平成27年11月30日中野区議会本会議(第4回定例会)の会議録
中野区議会議員 加 藤 たくま
1 中野区基本構想及び新しい中野をつくる10か年計画(第3次)について
2 防犯カメラの設置について
3 区内のインターネット環境について
4 にぎわいフェスタのあり方について
5 都営川島町アパート跡地の活用について
6 新しい区役所整備基本構想について
7 その他
○議長(北原ともあき) 初めに、加藤たくま議員。
〔加藤たくま議員登壇〕
○1番(加藤たくま) よろしくお願いいたします。平成27年第4回定例会に当たりまして、自由民主党議員団の立場から一般質問をさせていただきます。
なお、質問項目に示してあります1.中野区基本構想及び新しい中野をつくる10か年計画(第3次)について及び7番のその他は省かせていただきます。取材に応じていただいた理事者の方々は大変申しわけございません。また別の機会にお伺いさせていただきたいと思います。
それでは、2.防犯カメラの設置について。
ことし8月中旬に大阪で発生したいわゆる大阪寝屋川中1殺人事件では、防犯カメラによる映像により早期の犯人逮捕となりました。警察庁、平成23年3月の「警察が設置する街頭防犯カメラシステムに関する研究会(最終とりまとめ)」では、「防犯カメラによる公園や路上など屋外の公共の場所に防犯カメラを設置して安全・安心を確保することと、個人のプライバシーを尊重するために防犯カメラを設置しないことを比べた場合、どちらの方針を支持しますか」という設問に対して、9割の方が「防犯カメラを設置して安全・安心を確保する」との回答であり、防犯カメラ設置への理解も広がっています。
11月13日のフランス・パリにおける同時多発テロをはじめとして、昨今世界ではテロリズムによる被害が増加しております。このテロにおける被害者の御冥福をお祈り申し上げます。
このテロにおきまして、繁華街でも警備が薄いソフトターゲットと呼ばれる場所を狙ったテロとの報道があり、防犯カメラ映像からさまざまな分析が行われ、犯人逮捕、また確保に向けて、そのカメラの有効性が認められます。オリンピック・パラリンピックを控えた東京においても防犯カメラ増設の必要性が高まっています。警察庁の平成23年3月の「街頭防犯カメラ整備・運用の手引き(案)」が推奨する防犯カメラの設置台数は、中野区の土地利用、また面積から600台から3,000台程度が目安となります。つまり、中野区が目標とすべき防犯カメラの設置台数は600台とすべきだと私は考えます。現在、区所管の防犯カメラの設置台数は、今年度末で248台となり、目標となる600台まで350台程度が不足している状況にあります。
現在、中野区における防犯カメラの整備は、東京都地域における見守り活動支援事業により、町会・商店街に対して実施している事業と、また各小・中学校の通学路を中心に設置する事業があります。町会・商店街用、通学路用の防犯カメラの設置事業の始まった経緯が異なりますが、最終目標は地域全体の防犯体制を強固なものにすることは変わりありません。さきに挙げた警察庁の防犯カメラの手引きなどにのっとり、これら二つの事業を総合的に管理していくべきだと考えます。
そこでお伺いしますが、区としては今後地域の防犯力を高めるため、防犯カメラの配置についてどのようにしていくべきかとお考えでしょうか。
また、地域では、ランニングコスト、メンテナンス費がボトルネックとなり、整備を見送っている町会・商店街があります。そこで区には、設置台数増加のため、町会・商店街に対してランニングコストの補助をしていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
そして、防犯カメラの事業は8年くらい経過しておりまして、更新時期を迎えている防犯カメラが幾つかありますが、これらはどのようにしていくかもあわせてお伺いします。
以上でこの項の質問を終わります。
それでは、3.区内のインターネット環境において、いわゆるNakano Free Wi-Fiについて質問をさせていただきます。
中野区において10月29日よりNakano Free Wi-Fiが開始されました。官公庁の調査によると、外国人旅行者が旅行中に困ったことの1位は36.7%で、無線公衆LANの環境がないということ。それで2位が24.0%で、コミュニケーションがとりづらいということでした。また近年、新興国が経済的に成長している原因としてはICT、つまり情報通信技術の導入があります。通信ネットワーク整備を有線で行うのはこれまで困難でありましたが、無線で構築できるようになったことから、そういった新興国でも爆発的に発展したということになります。つまり、通信インフラはあらゆるインフラの中で整備がしやすいものの代表と言えます。また、外国人によるインバウンド観光・消費を促すためにも重要な整備だと考えます。今後もフリーWi-Fi利用者の増加が見込まれ、店舗への導入はさらなる優位性も見込めます。区がNakano Free Wi-Fiを整備したことは、今後の通信インフラの拡大とそれに伴うサービスの拡充が期待されるところではありますが、中野駅周辺では5カ所、そのほかは東中野、中野坂上、野方、鷺ノ宮の各駅周辺1カ所ずつとなっており、まだ十分とは言えません。区内の駅で鉄道事業者がWi-Fiを設置しているのは、東京メトロの東西線の中野駅だけだと聞いております。丸ノ内線沿線では西新宿まで設置されていますが、中野坂上駅から西側の駅については設置されておらず、Nakano Free Wi-Fiも中野坂上駅周辺のみとなっており、地域の格差を感じずにはいられません。今後は、商店街など民間アクセスポイントも加えていくということですが、理解と協力が必要だと思います。Nakano Free Wi-Fiに入るメリットを、それら民間商店街などに説明をしてメリットを打ち出していくべきだと考えます。
アメリカではありますが、調査会社IHLグループ社が行った店内ネットワークとWi-Fi導入が顧客体験に与える影響という調査結果によりますと、店内Wi-Fiを導入した28%の企業が顧客ロイヤリティーを高め、顧客の店内滞在時間を伸ばし、そして売り上げが2%増加したことが報告されています。商店街の活性化が見込めるNakano Free Wi-Fi、まだ検証には至っておりませんが、現在の交通結節点のみだけではなく、さらなる設置を推進してはいかがでしょうか。今後どのようにしてNakano Free Wi-Fiの拡大と普及を図ろうとしているのか伺い、この項の質問を終わります。
続きまして4.にぎわいフェスタのあり方について。
10月に行われました中野にぎわいフェスタにて、四季の森公園で私加藤が、知人が出店している店の手伝いとして参加しました。そこで感じたこととしましては、にぎわいフェスタには多くの方々が参加しておりましたが、出店側としてはもう少し集客力が欲しいという印象を得ました。そのためには、区内外に四季の森公園の存在をアピールしてブランド化していく必要があると考えます。中野区外の事業者が多く参加しており、四季の森公園は防災公園の機能に加え、今後イベントパークとしての能力がさらに高まっていくものと考えられます。四季の森公園及び四季の森公園北側の道路、また拡張用地を含めて代々木公園のようなイベントパークへと位置付けることなどを検討されたことはあるのでしょうか。また、B1グランプリ、つけ麺博のような食べ物の大イベントを開催誘致することで、大きなイベントが中野から発信できると考えます。また、オリンピック・パラリンピック関連においてはパブリックビューイングの設置、またセントラルパークサウスのビルを使ったプロジェクションマッピングをするなど、集客数が見込めるイベントができる能力を持っているすばらしい広場だとも言えます。数年後には拡張用地をイベント運営に資する設備を整備することも可能とは思いますが、一部は自転車駐輪場になるとお伺いしております。そのため、現在イベントをする際に、本部となる機能の追加、民間イベントへの区の関与をさらに強くすることはできないでしょうか。四季の森公園は中野駅から5分以内にある非常に利便性の高い広場で、実際、興味を示しているそういったイベント団体もあるということです。
私は、この四季の都市(まち)に初めて足を踏み入れたとき、本当にすごいことになっているなと感動しました。友人が久しぶりに中野に来た際に、四季の都市を紹介すると、やはり「中野ってすごいまちになったね」と感動してくれております。このすばらしさを多くの方々に知ってもらうには、まずその目で見てもらう必要があります。大イベント参加をきっかけとして、今後、目まぐるしく整備され変貌する中野、成長する中野を多くの方々に知っていただき、周知していただくことが大切だと考えます。まちのにぎわいをつくり出す機能としての公園の利活用をさらに積極的に行っていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。区の今後の方針についてお伺いして、この項の質問を終わります。
5.都営川島町アパート跡地の活用について。
東京都の防災関連における先進事業である不燃化特区事業、弥生町三丁目周辺地区の防災まちづくりは、都営川島町アパート跡地を東京都から取得し、跡地周辺の用地買収を積極的に行い、また避難道路1号についても、道路計画を全権利者に対して個別説明を実施するなど、事業を着実に進めていると伺っております。しかし、都営川島町アパートの跡地は、今後具体的にどのように整備されるか、多くの地域の住民は知らないことが多いです。東京都のパイロット事業であります本プロジェクトは、今後の防災施策の方向性を問う試金石となり得ると考えます。ハード整備のみならず、地域住民が活発的に防災・減災活動に関われるソフト整備をして、地域全体の防災力を高める必要があると考えます。そのためにも、跡地に計画しているという防災公園を備えた公園では、地区の中でも貴重な公園となりますので先進的な整備を期待します。地域住民と十分協議し、防災会のみならず、商店街や親子グループが積極的に防災訓練等に活用できるよう、不燃化特区にふさわしい、防災において先進性ある公園を整備していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
例えば、先日、平山議員の一般質問にありましたシティチャージ、つまり携帯電話の非常用充電が可能なソーラー照明設備や、地下タンク内の水が循環し続けて常に新鮮な水が確保される災害時の給水ステーション、また防災井戸、防火水槽、防災備蓄倉庫、かまどベンチなどあらゆるメニューを検討していただきたいと考えます。
また、災害時に拠点となるようハード・ソフトの両輪がうまくかみ合う理想的な防災地域を創造するのはいかがでしょうか。区のこの防災公園の今後の整備方針についてお伺いし、この項の質問を終わります。
6.新しい区役所整備基本構想について。
先日の我が会派の大内議員の一般質問と一部重複する部分もあろうかと思いますが、改めまして質問させていただきます。
「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす」。これは平家物語の冒頭の一文ですが、祇園精舎の鐘の音には、全てのものは常に変化し、同じところにとどまることはないという響きがあり、沙羅双樹の花の色は、血気盛んな者も必ず衰えるという道理をあらわしています。また、都市計画学の観点から言うと、まちができるといずれ老朽化し、何も施策を打たなければスラム化するという都市計画上での常識があります。香港にありました九龍城砦は、スラム化して違法行為が横行する非常に危険なまちとなりまして、英国から中国に返還される1992年には、その九龍城砦は取り潰すということになりました。
18世紀前半、江戸の人口は100万人を超えて世界一の人口になったと言われておりますが、それは49回あった大火事がスラムを焼き尽くし、復興によりまちの新陳代謝が繰り返されたことが要因と言われております。先日、我が会派の佐野議員が一般質問した空き家、また学校のトイレも老朽化すると、コミュニティが荒れるというのは人間社会学として理解されている事実です。
本題に入りますが、今の区役所は建てられて既に47年が経過し、施設の老朽化、床面積の不足、災害対策など問題が山積しており、新しい区役所の建設は諸行無常の一つといえ、一定期間での施設の更新というのは必要なものであると考えられます。といいましても、新しい区役所の建設には多額の費用が必要となりますので、費用を抑え込むためにも、特に入念にさまざまな検討をしていただきたいと思います。
まずはPFIですが、PFIによる庁舎整備は九段第3合同庁舎と千代田区役所本庁舎の合同庁舎、また気象庁虎ノ門庁舎と港区立教育センターの合同庁舎、東京国税局などがあり、事例がふえております。新しい区役所整備基本構想では、直営方式が好ましいとの御判断が入っておりましたが、過去の事例をしっかりと研究していただきたいと考えます。資金調達は民間事業が実施し、維持管理は10年から15年となり、ある程度のコスト削減が望めます。また、豊島区役所では、全国初の民間高層マンションとの一体型再開発事業となる新庁舎を今年の5月7日にオープンし、区の負担をゼロにしました。保健所機能は新区役所に入る予定と伺っておりますが、税務署、法務局などさまざまな行政機関を集約することにより、区民からの利便性を高めるとともに、賃貸料を得るなどの試みの検討もできるかと思います。中野区の財政、地域性などは総合的に検討すべき事項がありますが、さまざまな手法の良し悪しをしっかりと分析し、区民が納得・理解できる最高の新しい区役所整備基本構想が策定されることが大切です。今後の整備の基本構想策定に関する方針に関して答弁を求めて、この項及び全ての質問を終わります。
御清聴というより、御声援ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 加藤議員の御質問にお答えいたします。
防犯カメラの配置についてであります。平成20年度に補助制度を開始し、既に多くの防犯カメラが町会・自治会、商店街等によって設置され、中野区内の刑法犯認知件数は年々減少していることもあり、犯罪の抑止や安全・安心のまちづくりに寄与していると認識しております。今後も地域の実情に応じて必要な場所に配置が行われるよう、東京都や警察署等の関係機関とも連携しながら、防犯カメラの設置について対応をしてまいります。
防犯カメラの補助を拡充して維持経費についても対象にするべきではないかと、こういった御質問でありました。防犯カメラ等の整備補助制度は地域における防犯対策の向上を図ることを支援するために、防犯カメラ等の設置に対して補助をするものであります。現段階において維持経費の補助については検討をしておりません。
それから、防犯カメラの更新についてであります。設置から7年を経過し、かつ通常の修理では防犯設備としての機能を維持することができない状況となった場合には、更新にかかる経費の補助を行うことができるため、そのような防犯カメラには対応しているところであります。
Nakano Free Wi-Fiの今後の展開についてであります。先日行いましたNakano Free Wi-Fiを活用したスタンプラリー、これには400人近くの参加がありました。こうしたイベントを通じてNakano Free Wi-Fiが始まったということのPRと利用促進、これにはつながったと考えております。外国人観光客のWi-Fi利用も含め、今後は区民や来街者の利用もふえていくと見ており、区内における情報通信環境の整備が求められているところであります。今年度設置しました9カ所のアクセスポイントの利用状況や市場動向をとらえながら拡充に向けて検討してまいります。
また、民間店舗におけるNakano Free Wi-Fiの参画については、地域や観光情報の発信媒体となることに加え、誘客効果やサービス向上につながることを利点として働きかけるなど、商店街の協力を得ながら普及促進に努めてまいります。
にぎわいフェスタの経験を通じての中野四季の森公園拡張部の整備についての御質問でした。中野四季の森公園拡張部につきましては、さまざまなイベントに活用できる設備を設けた多目的広場として平成28年度に整備工事を行い、供用開始をする予定であります。なお、6,000平米ある拡張部分のうち、東側地下に1,500台収容の自転車駐車場を設置する予定となっております。
それから、民間イベントの誘導開催につきましては、区としてイベントを実施する際の各種補助金の活用方法や近隣に対する対応の情報提供等を通じて支援を行っているところであり、今後とも継続的に行っていく予定となっております。
次に、新しい区役所整備基本構想についてであります。税務署など他の行政機関との合築については、新しい区役所に必要な面積と想定される建築可能な規模、これを比較検討した結果、難しいと考えております。現在、新しい区役所整備基本構想(素案)を作成し、区民の御意見を伺ったところでありますが、今後区民サービスの向上や区民活動推進のための具体的な導入機能や建築計画などについてさらに検討を深め、基本計画の案を作成し区民の御意見を伺う予定であります。なお、その際には、建設の手法や導入機能のあり方についても、十分御理解いただけるよう工夫をしてお示しをしていきたいと考えております。
私からは以上です。
〔都市基盤部長尾﨑孝登壇〕
○都市基盤部長(尾﨑孝) 都営川島町アパート跡地の活用についての御質問にお答えをいたします。
防災訓練に活用できる先進性のある公園の整備についての御質問です。区民の防災行動力を高めていくためには、町会や防災会だけでなく、さまざまな団体が防災訓練を実施していくことが望ましいところでございます。区は消防署と連携し、誰でも防災訓練を体験できる防災体験デーを毎月実施しております。跡地にできる公園を防災体験デーの会場として活用するなど、防災訓練に活用できる公園の整備について検討してまいりたいと考えております。
次に、防災機能を備えた公園についての御質問でございます。跡地に整備する公園は、100トンの防火水槽、ソーラー式園内灯など防災機能のある公園整備を予定しているところでございます。そのほか、具体的にどのような機能を付加できるか、地域への説明会や関係部署との協議等を行う中で検討してまいりたいと考えているところでございます。
〔加藤たくま議員登壇〕
○1番(加藤たくま) 再質問させていただきます。防犯カメラについてなんですが、防犯カメラ、先ほど設置台数、それ自体は目的ではありませんし、配置自体もそうではありますが、各町会が求めたから入れるということでは、中野区全体の防犯力を向上させるということにはならないということで、ニーズがあるから入れましたということではなくて、総合的に中野区全体の防犯力を高めるためにはどうすればいいかということで、その全体的な運営というものについて何かお考えがあるのか伺いたいたいと思います。よろしくお願いします。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 設置される方がいらっしゃるから補助をするという待ちの姿勢ということでは地域の安全は確実には担保されないのではないかと、こういったことだと思います。通学路につきましては、安全点検の成果なども踏まえて、通学路に防犯カメラを設置していくといったようなことも行い始めております。このほか、地域の安全を確保していく上で防犯カメラの適正な配置のあり方といったようなことについても今後とも検討してまいりたい、このように思っております。
○議長(北原ともあき) 以上で、加藤たくま議員の質問は終わります。
平成27年09月14日中野区議会本会議(第3回定例会)の会議録
中野区議会議員 加 藤 たくま
1 中野の防災体制について
(1)豪雨予測技術を用いた警報システムの構築について
(2)大規模水災害に備えたタイムライン(防災行動計画)の策定について
(3)大和町・弥生町の不燃化特区について
(4)通学路のブロック塀について
2 中野が誇る歴史の検証について
3 中野の地球温暖化の実態について
4 その他
○議長(北原ともあき) 次に、加藤たくま議員。
〔加藤たくま議員登壇〕
○1番(加藤たくま) 平成27年第3回定例会に当たりまして、自由民主党議員団の立場から一般質問させていただきます。
先週の台風18号に伴う大水害がありました。私個人としましては常総市が一時期生活圏にあり、第二の故郷とも言える、特に思い入れがある場所であり、いたたまれない気持ちです。自衛隊、消防関係者などによる救助活動に敬意を表するとともに、被災された方々にはお見舞い申し上げます。
それでは、通告させていただきました項目に従いまして質問をさせていただきます。4、その他はございません。
4月の中野区議会議員選挙では、皆様から御支援、御声援を賜り、当選させていただきました。本当にありがとうございました。おくればせながら、この場をかりまして感謝の意を示します。
私、加藤たくまは、公約として、大学・国土交通省で防災の専門家として研究に携わってきた経験・ノウハウを生かし、災害に強いまち・中野をつくり出すことを訴えてまいりました。
そこで、まず、1、中野の防災体制について伺います。
日本は、豪雨・地震などの自然災害が多発する国で、地球温暖化・ヒートアイランド現象による気象現象の極端化は豪雨を多発させる可能性を高めており、また、30年以内に70%の確率で首都直下地震が発生すると予測されています。それに加え、中野はそれに伴う洪水・火災の被害が発生しやすい区であります。
また、先週の台風、きのう調布で起きた震度5の地震など、大規模災害がたまたま中野で発生しないだけで、いつ中野を襲うかもわからない蓋然性を持っております。中野の防災力を向上させる必要があります。
それでは、初めに(1)豪雨予測技術を用いた警報システムの構築について伺います。
昨年度、内閣府総合科学技術・イノベーション会議が司令塔機能を発揮して、府省の枠や旧来の分野の枠を超えたマネジメントに主導的な役割を果たすことを通じて、科学技術イノベーションを実現するために、戦略的イノベーション創造プログラム(通称SIP)が創設されました。そのSIPの10個のプロジェクトの一つに、「レジリエントな防災・減災機能の強化(サブタイトル:リアルタイムな災害情報の共有と利活用)」というプロジェクトが立ち上がりました。
このプロジェクトの中で、「豪雨・竜巻予測技術の研究」があり、ゲリラ豪雨に対応するために高性能の気象レーダーで得られた降雨データを分析した水災害予測結果を用いて災害からの避難を促すものです。ちなみに、このゲリラ豪雨のプロジェクトは5年間行いまして、2014年度予算が5.1億円、今年度、15年が予算4.1億円程度で、これまで9億円を投じて避難システムを開発しています。
このプロジェクトでは、その避難システム、防災無線、SNSなどを用いて、住民に事前避難をしていただくという社会実験を行うものです。そして、現在、社会実験を行えるパートナー自治体を探しています。自治体からの予算の持ち出しはなく、水災害の予測情報を区民にお知らせできます。
そこで伺います。中野においては、環七地下調節池が完成し、水災害のリスクは著しく低下してきたものの、豪雨に弱い状況は変わっておりません。そこで、ぜひこのプロジェクトに中野区が参画し、防災力を向上させるというのはいかがでしょうか。中野区は、全国でも先進的な防災能力を持つことになると思われます。答弁を求めます。
続きまして、(2)大規模水災害に備えたタイムライン(防災行動計画)の策定についてです。
2012年10月末に、ハリケーン・サンディがアメリカ・ニューヨーク大都市圏を襲い、高潮災害は「都市機能が高度に集積した先進国の大都市を襲った初めての大規模な災害」であり、アメリカの災害史上2番目に大きな経済損失を与えました。しかし、ハリケーン・サンディへの対応は、アメリカの関係機関が互いに協力し、総力を挙げて実行した結果、大きな減災効果を上げました。その理由として、国土交通省・防災関連学会合同調査団が注目したのは、タイムラインという概念です。タイムラインとは、時間軸に沿った防災行動計画であり、関係機関であらかじめ策定し、緊急時に被害を最小限にとどめる工夫をします。
例えば、先日の台風18号を事例に挙げますと、堤防が決壊する72時間前から関係機関とどのような対応をするかを事前に計画しておきます。48時間前、24時間前、12時間前など、それまで何をしなければならないかと関係機関とあらかじめ決まりごとをつくることで、緊急時に慌てることなく防災・減災活動に専念できます。
国土交通省では、「タイムラインに関心の高い自治体と企業等とともに、課題解決型のタイムラインの策定に向けてリーディング・プロジェクトを首都圏、中部圏で推進する」としています。23区では、千代田区が既にタイムラインを策定しています。
そこでお伺いいたします。アメリカで考案され、防災・減災に大きな効果を与えるタイムラインを中野区の防災計画にも取り入れ、防災力を向上させるというのはいかがでしょうか。答弁を求めます。
続きまして、(3)大和町・弥生町の不燃化特区についてです。
東京都が定めた木密地域不燃化10年プロジェクトで、区内では大和町中央通り沿道地区及び弥生町三丁目周辺地区が不燃化特区の指定を受けております。
避難道路沿道で住宅が建てかえると、その後背地は木造住宅が密集したまま残ってしまう街区も存在します。後背地の家屋が古いまま残れば、建てかえは数十年困難となりまして、火事の発生源・空き家にもなるなど、このプロジェクトの意味も大きく減退し、問題を悪化、長期化させたまま放置されます。
また、大和町・弥生町では現在、地域住民のプロジェクトへの理解が深まり、弥生町では避難道路3路線についてほとんどの権利者から道路拡幅の同意が得られ、用地測量や物件調査に着手していると聞きます。しかし、売買価格や建物補償算定を含む権利者折衝に時間を要しており、遅いところでは補償額等が示されるのは来年度以降になってしまうということです。これでは、売買価格や建物補償額が提示されても、権利者が自分の家の設計、建てかえ、生活再建など、人生の一大決心をするのに残り時間がわずかしかなく、不燃化特区制度の期限があまりにも短かすぎと考えます。
そこで伺います。せっかく地域住民のプロジェクトに対する機運が高まっているにもかからず、後背地との権利調整などが困難となることが想定されます。そうした地区の改善に向け、例えば建物の敷地の共同化に向け、区はそうした補助を行う、また、専門家による相談体制を用意するなど具体的な対策をしていただけないでしょうか。
また、共同化による権利調整などには長い時間が必要となることが想定されますが、東京都が進める木密地域不燃化10年プロジェクトの期間は2013年から2020年と実質8年間であり、10年間ではありません。高まっている機運を消さないためにも、調整が困難となる事情がある場所に関しては特例で事業の延伸を積極的に図っていくべきと考えます。区としても、都に対して積極的に働きかけていただきたいと思います。東京都のパイロット事業であり、今後の防災関連事業の行く末を担う重要なものであり、失敗は許されません。
続きまして、(4)通学路のブロック塀についてです。
来年度より、(仮称)南部防災公園、(仮称)本町五丁目公園が開設され、中野区内における避難施設は確実にふえております。しかし、自宅、勤務先、買い物先などから避難施設までの導線である道路の安全に関しては考慮が不足しています。大きな拠点ができましたが、それをつなぐ線が細いということです。
古い事例になりますが、昭和53年に発生した宮城県沖地震では、ブロック塀の倒壊によって11人の方が亡くなりました。阪神・淡路、東日本大震災においてもブロック塀によるけが人が報告されております。地震の揺れに耐えようとブロック塀につかまったところ、倒壊する例などもあるようです。
各地区の町会・防災会・PTAなど、さまざまな団体が協力し合い、安全対策に努められており、倒壊危険性があるブロック塀等をチェックし、防災マップにブロック塀、頭上トランスなどが掲載されておりますが、ソフト対策に終わっております。震度5以下の地震でブロック塀が倒壊し、けがをさせた場合などは、損害賠償を請求されることもあるそうです。
2005年の建築士による耐震強度構造計算書偽装事件では、「殺人マンション」と揶揄されていました。危険だとわかっていながらそのままブロック塀が残っているのは、これまた「殺人ブロック」であり、この殺人ブロックの放置は区政として不作為と言われかねません。
三鷹市では、緑豊かなうるおいとやすらぎのあるまちづくりのため、生け垣助成の制度を設けており、ブロック塀の高さを下げ、危険性を下げるとともに、四季折々に道行く人たちの目を楽しませる制度をつくっております。
そこで伺います。避難場所は小・中学校を指定している地域が多いこと、また登下校の小・中学生の安全性を高めるため、避難路にもなる小・中学校の通学路に関しては、倒壊危険性が高いブロックを調査して、区として管理者に安全対策を促し、危険なブロック塀の撤去には補助金を出すなどの対応は考えられないでしょうか。答弁をお願いします。
以上でこの項の質問を終わります。
続きまして、2、中野が誇る歴史の検証について入らせていただきます。
ことしの新人議員の中で唯一、中野区立の小・中学校を卒業した私が、社会に出て大好きな中野のまちのことを説明するとき、人情があり温かい、主要駅へのアクセスが便利など、さまざまな点を挙げます。しかし、中野の歴史について問われると、徳川5代将軍、犬公方綱吉公がつくられたお犬屋敷が中野駅北口にあったということを恥ずかしげに説明してきました。私は、この中野の過去を中野の黒歴史、中野の自虐史観と言ってきました。これは生類憐れみの令が悪法であるという国民全体の共通認識に起因します。
しかし、近年、生類憐れみの令は綱吉公の後に江戸幕府で実権を握った新井白石が自分の評価を高くするために悪いうわさを流したという説などもあり、決して悪法ではなかったという解釈も出てきています。平成24年度、扶桑社の中学校の歴史教科書では、「5代将軍綱吉は、武士たちが殺伐とした行動に出ないように、生類憐れみの令を発して、子どもや病人を捨てることを禁じ、犬から虫にいたるまでいっさいの生き物の殺傷を禁じた」、平成28年度の育鵬社では、「綱吉の出した生類憐れみの令は、人々の生活を圧迫しましたが、捨て子の禁止や動物愛護など、生命や自然を尊重するという道徳の定着をもたらすという意義がありました。」とあり、戦国時代から是正されない武士たちのモラルの悪さを直すために、人間を含めた生き物に対する擁護策として生類憐れみの令ができたということです。人権擁護、動物愛護の法律と言ってもいいものでした。その中で、中野にあった犬屋敷というのは、生類憐れみの令にとってシンボリックな施設であると言えます。そして、その事実を強く言える、また言っていかなければならないのは中野区だと思っています。
また、その犬屋敷がなくなった後、8代将軍吉宗が桃の木を植樹し、桃園をつくりました。小学校名にもなっている桃園です。私の出身中学校の九中の校章は桃の花でした。中野と桃には深い関係があります。そして、その桃園は吉宗によって一般開放されました。これは、当時、高い壁に囲まれたプライベートな庭園しかなかった時代に、日本初の一般人も入れるパブリックな庭園を開設したということです。中野区役所、サンプラザ、セントラルパークを含むこのエリアは、犬屋敷、桃園、陸軍中野学校、警察大学校と、その時代とともに変遷しており、中野にはすばらしい歴史があり、これらは中野区民が中野を好きになれる歴史事実であると思います。
そこでお伺いしたいのですが、これら囲町周辺の歴史事実は中野にとって大きな誇り、また観光資源となり得るものでありますので、改めて歴史の検証をしていただき、それら情報の広報や、新しい解釈を加えた看板設置などをしていただけないでしょうか。また、小学校、中学校の授業、例えば小学校3年生で用いられている副読本「わたしたちの中野区」などでその事実を学ぶような授業を取り入れてはいただけないでしょうか。ほかの自治体では、ゆるキャラ、B級グルメなどをつくり、みずからのまちの魅力を引き出すために躍起になっておりますが、中野区は全国的に見て裕福であるためか、積極的ではなく見受けられます。本件に関しては無理やりひねり出すものではなく、中野が本来持つ魅力を素直に引き出すものです。ぜひ御検討していただきたいと思います。以上、答弁を求め、この項目の質問を終わります。
続きまして、3、中野の地球温暖化の実態についてお伺いさせていただきます。
平成27年5月26日、特別区長会などから報告された、オール東京62市区町村共同事業「みどり東京・温暖化防止プロジェクト」温室効果ガス排出量(推計)算定結果において、市区町村別CO2排出量の報告によりますと、中野区のCO2排出量は荒川区に次いで23区中2番目の少なさとなっております。これは農業水産業、建設業、製造業、一般家庭、自動車・鉄道による運輸による消費エネルギーが少ないことが理由に挙げられます。1世帯当たりの自動車の所有台数が日本トップクラスで少ないということも、その数値を後押ししていると思われます。私が試算したところ、一般家庭の1世帯当たりの排出量は23区内で一番少なく、中野区は地球温暖化抑制に対して大きく貢献している区であると言えます。
国土交通省で提案する環境共生型の社会としてエコシティの概念があり、中野区としても中野区環境基本計画で“エコシティなかの”をうたっておりますが、東京というメガシティの中で低炭素を実現している中野区のCO2排出の実態から、「メガエコシティ中野」など、そういったキャッチフレーズで、人口過密都市において先進的な地球温暖化対策をしている中野区の活動をさらに推し進めるべきかと思いますが、いかがでしょうか。
地球温暖化抑止の政策として、現在、中野区ではCO2排出量の削減目標を持っていますが、平成23年度以降、東日本大震災以降、電力のCO2排出係数が大幅に上昇していることから、エネルギー消費量を削減してもCO2排出量はふえ続けることになっています。
私は、CO2排出量ではなく、区民にわかりやすいエネルギー消費量で区全体の削減目標を設定するとともに、各家庭にも、例えば「家庭の電力使用量を1割減らそう」といった形で具体的な目標を設定するなど、区民が参加しやすくすることで、区民を含めたオール中野で地球温暖化と戦っていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
また、その地球温暖化防止に関する区の目標実現に向かって、さまざまな施策を行っていくことになります。区は、その効果が高いものを見きわめるとともに、その費用対効果も十分検証した上で、各施策の目標をしっかりと定め、施策展開を図っていくべきと考えますが、いかがでしょうか。
また、今後、中野のシンボルとなる中野駅周辺の再開発において、新たなエネルギーの活用方法について検討を進めてはいかがでしょうか。我が会派として同様の質問を平成25年第3回定例会で高橋かずちか議員がしておりますが、具体的な方針について言及されておりませんので、再開発事業に関しての具体的な答弁をお願いいたします。
以上でこの項の質問を終わり、私からの一般質問を終了させていただきます。御声援ありがとうございました。
〔区長田中大輔登壇〕
○区長(田中大輔) 加藤議員の御質問にお答えいたします。
防災体制に関連して、ゲリラ豪雨発生予測研究への参画についてであります。いわゆるゲリラ豪雨は、事前の予測が難しく、短時間で水害が発生することから、ゲリラ豪雨の発生及び水災害の予測に関する研究は中野区にとって有益なことと考えております。御提案のあった研究について、参画を視野に入れて手続や研究内容の詳細などについて検討を行ってまいりたいと思います。
それから、台風などの風水害に対するタイムラインの導入についてであります。タイムラインは、国、地方公共団体、防災関係団体、地域住民などが時間軸に沿って連携して行動することで、水災害の被害を軽減する方策であると理解をしております。現在の災害対応を振り返りながら、タイムラインの作成に向けて検討してみたいと考えております。
それから、大和町・弥生町の不燃化特区に関連しての御質問です。避難道路後背地における木密地域の改善について、避難道路の後背地において建てかえが進まず、改善が必要な街区等の解消は防災まちづくりを進める上で重要な課題として認識をしております。区では、不燃化特区内の支援策として相談ステーションの設置や専門家の派遣を行うとともに、弥生町ではUR都市機構と共同による代替地の活用や地区の改善に向けた勉強会を行うこととしております。大和町では、大和町中央通り沿道だけでなく、今後、地域全体の面的なまちづくりを予定しており、その中で御指摘のような取り組みを進めてまいりたいと考えております。
不燃化特区事業の延伸についてであります。不燃化特区制度は、首都直下型地震の切迫性に伴い、期限を定め、集中的に災害に強いまちづくりを推進しようとするものであり、現段階ではあくまでも定めた目標に向け、事業の推進を図る考えであります。しかしながら、今後、事業の進捗状況において必要が生じた場合には、防災まちづくりが着実に継続できるよう東京都に対してこの事業の延伸等を要望していくことも必要となる場合があると考えております。
通学路のブロック塀対策についてであります。区は、建築指導や道路管理の一環として、危険なブロック塀等については調査を行い、所有者等に対して安全対策を講じるよう指導を行っているところであります。危険な塀の除却等につきましては、本来所有者等の責任において対応すべきことであり、特に安全基準外のブロック塀の指導をより強化していく考えであります。
それから、中野の歴史の検証について、中野が誇る歴史の検証と発信についてであります。観光振興は、地域の個性や持ち味を伸ばし、魅力づくりを行うプロセスが重要であります。歴史文化の地域資源を活用し、魅力の発掘や創造、情報発信を行うことを目的として、本年度、区は哲学堂公園及び野方配水塔周辺の刊行物編集を行っているところでもあります。このような取り組みを通じて、区内外に地域資源をPRすることで、中野区民の区に対する誇りへとつながることにもなると考えております。
中野の地域資源の発掘、発信事業である中野区認定観光資源の中には、中野の犬屋敷をはじめ、歴史の由来を持つものも多く、所有者の承諾を得られたものについては表示を掲げ、PRに努めているところであります。綱吉と犬屋敷や、吉宗と桃園といった歴史については、中野の貴重な地域資源であると認識をしております。今後、これらの歴史を検証し、都市観光ホームページでのPRなどでの情報発信の強化について検討していきたいと考えております。
中野の地球温暖化の実態について、中野区のCO2排出と地球温暖化対策の推進についてであります。中野区のCO2排出量は、23区中、荒川区に次いで2番目に少なく、また、家庭からのCO2排出量を1世帯当たりで見ますと23区中一番少ない、こういう結果になります。こうした結果は、区の実施する地球温暖化対策による区民の省エネ、節電意識の向上も一因になっていると考えておりますが、中野区は人口に比較して世帯数が多いため、世帯当たりの排出量が低くなる傾向があること等、さまざまな要因が考えられるところだと考えております。
今後、区民の電力不足への切迫感が薄まることも予測をされます。区民、事業者の地球温暖化防止に関する意識をさらに向上させていく必要があり、地球温暖化対策をさらに推進していくとともに、キャッチフレーズ等による意識啓発についても検討してまいりたいと考えております。
私からは以上です。
〔教育長田辺裕子登壇〕
○教育長(田辺裕子) 中野が誇る歴史の検証につきまして、小・中学校で中野の持つ歴史を学ぶような授業をという御質問でした。地域の歴史的事象に関する学習については、小学校、中学校の社会科で扱うこととなってございますが、総合的な学習の時間で扱うことも考えられます。中野区に関連する歴史的事象や伝統文化などについての学習についても、これらの授業を活用して行っていく考えです。指導する教員が活用できる資料などを整備していきたいと考えてございます。
〔環境部長戸辺眞登壇〕
○環境部長(戸辺眞) 私からは、地球温暖化の実態について、エネルギー消費量を削減目標に設定してはどうかという御質問に対してお答えします。御質問でもございました、区では温暖化防止のためにCO2の排出削減の目標を掲げ、施策を進めてきたところでございます。
しかしながら、平成23年3月の東日本大震災、原子力発電所の事故以来、電気のCO2排出量係数が大きく増大するということで、区民や事業者が節電を行っても結果としてCO2排出量がかえってふえてしまうなど、その努力が見えにくい状況となっているものでございます。
こうしたことから、今後の区全体の削減目標については、CO2排出量に加え、区民にとってわかりやすいエネルギー消費量による目標設定を検討しているところでございます。また、区民がより参加しやすい行動目標などについても検討してまいりたいと考えてございます。
次に、効果的な地球温暖化施策の展開についてでございます。区では現在、中野区基本構想及び新しい中野をつくる10か年計画の改定作業と並行いたしまして、個別計画でございます中野区環境基本計画の改定作業も行っているところでございます。その改定作業の中で、それぞれの施策の実績を十分検証し、より効果的な施策を効率的に推進していく考えでございます。
〔都市政策推進室長長田久雄登壇〕
○都市政策推進室長(長田久雄) 中野の地球温暖化の実態に関する御質問のうち、中野駅周辺の再開発におけるエネルギーの活用方法についてお答え申し上げます。区役所・サンプラザ地区再整備基本構想では、エネルギー利用の効率化を整備方針の一つに掲げており、再生可能エネルギー利用やエネルギーの面的利用などの取り組みについて検討を進めているところでございます。
また、新しい区役所整備基本方針では、環境に配慮した区役所として再生可能エネルギーの有効利用、高効率な設備機器の積極的な採用などを盛り込み、こちらについても検討を進めているところでございます。将来的に、新区役所や区役所・サンプラザ地区を中心としたエネルギーのネットワークを構築し、低酸素まちづくりの推進とともに、災害時にもエネルギーが供給され、業務継続を可能とする災害時業務継続地区の形成を検討していく考えでございます。
○議長(北原ともあき) 以上で加藤たくま議員の質問は終わります。