ここで、国のゲリラ豪雨対策の歴史を簡単に説明させていただきます。2008年7月28日に兵庫県神戸市灘区の都賀川で発生した5人が亡くなるというゲリラ豪雨による水害事故を受けて、このフリップに出しますレーダー、左のものができました。右のほうが5年前の最新技術のレーダーで、一つのメッシュが1キロサイズで、この情報が更新されるまで5分から10分かかっておりましたが、5年前、その事故を受けて開発されたXバンドMPレーダーというものは、1個の解像度が、メッシュサイズが250メートル掛ける250メートル。1分前の降雨の情報が見られるようになりました。この技術を使うことによりまして、リアルタイムな豪雨の状況がわかるようになりました。そして、その豪雨情報はホームページやスマホアプリで今、誰でも見られるようになっております。

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現在公開中の豪雨監視技術(国総研資料に加藤加筆)

この研究から5年程度たった現在、このリアルタイムなゲリラ豪雨の情報と気象学的な予測指標をあわせることで、60分後のゲリラ豪雨の予測をすることができるようになりました。そして、この60分後までのゲリラ豪雨の情報を使って、浸水予測1時間後までのができるようになりまして、中野区内で危険な箇所がどこになるかというのが表示されるようになりました。

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浸水予測システム(仮)(国総研資料より)

こういったゲリラ豪雨の情報を用いた河川、下水道の氾濫モデルは世界初のものです。そして、この当該研究の担当所管である国土交通省の国土技術政策総合研究所は来年度にこの情報を一般公開する。ホームページで見られるようにするということです。大体、イメージとしましては、このように20分前の情報から現在情報、そして1時間後の浸水情報が見られるようになってきました。この情報を使うことによりまして、中野区役所職員及び区民の方々がどのように防災・減災、避難行動のためにどう利用するかを社会実験するというのがこのプロジェクトの内容になります。

豪雨予報システムプロトタイプと社会実験予定(国総研資料より)
豪雨予報システムプロトタイプと社会実験予定(国総研資料より)

これによりまして、ゲリラ豪雨という言葉の定義は、小部隊による奇襲などで敵を混乱させる戦法、またはその部隊や戦闘員のことをいいますということです。つまり、いつ、どこにあらわれるかわからないというものをあらわしますが、60分後にゲリラ豪雨がどこで発生するか、どういう被害が起こるかということがわかるということによりまして、もはやゲリラではなくなるということです。つまり、ゲリラ豪雨をゲリラ豪雨ではないただの豪雨にしてしまうというすばらしいシステムです。このプロジェクトによって、中野区からゲリラ豪雨をなくします。しかし、その情報を上手に伝えなければなりません。

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