民進党ビラの間違いを正す!

作図と考察が全くもっておかしい民進党のビラ。

自分が自民党であるというよりは、一人の研究者・技術者として、データが誤った方向で解釈されるのは到底看過できないため、自分なりにデータの再検証と再考察を行った。

データの前ではあくまで平等に、時の政権の評価をするのは私のスタイル。

結論:定年退職に伴う非正規雇用の再就職に関して全く考慮がなされていない。

市場にお金が出回っていないようだが、貯蓄している家庭が多いため、家計が苦しくなっているという表現はおかしい。

参考資料:民進党・24参・届出ビラ第2号
参考資料:民進党・24参・届出ビラ第2号

毎年のデータがありそうなはずなのに約10年間隔のデータ。

この厚生労働省のデータはオープンされていないため、総務省統計局のデータで労働力調査 長期時系列データ(https://www.stat.go.jp/data/roudou/longtime/03roudou.htm)を使用した。

厚生労働省と総務省では雇用に関する定義が異なるため全く同じ数字とはならないが、毎年のデータを用いて、雇用の実態の傾向を調べる。

[表10【年平均結果―全国】年齢階級,雇用形態別雇用者数(エクセル:163KB)(正規の職員・従業員,非正規の職員・従業員(パート・アルバイト,派遣社員など)) (2002年~)]

図1 正規・非正規の職員・従業員の割合(著者作成)
図1 正規・非正規の職員・従業員の割合(著者作成)

 

いわゆる民主党政権時代は2009~2012年を示すわけだが、非正規の比率は上昇傾向にあることがわかる。

おそらく10年間隔程度の時系列を示すことでその時代の評価から免れようとしていることが見て取れる。

自民党、民主党時代関係なく増加傾向が続いているわけである。小泉内閣の2003年の改正労働者派遣法によって、増加傾向になっていると考えられる。雇用について訴えてきた正規雇用増加という観点では民主党時代は何も手が打てなかったということである。

後述するが、むしろ非正規の増加を促す法案を通している。

図2 正規・非正規の職員・従業員の実数(著者作成)
図2 正規・非正規の職員・従業員の実数(著者作成)

比率でみると実態がわからないので実数でみる。

正規の職員・従業員の数の減少が認められるが、それよりも非正規の職員・従業員の伸びが大きいことがわかる。

人口が減少時代において、労働者の増加は労働環境が整備されていることを意味しており、失業率の低下も関連する。

非正規の職員・従業員の増加は何よりも定年した方の非正規による再雇用者が原因と考えられる。

図3 職員・従業員全体に対する各世代の非正規の職員・従業員の比率(著者作成)
図3 職員・従業員全体に対する各世代の非正規の職員・従業員の比率(著者作成)

 

データが10歳刻みのため60~64歳の内訳はわからないが、ビラと同じ2003年と2014年で比較すると、65歳以上が3.05%増加、55~64歳が2.53増加し、ビラで示されている34.6→40.5%の5.9%増加の主要因であるといえる。

つまりこれは定年後に再就職している方が多いと推測することができる。

2012年8月には「高齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律」が可決され、ほとんどの企業は定年後に非正規での再雇用をすることになり、高齢者の非正規の比率が高まることと概ね合致する。

また法律は民主党政権時代に可決されたものであり、法律のおかげでみんな働けるようになっていることを民進党は自画自賛する方が筋だと考える。

民主党時代の政策はよいものであったと私は思うが、このビラは全くそのあたりが考慮されておらず、現政権批判ためだけに作られている。

参考:東洋経済ONLINE(https://toyokeizai.net/articles/-/91718

次に実質賃金である。

参考資料:民進党・24参・届出ビラ第2号
参考資料:民進党・24参・届出ビラ第2号

感覚として周りに給料が5%ほど下がった人はおりますでしょうか?
実は実質賃金についても前述の非正規雇用で説明ができる。
この統計は給料をもらっている人が対象であり、年金受給者は統計に入らない。
通常、再雇用となると定年時にもらっていた給与の半分程度まで低下するケースが多い。
そういう世帯が増加すれば、おのずと全国・全年齢で平均される実質賃金が減ってしまうことは自明である。

もしこの数字だけでものを語り対策をとるのであれば、賃金をもらわない状況、つまり再雇用しなければ、統計上のサンプルにならないため、このような低下はありえない。
年金受給開始の問題がもちろんある上に、まだ働きたいという高齢者の方々の気持ちをないがしろにすることとなる。

つまりこの数字の低下は受給開始年齢の引き上げが完了する2025年まで続く可能性があるのである。
(ちなみにデータから公平に判断する私としては、ビラにおいて、この2010年より前に遡ったデータを含めれば、見せ方としてよかったのにもったいないという考察を付け加える。)

次に家計消費。

参考資料:民進党・24参・届出ビラ第2号
参考資料:民進党・24参・届出ビラ第2号

確かに大きく少なくなっているが、「家計がもっと苦しくなる」という考察は間違っている。

図4 日本の家計資産残高(Garbagenews:https://www.garbagenews.net/archives/2067203.html、データは日本銀行)
図4 日本の家計資産残高(Garbagenews:https://www.garbagenews.net/archives/2067203.html、データは日本銀行)

これは日本の家計に関する資産の合計を示しているものである。
増減はあるものの堅調に資産額が増えていることがわかる。
とくに現金・預金は5年間で60兆円程度増加している。
デフレマインドが強く、消費行動に結びつかず、資産をため込んでいることが伺える。

つまり消費は落ち込んでいるが、家計がもっと苦しくなるという結論にはならないということである。
もしデータを間違った理解で読み取らせるのであれば恣意的であるし、データが読み取れないのであれば、政策を語る資格がない。

研究者として、再考察させていただきました。

以上

マイナンバーカードと免許証の保有率の関係

日本初の無料で作れる身分証明書であるマイナンバーカードの機能を喜んでいる人たちがいるのでないか。

個人情報漏えいなど不安材料もあるが一定の支持があることが伺える。

一般質問でマイナンバーカードを取り上げ、役所の方々から情報収集していたら、マイナンバーカードの申請者で、一番少ないのは40歳代、そして圧倒的に70歳代が多く、20歳代の申請も多いという話をいただいた。

具体的な数字を出すには困難ということである。

ふと思いついたのが身分証明書としての機能を求めてのことだと思った。一般的に身分証明書として使っている免許証を持っていない世代が、マイナンバーカードを申請しているのではないかという仮説である。

そこで世代別の免許証の保有率について、調べた。

<データ出典:国土交通白書平成24年度版 第3節 動き方の変化(2)自動車利用の動向>

https://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/h24/hakusho/h25/html/n1232000.html

 

表1 年齢階級別運転免許保有率の推移(全国)

表2 年齢階級別運転免許保有率の推移(東京都)

 

上記のデータを元に全国と東京の比較したのが図1である。

車がなくても生きられる東京においては予想通り全国と比較して率がどの世代においても低い。

40歳代が非常に高いことがわかる。そして、70歳代が非常に低く、20歳代も低く、マイナンバーカードの申請と逆相関であることが分かる。つまり世代によっては、日本初の無料で作れる身分証明書であるマイナンバーカードの機能を喜んでいる人たちがいるのでないかということである。

個人情報漏えいなど不安材料もあるが一定の支持があることが伺える。

図1 年齢階級別運転免許保有率

図1 年齢階級別運転免許保有率

ところで最近の若い世代は運転免許を取らないなどというが実際はどうなのか調べた。図2・3から20歳代の免許取得率が最近、減少傾向にあることがわかる。図4は生まれた時代別に20歳代、30歳代など、それぞれの時期での免許保有率を表している。結論としては1960年代いわゆるバブル世代の取得率が高いということである。

持っているのが当たり前の時代であったのはひと昔。景気によって免許保有率も変わるということである。免許を取得しないまま、人生を終えるということになりかねない。若年層の人口が少ないうえに、免許の取得もなされていないとなれば、自動車産業は海外に向いていかなくてはならないのも頷ける。

バブルを知らない世代は、バブルとは何だったのかも考えないといけないかもしれないが。

図2 年齢階級別免許保有率の推移(全国)

図2 年齢階級別免許保有率の推移(全国)

図3 年齢階級別免許保有率の推移(東京)

図3 年齢階級別免許保有率の推移(東京)

図4 生年別免許保有率の推移(東京)

図4 生年別免許保有率の推移(東京)