令和4年中野区議会(第2回定例会)一般質問


【質問項目】
1.中野区長選挙公開討論会の議論から窺い知れる今後の区政運営方針について
(1)医療・福祉政策について
(2)環境政策について
2.職員ファースト区政からの脱却について
3.中野サンプラザ再整備を奇貨とした「にぎわい」の維持・発展について
(1)中野駅周辺エリアマネジメント協議会について
(2)サブカルチャー・ポップカルチャーによる「にぎわい」について
(3)社会実験による経済施策について
4.中野区内におけるドローン実証実験について
(1)建物点検技術の開発について
(2)河川空間を活用したドローン配送について
5.その他

【概要】
1.中野区長選挙公開討論会の議論から窺い知れる今後の区政運営方針について
(1)医療・福祉政策について
コロナワクチン8割接種から国民のヘルスリテラシーは向上。
今後はより予防に重点を置き、予防医療・介護予防に注力することで自助力を高めるべき。
自助力の向上で周りも巻き込み、公助力の向上へ。

2021年の衆議院選挙で自民党が公約とした国民皆歯科健診は政府が「骨太の方針」に明記され、歯科健診の重要性についてフォーカス。
口腔ケア、口の健康が保つ人は医療費抑制の研究成果あり。
歯周病は糖尿病や動脈硬化などの全身の病気に大きく関わる万病の元。
噛むことで認知症予防、口腔ケアを行うことで誤嚥性肺炎を防ぐ。

滑舌低下、食べこぼし、わずかなむせ、かめない食品が増えるなどのオーラルフレイルから始まる外出・運動の機会の減少、そしてそれが著しくQOLを低下させる。
口腔ケアの重要性を区民に理解していただき、健診率の向上を。
結果、医療費抑制、おサイフにも税金にもやさしい。

(2)環境政策について
全国の自治体がゼロカーボンシティ宣言。
2050年度に二酸化炭素実質排出量2013年度比で100%削減。
CO2排出量の民生家庭部門は23区平均30%、中野区51%です。
中野区では抜本的な住宅政策が環境政策に直結。
20万世帯の動機づけとなる政策が必要。

環境配慮型住宅建設を条件に容積率のインセンティブを付加するなど都市計画の制度を活用した予算を使わない住宅政策の推進が必要と考える。
CASBEE(建築環境総合性能評価システム)の中野区への導入提案。
CASBEEは建築物の環境性能や建設・維持管理等により発生する様々な環境負荷を、多面的かつ客観的な観点から評価する手法です。

多くの地方自治体で、新築・増改築の際にCASBEEによる評価結果の届出を義務化する制度や、インセンティブを付与する制度の実施。
高熱効率の建物はエアコン等の使用エネルギーを大きく抑制。
私が築40年の公務員官舎居住時、壁が薄すぎて暖房が効かずに毛布に包まって生活。
高環境性能で、月々の光熱費を抑制した街づくりの区民への理解促進。

2.職員ファースト区政からの脱却について
中野区改善運動「OneUp↑チャレンジ」は区の改善事業の発表の場だが本選に出場したくないために、レベルが低い改善内容をエントリーするとの声がある。
これが逆に区全体の改善のムードを壊しているのではないか危惧、本選に出たくなるような改善の改善が必要。

現在の中野区における行政運営、事務執行は、改善をしないことを容認しているように見え、また縦割り行政や前例踏襲の弊害が各所に散見。
新庁舎への移転を控え、今が改革をできる唯一かつ最大の100年に一度のチャンス。
区長には職員に嫌われようと、将来的には区民・職員のためになると陣頭指揮を執っていただきたいと懇願。

区は来年度よりMS365の導入を決定、横ぐしを刺させる区政一体となった行政運営を目指せる環境に。
しかし職員は未だにMS365でどのような革命的変化が起こせるかイメージない。
相応の投資をして導入するMS365の活用に対する意識変化をすべき。

新庁舎において「4つのない」、待たない、書かない、動かない、迷わない、の取り組みなどの検討。
東京都は5つのレス、ペーパーレス、ハンコレス、ファックスレス、キャッシュレス、タッチレスの徹底方針。
キャッチフレーズに終わらず、全国に誇れるサービス提供できる新庁舎に。
昭和43年、現庁舎が自治体で全国初コンピュータ導入した最先端。

 ICT機器活用で区役所の窓口数を将来的に現在の半分以下にできると考える。
 しかし現在は移転で頭がいっぱいで将来のことまで考えられないムード。
新庁舎移転後、一度固定されたレイアウトを変更するモチベーションがあるは到底考えられない。
移転前の今から検討を。

 病院には病床数があるが、区民サービスに上限数がなく、いずれ現場が耐えられなくなる時期が来ると危惧。
レストランチェーンのサイゼリヤの社長が「おいしいものはすぐ飽きる、でも、まずいものは食べたくない、だから、おいしくないけど、まずくないものを出すのが大事」との名言。
持続可能な組織とする秘訣?

丁寧な行政サービスは必要だが、全区民に高級料理を提供し続けることはできない。
人を増やすか、育てるか、対応レベルを下げるなどの検討が必要。

4.中野区内におけるドローン実証実験について
(1)建物点検技術の開発について
 中野区、国立研究開発法人建築研究所などによる中野サンプラザ・中野区役所における建物外壁調査実験の研究成果が一助となり、国土交通省住宅局は令和4年3月に「赤外線装置を搭載したドローン等による外壁調査手法に係る体制整備検討委員会」発足。
中野区の研究フィールド提供が日本の科学技術発展へ貢献。

今後、中野サンプラザにおける建物点検の研究で、サンプラザの全景、内部などの映像を収集予定。
クラウドファンディングなどで資金調達。
区民が欲しがるメモリアル映像を制作すべき。
「ノスタルジーの成仏」に資する。
https://agora-web.jp/archives/2035608.html

解体されるサンプラザの備品などの廃材は、オークションを実施し、区の収入を増やす努力をすべき。

(2)河川空間を活用したドローン配送について
 ドローン配送の実現化に向けて。
中野区は都心部であるため、現在の法律、社会理解の中でドローン配送を唯一可能であるのは神田川、妙正寺川などの河川空間、しかも橋の下だけの河道に限られる。
河道であれば、盗撮の疑い、落下による被害リスク等がない。
中野区の河道は人が入れないコンクリート三面張り。
上流の杉並区は親水公園があり、下流では舟が舟航し、人がいるためドローン飛行に向かず、何もない中野区内の河道はドローン配送実験にとって最高の条件。
そこで中野の河道を活用したい研究グループが現わる。

ドローン配送では何を運ぶかが重要。
薬剤の配送は緊急事態時に有効だが一般ユーザー向きではない。
では100万円の宝石や半導体を運ぶために現状リスクが伴うドローンを使うのか、また牛丼一杯運ぶのに人件費2000円かけるのか、悩みは尽きない。

おそらく食べ物のデリバリーが現実的で人件費を抑えるため、ドローン自動運転が求められる。
ドローン配送で自動運転化するためには空の道の設定が必要で、将来的にはスターウォーズの世界感になると考えられる。
そのためにも空の道の三次元データが必要。

将来的にはただの空間に空の道が必要だが、まずは河道という物理的に囲われている空の道を飛行することがあらゆるリスクを抑制。
まずは河道のグーグルストリートビューより精度の高い写真データと3次元の座標データを収集し、空の道を開拓。
これらデータから河道の仮想空間、メタバースを作成、活用することで将来的にどのような河道にしたいかデザインしながら、議論可能。

3.中野サンプラザ再整備を奇貨とした「にぎわい」の維持・発展について
(1)中野駅周辺エリアマネジメント協議会について

人口減少下で不動産価値は立地条件だけではなく、ソフト面が重要視される時代にエリアマネジメントが重要。
中野駅周辺を新宿のように買い物、映画鑑賞などができる街にしたら、本家に敵わないため、中央線高円寺駅より西側の方々には素通りされる。
今後、中野駅周辺は独自性の高いまちを目指し、降りてみたい街にすべき。

例えば、土日に行くと食フェス、アニメフェス、アイドルフェスやら何かしらのイベントがやっている街を目指すのはいかがでしょうか。
今週は何やっているかわからないけど、渋谷のように「とりあえず中野に行こうぜ」といわせるコンテンツを生み出す気概が必要。

来年令和5年5月1日の #中野サンプラザ #50周年 と6月30日の #閉館 でメディアに取り上げられることは必至。
中野のエリアマネジメントの宣伝をする好機。
私が想像するエリマネ協議会の最高の運用は、例えば10月は中野駅周辺を丸ごと食フェスとし、すべてのエリアで異なるジャンルの食フェスが楽しめるそんな仕立てにすること。

(2)サブカルチャー・ポップカルチャーによる「にぎわい」について
サブカルチャー(アニメ、アイドル、お笑いなど)が中野区の主要産業と位置付け。
子育てに必要不可欠なアンパンマンがサブなわけない。
ご当地にJリーグチーム、産業があれば、住民はその自慢をするが、中野区民にその感覚はない。
サブという言葉がネガティブに?
ポップカルチャー、ネオカルチャーなどの新たな言い回しが必要なのでは?

中野サンプラザはアイドルの聖地といわれている。
中野区内などのライブハウスで活動をし、その舞台を目指すとのこと。
サンプラザ閉鎖がそれら活動の区外流出を懸念。
しかし事業者曰く、やり方次第では中野区全体をアイドルの聖地となることも可能。

(3)社会実験による経済施策について
エリアマネジメントではカルチャーだけではなく、社会実験を進めるべき。
最終拠点からエンドユーザーへの物流サービスにおける課題をラストワンマイルという。
ドローンの飛行ルートは当面限られる。
ラストワンマイルを埋める陸上専用の配送ロボットの社会実験なども魅力ある事業に。

5.その他
学校跡施設の活用検討にあたっては、当該地域で必要となる避難所機能の確保、学校再編に伴う学校数・学級数の変化や、周辺の区有施設の状況を踏まえ、指針を定めることが重要。
東京都が被害想定を10年ぶりに見直し、区内の想定避難者数は48,500人から32,000人程度と大幅な減になった。
子どもを含めた将来人口推計はマクロスケールモデルであるコーホート法ではミスリードする。

豊洲は何もないところからタワーマンションができ、小学校を2校建設しましたが、この現象はコーホート法では導けない。
ミクロ的には、どこに巨大マンションができるのか、都市基盤との情報連携・分析が必要。

沼袋小学校跡地は、区有施設整備計画において、北部すこやか福祉センター等の整備用地として位置づけ。
整備にあたっては用途地域の変更が必要であるにも関わらず、これまでに担当部署と連携していないことを指摘、今後やっていくとのこと。

【議事録】

○議長(内川和久) 最初に、加藤たくま議員。

〔加藤たくま議員登壇〕

○11番(加藤たくま) 自由民主党議員団の立場から一般質問をさせていただきます。

 4番の中野区内におけるドローン実証実験についてを3番と入れ替え、その他で避難所の適正配置について質問いたします。

 まず初めに、酒井区長、御当選おめでとうございます。区民からの御信任を得られたということで、我が会派もそれを理解した上で、今後も是々非々で区政運営について議論を交わしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 選挙戦で区長は様々な公約を掲げられましたが、いずれも短期的に取り組める課題であり、ほとんど中長期的な戦略はありませんでした。今、中野区だけではなく日本全体が抱える財政、社会保障、防災、環境など大きな問題の解決の道筋をつけなければならない重要な時期だと考えます。そこで、1、中野区長選挙公開討論会の議論からうかがい知れる今後の区政運営方針について伺います。

 4年前は、東京青年会議所の主催者の立場で中野区長選挙の公開討論会を開催させていただきましたが、チラシ、選挙公報、ポスターからでは分からない候補者の政策をうかがい知れるよい機会です。特に気になった2点について伺います。

 まず、(1)医療・福祉政策について。

 討論会において、基礎的自治体である中野区は、医療・福祉政策に対して何ができるか、区民に何を提供するのかという問いに対して、区長は、地域で見守り支えあいネットワークを強化します。それによって、これまで支援の手が届きにくかった方々にもセーフティネットを準備することができます。例えばひきこもり支援やヤングケアラー支援を行いますと書面回答され、ネットワークの重要性について言及されました。

 それは、もちろん重要ですが、区長が地域包括ケアの担当課長を務めてから6年くらい経過しましたが、区民生活としては変化が全く感じられないというのが正直なところです。町会、民生委員の中には、これ以上業務を増やされるのは困るという声もあります。ネットワークを強化しますと言うのは簡単ですが、これ以上強化するのは難しいのが現状です。区は、今後重点プロジェクトで地域包括ケア体制の拡充を進めますが、小手先の改善では全く追いつかないと思います。軽自動車を改造して時速200キロの車にすることは到底困難で、車を買い換えるような抜本的な改善に着手しなければ問題の解決ができないと考えます。このボトルネックをどのように解消されるのか御見解をお伺いします。

 我が会派として、中野区における先進性がある医療・福祉政策としてこれまで提案してきましたが、ヘルスリテラシーの向上、特に予防に重点を置き、予防医療、介護予防が重要であると考えます。新型コロナワクチンを8割ぐらいの方々が2回接種されている事実から、公衆衛生に関するヘルスリテラシーは国民全体で上がってきているのではないでしょうか。ヘルスリテラシーの向上により自分の健康をよく考えるようになり、自助の力が向上します。自助力の向上は、周りの人もいい意味で巻き込み、公助へつながるものと考えます。

 2021年の衆議院議員選挙で、自民党が公約として国民皆歯科健診を掲げ、政府は、6月7日閣議決定した経済財政運営の基本方針、骨太の方針に国民皆歯科健診の具体的な検討と明記され、歯科健診の重要性についてフォーカスされるようになりました。私もこれまでに何度も質問に取り上げましたが、口腔ケア、口の健康が保たれる人は医療費が抑制できるという研究結果があります。また近年では、歯周病は糖尿病や動脈硬化をはじめとした全身の病気に大きく関わる万病の元と言われることは周知のことになりまして、かむことは認知症の予防になること、糖尿病、動脈硬化、口の中をきれいにする口腔ケアを行うことで誤嚥性肺炎を防ぐことも、調査の結果分かってきました。

 また最近では、滑舌低下、食べこぼし、僅かなむせ、かめない食品が増えるなど、オーラルフレイルから始まる外出、運動の機会の減少、そして、それが著しくQOLを低下させることが分かっています。もし、国を挙げた歯科健診の体制が構築されたとしても、口腔ケアの重要性を区民が理解し、自分の口の状態を知ることの大切さを感じていなければ健診率の向上は望めません。

 口腔ケアの重要性について、中野区を挙げて情報発信し、成人歯科健診の向上と、さらなる健診項目の充実に改めて努めるべきと考えますが、区の見解をお伺いします。

 また、歯科だけでなく、日頃から個人的に行える健康、予防医療、認知症を代表する介護予防に関する情報をイベントや区報で共有すべきと考えますが、見解を併せて伺います。

 二つ目、環境政策について。

 討論会において、サステナブル・トランスフォーメーションは国際的にもトレンドですが、国や都が行っている取組以外に、基礎自治体として中野区が区民と共に行えることは何があるかという問いに対して、区長は、「2030年までに二酸化炭素排出量を2013年度比で46%削減します。里・まち連携自治体との協働により環境交流を深めていきます。家庭ごみの堆肥化、家屋の断熱化など家庭からできる取組を強化します。」と書面回答され、コンポストや本年度から始まった高断熱窓・ドア15万円の設置補助について語られました。

 どの政策もやるべきですが、中野区の世帯数は20万を超えており、焼け石に水であります。施政方針説明で唯一数値目標を出しているのはゼロカーボンシティ宣言です。2030年に2013年度比46%、2050年には100%削減ということです。かなり困難であることを理解された上でゼロカーボンシティ宣言をされているわけですから、その実現に向けて区はどのように考えているのか、具体的な方針について伺います。

 CO2排出量の民生家庭部門は、23区平均30%、中野区が51%です。ドラスチックな住宅政策が環境施策に直結します。ゼロカーボンに近づける方法は、大きく分けて、エネルギー由来を石油、石炭などの天然資源によらないこと、もう一つが、使用するエネルギーを最小化していく、この二つとなります。前者は国のエネルギー政策で、自治体でコントロールするのは困難です。しかし、後者の各世帯の使用エネルギーを最小化する手伝いは自治体にもできると考えます。やるなら20万世帯の動機付けとなる政策が必要です。

 我が会派としては、環境配慮型住宅建設を条件に容積率のインセンティブを付加するなど、都市計画の制度を活用した予算に頼らない住宅政策を推進することを提案してきました。新たな環境施策として、CASBEE(建築環境総合性能評価システム)の中野区への導入を提案します。CASBEEは、建築物の環境性能や建設、維持管理等により発生する様々な環境負荷を多面的かつ客観的な観点から評価する手法です。多くの地方自治体で、新築、増改築の際にCASBEEによる評価結果の届出を義務化する制度や、インセンティブを付加する制度を実施しています。熱効率が高い家では、エアコン等の空調に使われるエネルギーを大きく抑えられます。

 私は人生で7回引っ越しましたが、熱効率が高い住居では電気、ガス代が安いことは身をもって体験しております。特に築40年となっていた公務員官舎に住んでいたときは、壁が薄過ぎて暖房は効かずに、最終手段として毛布にくるまって生活をしたこともありました。環境性能が高いことで月々の光熱費が抑制できることを区民に理解していただき、まちづくりを進めていくべきと考えます。例えばグレードが高い集合住宅の建設は初期投資が高くなり、家賃へ価格転嫁せざるを得ませんが、家賃の上昇分よりも光熱費の抑制分が勝る、もしくは、とんとんなのであれば、オーナーも入居者もウィン・ウィンの関係となります。設計事務所、住宅メーカー、不動産業などと連携を図り、環境配慮型のまちづくりを推進すべきと考えますが、区の見解はいかがでしょうか。

 二つ目に、職員ファースト区政からの脱却について。

 区長は、中野区改善運動OneUp↑チャレンジ(ワンナップチャレンジ)の継続の重要性を訴えています。確かに改善を続けることは重要ですが、一部職員が言うには、OneUp↑チャレンジ(ワンナップチャレンジ)の本戦に出場したくないために、レベルが低い改善内容をエントリーするとの声も聞きます。だから、発表内容が学芸会レベルになるのであって、これが逆に区全体の改善ムードを壊していることを区長が理解されているのか、裸の王様になっているのではないかと危惧します。区長はそのような声を踏まえ、今後、改善の改善をどのように進めていくのか伺います。

 現在、中野区における行政運営、事務執行は改善しないことを容認しているように見え、また縦割り行政や前例踏襲の弊害が各所に散見されます。新庁舎の移転を控え、今が改革をできる唯一かつ最大の100年に1度のチャンスです。区長には、職員に嫌われようと、将来的に区民、職員のためになると陣頭指揮を執り改革に取り組んでいただきたいと考えます。

 まず、新庁舎移転を契機とした行政運営の見直しについて伺います。区では、MS365の導入を決定しました。横串を刺せる区政一体となった行政運営を目指す上で、この効果は計り知れません。コミュニケーション手段が激変し、やり取りの仕方から、意思決定に関わるエビデンスの分析、資料作成といった政策形成に関わる手段全てに革命が起こると言っても過言ではありません。一方で、職員によっては、いまだMS365でどのような変化が起こるか知らず、所管業務における活用を聞いても要領を得ないと聞きます。事実、私がMS365のディクテーション、音声認識を使いながら一般質問の取材をすると、理事者から、こんなことができるのかと驚かれます。相応の投資をして導入するMS365の活用に対する意識変化をさせる必要がありますが、区の見解を伺います。

 新庁舎では、区民サービスのさらなる向上を目指し、「区民サービスにおける四つのない」、待たない、書かない、動かない、迷わないの取組、ペーパーレス、判こレスなどの検討を進めております。また東京都では、DX推進に向け五つのレス、ペーパーレス、判こレスに加え、ファクスレス、キャッシュレス、タッチレスの徹底方針を定め、組織的に取組を進めていると聞いております。中野区においては、2年後の庁舎移転で時間がありません。これらが標語倒れ、キャッチフレーズに終わることなく、多くの区民の方にとって利便性が高く、全国に誇れるサービスを提供できる新庁舎となるよう、妥協なく検討を進めていただきたいと考えますが、検討状況を伺います。

 昭和43年、今のこの庁舎ができたときは、自治体で全国初めてコンピュータを導入した最先端の庁舎であったことの再来を願います。私は、本格的にICT機器を活用し業務に浸透させれば、ライフイベント系、子どもと福祉系などの手続を取り扱うフロアの窓口数は将来的に現在の半分以下にできると考えます。しかし、現在では、移転のことで頭がいっぱいで、将来のことまで考えられないといったムードを感じます。

 では、移転後に窓口を半分にするための業務改善をそれぞれの部署が考えるのでしょうか。職員には大変申し訳ないですけれども、新庁舎に移転し、一度固定された仕事やレイアウトを変更するモチベーションがあるとは到底考えられません。つまり、移転前の現在から将来を見据えた検討を行う必要があると考えますが、区の見解を伺います。

 また、組織横断的な活発な議論や政策調整に当たっては、従来の組織ごとに縦割りとなったフロアレイアウトではこれまでと何も変わらず、新たな発想は生まれず、前例踏襲の政策になりがちです。新庁舎では、フリーアドレスに対応できる座席のユニバーサルレイアウト方式を採用するなどの報告はありましたが、庁舎における効率的かつ機動的な働き方や職員配置、政策形成の向上に向けた取組などの検討状況について伺います。

 組織横断的な取組の柔軟な運用や前例踏襲主義の打破に当たっては、それを実現する組織、職員数、配置の最適化が必要であります。構造改革実行プログラムでもうたわれておりますが、具体的なことまでは示されておりません。新庁舎移転を2年後に控える今、ラストチャンスとなるDX推進の効果を見据えた今後の組織再編の考え方について伺います。

 続いて、出先機関における組織運営の在り方について伺います。先般、今年の第1回定例会で実施すると答弁した事業に関し、すこやか福祉センターに私が問い合わせたところ、そのような区民サービスはやっていないとの回答がありました。調査してもらったところ、1週間後にすこやか福祉センターの職員で情報共有がされていなかったとの回答でした。本当に情報共有だけが問題なのか疑わしいわだかまりが残りました。オンライン相談0件、社会福祉協議会の成果を奪うようなアウトリーチチームの報告などは、すこやか福祉センターの組織体制、何でも屋としての仕事量が急増し、対応し切れていないなどの問題があると考えます。

 病院には病床数という考えがありますが、区民サービスには上限数がなく、いずれ現場が耐えられなくなるという時期が来ると危惧します。昔取り上げましたが、レストランチェーンのサイゼリヤの社長が、「おいしいものはすぐ食べ飽きる。でも、まずいものは食べたくない。だから、おいしくないけれども、まずくないものを出すのが大事」と言っています。持続可能な組織とする秘訣なのでしょう。丁寧な行政サービスは必要ですが、全区民に高級料理を提供し続けることはできません。人を増やすか、育てるか、対応レベルを下げるなどの検討が必要になります。

 あらゆるニーズに応えるすこやか福祉センターの窓口相談などにおけるノウハウは一朝一夕で習得できるものではなく、その知識の継承が安定的な窓口運営について非常に重要になります。現場に配置されている専門職について、年齢偏在がないのか伺います。

 また、専門職の組織的な育成計画が行われているのか伺います。

 現在、すこやか福祉センターは事業費予算が計上され、総合的な窓口対応から、広くは政策・施策形成まで行っています。すこやか福祉センターが重点的に担う役割はアウトリーチ機能、相談窓口など最前線における直接の区民対応です。そのため政策・施策形成は、区全体を総合的に見渡せる立場の本庁が広く俯瞰的に行う体制にすべきと考えますが、区の見解を伺います。

 続きまして、順番を入れ替えまして、4番、中野区内におけるドローン実証実験について。

 (1)建物点検技術の開発について。

 中野区、国立研究開発法人建築研究所などの4者は、相互協力に関する覚書を令和3年5月6日に締結し、2022年1月17日に中野サンプラザ、中野区役所で建物の外壁点検に使うドローンの飛行実験を行いました。この研究成果が一助となりまして、国土交通省住宅局は、令和4年3月に、赤外線装置を搭載したドローン等による外壁調査手法に関わる体制整備検討委員会を発足しました。中野区が研究フィールドを提供したことで日本の科学技術の発展への貢献を果たしており、今後、中野区の経済発展にもつながっていくことを期待します。

 建築研究所等は、今後も中野サンプラザを使った建物点検の研究実施の意向で、中野サンプラザの全体像を撮る、あと内部などの映像を収集するということです。これらの映像は、研究だけではなく、中野サンプラザ閉館のメモリアル映像にもなり得ます。この際、クラウドファンディングでしっかりとした映像制作をできる資金を調達し、ついでに作られる映像集ではなく、区民が欲しがるメモリアル映像を作成すべきと考えますが、いかがでしょうか。私が以前提唱させていただいた「ノスタルジーの成仏」に資するものと考えます。

 ところで、解体される中野サンプラザの備品などの廃材は、オークションを実施し、区の収入を増やす努力をすべきと考えますが、区の見解はいかがでしょうか。

 またドローンの話に戻りますが、研究所は、今後ほかの区有施設、特に現在使っていない学校などを研究フィールドにしたいということですが、区の見解をお伺いします。

 (2)河川空間を活用したドローン配送について。

 ドローン配送の実現化に向けて全国的に議論がされています。中野区は都心であるため、現在の法律、社会理解の中でドローン配送の唯一可能性があるのは、神田川、妙正寺川などの河川空間、しかも、橋の下だけの河道に限られると考えられます。河道であれば、盗撮の疑い、落下による被害リスクなどがないためです。中野区の河道は人が入れないコンクリート3面張りです。上流の杉並区では親水公園があり、下流では船が舟航し、人がいるためドローン飛行に向かず、何もない中野区の河道はドローン配送実験にとって最高の条件となり得ます。

 そこで、中野区の河道を活用したいという大学、国内屈指の航空測量メーカー、総合電機メーカーから成る研究グループが現れました。河川を所有する東京都建設局は、都が自治体DXを掲げるもなかなかアイデア、予算がないため、実験を歓迎するということです。国土交通省では、全国の河川でドローン飛行のガイドラインの策定に向けて検討を始めるそうです。

 では、ドローン配送で何を運ぶかというのが重要となってきます。薬剤の配送は緊急事態時に有効ではありますが、一般ユーザー向きではありません。では、100万円の宝石や半導体を運ぶために、現状リスクが伴うドローンを使うのか、また、ドローンで牛丼1杯運ぶのに人件費2,000円かけるのか、悩みは尽きません。しかし、恐らく食べ物のデリバリーが現実的で、人件費を抑えるためにドローンの自動運転が求められると考えます。ドローン配送で自動運転するためには、空の道の設定が必要で、将来的にはスターウォーズの世界観になると考えられます。そのためには空の道の三次元データが必要になります。将来的には、何もないところに空の道が必要ですが、まずは河道という物理的に囲われている空の道を飛行することがあらゆるリスクを抑制します。

 実験では、河道のグーグルストリートビューより精度の高い写真データと、三次元の座標データを収集し、空の道を開拓できます。また、これらのデータから、河道の仮想空間、メタバースを作成、活用することで、将来的にどのような河道にしたいかデザインしながら議論できます。様々な可能性を秘めた河道内でのドローン飛行を進めるべきと考えますが、区の見解を伺います。

 3番、中野サンプラザ再整備を奇貨とした「にぎわい」の維持・発展について。

 (1)中野駅周辺エリアマネジメント協議会について。

 人口減少下で、不動産価値は立地条件だけではなくソフト面が重要視される時代、そういったときにエリアマネジメントは非常に重要です。中野駅周辺を新宿のように買物、映画鑑賞ができるまちにしようとしましたら新宿本家にかなわないために、中央線高円寺駅より西側の方々には素通りされてしまうということになります。今後、中野駅周辺は独自性の高いまちを目指し、降りてみたいというまちにすべきです。例えば土日に行くと、食フェス、アニメフェス、アイドルフェスやら、何かしらのイベントをやっているまちを目指すのはいかがでしょうか。今週は何をやっているか分からないけれども、取りあえず中野に行こうぜと言わせるコンテンツを生み出す気概が必要です。

 とりわけ中野サンプラザ再整備中の空白期間において、エリアマネジメントがその穴埋めをすべきです。来年度中と聞いている中野サンプラザの閉館、エリアマネジメント協議会が動き出すのは、令和5年3月に(仮称)中野駅周辺エリアマネジメントビジョンの策定後になろうかと思います。来年、令和5年5月1日には、中野サンプラザ50周年となりまして、閉館と併せてメディアに取り上げられることは必至です。メディアに取り上げられているこのときに、中野のエリアマネジメントの宣伝ができなければ、非常に大きな機会の損失となります。

 そこで伺いますが、中野サンプラザの閉館日はいつでしょうか。また、新サンプラザが開業するまで何年かかるのか伺います。

 中野サンプラザの解体、再整備は、中野の一つの歴史の節目となります。そのために中野区民に対してイベントを検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。

 また、時代の転換期を次代を担う子どもたちの記憶に焼きつけることは、中野へ対する郷土愛を高めることになります。子どもたち向けのイベントも実施すべきと考えますが、区の見解を伺います。

 中野サンプラザ閉館までの時間を考えると、エリアマネジメント協議会の取組が遅れているように感じます。状況によっては、エリアマネジメント協議会のスケジュールを早期化させる必要があると考えますが、区の見解を伺います。

 エリアマネジメント協議会の設立は、中野駅周辺における市街地再開発事業等によって新たに生まれる複数の開発街区間や、新旧のまちづくりの担い手、そして、官民をつなぐプラットフォームを構築することを目的としていると聞いております。私が想像する中の最高の運用は、例えば10月は中野駅周辺を丸ごと食フェスとし、全てのエリアで異なるジャンルの食フェスが楽しめる、そんな仕立てにすることで、取りあえず中野に行こうと来街者の気持ちを高ぶらせることにあると思います。そういったしつらえをこのエリアマネジメント協議会は実現できるか、また、そのために何が課題となるのかを伺います。

 ところで、平成27年の中野区グローバル戦略推進協議会は何の成果も残せませんでした。エリアマネジメント協議会も、趣旨は違いますが、オール中野でやろうという事業です。しかも、今回は箱物、広場を所有している事業者が参画するために失敗が許されません。そのために中野区グローバル戦略推進協議会での失敗を教訓に、区がしっかりと全体を把握し、中野区エリアマネジメント協議会が団体間の調整をし、一体感を持って中野独自のコンテンツを展開し、中野ブランドを確立すべきと考えますが、区の見解を伺います。

 (2)サブカルチャー・ポップカルチャーによる「にぎわい」について。

 サブカルチャーとポップカルチャーをなぜ併記したかというと、サブカルチャーという言葉が現実にそぐわないためです。テレビを見れば、毎日のようにアニメ、アイドル、お笑いなどのコンテンツが流れております。子育てをする上で欠かせないアンパンマンというアニメがサブカルチャーなわけがありません。サブカルチャーが中野区の主要産業と位置付けるも、その言葉にネガティブなサブという言葉が邪魔です。

 例えばまちにJリーグのチームがあれば、みんなで応援し、御当地に産業があれば、みんなでその自慢をするわけですが、中野区民にその感覚はありません。サブカルチャーという言葉を変え、区民が誇れるものにしようという提案です。ポップカルチャーという言葉がベストとは限らないですが、ネオカルチャーなどの言葉でもいいと思います。いずれにせよサブという言葉を除した広報戦略があろうかと思いますが、区の見解を伺います。

 中野区には、ドラゴンボール、ワンピース等の東映アニメーション株式会社、アンパンマン、コナン等の株式会社トムス・エンタテインメントといったメディア芸術や、アイドルの聖地としての中野サンプラザ、お笑い芸人が多く住むまちと知られており、様々な地域資源やまちづくりの担い手を発掘しつつも、それぞれのカルチャーとエリアマネジメントを連携させていくべきと考えますが、区の見解を伺います。

 先日、アイドル活動を手がける事業者と話しました。中野サンプラザはアイドルの聖地であり、中野サンプラザホールに立つことは夢でありますが、その舞台に立つまで中野区内などの小さなライブハウスで活動して夢を目指しています。中野サンプラザ閉鎖は、それらの活動の区外流出につながると懸念しましたが、やり方次第では、中野区全体をアイドルの聖地とすることも可能であるとの事業者の見解でした。お笑い芸人も同様です。活動の中で中野の店をSNSで紹介すると、聖地巡礼といったファンの購買運動による経済効果が生まれることも期待できるそうです。中野区として、いいかげん本格的に観光都市政策を展開すべき時期と考えますが、今後の戦略について伺います。

 (3)社会実験による経済施策について。

 エリアマネジメントでは、カルチャーだけでなく、実験も中野区を個性的にします。先ほどドローン配送を取り上げましたが、最終拠点からエンドユーザーへの物流サービスにおける課題をラストワンマイルと言います。ドローンの飛行ルートは当面限られます。そのためドローン用のヘリポートに着陸してから物を運ぶのが問題となります。では、どうするのか。陸上専用の配送ロボットとなります。ドローン配送の実験が具現化されるのであれば、ラストワンマイルを埋める実験を中野区内で行える環境整備やエリアマネジメントで実現するといいと考えますが、区の見解はいかがですか。

 例えば四季の都市(まち)公園の屋台から新庁舎まで食べ物を運ぶ、そんな実験都市が生まれることを期待して、次の質問に移ります。

 最後、その他で、避難所の収容基準等を勘案した区有施設の配置の検討について伺います。

 学校跡施設の活用検討に当たっては、当該地域で必要となる避難所機能の確保、学校再編に伴う学級数、学校数の変化や、周辺の区有施設の状況を踏まえ、指針を定めることが重要です。先月、東京都が被害想定を10年ぶりに見直しまして、区内の想定避難者数は4万8,500人程度から3万2,000人程度と大幅な減になったそうです。また、子どもを含めた将来人口推計は、マクロスケールモデルであるコーホート法ではミスリードします。豊洲は何もないところからタワーマンションができ、小学校を2校建設しましたが、この現象はコーホート法では導けません。ミクロ的には、どこに巨大なマンションができるのか、都市基盤と情報連携が必要です。様々な情報を総合的に勘案して、跡地活用を図るべきと考えますが、区の見解を伺います。

 沼袋小学校跡地は、区有施設整備計画において、北部すこやか福祉センター等の整備用地と位置付けられています。整備に当たっては、用途地区の変更が必要であると考えられ、2030年までの開設を考えると、所管と沼袋駅周辺地区まちづくりの担当が連携し、地区計画での用途地域の変更が必要と考えます。しかし、用途地域の問題が明るみになってから数年たったにもかかわらず、そして、区有施設整備計画に明確に記載しているにもかかわらず、本格的な検討はいまだに始まっていないと聞いております。今後、区はどのように進めていくのか伺います。

 区長のリーダーシップ不足、中野区の職員のやる気のなさを改善していかなければ、この4年間は暗黒の時代になってしまいます。希望の持てる区政運営への転換が図られることを期待いたしまして、全ての質問を終えます。

〔区長酒井直人登壇〕

○区長(酒井直人) 加藤議員の御質問にお答えいたします。

 1点目に、医療・福祉政策の地域包括ケア体制のネットワーク強化についてでございます。

 これまですこやか福祉センターや区民活動センターを中心として、町会・自治会、民生委員の方々と連携しながら、見守り、支えあいなどの支援を行っております。今後は複合的な課題を抱える区民に対する支援体制を強化するため、区民活動センター圏域で、専門機関、関係者と連携した地域ケア個別会議を開催いたします。また、民間企業や大学等との産官学の共同事業などにより、地域の様々な担い手がそれぞれできる支援を無理なく継続できるオール中野で、地域包括ケアを重層的に推進する体制を整備してまいります。このような取組を通じて新たな地域活動の担い手を増やすことによって、町会・自治会、民生委員の負担軽減にもつながるものと考えます。

 次に、健診の受診率向上及び健康等に関する情報発信について。歯科健診を含めた各種の健診を受診することは、自らの健康状態を把握するとともに、疾病の早期発見、早期治療につながり、健康を保持増進する上で重要なものであると認識をしております。また、口腔ケアは歯や口の健康を保つだけでなく、誤嚥性肺炎など全身疾患の予防、全身の健康状態の維持向上にもつながるものであります。これらを周知することによって、歯科健診の受診率の向上を図ってまいります。

 成人歯科健診の健診項目につきましては、国や都、他自治体の動向など情報収集をしてまいります。

 ヘルスリテラシーの向上は、医療費等の問題だけでなく、誰もが健康に暮らせる社会の実現に欠かせないものであり、より効果的な情報発信方法について工夫してまいります。

 次に、ゼロカーボンシティ実現に向けた方針についてでございます。ゼロカーボンシティの実現に向けましては、民生家庭部門のCO2排出量が全体の約5割を占めている区の地域特性を踏まえ、再生可能エネルギーへの転換と住宅の高断熱化等の省エネルギー化を進めていくことに重点を置き、政策を展開していきたいと考えております。

 中野区基本計画におきましても、重点プロジェクトとして脱炭素社会の実現を見据えたまちづくりを掲げており、全庁を挙げて取り組むべき課題であると認識をしております。現在区の様々な施策や事業に脱炭素の視点を取り組むことを検討するための方針の作成に取り組んでいるところでありまして、今年度中に当方針を作成し、議会にお示しした上で全庁的な取組を進めていく考えでございます。

 次に、CASBEEを活用した取組について。脱炭素社会の実現に向けては、各自治体で様々な取組を進めているところでありまして、CASBEEを活用し、届出に基づく環境性能の認証等を実施している自治体があることも認識をしております。現在実施しております太陽光発電システムと連携した蓄電システムや、高断熱窓・ドアへの改修に対する助成制度の検証等も踏まえながら、事業者との連携も視野に入れて、環境配慮型のまちづくりを進めるための施策について検討していく考えであります。

 改善運動のOneUp↑チャレンジ(ワンナップチャレンジ)についてでございます。改善運動OneUp↑チャレンジ(ワンナップチャレンジ)は今年度で4年目を迎え、毎年テーマを設けながら各部課の取組を進めているところであります。職員提案が増えるなどの成果も出ております。特に現在新区役所への移行期にあって、職員レベルの様々な改善を行う好機となっております。この取組について様々な意見があることは承知しておりますが、改善を組織に根付かせ、組織文化を変えていくために必要な取組だと考えておりまして、引き続き創意工夫を重ねながら継続してまいります。

 次に、マイクロソフト365の導入と職員の意識改革についてでございます。新たなツールの導入と活用によって、業務の円滑、効率化や、エビデンスに基づく政策形成への寄与が期待できる一方、紙文書の使用を前提とした働き方からの脱却など、区職員の働き方にも大きく影響を及ぼすこととなります。これには職員の特に管理職の意識改革が不可欠と考えておりまして、今後管理職を対象に、DXについての知見の習得や、意識改革に向けた研修、事例紹介を進め、その活用を前提とした政策形成や事業執行につなげてまいります。

 なお、今般、日本マイクロソフト株式会社と区のDXの取組を一層推進するための協定、この締結を予定しておりまして、今定例会の委員会で報告を予定しております。

 次に、新庁舎での区民サービス向上に係る取組についてでございます。区では、新庁舎移転に合わせ、組織横断的な課題に的確、柔軟に対応できるよう、ペーパーレスや押印廃止の方針を定め、全庁で電子化を推進する等、場所を選ばない働き方の検討を行ってまいりました。また、窓口コンセプトである待たない、書かない、動かない、迷わない、これらの実現に向け、窓口レイアウトの工夫や業務手順の見直し、窓口連携機能を持った発券機の導入準備等を進めております。さらに手続に係る区民の負担を軽減する取組として、申請書の記載を補助する仕組みや、非接触型、かつキャッシュレスに対応した収納サービスなど、区民の利便性が大きく向上するよう検討を重ねております。

 次に、将来を見据えた働き方検討についてでございます。今後、マイナンバーカードの普及やオンライン手続の拡充によって、将来的に区役所に手続に訪れる方が少なくなり、窓口数についても一定程度減らすことができると考えております。また、将来的な行政需要の変化に合わせレイアウト変更等が柔軟に行えるよう、間取りや内装を変更しやすい構造とすることや、可動式の窓口カウンターを設置するなどの調整も進めております。現在、新庁舎のフロアごとの職員PTを立ち上げ、各課の業務手順の見直しを行っているところでありまして、こうした場を活用しながら、将来を見据えた働き方についても検討しているところであります。

 組織横断的な課題に対応できる柔軟な職員配置についてでございます。新庁舎では、場所にとらわれない働き方の実現や、スペースの効率化のため執務スペースを集約し、机を等間隔に配置するユニバーサルレイアウト方式を採用することを検討しております。また、グループアドレスなど、職員が業務内容に応じて機動的に座席を変更できる働き方を検討しておりまして、これによってコミュニケーションが活性化され、今まで以上に柔軟な働き方に寄与するものと考えております。

 さらに、フロアごとに各課が共用する打合せスペースを設置することによって、組織を超えた職員間の連携が強化され、よりよい政策形成を実現できる職場環境の構築に資するものと考えております。

 次に、基本計画を実現するための組織でございます。区は、基本計画を実現する上で新たな課題に対応するため、毎年度必要な組織変更を行っているところであります。今後も基本計画の重点プロジェクトや構造改革実行プログラムの具体化に合わせた組織体制の変更についても検討する必要があると考えております。また、DX推進による仕事の進め方の改革によって、簡素で効率的な組織へと再編してまいります。

 次に、すこやか福祉センター配置の専門職の年齢構成及び育成についてでございます。すこやか福祉センターには、専門職として保健師、福祉職、心理職、栄養士を配置しております。年齢構成については、20代が約41%、30代、40代が27%、50代が32%となっておりまして、若手職員の比率が高くなっております。窓口相談やケースワークの質の確保に向けて、研修や実務を通じた専門的知識の習得と継承に努めているところでありますが、多職種職場という特性や、今後さらに多様化する区民の生活課題、ニーズを捉え、中長期的な視点から計画的な人材育成及び職員配置を図っていく考えであります。

 次に、すこやか福祉センターの体制についてでございます。すこやか福祉センターについては、企画調整や政策立案機能の一元化、各所において実施、提供されるサービスの平準化、質の確保が課題であると捉えておりまして、こうしたことを踏まえ、連携調整を担う基幹機能の強化が必要であると考えております。区では、重層的支援体制の構築に向けて、すこやか福祉センターの基幹機能の強化を図るため、各所のコントロールタワーとなる(仮称)基幹型すこやか福祉センターの組織体制を検討することとしております。中野区構造改革実行プログラム更新案に位置付け、本定例会において報告する予定でございます。

 次に、中野サンプラザの閉館日でございます。令和5年6月末日で、ホールを除く営業を終了し、閉館日は7月2日とすると報告を受けております。

 次に、新北口駅前エリア拠点施設の竣工時期についてでございます。現在、新北口駅前エリア拠点施設整備の竣工は2028年度末を想定しておりまして、その後に新施設の開業とすると、閉館からおおむね6年程度かかると想定をしております。

 次に、閉館に際してのイベントの実施についてでございます。現在、株式会社中野サンプラザや施行予定者が中野サンプラザの記憶を次世代に残していくためのイベントを検討、調整していると聞いております。また区としても、小・中学生に中野サンプラザの記憶を残してもらうことは意義が大きいことと考えておりまして、何らかの事業を実施できないか検討しているところであります。

 中野駅周辺エリアマネジメント協議会の今後のスケジュールでございます。中野駅周辺エリアマネジメント協議会は令和4年4月に設立総会を開催し、今年度はビジョン策定を予定しております。中野サンプラザ閉館に伴うイベントにつきましては、株式会社中野サンプラザや施行予定者によって検討、調整していくものと考えております。新北口駅前エリアの施行予定者は中野駅周辺エリアマネジメント協議会の構成員となっておりますので、協議会の中において適宜情報共有を図っていくと聞いております。

 次に、中野に来街者を呼び込むイベントについてであります。中野駅周辺エリアマネジメント協議会は、各地区が連携することにより成果が期待できるテーマを抽出し、一体的な取組を協議、検討する場と考えております。御提案のような中野駅周辺を一つのテーマの下一体的にイベントを展開する取組は、協議会の趣旨と合致しております。実現に向けた課題としては、駅前広場、公園及び各種広場など、オープンスペースや公共空間の活用の在り方等について、今後検討をしていく必要があります。

 次に、中野駅周辺エリアマネジメント協議会の展開についてでございます。この協議会の設立によって、中野駅周辺における各開発地区の事業者や地域の関係者、そして、区をはじめとする公共機関等、官民の多様な人材が集積するプラットフォームを構築できたと考えております。また、策定する中野駅周辺エリアマネジメントビジョンは、今後の市街地再開発事業完了後の状況を見据え、新旧のまちづくりの担い手や、官民が将来像を共有し、その実現に向けた取組の方向性を一つにするための指針となることを目指しております。ビジョン策定後は、各構成員がビジョンに基づき、各開発地区のエリアマネジメントと中野駅周辺全域のエリアマネジメントを複層的に展開することで、官民連携で中野の魅力を高めてまいります。

 次に、サブカルチャーを言い換えた広報戦略です。サブカルチャーは、伝統の反対にあるマイナーで独自的文化という意味から、ネガティブに捉えられている側面もあると認識をしております。一方で、中野はサブカルチャーのあるまちとして一定程度浸透しておりまして、ポジティブな面もあります。現在、今後の観光施策について検討会を設置して協議を進めておりますが、その中で中野におけるサブカルチャーとは何かを明らかにするとともに、言葉の言い換えを含め、それらの効果的な広報についても検討してまいります。

 カルチャーとエリアマネジメントの連携についてでございます。今年度策定する中野駅周辺エリアマネジメントビジョンでは、将来像の実現に向けた取組のテーマの一つに、にぎわい、文化振興を掲げております。ビジョンを踏まえた具体的な取組の検討に当たりましては、様々な地域資源、まちづくりの担い手との連携を図ってまいります。

 次に、区の観光施策の展開についてでございます。芸能人による店の紹介やゲーム、アニメ、映画などで、まちが舞台となることがまちのイメージアップと来街者増加につながるものと考えております。そうしたことも含めて、中野の強みを生かした今後の観光施策について検討会を設置して、協議を進めているところであります。現在取り組んでいるシティプロモーションを発展する形で、観光施策を展開したいと考えております。

 私から最後に、社会実験についてでございます。ドローンの社会実験には、その後に社会実装されていくことに意義があり、社会実験の段階からプレーヤーやエンドユーザーを巻き込んでいくことが必要であると思います。現時点で、ドローンの実験に関与できるエリアマネジメント団体はございませんが、今後社会実験を行う際には、そうした観点も配慮していきたいと考えております。

〔企画部長石井大輔登壇〕

○企画部長(石井大輔) 私からは、中野区内におけるドローンの実証実験の御質問のうち、まず、中野サンプラザの映像制作におけるクラウドファンディングの実施についての御質問にお答えいたします。

 中野サンプラザの外観や内部の映像は、研究資料として価値が高いだけでなく、デジタルアーカイブとして、区民をはじめ多くの人にとって貴重な文化資源となり得るものと考えております。中野サンプラザの映像制作につきまして、関係機関と協議しながら、クラウドファンディングやふるさと納税制度を活用した中野区によるガバメントクラウドファンディングの実施について検討してまいりたいと考えております。

 次に、ドローンの実証実験への協力についてでございます。

 ドローンの実証実験に当たりましては、区は、フィールド提供や関係機関との協議、調整等の役割を担ってきたところでございます。今後、実証実験を行う際に、他の施設の利用希望があれば応じていきたいと考えております。

 次に、その他の質問のうち学校跡地の活用についてお答えいたします。

 学校跡地の活用につきましては、小・中学校建替えの代替校舎として活用するほか、公共施設の移転、集約化、複合化、防災まちづくり用地、公園等の活用が考えられるところでございます。地震に関する地域危険度をはじめ、地理的条件や人口、交通事情、その他社会的条件を総合的に勘案し、施設の適正配置、機能に応じた施設の再編等を検討してまいります。

〔総務部長海老沢憲一登壇〕

○総務部長(海老沢憲一) 私からは、中野区内におけるドローンの実証実験についてのうち、区の歳入を増やす努力についてお答えいたします。

 中野サンプラザ閉館後、その土地、建物及び建物附属物につきましては、市街地再開発事業における従前資産として権利変換により施行者に引き渡し、備品等その他の資産については、株式会社まちづくり中野21が区への移転、売却、廃棄など、処分を行うこととなってございます。株式会社におきましても、資産の処分に当たっては適切な対応が求められているところでございまして、オークションの実施もその一つの手法であるというふうに考えてございます。株主である区といたしましては、株式会社まちづくり中野21の所有資産が適切に処分されるよう要望してまいりたいというふうに考えてございます。

〔都市基盤部長奈良浩二登壇〕

○都市基盤部長(奈良浩二) 私からは、河道内でのドローン飛行についての御質問にお答えをいたします。

 河川空間でドローン飛行を行う場合は、航空法や河川法など、関係法令を遵守する必要がございます。その上で安全対策が十分行われる場合には、河川の使用許可を行ってまいりたいと考えてございます。

〔地域支えあい推進部長角秀行登壇〕

○地域支えあい推進部長(角秀行) 私からは、その他の項目のうち、沼袋小学校跡地における北部すこやか福祉センター等の整備についてお答えいたします。

 沼袋小学校跡地における北部すこやか福祉センター等の整備につきましては、庁内各所管において、整備に当たって諸条件を整理しているところでございます。本整備につきましては、まちづくりのほか、避難所機能の整備も関連することから、今後も引き続き庁内の関連所管と綿密に連携を図り、検討を進めていきたいと考えてございます。

○議長(内川和久) 以上で加藤たくま議員の質問は終わります。