続きまして、(3)大和町・弥生町の不燃化特区についてです。
東京都が定めた木密地域不燃化10年プロジェクトで、区内では大和町中央通り沿道地区及び弥生町三丁目周辺地区が不燃化特区の指定を受けております。
避難道路沿道で住宅が建てかえると、その後背地は木造住宅が密集したまま残ってしまう街区も存在します。後背地の家屋が古いまま残れば、建てかえは数十年困難となりまして、火事の発生源・空き家にもなるなど、このプロジェクトの意味も大きく減退し、問題を悪化、長期化させたまま放置されます。
また、大和町・弥生町では現在、地域住民のプロジェクトへの理解が深まり、弥生町では避難道路3路線についてほとんどの権利者から道路拡幅の同意が得られ、用地測量や物件調査に着手していると聞きます。しかし、売買価格や建物補償算定を含む権利者折衝に時間を要しており、遅いところでは補償額等が示されるのは来年度以降になってしまうということです。これでは、売買価格や建物補償額が提示されても、権利者が自分の家の設計、建てかえ、生活再建など、人生の一大決心をするのに残り時間がわずかしかなく、不燃化特区制度の期限があまりにも短かすぎと考えます。
そこで伺います。せっかく地域住民のプロジェクトに対する機運が高まっているにもかからず、後背地との権利調整などが困難となることが想定されます。そうした地区の改善に向け、例えば建物の敷地の共同化に向け、区はそうした補助を行う、また、専門家による相談体制を用意するなど具体的な対策をしていただけないでしょうか。
また、共同化による権利調整などには長い時間が必要となることが想定されますが、東京都が進める木密地域不燃化10年プロジェクトの期間は2013年から2020年と実質8年間であり、10年間ではありません。高まっている機運を消さないためにも、調整が困難となる事情がある場所に関しては特例で事業の延伸を積極的に図っていくべきと考えます。区としても、都に対して積極的に働きかけていただきたいと思います。東京都のパイロット事業であり、今後の防災関連事業の行く末を担う重要なものであり、失敗は許されません。
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