2.ICTCOの運営方針について
○加藤委員 さんざんICTCOのことに触れさせていただいたんですが、色々と区内の会社とか地域の方々から、ICTCOが何をやっているのかというような、僕は応援したいんですけども、周りに見えていないということで、ICTCOの運営方針について2番で触れさせていただきたいと思います。
今さんざん言いましたけど、中野セントラルパークイーストの1階には、一般財団法人中野区産業振興機構(ICTCO)があり、さまざまな企業が事業活動を行っております。中野区の産業のためにつくられた施設ということは名前からわかるとおりでありますが、詳細について全くわからない人が多いということなので、改めて、何度か質問されたものかと思いますが、この拠点の開設目的は何なのか、また、運営主体はどのようになっているかお伺いさせていただきます。
○青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) ただいまお尋ねの中野区産業振興拠点、通称「ICTCO」でございますが、区内におけるICTコンテンツ関連産業の集積、創出等を促進し、区内の産業振興、経済活性化を図ることを目的として開設されたものでございます。区は、中野四季の都市エリアにおきまして中野セントラルパークの一部を借り受け、そのスペースの活用を担う事業共同体の参加事業者を公募いたしました。選定された事業者は、平成25年7月に一般社団法人中野区産業振興推進機構を設立し、同年11月に中野区産業振興拠点「ICTCO」を開設したものでございます。運営はいずれも区内事業者であります、西武信用金庫、株式会社構造計画研究所、株式会社矢野経済研究所、特定非営利活動法人中野コンテンツネットワーク協会が構成団体として行っているものでございます。
○加藤委員 ICTCOの運営経費はどのような財源によって賄われているのか。また、ICTCO運営の、あ、今言いましたね。すみません。そうしたら、会員企業が増加しているという説明、会員はどのようになっているかということをお尋ねいたします。運営経費はどのように賄っているのかお教えください。
○青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) ICTCOの運営経費でございます。区は、中野セントラルパークイースト及びサウスの一部を、建物所有者側であります東京建物株式会社から共益費相当の賃料で借り受けておりまして、これを同じ条件で中野区産業振興推進機構に転貸してございます。同機構は、このうちサウスの部分を通常相当の賃料で貸し付け、これと区に支払う賃料との差額を財源の一部とするということが当初から想定していた運営方法でございます。このサウスにつきましては、現在は構造計画研究所がこの部分を賃借してございます。賃料の差額収入でございますが、約1,000万円でございます。開設当初はこの収入が財源の大部分を占めてございました。その後、会員企業が順調に増加し、平成27年度の実績では会費収入が約1,400万円、これに外部から獲得した補助金などの自助努力による収入も加えて運営経費を賄っているものでございます。
○加藤委員 会員が増加しているということですが、どのぐらい増加しているんでしょうか。また、会員にはいろんなカテゴリーがあると伺っていますが、どういったカテゴリーがあるかお伺いいたします。
○青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) まず会員数でございます。平成26年度末の会員数は55社でございましたが、現在の会員数は約100社となっております。特に最も中心となるカテゴリーであり、専用デスクを利用するプラチナ会員という会員は30社でございまして、定員がいっぱいになっている状況でございます。カテゴリー別の状況につきましては、まず一定面積のブースを利用し、その面積に応じて会費を支払うプレミア会員というものについては2社、それから、先ほど申し上げました専用デスクの使用と各種のサポートが受けられるプラチナ会員は30社で、こちらは会費が月額3万円となっております。それから、共用デスクの使用と各種のサポートが受けられるゴールド会員につきましては4社でございまして、会費は月額1万5,000円でございます。それから、デスクを使用せずサポートのみを受けるシルバー会員は23社で、会費は月額5,000円でございます。最後に、1日単位で共用デスクを使用するのみのブロンズ会員は38社で、利用料は日額1,500円となっております。
○加藤委員 会員増加によって収入増になっていると思いますが、一般社団法人という看板を使っているということは、要件として営利目的とできないというわけですけれども、その増額分の差額はどのように使われていますでしょうか。
○青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) 増加した収入につきましては、会員のサポート体制や設備などの充実に使われる他、プロジェクトを推進するための経費などにも使われております。
○加藤委員 会員である事業者相互、あるいは、大学の研究者などとの連携により、新たなプロジェクトを創出することもICTCOに期待される大きな役割でありますが、現在の状況はどのようになっていますでしょうか。
○青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) 平成27年度からは新規プロジェクトの創出をより促進するために、ビジネスのアイデアを公募して起業までを支援する起業支援プログラムというものを開始しました。これによりまして、平成27年度につきましては新たに7件のプロジェクトが生み出されております。現在は合わせて14件のプロジェクトに取り組んでいるところでございます。そのプロジェクトの代表的なものとしましては、スマートフォンやデジタルサイネージを活用した、平常時及び非常時の情報配信のプロジェクトがあり、先日中野サンモール商店街でビーコンとスマートフォンを使用した社会実験を行ったところでございます。また、このほか予防歯科を中心とした総合的な健康増進サービスのプロジェクトがあり、これにはICTCOの会員企業が中心となって株式会社日立製作所とも連携し、検討を行っているところでございます。
○加藤委員 ICTCOの会員事業者のみでなく、地域の既存事業者や経済団体との連携でありますが、これまで一緒にやっていくという取り組みはあったんでしょうか。区の費用が使われているのに、地元に還元がないというような声もありますので、ちょっと批判を招きかねないなというところがあります。
ICTCOができて3年たちますが、私は以前、大学とか国の研究者として科学研究費補助金などを使って研究しましたが、中規模、大規模な研究になると、プロジェクト期間というのは5年間ぐらいになります。技術開発をする上で3年というのは中間地点ということになりますので、まだ成果がちゃんと出ないというのも理解できますけれども、3年ぐらいしましたら1度中間報告というものを、必ず大きなものを開くというのが普通であります。ICTCOに関してはそういったものを、区民や区民事業者に対して報告会やシンポジウムを開催したことはあるんでしょうか。
○青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) まず、地域の経済団体との連携としましては、ICTCOと東京商工会議所中野支部との連携により、本年2月と9月にICTCOの複数の会員企業が東京商工会議所中野支部の会員に対して、みずからの事業のプレゼンテーションを行うビジネスマッチング交流会というものを実施しております。それぞれ30名から40名の参加がありまして、今後もこうした連携を強化することとしているところでございます。また、区民や地域の事業者などに対しましてICTCOの活動を理解してもらうために、最新の研究や技術などをわかりやすく情報発信する無料のイベントであります、中野サイエンスカフェというものを定期的に開催しております。これまでに4回開催し、約240名ほどの参加がございました。次回は10月1日に開催を予定しているものでございます。
○加藤委員 それでは、今後の運営方針についてちょっと触れさせていただきます。先ほどの答弁で会員が満杯になったということで、プラチナ会員、結構高くても定員がいっぱいになっているということで、今後活動を充実化して会員になりたいという企業が増えて、スペースがもう今満杯だということで足りないという状況で、会員になりたくてもなれないというケースが出てくると思います。会員の新陳代謝を促すためにも一定の期間ごとに会員の実績評価、売り上げとか、何かそういったものの実績評価に基づく会員の入れかえだったり、もしくは、それなりに企業が売り上げを上げていっているのであれば、その会社の実績評価を出さないでも会員の在籍期間、長くいればいるほど賃上げしていくとか、そういった工夫などをすることにして、インキュベーションセンターとして会員に対し高いモチベーションを与えるというのも重要かと思うんですが、いかがでしょうか。
○青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) ICTCOの会員につきましては、一定期間を経て事業が発展した結果、その事業者が区内のほかの場所に移転して連携を継続することで、新たな事業者がICTCOの会員になるという好循環が生まれることが理想であると考えております。御提案につきましては、今後の課題としてICTCOに伝えてまいりたいと考えております。
○加藤委員 すみません、ここから語らせていただいちゃうんですが、ICTCOにおいては、現在、会員企業相互や大学研究者などとの連携を促進する、コーディネーター的なスタッフがいると伺っております。地域の事業者との連携を強化するために、単にプレゼンテーションを行うだけでなく、より積極的に会員企業が持つ技術やノウハウと地域の事業者のニーズを結びつける、イノベーション・ファシリテーターという人材が必要であると考えております。このイノベーション・ファシリテーターというのは、様々な研究者や事業者、地域の方々に入りまして、そういったところの利益や技術に対する調整をするような人材のことをいいまして、そういった調整をする人がそういったハイブリッドな研究の中に最近いて、そういうふうに呼び始めているということです。私が区議会議員になる前は、工学の研究技術者と一緒に仕事をすることが多かったんですが、その技術に対してすごく熱く語ることが技術者同士だったらできるんですけれども、それを一般人とか地域の方にしゃべろうと思うと、難しい言葉とか単語を使いたがるのでなかなか伝わらない。また、エンドユーザー側も欲しい技術があるにもかかわらず、その技術が目の前を通っても、その技術が、自分が欲しい技術ということを認識できないために、そのマッチングがうまくいかないということがよくあります。そのために、そういった間に入って利益調整するような人をイノベーション・ファシリテーターと定義しています。
北海道にグローバルファシリティーセンターというのがありまして、私の九中の同級生が今勤めていまして、そういった話を伺っています。このグローバルファシリティーセンターは、北海道大学で行われている研究を横断的に連携させるための部署です。例えば、化学と機械、それぞれの専門性が高い研究を高度な連携によって結びつけて、それを商品開発して、どこにもないハイブリッドな商品をつくるということです。これはアメリカのマサチューセッツ工科大学、MITとよく言われていますが、MITのメディアラボの手法を踏襲しているということです。先ほど言ったシンポジウム、サンモールの実証実験成果の公表の際には、そういった商店街の人たちに説明したということですけど、いまいちリアクションが悪かった。何をやっているのかよくわからない。何のためになるのかというのがわからないということで、リアクションが悪かったということです。こういった状況を打破するためにイノベーション・ファシリテーターという人たちが、これはこういうふうに意味がある成果なんだよということを説明できるようにする人材がICTCOには必要だと思っております。研究推進には大きな花を咲かせる可能性がある。種(シーズ)とエンドユーザーの願望(ニーズ)、このシーズとニーズの連携が必要不可欠です。私は、先ほど国家戦略特区といったものを絡めて、かつイノベーション・ファシリテーター、これらの人たちを交えることによってICTCOをさらに発展させていただきたいと思っていますが、いかがでしょうか。
○青山都市政策推進室副参事(産業振興担当) 今後、ICTCOがさらに区内の産業振興に資するよう的確な運営を図っていく中で、御提案のような人材や機能につきましてもICTCOとともに検討してまいりたいと考えております。
○加藤委員 長々とすみませんでした。ICTCO関係者の中には、中野には知の集積ができやすくなっていて、中野が日本のシリコンバレーになるんじゃないかと期待している方々もいるということです。ICTCOにはぜひそういった立ち位置になっていただいて、頑張っていただきたいと思います。
この項の質問を終えます。
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