騰対策の出口戦略についてでございます。生活者や事業者の状況、国や都の施策の状況、他区の対策の状況を踏まえながら、必要な物価高騰対策を行いつつ、出口戦略についても検討してまいります。

 続きまして、重点プロジェクトの意義と成果についてでございます。重点プロジェクトは、基本計画に掲げる政策・施策を効果的かつ効率的に推進していくため、組織横断的、かつ重点的に対応する必要がある政策課題に対して設定したものであります。各部が重点プロジェクトに掲げる課題や方向性を共有し、それぞれ所管する取組、事業について、相互に関連性を持って進めていくことで成果につながっていくものと認識をしております。

 子どもの意見を区政運営に反映させる仕組みづくりや、孤独・孤立対策、新庁舎における環境マネジメントシステムの推進に係る取組などは、重点プロジェクト推進会議においても議論を行ったところでありまして、着実な成果につながるよう組織横断的に対応してまいります。

 続きまして、子どもの権利条例についてで、区政運営における子どもの意見表明・参加についてでございます。子どもが区政や地域の課題について考え、意見を表明し、主体的に参加するための機会を確保することが重要であると考えております。区政運営における子どもの意見聴取の場の設定や聴取の方法などを取りまとめた実践的な手引を作成をし、全庁で共有することで、子どもの意見表明、参加に関する取組を推進してまいります。

 続きまして、地域包括ケアの今後の具体的戦略についてでございます。区では、医療と介護の連携を軸に、複雑化、複合化する生活課題に対応するため、全世代を対象とした重層的支援体制の構築に取り組んできたところであります。ヤングケアラーやひきこもり、社会的孤立など顕在化しにくい課題も多く、生きづらさの声を上げやすい場や環境づくりが求められております。こうした状況を踏まえ、今後さらに、ハイリスクアプローチの強化とともに、ポピュレーションアプローチを拡充していきたいと考えております。

 次に、単身世帯用のワンルームマンションの質問のところで、ファミリー世帯住居についてでございます。区では、単身世帯やファミリー世帯など、世帯種別に応じた居住面積が確保された住宅の供給を誘導することが必要であると考えております。ファミリー世帯向け住居につきましては、中野区集合住宅の建築及び管理に関する条例におきまして、一定規模の集合住宅に対し、ファミリー世帯向け住戸の附置を義務付け、供給を誘導しているところでございます。

 民間企業による公共貢献についてでございます。都内では、大規模建築や再開発事業等の計画において、都市開発諸制度の適用によって、諸条件を満たして容積率緩和を受ける場合、区との協議によって一定の公共貢献を促すことも可能であると考えております。今後のまちづくりの進捗や他区の事例等も参考にしながら、必要な方策等について研究してまいります。

 次に、環境配慮型のまちづくりについてでございます。現在、脱炭素社会の実現に向けた分析調査として、各種データに基づく中野区の現状把握を進めているところであります。また、8月頃には、家庭や事業所の状況把握等を目的に、区民、事業者へのアンケート調査、これも実施し、これらの結果に基づいて今後取り組むべき施策について検討します。

 住宅や事業所の脱炭素化の推進に向けては、今後、国による建築物省エネ法の改正や東京都による建築物環境報告書制度の創設等が予定されているほか、民間企業による新たな技術の開発等も進められているところであります。区としては、これらの動向も踏まえ、ZEHやZEBなどの環境配慮型建築物の推奨や再生エネルギー電力への切替え推進など、区民や事業者に対する意識啓発も含め、効果的な方策について検討してまいります。

 続きまして、まちづくりの進め方についての御質問です。重点プロジェクトは、各関連分野が抱える課題を組織横断的に検討し、対応することが求められるものであります。区は今後、まちづくりが進められる中野駅周辺や西武新宿線沿線等のまちづくりにおいて、活力ある持続可能なまちの実現に向け、各部連携の下、取り組んでまいります。

 次に、EBPMに係る機能強化、スキル向上の取組についてでございます。客観的な事実やデータを基に政策形成を行うといったEBPMは、区政運営における政策形成の基本的な視点であり、職員にも職務に当たって意識すべき思考の基本プロセスとして理解と実践を強く求めているところであります。職員のEBPMに関わるスキル向上は、人材育成の重点項目として、これまで政策形成におけるデータ活用の在り方やオープンデータ、統合型GISの有効活用といった研修に取り組んでまいりました。今後も、DX人材育成の取組の一環として、協定を締結している日本マイクロソフト社等と連携をしながら、職員のEBPMに対する理解度、活用度のレベルを上げる取組を充実させてまいります。また、必要に応じて外部の高度専門人材の活用も検討し、区のEBPMの強化を図ってまいります。

 次に、中野サンプラザの今後についてで、民間事業者による展望施設の所有・運営についての御質問です。展望施設について、施行予定者に対し、民間事業者での所有、運営を求めてきたところでありますが、昨今の物価高騰の影響で、所有、運営は難しい旨の回答があったところであります。

 次に、展望施設を含む拠点施設の在り方についてでございます。展望施設を含む拠点施設のさらなるにぎわいの創出や魅力の向上等につながる施設の在り方について再検討を行っているところでありまして、整理ができ次第お示しする考えでございます。

 次に、整備スケジュールの遅延による財政面の影響についてでございます。中野サンプラザに関しては、株式会社まちづくり中野21は、借入金利子や固定資産税等で毎月3,000万円程度の経費を負担しておりますが、その経費負担の期間が長くなるという影響がございます。そして、現庁舎につきましては、新区役所移転後の閉鎖管理に伴う維持管理経費等の負担増が考えられます。また、転出補償金の収入時期が遅れますと、新区役所整備費の起債の償還時期が遅れ、年1億円程度の追加利払いが発生する可能性がございます。

 次に、中野サンプラザ三次元データのクオリティ確保でございます。中野サンプラザの三次元データ化は、実績のある複数の事業者から意見を伺いながら、保存するデータの一定程度の質と利活用しやすさを担保することを前提として進めているところであります。来年度早々にオープンデータとして公開できるようにしたいと考えております。

 そして、中野サンプラザ三次元データのライセンス管理についてでございます。三次元化した中野サンプラザのデータは、広く利活用してもらうためオープンデータとして公開しますが、一方で、それらの利活用が文化的価値の保持やシティプロモーションに資するとともに適正に行われるよう、使用に当たってのガイドラインを定め運用していく考えでございます。

 次に、中野サンプラザに関する歴史的価値がある資料の活用でございます。中野サンプラザに関する歴史的価値を有する資料につきましては、株式会社中野サンプラザから区が譲り受け、歴史民俗資料館で保管する方向で調整をしているところであります。中野サンプラザの歴史や功績がレガシーとして継承されるよう、権利関係にも十分配慮しながら資料の公開と活用を図ってまいります。

 最後に、中野区の子ども施設の今後の展望についてで、子ども施設の整備・運営方針についてのお尋ねです。子どもと子育て家庭を取り巻く現状として、孤独・孤立への不安や児童虐待、不登校、いじめ、貧困など様々な課題が複雑かつ複合化しているとともに、共働き世帯の増加による学童クラブ需要が年々増加傾向にあります。こうしたことを踏まえ、これまでの児童館の機能、役割を基礎とした上で、それぞれの施設の機能、役割に応じて、福祉的課題に対応を図るソーシャルワーク機能、乳幼児親子への支援機能、中高生世代への支援機能などを強化した運営ができるよう検討を進めているところであります。まちづくりの進展による都市構造の変化や、共働き世帯の増加などの社会状況の変化なども踏まえた上で、地域子ども施設の整備など多様な居場所づくりを進めていく考えでございます。

〔教育長入野貴美子登壇〕

○教育長(入野貴美子) 私からは、行政報告についての御質問のうち、中野区子どもの権利に関する条例を受けた学校づくりについてお答えをいたします。

 昨年度から、区立小・中学校では、中野区子どもの権利に関する条例を改めて柱の一つに置いて、教育課程全般の見直しを図ってきたところでございます。小・中学校は、主に学級活動や生徒会活動、学校行事や学校生活等において、児童・生徒の意見や考え、思いを安心して表明できる場をより増やすための取組を行ってきております。子どもたち自身が考えた学校生活の決まりや運動会の企画運営などの実践が多く報告されてきております。引き続き、学習活動も含めて、子どもたちを主体とした学校づくりに向けて指導、助言をしてまいります。

〔文化・産業振興担当部長高村和哉登壇〕

○文化・産業振興担当部長(高村和哉) 私からは、地域活動・地域経済の好循環を目的とした地域通貨の導入についての中から2点お答えいたします。

 まず、区内商店街キャッシュレス化の検討状況でございます。昨年度、中野区商店街連合会及び中野区商店街振興組合連合会では、専門家の助言を受けながら、区内共通商品券の電子化に向けた調査と検討を行ったところでございます。具体的には、商品券の電子化に関する勉強会の開催、商店街へのヒアリング、先進事例の視察、システム事業者へのヒアリングを実施し、商品券の電子化に係るコストの算出やスケジュールの検討を行ったところでございます。

 次に、区内商品券と連携したデジタル地域通貨の検討についてでございます。他自治体では、デジタル地域通貨に区内共通商品券や区の事業を連携させ、コミュニティ通貨として運用しているところがございます。先行実施しているデジタル地域通貨の例を参考にしつつ、中野区商店街振興組合連合会と協議しながら、有効なキャッシュレス型の地域通貨のシステム構築に向けて検討してまいります。

〔企画部長岩浅英樹登壇〕

○企画部長(岩浅英樹) それでは、地域通貨の導入についての御質問のうち、全庁的な地域ポイントの検討についてお答えをいたします。キャッシュレス化のさらなる進展や区民のデジタル機器の活用状況等を踏まえ、他自治体の先進事例も参考にしながら、デジタルによるポイント活用につきまして、商店街や地域に新たなつながりを生み出すような仕組みにつきまして、全庁的な検討を進めてまいります。

〔地域支えあい推進部長石井大輔登壇〕

○地域支えあい推進部長(石井大輔) 私からは、地域通貨の導入についての御質問のうち、地域活動ポイントについてお答えいたします。地域活動に対するポイント付与につきましては、地域活動の活性化に向けた仕掛けとして有効であると認識しておりますけれども、デジタル地域通貨の導入に合わせて組み込んでいくのが効率的かつ効果的であると考えております。

 次に、地域活動活性化モデルの設計についての御質問にお答えいたします。地域活動に対するポイント付与は、活動のインセンティブとなることから、ポイントの受渡しが繰り返されることによって地域全体の活性化につながると考えております。こうした取組の参加者となり得る地域団体や事業者などとともに意見交換しながらモデルを検討してまいります。

〔防災危機管理担当部長石崎公一登壇〕

○防災危機管理担当部長(石崎公一) 私からは、S-uiPSによるリアルタイム浸水予測システムについての御質問についてお答えいたします。区では、S-uiPS、リアルタイム浸水予測システムのテスト配信サイトの利用者登録を行い、浸水予測システムの活用について検討を始めたところでございます。また、先日、開発者とも意見交換をしたところであり、今後、開発者との共同の取組についても、併せて検討してまいりたいというふうに考えてございます。

○議長(酒井たくや) 以上で加藤たくま議員の質問は終わります。