平成28年中野区議会(第3回定例会)決算特別委員会総括質疑

平成28年中野区議会(第3回定例会)決算特別委員会総括質疑

3.樹木の維持管理の考え方について

○加藤委員 すみません、また語り口になってしまうんですが、3、樹木の維持管理の考え方について。
ノスタルジーについて、最初語らせていただきます。東中野駅付近の桜の木の伐採について、地元住民から様々な訴えがありますが、それは住民にとって急な伐採計画に感じたためです。危険性の排除をするために伐採はいたし方ないものでありますが、そのプロセス、考え方自体に問題はないですが、地元住民たちのノスタルジーに対する配慮が足りなかったのかなと思っております。また、樹木の伐採には物理的な危険性の配慮のほか、暗がりで防犯上危険性がある場所、そして、よりよい再開発のためにも伐採は必要な行為ともなりますが、まちの急な変化は住民にとって戸惑いを与えます。
昔、歌舞伎町の旧コマ劇場の西側に新宿シネマシティ広場、噴水が昔ありまして、名前も「噴水広場」と名づけられていました。しかし、飲み屋が多い土地柄で、酔っぱらいがトイレがわりに使ってしまうということで、悪臭騒ぎがよくあった。特に早明戦とか早慶戦とか、そういったスポーツのイベントがあるたびに大学生が飛び込んで、悪臭を振りまきながら周辺の店に入ったり電車に乗ったりと迷惑をかけていたのは、一昔前の道頓堀と同じ状態でした。そんなこともあり多くの反対もありながら、この思い出、ノスタルジーの固まりの噴水は昭和61年に取り壊されました。ちなみにこの取り壊しの経緯ですが、2年前ぐらいにプライベートで新宿区役所のホームページから問い合わせたら、翌日回答があって、昭和61年に取り壊されたという新宿区のレスポンスのすごさをあわせて申し上げます。
話を戻しまして、噴水を昭和61年に取り壊したにもかかわらず、私の周りとかに聞くと、噴水なんかあったっけとか、まだ噴水、あるんじゃないのみたいな、そんな話もあってということで、当時取り壊しにすごい反対があったとしても、それは一時的な感情であって、ノスタルジーとはそんなものとも言えます。時間がたてば風化してしまうものです。しかし、ノスタルジーが思い宿るものに対して簡単に排除しますという場合は、その反対の感情が出てくるのは当たり前です。ちょっとすみません、長いんですけど。では、ノスタルジー物件を残すべきなのかといった場合は、そうではないと思います。世界最古の木造建築である法隆寺は維持管理費が高くなっているのか、拝観料が、他の寺院が500円ぐらいのところ、昨年から1,500円と3倍の値段。このノスタルジー物件を残すための維持管理費はすごく高いということになっています。多額なお金を使ってまで維持するというのが、どれだけばかばかしいかということにもなりかねないということを言いたいわけです。
では、ノスタルジーをどう抑え込むかということなんですが、私の中野区における実体験をちょっとまた述べさせていただきたいと思います。母校であった仲町小学校、九中は、学校再編に伴い、なくなってしまいましたけれども、当時区政で何が行われていたか、区議会議員になる前の私は全く疎かったんですが、なくなる二、三前からにわかになくなるなみたいなことがあったというのは記憶しています。卒業後、ふだん全く行くことがなく、それこそ選挙のときぐらいしかその学校に行くことはなかったんですが、全然行っていないにもかかわらずノスタルジーを感じ、小学校、中学校がなくなってほしくないなと思っていました。じゃあ、最後、何か思い出をつくろうと思ったところ、仲町小学校で昭和63年に開校50周年記念で、私、タイムカプセルを保存して、50年後の100周年であけようと言っていたんですけど、結局学校がなくなるということで21年後にあけるイベントが行われました。タイムカプセルに保存していたのは、「50年後の私へ」というタイトルで、みんなと読みながらノスタルジーを感じながら、なくなっちゃうんだなというのをみんなで気持ちを共有して、ノスタルジーという気分は成仏したように感じました。また、九中においても大同窓会というので、私、副実行委員長だったんですけど、800人ぐらい集まって大盛況で、みんなで別れを惜しみました。
やっと話は戻りますが、樹木の伐採というのは、日々その道を通る人にとって、毎日通る街並みの景色が変わるということで、急に変わることには違和感があります。防災上の危険性を除去することは、区が保持しなければならない安全性の観点からいたし方ないことですが、あらかじめ小・中学校がなくなるといったように説明があれば、また違ったのではないかなと。この木を切らないといけないけども、樹木診断によって直ちに伐採しなければならないという判定があったり、樹齢は45年でこの木の種類の寿命は50年だから、あと5年以内に切らなければならないといった理由があれば、そのスケジュール感が示されれば、切られてもしようがないなというふうになると思います。そのためには中長期的な樹木の維持管理計画を立てる必要があると思います。中長期的な維持管理については樹木に限ったことではありませんけれども、今回は樹木に関してのみ、その考え方やルールについて御質問させていただきます。
木が倒れたりしないように、従前の対策としてのリスクマネジメント、木が倒れてしまった後のクライシスマネジメントの観点に分けて、やっと質問いたします。リスクマネジメントの観点から、木を伐採するということになった場合、一般的なプロセスをお教えいただけますでしょうか。
○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 街路樹や公園の樹木については、定期的に巡回しまして目視による点検を行っております。その際、倒木のおそれがあると判断した場合には、緊急の場合は除きまして、1週間程度張り紙等による周知の後に伐採作業を行っております。
○加藤委員 結局ノスタルジーは、僕はもうちゃんと処理してもらえれば切っていいという観点に立っているので、そういった意味で。でも、今のやり方ですと、ノスタルジーに対しての配慮が足りないのではないかということで、やはり短期的ではなく中長期的な計画を立てていただければと思うところです。
まず、区の樹木の管理状況について伺いたいと思います。区が管理、関与する樹木は、大きく分けて道路・公園担当が管理している街路樹など、あと、学校や活動センターなどの区有の施設、敷地内にある樹木、あと、民地にあります保護樹木・保護樹林の3種類があると認識していますが、いかがでしょうか。
○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 委員御指摘のとおりでございます。
○加藤委員 三つのそれぞれのカテゴリーで、それぞれ何本管理されていますでしょうか。
○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) まず1番目に、公園の樹木、道路の街路樹でございますが、ともにおおむね高さ3メートル以上の樹木につきまして申し上げますと、公園では9,916本、道路の街路樹では1,371本、合計で1万1,287本でございます。なお、この中には江古田の森公園や哲学堂公園の自然樹林部分は、無調査のため含まれてございません。2番目の、区の各施設の敷地内にある樹木につきましては、それぞれの所管で管理してございますので、全体一括しての把握はしてございません。
○鳥井環境部副参事(地球温暖化対策担当) 3点目のお尋ねでございます。保護樹木等の指定状況でございますが、現時点で保護樹木は308本、保護樹林につきましては31カ所を指定してございます。
○若林委員長 加藤委員の質疑の途中ですが、ここで休憩にしたいと思います。3時20分まで委員会を休憩します。
午後3時00分休憩

午後3時20分開議
○若林委員長 委員会を再開します。
休憩前に引き続き総括質疑を行います。
加藤委員、質疑をどうぞ。
○加藤委員 先ほど区が管理する木が3種類、管理・関与する木が、三つのカテゴリーがあって何本あるかというところで終わっております。
続きまして、名古屋市の事例について。NHKのニュースで取り上げられていましたが、国交省の2012年の調査で、日本全国に街路樹は675万本あり、街路樹が盛んに植えられたのは高度成長期ということです。道路整備に伴い、排気ガスなどに対する環境対策や景観の美化、そして、火災のときに延焼を食いとめる防災などが目的で植えられました。現在においては、地球温暖化に伴う気候変動を抑制するためという理由も加わっていると思います。調査によると、種別本数で1位はイチョウ、2位がソメイヨシノなどの桜、3位はケヤキで、専門家によるとそれぞれの寿命は数百年、70年、150年と言われております。しかし、植えられてからまだ40年から50年ぐらいにもかかわらず、各地で街路樹が倒れるなどの事故が発生しているということです。樹木が道路や排水溝などに囲まれて自由に根を張れない。それで、十分な栄養を吸い上げることができないこと。あと、歩行者が根を踏んだり、自転車で幹に立てかけたりすることで表面が傷つくことにより、そこからキノコなどの菌が寄生して根や幹を腐らせるということです。理想の成育環境とは言えない中で、木の老朽化が進んでいるということです。
名古屋市では10万本以上の街路樹を管理しており、治療などを含めて1本1本対応を行って来ましたが、コストがかかる上、倒木のリスクを完全になくすことはできないため、昨年、街路樹再生指針を打ち出して、アオギリなど高度成長期に植えられた木の多くを伐採して、かわりにハナミズキなどコンパクトな木を植えることにしました。ハナミズキは、制約された環境でも根をしっかりと張り、菌への耐性も比較的強いということから、倒木のリスクが少ないと言われております。アオギリなどの成長の早い木は毎日剪定が必要で、1本当たり年間およそ2万円の維持管理費がかかるのに対して、ハナミズキの植えかえは1本20万円で、イニシャルコストはかかりますけれども、成長が遅いため剪定するのは10年ほどに1回でいいということで、長期的にはコストが抑えられということです。
それでは、区が直轄管理している、道路・公園担当が管理している中野区の樹木1本当たりの年間維持費は幾らぐらいでしょうか。
○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 剪定や病虫害の防除等の維持管理のため、1本当たり年間で約1万4,000円の経費を用意しております。
○加藤委員 10年に1回剪定するということで、先ほど言った事例だと10年に1回2万円ということになると、2,000円ぐらい、木の種類によるとは思うんですけど、そのぐらい抑えられる可能性が木の種類によってはあるということです。やり方次第では、樹木管理のコストは今よりもさらに下げることができるのではないかということです。名古屋市の事例は、防災コスト面もすばらしい先進事例だと思います。今の名古屋の事例や、私が求める、事前に切るということを告知するためにも、樹木の中長期の維持管理のために樹木1本1本の樹木台帳が必要だと思うんですが、区はそのようなリストを持っていますでしょうか。
○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 現時点では、御質問のような樹木台帳に当たる資料は作成しておりません。
○加藤委員 もし台帳を今後作成されるのであれば、樹木の種類、樹齢、樹高、簡易的及び詳細な樹木診断などの経年変化をその台帳に載せられればと思います。予算も限られているので、台帳をつくって、その空欄を直ちに埋めるというのはなかなか現実的ではないですし、台帳をつくって埋めたからといって、すぐ計画ができるとも思っていません。しかし、これから新しく植樹したり、定期的な剪定をする際には、簡易的な樹木診断結果などを記していけば、数十年後にどれを伐採すべきかなどといったことがわかってきまして、いつまでにこの木を切るからということで、逆算してその計画を立てることができると思われます。そして、特に桜の木など、住民にとって思い入れが強い樹木に関しては、樹木診断を定期的に行うべきで、そのデータベースとして台帳が必要になってくると思います。この台帳作成というのは、要するに木を切る根拠をつくるというものであります。区にとって不利益なものにならないと思いますが、今後そういった台帳を作成されるおつもりはありますでしょうか。
○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 御提案の樹木台帳のような資料は、維持管理を適正に行う上で意味があると考えますので、今後作成していきたいと存じます。
○加藤委員 かなりポジティブな御回答、ありがとうございます。
最近様々なセンサーが開発されておりまして、RGBカメラとか、何の植物であるか分類が可能なカメラと、あとドローンを組み合わせることによって、その植物が何かというのをドローンで空撮することによってできるぐらいの技術が実際にできております。樹木の健康状態に関しても、あるセンサーによっては今後そういったものもできる可能性もあります。緑の実態調査や、それら新しいモニタリング技術と台帳、それらいろいろと連携することによって、リスクマネジメントの高度化をしていただけると思います。できれば道路・公園担当で管理するだけじゃなくて、いろんな、先ほど言った三つのカテゴリー、道路・公園と区有施設、保護樹林・保護樹木、全てを統合した台帳にしていただければと思います。
それでは、クライシスマネジメントの観点から御質問させていただきます。木が倒れてしまったときの対応です。例えば、強風や地震により木が倒れたとき、基本的にどのような対処方法をとられるのでしょうか。まずは区が直轄管理する樹木で、保護樹林以外のものをお答えいただければと思います。
○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) まず、警察等関係機関に連絡の上、至急交通の安全確保に努め、区職員または委託業者によりまして、周囲の安全を確保しつつ撤去作業を実施することになります。
○加藤委員 それでは、所有者、管理者の敷地内で保護樹木が倒れた場合、どのように対応されるのでしょうか。木が倒れる際に、全く周りの家とかほかの木を傷つけない場合とか、逆に所有者の家に倒れ込んでしまった場合などにおいて、費用等を含めてお答えいただければと思います。
○鳥井環境部副参事(地球温暖化対策担当) お尋ねの事例につきましては、御自分の木が御自分の家に倒れ込んだということでございますので、通常どおりその保護樹木等の所有者の方が、その復旧ですとか、また、必要があれば家屋の修繕といった対応を行っていただくことになります。その費用につきましては所有者の方の御負担となります。
○加藤委員 区としては、全く出すことはないということでよろしいでしょうか。再確認。
○鳥井環境部副参事(地球温暖化対策担当) 維持管理につきましては、基本的には保護樹木等の所有者の方が行っていただくということでございます。なお、所有者の方の請求によりまして、保護樹木等につきましては維持管理に係る助成金を一部お支払いしてございますので、それが使えると、維持管理に当たるというような場合であれば、それを一部お使いいただくということは可能かというふうに思ってございます。
○加藤委員 それでは、保護樹木・保護樹林が倒れて、道路を封鎖してしまった場合というのはどうなんでしょうか。例えば台風とかが来て、所有者が家に滞在しているときでも、倒れている状況に対して戸惑って、誰にどう連絡をとればいいかわからないという状況もあると思いますし、海外旅行などでどこかへ行ってしまって、所有者自体がいなければ、その倒れた木はどうすればいいのか。道路の復旧はどうされていくのか。その辺も費用を含めてお答えいただければと思います。
○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 倒木によりまして交通障害が発生した場合、緊急に対応する必要があるため、所有者等が御不在の場合も含め、区として早急に交通障害の除去及び安全の確保を図る必要があるものと考えます。なお、撤去に要する費用につきましては、所有者の御負担ということになります。
○加藤委員 それでは、保護樹林・保護樹木が、民家、隣の家とかに倒れ込んでしまった場合はどのようになりますでしょうか。
○鳥井環境部副参事(地球温暖化対策担当) 保護樹木等が隣家へ倒木した場合の対応ということでございますが、基本的にはその保護樹木の所有者の方が撤去等の対応を行っていただくことになります。その費用につきましては、所有者、管理者の負担となるというものでございます。なお、こうした場合に、隣家の、例えば家屋等に損害を与えるということがあり得るわけでございますが、こういった場合、保護樹木の所有者の方が損害賠償責任を負うことがございます。ただし、こういった家屋等の損壊というような損害賠償責任につきましては、特別区自治体総合賠償責任保険、この対象となりますので、その損害賠償金につきましては保険から補?されることになると考えてございます。
○加藤委員 ありがとうございました。
最後に、国連が、中野区のほうでもよく言いますけど、サステーナブルという言葉がありますが、国連が持つ最終目標というのは、サステーナブルディベロップメント(持続可能な開発)、その頭文字をとってSDGsと。2030年までに持続可能な社会を開発していくということですが、この樹木管理におきましては、一定量の樹木が常にあるということがある程度求められると思います。高度成長期に建設された道路、上下水道の維持管理が昨今困難になってきているということで、樹木も昭和44年ぐらいから多く植えられたということで、そろそろそういった更新時期に入ってくると思います。個体差はあると思いますけど、例えばこういった部屋の蛍光灯のように、1本切れ始めるとほとんど全部切れてしまうというふうに、寿命が大体一緒だったりするわけです。そういうことも考えないといけないということで、植えた木が一気にだめになる可能性もあります。そうならないように、樹齢50年の樹木群とかであれば、10年に1回、5分の1ずつ植えかえるとか。そうすれば、常に木があるような状態を維持できるんじゃないかと思います。また、そんな木があるかわからないですが、LED的なすごく長持ちするような樹木を植えるというようなこともあると思います。
最後の質問としまして、今後、区としてどのような樹木管理を考えておられるのかお教えいただければと思います。
○高橋都市基盤部副参事(道路・公園管理担当) 樹木の寿命は樹齢により定まるというよりも、その生育場所や環境により異なってくるということも踏まえまして、そうした生育場所や環境に応じた手入れを日ごろから行っていくとともに、御提案のような取り組みを含め、検討の上、樹木の適正な管理に努めたいというふうに考えます。
○加藤委員 ありがとうございました。
持続可能な樹木管理になることを望みまして、私の総括質疑を終えます。ありがとうございました。
○若林委員長 以上で加藤たくま委員の質疑を終了します。